( ゚∀゚)o彡゚ 覇王! 覇王! 覇王! 覇王! 覇王!
( ゚∀゚)o彡゚ 覇王! 覇王! 覇王! 覇王! 覇王!
( ゚∀゚)o彡゚ 覇王! 覇王! 覇王! 覇王! 覇王!
( ゚∀゚)o彡゚ 覇王! 覇王! 覇王! 覇王! 覇王!
因みに闇魔界の覇王も一緒に覇王コールをしています(アニメで)
会議を始めてから半日が経過した。ブラック・マジシャンの読み通り覇王軍は破棄された城を根城にして休んでおり、魔法都市エンディミオンへの侵攻に向けて準備を整えている。覇王がいる城に近付くにつれて邪悪なモンスターの数が増え、地上にも空にも海にも覇王の元へ集まるモンスターが大勢いた。覇王軍の元へ集まるモンスター達の種族はバラバラで、本来なら種族間通しで争っている筈だが、喧嘩をしている様子は見えずに共に並んで覇王の元へ進行しており、本当に種族間同士で争っているのか違和感を覚えた。
ブラック・マジシャンの話では血の気の多いモンスターが覇王の元へ集まって、精霊世界を更なる戦乱の世にしようとしているらしい。この世界が自分好みになるなら、種族間同士の争いはどうでもいいと考えている者が集まっているのだろう。
「全く、こんなに争いを好む精霊がいるとは世も末だな」
「我も争いは好きだ。戦争が好きだ。王が変わらなければ今も戦っておっただろう」
下に居る魔王ディアボロスのワイルドな重低音が耳に入って来ると、俺は乾いた笑い声を上げた。
カードのディアボロスは特殊召喚出来ない、生贄召喚する時生贄は闇属性じゃないといけない、トレード・インに対応できていない、攻撃力2800守備力1000と悲惨なステータスで、デッキトップを操作する些細な効果しかないと、とにかく不遇なモンスターだが、この精霊の世界では魔王の名に相応しく悪名高いドラゴンの様で、ディアボロスの前を飛ぶモンスター達は慌てて道を開いて行く。
「しかし凄いな。争いを好むモンスターでさえ避けているぞ」
「我は破壊竜ガンドラと各地で暴れ回っておるからな」
「あはは・・・・そりゃあ向こうからしたら悪夢だろう。ん?」
「どうした?」
戦争を止めようと思っている俺にとっては笑えない話をしていると、数百メートル先に見覚えのあるモンスターが飛んでいた。それは世界に一枚しか無い――と言う訳ではないが、封印されていたそのカードは、あの人以外使っているのを見た事が無いモンスターだ。三つの邪悪な機械の竜が合体して生まれ、ドラゴン族を吸収するモンスター――鎧黒竜-サイバー・ダーク・ドラゴンが飛んでいたのだ。
「二時の方向に飛んでいるサイバー・ダーク・ドラゴンの近くに飛んでくれ」
「余り奴に近付きたくは無いが」
ディアボロスは嫌そうに言いながらも、俺が言った通りにサイバー・ダーク・ドラゴンに近付いて行く。300メートルぐらいまで近づいた頃にはサイバー・ダーク・ドラゴンの上に複数の人影がいるのを確認し、200メートルまで近づくとその人影の正体も分かった。ずっと会いたかったデュエルアカデミアの仲間達、エド、オブライエン、亮さんの三人がサイバー・ダーク・ドラゴンの背中にいた。三人は近付いてくるディアボロスに警戒していたが、三人に見える様に大きく手を振ると敵ではないと見極めてくれたのか、ゆっくりとこっちに近付いてきた。
三人が俺の顔を見た時は大層驚いた顔をしており、オブライエンに関してはオバケでも見たかのように驚いている。
「「遊斗!」」
「今まで何をしてたんだ遊斗!」
「まあ俺もかなり色々あってね。でも目的は一緒の筈だ。俺は覇王に用がある」
すると三人は難しい顔を見合わせる。亮さんはエドとオブライエンから視線を外して前を向いたが、二人は俺の方をジッと見て来る。何か覇王に裏でもあるのか? 冷静な三人がここまで難しい顔をするとなると、かなりの事情があると思うが。
「覇王軍まで来たぞ。身を屈めてジッとしていろ」
どうやら三人に話を聞くのは後になるようだ。ディアボロスの言う通り俺達は身を屈めて周りから見えない様にする。火山口の様に山に囲まれた中に建っている城を中心に、地面を埋め尽くす程のモンスター達が囲み「覇王! 覇王! 覇王!」とひたすら覇王コールを繰り返していた。空を飛ぶモンスターも少なくは無く、地上に居るモンスターと同じ様に覇王コールを永遠繰り返している。
まるで野球ドームやライブハウスにいる様な煩さに耳を塞ぎたくなるが、覇王コールに夢中になっているのか、ディアボロスとサイバー・ダーク・ドラゴンが覇王城に着地しても怪しむ様子は無い。むしろディアボロスの覇王軍の参戦に喜んでいるのか、更に覇王コールが増えていく。
「遊斗。お前はいったいどこでディアボロス何かを」
