遊戯王GX 決闘モンスターリリカルなのは   作:あかない

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ついにここまで来ました。精霊世界編後半。まだ四期のストーリーを構成してないからハッキリ分からないですけど、あと三十話ぐらいで終わるんじゃないかな?
夏休み前に終わらせたいと思いますが多分この台詞がフラグになるだろうなぁ・・・・。

様々な名シーンがある(迷ではない)第三期後半。色々と書きたいシーンもありますがいつもと同じようにオリジナル展開で進んでいきます。


追記
闇の書の闇の相手の墓地の通常魔法を使う効果を少し変更しました。
今まで相手の墓地の通常魔法をこのカードの効果として使える、でしたがそれだとコストが必要になってくるので、ダイヤモンドガイと同じく通常魔法カードの効果を発動できる、にしました。



第五十六話

体が酷く重い。まるで全身に重りを付けている様で、特に手足と瞼に関しては1tの重りが乗っているのでは無いかと思った。勿論そんな訳は無く、手に動けと命令を送るとちゃんと動く。

やけに良い匂いの場所で、パン屋の甘い匂いが鼻孔を擽る。ボーとする頭をフルに回転させ、今度は瞼を開く様に命令する。体はよほど睡眠を欲しているのか、中々瞼を開ける事は出来なかったが、十数秒かけて、薄らとだが何とか目に光を当てる事が出来た。

すると視界に入って来たのは、赤。いや、赤と言うには余りにも美しい。真紅、ルビーの様な真紅。まるで恋人の瞳を連想させる色。

 

「遊斗、目が覚めた?」

「フェイ・・・・ト?」

 

連想では無かった。この真紅の瞳は彼女の瞳。

さっきまで重りの様に重かった瞼がパッチリと開き、彼女の全てを見る事が出来た。長い間眠っていたからか、それともこの優しい声を聞くのが久しぶりだったからか。

フェイトの顔を何年振りかに見る気がした。相変わらず芸術品と思わんばかりの整った顔と、それをより一層輝かせる金色の髪。

いつの間にか上半身が起き上がっていたのか、ベッドに座っているフェイトを見下ろしていた。

 

「久しぶり、遊斗」

「ツッ! フェイトッ!」

 

考えるより先にグッと引き寄せて思いっきり抱きしめた。こんな細い体では壊れてしまうのではないかと心配もあったが、それよりフェイトの存在を確かめるのが先だった。ギュッとギュッと強く強く抱きしめ、何度も何度もフェイトの名前を呼ぶ。

 

「久しぶりじゃない!」

「・・・・うん」

「悲しかった!」

「・・・・うん」

「怖かった!」

「・・・・うん。ゴメンね」

 

フェイトが悪い訳じゃない。フェイト達は被害者で、悪いのは全部ユベルだ。

それは分かっている。分かっているけど、嬉しさ怒り哀しさ喜び。全てフェイトにぶつけた。情けないと思われるだろうが、理性は働かず、口が勝手に動く。

 

「何で離れたんだよ!」

「大丈夫って伝えたくて、みんなの力を集めて姿を取り戻したんだけど」

 

異世界に飛ばされた一日目にフェイトのカードが見えたのは幻じゃ無かったのか・・・・。

 

「あの時は、自分がおかしくなったと思った」

「私達も外の事は知らないから、後で教えて欲しいな」

「分かってる! それより言う事があるだろ!」

「うん・・・・」

 

さっきまで抱きしめていたフェイトを少し離し、両肩をギュッと握りしめる。フェイトは年相応の少女らしく純粋に、だけどフェイトお姉ちゃんとしての顔で笑みを浮かべた。

 

「ただいま、遊斗」

「お帰り、フェイト・・・・」

 

ずっとこの時を待っていた。この言葉を待っていた。ここが何処だとか全く分からないけど、それよりフェイトが俺の元に帰って来たのが嬉しかった。嬉しさの余り、勝手に目から涙が流れてくる。

男としてダサいし、彼氏としてダサいし、主としてもダサい。けど涙は止まらないし、止めようとも思わなかった。

 

「うっ、フェイ、トぉ・・・・」

「私はここにいるから・・・・」

 

フェイトの肩に顔を乗せ、大声を上げて泣き喚く。フェイトとの再会により、今まで溜めていた怒りや寂しさや悲しみや不安も爆発し、涙でフェイトの服が濡れていく。その間フェイトは優しい声で「頑張ったね」と頭を撫でながら褒めてくれた。

何分の間泣いていたかは分からないが、少なくとも五分はずっと泣いていただろう。涙が止まるとようやく頭が冷静になり、恥ずかしさの余り顔どころか体全体が熱い。

 

「ご、ごめん。でもありがとう」

「ううん、むしろ嬉しかった。遊斗が泣きついて来たのって久しぶりだから」

 

こんな情けない男の泣き事を、フェイトは嫌そうな顔一つせずに笑って受け止めてくれた。ただ自分の右肩を見ると困った表情をして「着替えなきゃね」と言い、俺にクスッとイタズラな笑みを見せた。

 

「わ、悪い。着替え・・・・ってそう言えば、ここどこ?」

 

何かフェイトのサイズに合う服を探そうと辺りをキョロキョロと見渡すと、ここが何処なのか全く分からない。そういえば眠る前の最後の記憶は、十代達と一緒に次元の歪を攻撃して異世界に飛んだ事。

ここが異世界と考えると、この昔ながらの建設物にも納得がつく。アニメとかでよく出る、山奥の小さな家という感じで、壁となっている丸太は露出し、その隙間から太陽の陽射しが部屋に入って来ている。木で作られた机や椅子。パチパチと木が燃える心地よい音を鳴らす石で作られた暖炉。その暖炉の前には栗色のサイドポニーがひょこひょこと揺れていた。

 

「なのはさん!」

「うん、久しぶりだね遊斗」

「いるならいるって「言えると思う?」・・・・すいません」

 