「話せば長くなるから説明は後だ。お出迎えが来たようだ」
現代で言う所のヘリポートに着陸すると、城の中から覇王の側近であろうデビルゾアや首狩り魔人、冥界の魔王ハ・デスの闇属性上級モンスターが出迎えに来た。ディアボロスは是が非でも味方に付けたい様で、時代劇に出て来る小悪党の様に手を擦りながら中腰で歩いて来る。
「これはこれは。あの悪名高い魔王ディアボロス様ではありませんか。おや? その人型の精霊達は?」
「どうでもいい。そんな事より覇王様はどこにいる?」
「最上階でお待ちしております」
「そうか・・・・、ではお前達にもう用は無い。先程の質問だが答えてやろう。こいつは我が主だ」
ディアボロスはその言葉と同時に、禍々しい闇のオーラを纏いながらも、重力をイメージさせる宇宙空間の様な光を放つ手の平サイズの球体を作り出し、出迎えに来た三体のモンスターに向けて発射した。ディアボロスの攻撃を真正面から不意をくらって受けた三体のモンスターは、闇の球体に押されて城の壁を突き破り、足場の無い空へと飛ばされる。
「ふん!」
そしてディアボロスが左手をギュッと握ると、ドガーン! と黒い球体が空気を震わす爆発音を上げて大爆発を起こし、数百メートル離れた俺達でさえ確かな爆風を感じる事ができる威力だった。
先程まで覇王コールが広まっていた城は一気にシーンと静かになり、それを挑発するように巨大な翼を羽ばたかせてディアボロスが吠えた。
「注意を惹きつけておく。帰りはLSかその人間にでも送ってもらえ」
「ああ、しかしもう少し隠密に出来なかったのか?」
「我等がそんな事出来る訳ないだろう。特に我の様に気が短い竜はな」
ディアボロスは先程と同じ黒い球体を両手に作り出し、地上にいる覇王軍と空にいる覇王軍に向けて発射。見事巨大な爆発を起こした黒い球体を合図に、覇王軍が一斉に怒涛の声を上げ、遠距離攻撃が可能なモンスターはディアボロスに攻撃を始めた。
「大丈夫なのか? たった一体で?」
「分からないが、ディアボロスの頑張りの為にも今は覇王の元へ行かないと」
「待ってくれ遊斗! 覇王の相手は、俺に、俺にやらせてくれ!」
オブライエンは右手に持った何かをギュッと握りしめながら、一世一代の、それこそ一生のお願いという言葉が相応しい勢いだった。オブライエンの力を侮っている訳ではないが、噂通りであれば覇王は王達を凌ぐ力を持っている。この世界で両者の内どちらか片方が決闘と認めたデュエルは命を掛けたものとなるので、仮に負けてしまったらオブライエンは消えてしまう。
だがオブライエンだってそんな事は知っているだろう。それでもなお、オブライエンの瞳は揺るぐ事は無く、覇王との決闘を望んでいる。
「覇王に勝つのなら構わないが、どうしたんだオブライエン?」
「・・・・来れば分かる」
「じゃあ僕と亮はこっちに来る雑魚の相手をしておく」
「ああ、頼むぞエド、亮さん」
鍛えているオブライエンでも半分精霊の俺より脚力があるとは思えないので、オブライエンの手引っ張って覇王がいる最上階に向かって走り出す。エドと亮さんと別れて数十秒後には最上階への階段が見え、そこに覇王の親衛隊らしきモンスターがいた。悪魔族の代表カテゴリ、暗黒界のエースモンスター暗黒界の龍神グラファだ。ディアボロスにも劣らない巨体には、刃となった銀の鎧が装着されており、巨体を飛ばす黒い翼もまた金属の様なもので作られている。いや、人間界には無い物質と言った方がいいのかもしれない。奴に肉は無く、骸骨が露出している顔からは、赤い獣の瞳が光って侵入者である俺とオブライエンを睨みつけている。
「なっ、覇王が暗黒界モンスターを!?」
「チッ、邪魔がいたか。オブライエン、先に行け。こいつは俺が相手をする」
「通すと思っているのか!」
グラファは挨拶もせずに両手から糸の様に細い無数の黒いエネルギーを発射して、俺とオブライエンに向けて飛ばす。だがそのエネルギーは俺達に届く事は無く、デッキから実体化したなのはさんの堅く厚いバリアによってオブライエンを狙った攻撃は全て防がれ、俺は天井スレスレまで跳んで攻撃を回避し、グラファの攻撃でボロボロになった床に着地する。
「そのモンスターはLSか」
「オブライエン、先に行け。お前と覇王の関係は後で教えてくれよ」
「ああ! ありがとう遊斗!」
LSが相手となってはグラファもデュエルを受けるしかないと判断したのか、横切るオブライエンの邪魔はせずに素直に通してくれた。
「オブライエンを通すんだな」
「誰かと思えば、あの時逃げだした小僧。そんな小僧が覇王様に勝つ可能性など万に一つも無い」
逃げだした? あのオブライエンが?