なのはさんは暖炉の火を使ってパンを焼いていた様で、鉄のプレートの上に乗っているパンをトングを使って暖炉から取り出し、机に置いてあった皿の上に置く。

まるで自分の家の様に素早い身のこなしに、一瞬だが血の気が引いた。

 

「お、俺どれくらい眠ってた?」

「一日半。随分疲れが溜まってたみたい。シャマル先生カンカンだったよ」

「シャマ姉が・・・・」

 

なのはさんの手際の良さから、ここに家を建ててもう何年も住んでいるのかと思ったが、そんな事は無かった。

 

「ここは異世界なのか?」

「そうだよ。私達もビックリしちゃった。ようやく外に出られるようになったら異世界にいるんだもん。はい、パンとハムエッグ」

「あっ、ありがとうございます。と言う事はなのはさんもフェイトもフェルシュトラーフェの事とか全く知らない?」

「フェルシュトラーフェって混沌幻魔の子だよね?」

 

じゃあ三幻魔のデュエルの事も全く覚えてないのか。少し時間が掛かるが、前にいた異世界の事を話すか。フェイトとなのはさんのゆったりした感じから、ここは安全な場所の様だし、みんなが戻って来てくれたから、よほどの事が無い限り安全だろう。

なのはさんが作ってくれたご飯を食べ終えた頃、丁度異世界で起きた事の説明をし終えた。

 

「つまり遊斗達はユベルとの戦いで離ればなれになったヨハンを助ける為にここに来たんだね」

「しかしまた無茶したね。いくつあるか分からない次元世界からヨハンを助けるなんて。もう後戻り出来ないから私も協力するけど」

「ありがとうございます。じゃあ今度は」

「うん、説明しようか。外に出た方が分かりやすいんだけど、大丈夫?」

「ああ。腹も膨れたし、みんなと再会出来たから元気いっぱいだ」

 

二人の後に続き家の外に出ると、そこにはデュエルモンスターズの精霊が沢山いた。種族はバラバラで、戦士族や魔法使い族もいれば、アンデッド族や悪魔族、天使族もいる。属性もバラバラだが、一つだけ共通点があった。皆、低級ステータスのモンスター。少しきつい言い方をすると、弱小モンスターだ。

種族バラバラであるのにも関わらず、手を取り合って木材を運んだり、料理を作ったり、農作物を耕したりしている。

 

「これは・・・・」

「ここは、遊斗を襲ってきた王達が収めていた精霊世界」

「え? そんな訳。だって種族が違う・・・・」

「この村にいる精霊達は、種族間の争いや貧富の差から逃げてきたんだ。だからどんな種族でも、平和を望めば仲間として歓迎される」

「だから俺を泊めてくれたのか?」

「それ以外にももう一つあるんだけど、それは後でね」

 

俺となのはさんは、歩き始めたフェイトに続いて村の中を歩く。さっき俺が眠っていた家と同じ様な作りの家が沢山あり、精霊達がそれぞれ自分の能力や種族としての特性を活かし、家を建てている。

少し遠くを見ると大きな草原があった。精霊世界にも牛や豚等の家畜もいる様で、広い草原を散歩中の様だ。

 

「戦争中の世界とは思えませんね」

「好き好んで戦争する精霊なんてごく僅かだからね。こんな風に平和を望む精霊は多いんだよ。特にデュエルモンスターズは生まれながらのレベルやステータスで力関係が決まるから」

 

なるほど。デュエルモンスターズの精霊は人間以上に大変だな。生まれながら身分や強さが決まった世界か・・・・。もし俺が生まれていたら、多分この村に来ていただろうな。

何となく、ふとある事が気になったので空に浮かんでいる太陽を探す。浮かんでいる太陽は、この前の次元の様に三つでは無く六つ。数が違うって事は、ここは前いた次元とは違う次元か。

 

「そういえばどこに向かってるんだ?」

「この村のリーダーの所」

「村長さんか?」

「ううんリーダーでいいの。村長だとこの村で自分が一番偉いみたいだから、その呼び方は嫌なんだって」

 

ふ~ん、良い意味で変わってる人だな。

フェイトの足が止まると共に、俺は目の前の建物を眺める。先程まで並んでいた家よりちょっと、というかかなり大きく、一目で偉い精霊が住む家と分かる。本当にさっきの台詞を言った人間の家だろうか?

 

「フェイトです、入りますね」

 

一応ノックはしたが、返事が来る前に勝手にドアを開けた。フェイトにしては珍しい行動だったが、そのリーダーの正体を見るとフェイトの行動に納得出来た。確かにこのモンスターだったらノックをしても返事が来ないだろう。まるでどこぞの研究者の様だ。

 

「ヒッヒ、いらっしゃい。おやおや、君達の主も戻った様だな」

 

なのはさんより小さい身長。少し茶に汚れた白衣。一部ハゲた頭。紫色の髪。丸い眼鏡。

どうやら俺はマッドサイエンティストと縁があるようだ。マッドサイエンティストのダジャレにより生まれたモンスター。

 

「ま、魔導サイエンティストか・・・・」

「ヒッヒッヒ、私の事をご存じで?」

「そ、そりゃあワンキルパーツとして猛威を振るっていたからな」

 

こいつならこんな村に住まなくても、戦争に貢献できるだろうが、一応ステータスは攻守共に300。それでも研究者として十二分に活躍できそうだが。

 

「まあお座り下さい。王達の王、F.・G・D(ファイブ・ゴッド・ドラゴン)を倒した少年よ」

「知っているのか?」

「勿論です。あなたのおかげで種族の天辺にいた輩は混乱し、どの種族も戦への勢いが無くなっている」

 

少なくとも平和を願っている精霊からは感謝されるって事か。すっかり忘れていたが、精霊の王を倒した俺はその家臣に恨まれている可能性が高い。

 

「色々と質問されたい事があるでしょうが、一つ聞かせて欲しい。あなたはこの村に害をなす者か?」

「この村の目的が戦争の無い平和な世界なら俺は味方だ」

「それを聞いて安心しました」

 

魔導サイエンティストは人を馬鹿にした様な表情を変えず、甲高い声で笑っている。一応これでも喜びを表しているのだろう。

 

「じゃあいくつか聞きたい事が「リーダー! 大変です」今度はクリッター・・・・。ホントに弱小者の村なのかよ・・・・」

 

誰にも聞こえない様にボソッと呟き、勢いよく入って来たクリッターの話に耳を傾ける。

 

「ド、ドラゴン族の群が接近しています! しかも先頭にいるのは究極竜騎士(マスター・オブ・ドラゴンナイト)です!」

「それは困りましたね~。まさかF.・G・Dの側近、マスター・オブ・ドラゴンナイトが直々に来るとは」

「この余所者がおびき寄せたんです! この村には結界があるんですよ! 普通なら気付かない筈」

「彼等は悪くありません。ですが関係があるのは事実でしょうな」

 

確かに俺はF・G・Dを倒したが、ドラゴン族に位置を知られる様な事はしていない。なのはさん達が持つ魔力値を感知したのか? いや、相手がどんな方法でこの村を知ったのかは今は関係ない。暖かいご飯とベッドを貰った一宿一飯の恩義に報いる。

 

「行くぞ、フェイト。なのはさん」

「う、うん」

「分かった・・・・」

 

 

 

 

村の住民の話では既にドラゴン族の群はこの村で一番大きい広場に降りたらしい。今すぐ村に攻撃しない事を考えると、ひょっとしたら話が通じるかもしれない。人混みを掻きわけて突き進む。既にマスター・オブ・ドラゴンナイトが乗っている青眼の究極竜(ブルーアイズ・アルティメットドラゴン)やモンタージュ・ドラゴンやホルスの黒炎竜LV8と言った巨体が見えている。

広場に姿を現すと、先程まで休んでいたドラゴン族は、一瞬驚いた表情を見せるが、すぐに殺気と怒りのオーラを噴出して俺を睨みつける。

 

「・・・・」

 

風の流れが変わる程の殺気だが、三幻魔、F・G・D、混沌幻魔と相手にしてきたので、手足が震える事は無かったし、堂々とマスター・オブ・ドラゴンナイトを見る事が出来た。

マスター・オブ・ドラゴンナイトはカオス・ソルジャーが青眼の究極竜(ブルーアイズ・アルティメットドラゴン)に乗ったモンスター。俺が見ているのは、カオス・ソルジャーと言った方が分かりやすいかもしれない。

 

「貴様は遊斗・スカリエッティか」

「そうだ」

「よりによって何故お前がここにいる! よくも我が君を!」

 

マスター・オブ・ドラゴンナイトは手に持った剣を振るい、剣圧で刃を作って俺に飛ばす。当たったら真っ二つになってしまうだろうが、刃が俺の体に触れる事は無く、黄色のバリアによって進行を止められた。

 

「ありがと、フェイト」

「こうやって遊斗を守るのは私達の役目だから」

「チッ、LSか」

「攻撃してきたって事は、話し合いは無用って事でいいんだな?」

「当たり前だ。貴様が居るとは予想外だったが、これも我が君の導き。決闘を申し込む!」

 

マスター・オブ・ドラゴンナイトが持っていた剣が突然複雑な動きを始め、数秒後にはデュエルディスクに変形した。俺は、一歩前に出て左腕のデュエルディスクを起動させる。了承のサインはこれで十分だ。

 

「「デュエル!」」

「先攻は俺が貰う。ドロー! コロナを召喚、効果で手札を一枚捨ててデッキからゴライアスを特殊召喚する!」

創成起動(クリエイション)

 

A500・D1700

AD2300

 

「カードを二枚伏せてターンエンド」

 

遊斗 モンスター2 伏せ2 手札2 LP4000

 

召喚した際コロナが「お久しぶりです」と言ってくれたので「ああ、お帰り」と返した。その様子が大層気に食わないのだろう。マスター・オブ・ドラゴンナイトは憤怒の表情でデッキトップに指を置き、力一杯デッキトップのカードを引く。

 

「私のターン! 融合発動! 手札のカオス・ソルジャーと沼地の魔神王を融合! 来い、我が分身! マスター・オブ・ドラゴンナイト!」

 

AD5000

 

一ターン目の初っ端から、固定ステータス最高峰の攻守共に5000の、マスター・オブ・ドラゴンナイト。このステータスを持つモンスターは、F・G・Dとこのカードしか居ない。

このカードを主軸にしているのは分かっていたので、ゴライアスを守備表示にしておいて正解だった。

 

龍の鏡(ドラゴンズ・ミラー)を発動! 墓地のカオス・ソルジャーと沼地の魔神王をゲームから除外し、二枚目の我が分身を特殊召喚する!」

 

AD5000

 

・・・・これは予想外だな。既に奴の手札は二枚だが、手札消費二枚で攻撃力5000のモンスター二体と思えば安いものだろう。

 

「二体のマスター・オブ・ドラゴンナイトの効果。自身以外の自分フィールド上にいるモンスターの一体に付き、攻撃力を500アップする」

 

ドラゴンナイトA5000→A5500

 

「バトル! 二体のマスター・オブ・ドラゴンナイトでコロナとゴライアスを攻撃! ギャラクシー・クラッシャー!」

 

A5500 VS D1700

A5500 VS D2300

 

アルティメットの三つの首と、その上に乗ったカオス・ソルジャーの剣から放たれるエネルギーが交差して、攻撃力に相応しい強大な力になる。発射速度が早く巨大な攻撃は回避しようと思っても回避できるものではなく、コロナもゴライアスもバリーンと音と共に破壊された。