その言葉が引っかかったが、後で事情を知っているだろうエド、オブライエン、亮さんに聞けば何が起こっていたかは分かるので、わざわざ敵に聞く必要は無い。
グラファが使うデッキは100%登場時から猛威を振るっている暗黒界というカテゴリ。しかも一年前くらいに発売されたパックにより更に強化され、今ではその使用者も増えてきている。デュエルアカデミアには暗黒界使いがいなかったので、噂に聞く暗黒界の強さを体験できるチャンスだ。
「LSの持ち主と知って逃げださなかったのは褒めてやる」
「それはこちらの台詞だ。暗黒界の龍神である俺を前にしてそんな態度が取れるとはな!」
「「デュエル!」」
「先攻は俺が貰う、ドロー! トランス・デーモンを召喚!」
A1500・D500
宇宙人の様な半円の目の形をした青い体の悪魔。腕は細い木の枝の様で、背中に付いている羽は飾りかと思う程に小さいが、その羽を羽ばたかせて空を浮いている。
「トランス・デーモンの効果発動。手札の悪魔族モンスターを一体捨て、このカードの攻撃力を500ポイントアップする」
トランスA1500→A2000
「そして捨てた暗黒界の術師スノウの効果発動。デッキの暗黒界と名のつくカードを手札に加える。フィールド魔法暗黒界の門を選択しそのまま発動!」
先程まで石作りで出来ていた城が一変して薄い紫の瘴気が辺りに充満し、奴の背後に機械で作られたタコの足の様なものが埋め込まれている気味の悪い門が生えてきた。暗黒界と名のつく事でスノウからのサーチが可能で、更に毎ターン暗黒界の効果発動条件である手札を捨てる事によりデッキから一枚ドロー出来る優秀なフィールド魔法。フィールド魔法の多くは手札事故が弱点と言えるが、滅多な事が起こらない限りこのカードが事故の原因になる事はないだろう。
「暗黒界の門の効果発動。フィールド上の悪魔族モンスターの攻守を300上げる」
トランスA2000・D500→A2300・D800
「そして一ターンに一度、墓地の悪魔族モンスターをゲームから除外し手札の悪魔族を捨てる。その後デッキから一枚ドローする。スノウを除外し手札の暗黒界の武神ゴルドを捨ててデッキから一枚ドロー。そして捨てられたゴルドの効果で特殊召喚!」
ゴルドA2300・D1400→A2600・D1700
流石暗黒界と言うべきか早い展開力と持久力を持っている。昔は火力が無かったから暗黒界単体と言うよりも、他のデッキのパーツとして使われていた事が多かったが、今では純暗黒界でも火力を叩き出せる様になったのが大きい。
ゴルドは金のゴールドを由来にしているのか、金色の斧を持った悪魔。グラファやトランス・デーモンに比べると見た目は比較的普通だ。
「そしてドローした暗黒界の取引を発動。互いのプレイヤーは手札を一枚ドローして、その後一枚捨てる」
「はいよ。効果処理をどうぞ」
「俺は捨てた暗黒界の軍神シルバの効果を発動。このカードを特殊召喚」
シルバA2300・D1400→A2600・D1700
今度は銀のシルバーのシルバ。剣を持っている悪魔、以上。
「カードを一枚伏せてターンエンド」
トランスA2300→A1800
場 暗黒界の門
グラファ モンスター3 伏せ1 手札2
早速攻撃力2500を越えたモンスターが二体と、破壊されたら除外されている悪魔を手札に加えるトランス・デーモンか。猛威を振るっているカテゴリだけあり、相手にとって不足は無い。
「ドロー。レヴィを通常召喚し、召喚成功時効果で自身にLCを置く」
LCレヴィ1
A1900・D400
「じゃんじゃじゃ~ん! 凄いぞ! 強いぞ! カッコイイ! 切り込み隊長のレヴィ・ザ・スラッシャー登場!」
「カートリッジロードを「無視!?」レヴィに発動。LCを置く」
LCレヴィ1→2
一々レヴィの言動にツッコミを入れていたら対してデッキを回さなくてもメインフェイズだけで二、三分は軽く使ってしまう。十代やヨハン辺りのノリのいい奴等なら乗ってくれるだろうが、目の前の暗黒界の龍神がアホ丸出しの少女の相手をするなど、天地が引っ繰り返らない限りありえないだろう。
「更に魔法・罠ゾーンにアリサを置く。アリサの効果発動。一ターンに一度フィールドのモンスターを選択し、選択したモンスターが相手を破壊したら選択したモンスターにLCを置く。選択するのは当然レヴィ。バトル。レヴィでトランス・デーモンを攻撃」