 

「罠発動、Asの回収! デッキからディアーチェを特殊召喚する。効果でLCを一つ置く」

 

LCディアーチェ1

A2100・D1600

 

「久しく呼んだと思えばこの様な戦況か。まあ遊び相手には丁度いい」

「心強いよ」

「私はこれでターンエンド!」

「エンドフェイズ時に永続罠、ウイングロードを発動」

 

遊斗  モンスター1 伏せ1 手札2 LP4000

ナイト モンスター2 伏せ0 手札2 LP4000

 

二体のマスター・オブ・ドラゴンナイトの登場に、マスター・オブ・ドラゴンナイトが勝つと決めつけ、村の精霊は勝手に諦めていた。確かに攻撃力5500のモンスター二体は破格だが、みんなが居ればどんな戦況だって覆す事ができる。

 

「俺のターン! ウイングロードの効果でドローしたカリム姉を特殊召喚!」

 

AD500

 

「スタンバイフェイズ、前のターン捨てたリオの効果。このカードを手札に加える。カリム姉の効果発動。カードの種類を選択。デッキトップが選択した種類だった場合手札に加える。魔法を選択。デッキトップは魔法都市ミッドチルダ、手札に加える」

 

これで手札は一気に四枚に増えた。しかしまだまだこんなものでは終わらない。

 

「フィールド魔法、魔法都市ミッドチルダを発動!」

 

中世ヨーロッパの田舎村だった景色は、一気に近未来の魔法都市に変化する。低級モンスターでもフィールド魔法は知っている様で、自分達が住んでいた村が変わっても特に驚いたりしなかった。

 

「リオを召喚! 効果でミッドチルダにLCを一つ置く」

 

LCミッドチルダ0→1

A1700・D500

 

「リオの効果発動。墓地のコロナとゴライアスを除外して攻撃力を500アップ。更にコロナの効果でデッキから一枚ドロー」

 

リオA1700→A2200

 

このターンになって既に二体のモンスターと一枚のフィールド魔法を発動したが、手札はまだ三枚ある。少なくだが確実にアドバンテージを稼いで行っている。だが現在のLSの攻撃力の合計は、4800。まだ700足りない。

 

「カートリッジロードをミッドチルダに発動。LCを一つ置く」

 

LCミッドチルダ1→2

 

「ミッドチルダのLCを二つ取り除き、連続転移を発動。デッキトップ三枚をめくり、通常召喚可能なLSを特殊召喚する。一枚目レヴィ、二枚目闇の書、三枚目シャマ姉。レヴィとシャマ姉を特殊召喚!」

 

A1900・D400

A800・D1800

 

「すごいぞ! 強いぞ! カッコイイ! 切り込み隊長レヴィ・ザ・スラッシャー登場!」

「その、頑張るわよ遊斗」

 

レヴィは変わらず元気だったが、シャマ姉の雰囲気がいつもと少し違った。そう言えばここに来る途中のフェイトとなのはさんも変な感じだった。何かあったのか・・・・駄目だ。今はデュエルの真っ最中。相手に集中しろ。

 

「シャマ姉の効果でミッドチルダにLCを置く」

 

LCミッドチルダ0→1

 

「バトル! レヴィでマスター・オブ・ドラゴンナイトを攻撃!」

「馬鹿め、自爆する気か!」

「いや、奴が前のターン召喚したあいつは」

 

流石F・G・Dの側近。俺のカード達はお見通しって訳か。けど止めるカードが無い以上あいつはどうする事も出来ない。

 

「ダメージステップ、ディアーチェの効果発動! 自身のLCを取り除き、LSの攻撃力をレヴィに集める!」

「受け取れ、レヴィ」

「はいよぉ~っ! キタキタキタ! 超必殺最終奥義!」

 

レヴィA1900→A6500 VS A5500

 

ディアーチェは杖先に溜めた皆の魔力をバルファニクスの刀身に送り込み、レヴィの攻撃力を一時的にだが爆発的に上げる。その威力は圧倒的な攻撃力5500のマスター・オブ・ドラゴンナイトを上回る6500。

ディアーチェ、リオ、シャマ姉、カリム姉の魔力光を発する大剣を、技名を叫びながら振り下ろす。

 

「エターナルサンダーソード!」

 

その剣は、あの伝説のデュエリスト武藤遊戯さんが使うカオス・ソルジャーと、海馬瀬戸さんのアルティメットが融合したマスター・オブ・ドラゴンナイトを切断し、上空から水色の雷を降らせ爆発させた。

 

ナイトLP4000→3000

ドラゴンナイトA5500→A5000

 

「ぐああああっ!」

「マスター・オブ・ドラゴンナイト様が!?」

「やはりF・G・D様を倒したのは本当なのか!?」

「カードを一枚伏せてターンエンド。エンドフェイズデッキからカートリッジロードを手札に加える」

 

レヴィA6500→A1900

 

場 魔法都市ミッドチルダ

遊斗  モンスター5 伏せ2 手札1 LP4000

ナイト モンスター1 伏せ0 手札2 LP3000

 

「私のターン、ドロー! トレード・インを発動。手札のカオス・ソルジャーを捨て二枚ドロー。ドラゴンの支配者を召喚!」

 

A1200・D1100

 

これでドラゴン族であるマスター・オブ・ドラゴンナイトを効果対象にする事が出来なくなった。こうなると全体除去か、さっきと同じ様に火力で押すしか方法が無い。最もドラゴンの支配者は見ての通り低ステータスなので、そっちから破壊すればいいだけだが。

 

「バトル! マスター・オブ・ドラゴンナイトでディアーチェを攻撃!」

「罠発動、ポジションチェンジ。自分フィールド上のモンスター一体が攻撃対象になった時発動可能。その対象を他のカードに変更する事が出来る。攻撃対象をリオに変更、悪いな」

「大丈夫です。地味ですがしっかりアドバンテージを稼ぎました」

「面倒な! ギャラクシー・クラッシャー!」

 

A5000 VS D400

 

同じモンスターにリオとコロナのコンビが破壊されるのを見ると、空しいと言うか悲しくなってくる。本人達はさほど気にしていないだろうが、どうにも寂しい絵だ。だが二人のおかげで次に繋げる事ができる。

 

「対象を移し替えたモンスターがこのカードを発動したターン破壊された時、融合デッキからLS一体を墓地へ送る事ができる。墓地へ送るのは祝福の将シグナム」

「ドラゴンの支配者でカリムを攻撃!」

 

A1200 VS D500

 

どうやって攻撃するのかと思えば、持っている笛からエネルギーを発射してカリム姉を破壊した。つまり口からビームを発射したって事か?

 

「カードを二枚伏せてターンエンド!」

 

場 魔法都市ミッドチルダ

遊斗  モンスター3 伏せ1 手札1 LP4000

ナイト モンスター2 伏せ2 手札0 LP3000

 

「ドロー!」

 

引いたカードは闇の書。シャマ姉、ミッドチルダ、カートリッジロードの三枚を使えば速攻でアインスが呼べるし、そこからのドローも可能。しかしそうなるとディアーチェにLCが置けなくなる。ドラゴンの支配者を攻撃表示で出したって事は、必ず何か防御カードがある筈。

ドローして、尚且つ防御カードを使わせるのがいいか。それともブラフと読んでディアーチェにLCを乗せて攻撃するか・・・・。

 

「闇の書をシャマ姉に発動」

 

シャマルA800→A1100

 

「カートリッジロード、シャマ姉、ミッドチルダの効果で闇の書にLCを三つ置く」

 

LCミッドチルダ1→0 闇の書0→3

 

「闇の書をゲームから除外しアインスを特殊召喚!」

 

AD2300

 

「再びお前と一緒に戦えて嬉しいぞ」

「俺もだ、また今日も頼むよ。アインスの効果で融合デッキからナハトを特殊召喚!」

 

AD0

 

「フィールドのアインスとナハトを融合! 来い、絶望への旅路-闇の書の意思!」

 

先程までナハトがアインスの腕に絡まってジャレている様に見えなくも無かったが、突然ナハトはアインスの体を呑み込んだ。ナハトの体はすぐに消え、アインスの姿が見えたが先程までのアインスとは違う。体や手には赤いラインが刻まれ、耳の上と腰から堕天した翼が生えていた。

 

A3000・D3000

 

「闇の書の意思の効果発動。召喚成功時に除外された闇の書を装備する」

 

闇の書の意思A3000→A3300

 

「そして闇の書を装備した、闇の書の意思の効果発動。相手の墓地の通常魔法を発動できる。トレード・インを発動して二枚ドロー」

「なっ、私の魔法を使うだと!?」

 

アインスが持った闇の書からトレード・インの絵が浮かび上がり、闇の書からカードが二枚出現し、俺の手元に飛んできた。よしっ、このドローならLCをディアーチェに置く事が出来る。

 

「ツヴァイを通常召喚! 効果でミッドチルダにLCを置く」

 

LCミッドチルダ0→1

 

「場のシャマ姉とツヴァイを融合! 来い、祝福の癒し手シャマル!」

 

A1000・D2300

 

「効果でディアーチェにLCを置く」

 

LCディアーチェ0→1

 

「またそのモンスターにカウンターを・・・・」

「バトル! レヴィでドラゴンの支配者を攻撃!」

「攻撃宣言時に和睦の使者を発動! このターン私のモンスターは破壊されず、戦闘ダメージを受けない」

 

A1900 VS A1200

 

様々なモンスターの攻撃を防いできた半透明のバリアは、今日もまたレヴィの攻撃を防いで発動プレイヤーを救った。和睦の使者と威嚇する咆哮はホント使い勝手の良い防御カードだ。

 

「カードを一枚伏せてターンエンド。エンドフェイズカートリッジロードを手札に加える」

 

場 魔法都市ミッドチルダ

遊斗  モンスター4 伏せ3 手札0 LP4000

ナイト モンスター2 伏せ1 手札0 LP3000

 

相手のフィールドには攻撃力5000のマスター・オブ・ドラゴンナイトがいるが、フィールドアドバンテージで圧倒的に有利だ。しかもアインスがいる限り、俺は毎ターン二枚のドローが可能になる。これはかなりの強みだ。

 

「私のターン! クッ、バトル! マスター・オブ・ドラゴンで闇の書の意思を攻撃! ギャラクシー・クラッシャー!」

 

A5000 VS A3300

 

「罠発動、協力防御。LSが二体以上いる時戦闘破壊及び戦闘ダメージを0にする。その後デッキから一枚ドロー」

 

LSが二体いるのが前提だが、その代わりドロー効果が付いたLS専用の和睦の使者。アインスに飛ばされた攻撃は、ディアーチェ、レヴィ、シャマ姉の協力もありアッサリと弾かれる。

 

「ドラゴンの支配者を守備表示に変更。カードを一枚伏せてターンエンド」

 

場 魔法都市ミッドチルダ

遊斗  モンスター4 伏せ2 手札2 LP4000

ナイト モンスター2 伏せ2 手札0 LP3000

 

「ドロー。闇の書の意思の効果発動。トレード・インを選択してデッキから二枚ドロー」

 

これで手札は五枚。その内一枚はカートリッジロードだが、残り四枚はマスター・オブ・ドラゴンナイトに情報がリークされていない。

 

「シャマ姉の効果発動。レヴィにLCを置く」

 

LCレヴィ0→1

 

「そして祝福の癒し手シャマルを生贄に、ホーリーカタルシス・シャマルを特殊召喚!」

 

A2000・D3000

 

ワイワイ騒いでいた外野の音が消え、足音も風の音も動物の音も何も聞こえないサイレントの世界に連れ込まれる。しかしいつまでもサイレントの世界が続く訳では無く、湖に一滴の雫が落ちるピチャンと音と共に、辺りに音が戻った。それと同時に俺のフィールドに現れた湖の中から、巨大なクラールヴィントの中にいるシャマ姉が登場する。

 

「クッ、また最上級モンスターを・・・・」

「進化して行くのがLSの強みだからな。ホーリーシャマ姉の効果発動。闇の書にLCを二つ置く」

 

LC闇の書0→2

 

「バトル! レヴィでマスター・オブ・ドラゴンナイトを攻撃! ダメージステップ、ディアーチェの効果発動。フィールドのLSの攻撃力をレヴィに集める」

 

レヴィA1900→A9300 VS A5000

 

先程の倍以上の攻撃力。それは当然レヴィにもバルファニクスにも影響があり、水色の刀身は紫、緑、黒の魔力光を螺旋状に纏い、その幅を五倍以上に広げている。攻撃力5000が小さく見える程の超火力にレヴィのテンションは最高峰になっているのか「ハッハッハッハ、ゴホッゴホッ!」と笑いすぎて蒸せている。

もはやレヴィの攻撃がカッコ良く決まらないのは定番となっているので、特にツッコんだりしなかった。

 

「ハイパー切り札! エターナルサンダーソードファランクスシフト!」

 

超巨大なバルファニクスを天へと付き上げると、水色の刀身がバラバラになって崩れ落ちる。だがこれも魔法の演出で、バラバラになった水色の魔力は剣となってマスター・オブ・ドラゴンナイトを狙い付ける。

 

「いっけええ!」

 

マスター・オブ・ドラゴンナイトは、四十はある水色の剣によって体全体を突き刺され、更には追加効果の雷によって爆発した。本来ならこの爆発によってマスター・オブ・ドラゴンナイトのライフは0になるが、奴の前に黄色のバリアが現れ爆発から守った。

 

「罠発動ガード・ブロック! 戦闘ダメージを0にしてデッキから一枚ドローする!」

「レヴィが戦闘で相手モンスターを破壊した時LCを取り除く事で、デッキからLSを特殊召喚できる。シュテルを特殊召喚」

「お久しぶりです遊斗。おや・・・・ディアーチェとレヴィがいると言う事は、またディアーチェに力を献上するのですね」

「ああ。場のディアーチェ、シュテル、レヴィを融合! 来い、ロード・ディアーチェ!」

 

A2500・D2000

 

シュテルとレヴィの力を受け継いだディアーチェ。その六つの翼の内四つは、シュテルの炎とレヴィの雷で形成されている。それ以外見た目に変化は無いが、ディアーチェの使う魔法にシュテルの炎とレヴィの雷が追加されるので、滅茶苦茶強くなっている。

 

「ディアーチェの効果でデッキから紫天の書を手札に加える。ホーリーシャマ姉の効果発動。俺の手札の数×300俺のライフを回復し、その数値分相手にダメージを与える。俺の手札は五枚、1500のダメージを与える」

「戒めの鎖」

 

遊斗LP4000→5500

ナイトLP3000→1500

 

五本の鎖がマスター・オブ・ドラゴンナイトの体を貫通し、生命エネルギーを奪っていく。その生命エネルギーは変わりに俺のライフを回復する。

 

「グッ・・・・」

「紫天の書をディアーチェに装備」

 

ディアーチェA2500→A3000

 

「カートリッジロードを発動。闇の書にLCを置く」

 

LC闇の書2→3

 

「再び闇の書をゲームから除外し、墓地のアインスを特殊召喚! 効果で融合デッキから夜天の書を特殊召喚!」

 

AD2300

AD0

 

「夜天の書をアインスに装備。カードを二枚伏せてターンエンド。エンドフェイズ、絶望への旅路-闇の書の意思の効果発動。このカードを特殊召喚した二回目のエンドフェイズ、このカードを墓地へ送り、デッキか手札からLS闇の書の闇-ナハトヴァールを特殊召喚する」

 

LS闇の書の闇―ナハトヴァール ☆10/闇/悪魔/A5000・D5000

 

一つのモンスターゾーンに収まっているとは思えない程の巨大なモンスター。これがソリッドビジョンでなければ、おそらくこの村は広場どころか辺りの家も押しつぶされてしまう。高さではあのアーミタイル程は無いが、体積では闇の書の闇の方が多いかもしれない。しかも本当の闇の書の闇だった場合、村どころかこの世界を侵食してしまうらしい。

非常にグロテスクなモンスターで、前方の方に顔の無い女がいる。おそらくあれがナハトヴァールの本体と言っていいのだろう。

村にいる精霊達も、やって来たドラゴン族も、マスター・オブ・ドラゴンナイトも闇の書の闇が放つ絶望のオーラに茫然としている。

 

「闇の書の闇の召喚成功時自身にLCを四つ置く。このカードのLCはこのカード以外の効果以外で取り除く事は出来ず、乗せる事も出来ない」

 

LC闇の書の闇4

 

場 魔法都市ミッドチルダ

遊斗  モンスター4 伏せ5 手札1 LP5500

ナイト モンスター1 伏せ1 手札1 LP1500

 

「これが、我が君を倒した男の力・・・・」

 

フィールドにはディアーチェ、アインス、ホーリーシャマ姉、闇の書の闇。更にアインスは夜天の書を装備しており、ディアーチェも紫天の書を装備。一番低い攻撃力を持つホーリーシャマ姉ですら攻撃力は2000。対する奴のフィールドはドラゴンの支配者と一枚の伏せカードのみ。

 

「私のターン!」

「返事は予想できるが一応言っておく。二度とこの村を襲わないと約束したらデュエルの中断を認める」

「我が君の仇を目の前に逃げる等絶対にしない! モンスターをセット、カードを一枚伏せてターンエンドだ!」

 

場 魔法都市ミッドチルダ

遊斗  モンスター4 伏せ5 手札1 LP5500

ナイト モンスター2 伏せ2 手札0 LP1500

 

手札0の状態でセットモンスター・・・・。メタモルポットの可能性が高いな。俺の手札も少ないのでメタモルポットで得られるアドバンテージは多いが、相手に五枚のドローを許すのはいただけない。

ここは闇の書の闇の効果が安定か。

 

「ドロー。バトル、闇の書の闇でドラゴンの支配者を攻撃!」

 

A5000 VS D1200

 

闇の書の闇の本体と言える女は、自分の目の前に黒の球体を作り出す。黒の球体の中には不気味なまでの真っ白な光が見え、闇の書の闇が叫ぶと共にその白い光が黒を突き破ってドラゴンの支配者に飛んでいく。僅か数ミリしか無いビームだったが速度や威力、何より数が違う。百前後の白いビームがドラゴンの支配者を襲い掛かり、その体や服を穴だらけにした。

 

「闇の書の闇が戦闘で相手モンスターを破壊した場合、このカードに乗ったLCを一つ取り除く事で、相手フィールド上に存在するモンスター全て破壊する!」

「何だと!?」

 

LC闇の書の闇4→3

 

闇の書の闇は体から生えている触手の全てをセットモンスターに向け、触手の先からどす黒い射撃魔法を放つ。セットされていたカードは爆発に巻き込まれて破壊された。破壊したモンスターは予想通りメタモルポット。

 

紫天の書0→2

 

「この効果を使うターン、他のモンスターは攻撃できない。ホーリーシャマ姉の効果発動。ライフを600回復し、その数値分のダメージを与える」

「戒めの鎖」

 

遊斗LP5500→6100

ナイトLP1500→900

 

「ぐああああっ!」

「これでターンエンドだ」

 

場 魔法都市ミッドチルダ

遊斗  モンスター4 伏せ5 LP6100

ナイト モンスター0 伏せ2 LP900

 

「じ、次元が違う・・・・」

「マスター・オブ・ドラゴンナイト様はF・G・D様の側近。今のドラゴン族の中では一番のデュエリスト」

「お前達は一つ肝心な事を忘れている。俺は全ての王をこのデッキで倒した。三幻魔の力が無いとはいえ、その事実は変わらない。俺を倒したいのなら、王を倒す気でかかって来い」

「(こいつ、我が君に似ている・・・・。ツッ、私は何を考えている。こいつは我が君の仇)私のターン!」

 

この状況下でもまだ諦めないか。何故コイツはここまでF・G・Dを称えているんだ? 10年以上前からF・G・Dは破滅の光に操られ、王に不信感を持つ者は多い筈。昔のF・G・Dを知る側近なら、その変化が分かった筈。

 

「お前は何故そんなにF・G・Dに忠誠を誓っている。F・G・Dは10年以上前からおかしくなったと聞く」

「確かに我が君はその頃からお変わりになられた。だがそれまでは誰もが尊敬する素晴らしいお方だった。元々変わった所もあったが、それでも最高の王であられた。そんなF・G・D様だからこそ、私は忠誠を誓った。だからどんな命令であろうと私は従う!」

「・・・・なるほど。お前が負けられない理由は分かった。だけど俺も、LSの主として、最強の王から貰ったこの首飾りの所有者として負ける訳にはいかない」

 

F・G・Dから貰った首飾りを服から取り出して奴に見せる。やはり側近だけあり、この首飾りを知っていた様で目を大きく見開いた。しかし想像していた反応とは違い「そんな、馬鹿な・・・・」とかなり動揺していた。一緒にこの場にやって来たホルスの黒炎竜やモンタージュ・ドラゴンも同じ様な反応をしていた。

 

「ど、どういう事でしょうマスター・オブ・ドラゴン様!」

「分からん! 分からんが、全てこのターンで見極める!」

 

さっきまで揺るがない闘志を燃やしていたマスター・オブ・ドラゴンナイトは、指を震わせながら恐る恐るドローする。

 

「ゴブリンのやりくり上手を発動。更にチェーンして二枚目のやりくり上手。そしてそれにチェーンして非常食を発動! 二枚のやりくり上手を墓地へ送る。処理により、ライフを2000回復し、三枚ドローして一枚デッキの下に、もう一度三枚ドローして一枚をデッキの下に戻す」

 

一気に手札が四枚に増えてしまったが、それ以上に相手の反応が気になって仕方ない。どうしてこの首飾りを見せただけで驚く? まさか代々伝わる国宝でかなり脆いものだったり?

 

「貪欲な壺を発動! 墓地のカオス・ソルジャー、二枚のマスター・オブ・ドラゴンナイト、ドラゴンの支配者、メタモルポットをデッキに戻し二枚ドロー! 融合発動、手札のカオス・ソルジャーと沼地の魔神王を融合し、マスター・オブ・ドラゴンナイトを融合召喚!」

 

AD5000

 

龍の鏡(ドラゴンズ・ミラー)を発動。二枚目のマスター・オブ・ドラゴンナイトを融合召喚!」

 

ドラゴンナイトA5000→A5500

 

初ターンと全く同じ方法で二体のマスター・オブ・ドラゴンナイトを並べやがった。ワンパターンだがマスター・オブ・ドラゴンナイトを並べやすいプレイング。しかも奴が持っている最後のカードは、初ターンとは違うカード。

 

「装備魔法巨大化を発動! 一体のマスター・オブ・ドラゴンナイトの元々の攻撃力を二倍にする!」

 

ドラゴンナイトA5500→A10500

 

巨大化の最も多い上昇値5000をこの目で見るとは思わなかった。流石かつて制限カードだった装備魔法。マスター・オブ・ドラゴンナイトの体を倍の大きさにし、攻撃力5500の超火力モンスターに更に5000と言う数値を加えた。

 

「バトル! 攻撃力10500のドラゴンナイトでアインスを攻撃! ギャラクシー・クラッシャー!」

「罠発動ディバイトエナジー! フィールドのモンスターが攻撃対象になった時、LSをゲームから除外し、除外したモンスターの攻撃力分攻撃対象になったモンスターの攻撃力を上げる! 闇の書の闇をゲームから除外し、アインスの攻撃力を5000上げる!」

 

アインスA2300→A7300

 

「更に夜天の書の効果発動。祝福の将シグナムをデッキに戻し、その攻撃力の半分をアインスに加える。攻撃力1350アップ!」

 

アインスA7300→A8650 VS A10500

 

巨大化を装備したマスター・オブ・ドラゴンナイトには及ばないが、この二枚の活躍でアインスの攻撃力が爆発的に上昇した。青と白銀が混ざった砲撃によりアインスは破壊されてしまったが、攻撃力の差を1850まで縮める事が出来た。

 

遊斗LP6100→4250

 

「グッ」

「二体目のマスター・オブ・ドラゴンナイトでディアーチェに攻撃!」

「ディアーチェの効果発動。戦闘を行う時、相手モンスターのレベル×100攻撃力を上げる。マスター・オブ・ドラゴンナイトのレベルは12!」

 

ディアーチェA3000→A4200 VS A5500

 

ディアーチェの切り札とも言える砲撃魔法、エクスカリバーを放ったが、マスター・オブ・ドラゴンの力は更にそれを上回っていた。アインスと同じ様にディアーチェも攻撃を諸に受け、防ぎきれなかったエネルギーが俺を襲ってくるが、今度はさっきとは違う。

 

「ホーリーシャマ姉の効果発動。紫天の書のLCを二つ取り除き、ディアーチェがフィールドから離れるのを無効にする」

 

LC紫天の書2→0

 

「・・・・まさか本当に防がれるとは。間違いないようだ・・・・。少し遅れてしまったがデュエルの中断を受け取ろう」

 

マスター・オブ・ドラゴンナイトは構えていたデュエルディスクを降ろし、デュエル中断を受け取ると告げた。それはつまりドラゴン族がこの村を襲わないと約束したと言う事。村に住む精霊達は大歓声を上げて喜ぶが、俺は素直に喜ぶ事が出来なかった。この首飾りを見せただけで突然マスター・オブ・ドラゴンナイトは態度を変えた。

 

「その首飾りが気になっている様ですね」

「ツッ!」

 

マスター・オブ・ドラゴンナイトが突然こっちに歩いてきたので、中腰になっていつでも動けるような状態にする。フェイトもなのはさんもそれぞれデバイスを構えるが、マスター・オブ・ドラゴンナイトは左手の剣を地面に放り投げた。これにより俺達の警戒心は僅かだが薄れた。

 

「私達はたった今、あなた様の味方になりました」

「あ、あなた様?」

 

急にマスター・オブ・ドラゴンナイトの口調が敬語になり、俺は不信感よりも恐怖を覚え、数歩後ずさり、なのはさんの後ろに回る。奴は俺の心境を感じ取ったのか足を止め、青眼の究極竜(ブルーアイズ・アルティメットドラゴン)、ホルスの黒炎竜、モンタージュ・ドラゴンと共に、地面に膝まずいた。

 

「あなた様こそ我らが君、F・G・D様のたった一人のご子息。我らが君が亡くなった今、我らが主君は遊斗・スカリエッティ。あなた様になります」

 




様々なフラグを立ててきたがそもそもこの展開を思いついたのは二期の前半の時点でもう少し丁寧にフラグとかやったり意味深な台詞とか出しても良かったけどバレるのも嫌だからそこそこといった感じで結果的に余りインパクトが無かったかもしれないが

つまり、遊斗はFGDの息子だったんだよ!!

ΩΩΩ<な、なんだってー!?



ありきたりの展開と思ったあなた・・・・。その通りです。
ひょっとしたらと思った方もいらっしゃるのではないでしょうか?

いやですね、やっぱり原作のキャラや大まかなストーリーを大事にしつつも、フラグを立てて原作と絡ませるというのは結構(言い訳)
ただ二十代リスペクトでこうなった訳ではありません。


今回久々に新オリカが出ました。これは結構前に頂いていたものです。


夜の魔王様作

LS闇の書の闇―ナハトヴァール ☆10/闇/悪魔/A5000・D5000
このカードは「LS絶望の旅路―闇の書の意思」の効果でのみ特殊召喚できる。
このカードが自分フィールド上に表側表示で存在する限り、このカード以外の自分フィールド上に存在するモンスターが相手に与える戦闘ダメージは、そのモンスターのレベル×100ポイントになる。
このカードの特殊召喚成功時、このカードにLCを4つ置く。このカードのLCはこのカードの効果以外で取り除くことはできず、乗せることもできない。
このカードが破壊される代わりにこのカードのLCを2つ取り除くことができる。
このカードが戦闘で相手モンスターを破壊した時、このカードのLCを1つ取り除き発動できる。相手フィールド上のモンスターを全て破壊する。この効果を使ったターン、自分はこのカード以外攻撃する事ができない。





Q 一体いくつ”このカード”と書いてあるんです?
A 10だ


出しにくいとはいえ、固定火力が圧倒的です。戦闘ダメージ操作効果と、相手フィールド上の前破壊と、カード破壊無効の三つとカウンター固定の制約を持っています。
強いですが軸にするのは辛いカードですかね。いくら火力が高いとはいえ、やはり特殊召喚するのに色々と時間がかかるので(あと単純に前の方が使い勝手が良い)

まあLS最上級特有の召喚条件が重いけど強いと言えばそれだけになります。



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