「光翼斬!」
A1900 VS A1800
レヴィの出番は度々あるがディアーチェの効果で魔法がパワーアップしていたので光翼斬を見るのはずいぶん久しぶりな気がする。鎌の刀身となっていた三日月の形をした魔力刃は、レヴィがバルファニクスを横に振ると同時に回転しながら発射され、グルグルと回りながらトランス・デーモンの小さい体を上下に真っ二つにした。
「レヴィの効果発動。レヴィのLCを二つ取り除いて、デッキからアインハルトとシャンテを特殊召喚する」
LCレヴィ2→0
A1300・D1000
A1400・D500
古代ベルカの魔法陣とミッドチルダ式の魔法陣がモンスターゾーンに広がると共に、その二つの魔法陣の中心にアインハルトとシャンテが現れた。除去手段が豊富な暗黒界相手には、破壊効果でもリクルート効果を発動できるシャンテは非常に使いやすいモンスターだ。
「そしてアリサの効果でレヴィにLCを置く」
LCレヴィ0→1
「だが破壊されたトランス・デーモンの効果も発動する。除外された悪魔族を手札に加える。スノウを手札に」
「レヴィの効果で特殊召喚したモンスターは攻撃できない。フィールドにアインハルトがいる時、ティオは特殊召喚できる。そして特殊召喚に成功した時、自身以外のフィールドのLSのレベル×100ポイント俺のライフを回復する」
「ティオ、お願いします」
「にゃ~ん」
戦場に似つかわしくない、欠伸と一緒に出たのんびりとした鳴き声を上げると、俺の体がアインハルトの魔力光の色に包まれてライフを回復される。
遊斗LP4000→5000
「場のアインハルトとティオを融合。来い、覇王アインハルト」
A2700・D2200
「その小娘が覇王だと? 笑わせる」
「笑うなら勝ってからにするんだな。カードを一枚伏せてターンエンド。エンドフェイズカートリッジロードを手札に加える。更にアインハルトの効果が発動される。このカードを融合デッキに戻し、融合デッキの聖王か冥王を融合召喚扱いとして特殊召喚する。聖王ヴィヴィオを特殊召喚」
ヴィヴィオAD?→AD800
「ヴィヴィオさんは墓地のLSの数×400攻守が上がる。そして特殊召喚成功時、デッキの聖王の鎧を手札に加え、このカードに装備する事ができる」
場 暗黒界の門
遊斗 モンスター3 伏せ3 手札2 LP5000
グラファ モンスター2 伏せ1 手札3 LP3900
「俺のターン! 暗黒界の門の効果発動。墓地のトランス・デーモンを除外してスノウを捨てる。その後デッキから一枚ドローし、捨てられたスノウの効果でデッキから俺の分身、暗黒界の龍神-グラファを手札に加える」
さ~て、早くもグラファを手札に加えられたか。あのカードは非常に、というかかなり厄介だから出来れば除外したいものだ。グラファはニヤリと笑いまずはリバースカードをオープンさせた。
「罠発動、暗黒の謀略を発動。お互いのプレイヤーは二枚手札を捨てて二枚ドローする。このカードの発動に相手は手札一枚を捨てる事で無効にできる」
「もちろん手札を捨てる。LSを捨てた事でヴィヴィオさんの攻撃力が400上がる」
ヴィヴィオAD800→AD1200
「暗黒界の雷を発動。フィールド上のセットされたカードを一枚選択して破壊する。貴様の伏せカードを選択」
「チェーンして罠発動、Strikersの収集。墓地の三枚のLSをデッキに戻して二枚ドローする。暗黒界の雷は破壊した後に手札一枚を捨てられるが、不発になると捨てる効果を発動できない」
ヴィヴィオAD1200→AD0
「まだだ。二枚目の暗黒界の取引を発動。互いのプレイヤーは一枚ドローして一枚捨てる」
「結局か・・・・。何も無い」
大人しくデッキから一枚ドローした後、必要無いと判断したカードを墓地へ捨てる。暗黒界の取引は相手にも手札交換をさせてしまい、一枚のカードを消費して手札交換を行うカードなのでディスアドバンテージのカードなのだが、暗黒界とついてあるだけあって暗黒界とのシナジーは抜群だ。
「そして捨てたグラファの効果発動。相手フィールド上のカード一枚を破壊する。戦闘では破壊できない聖王ヴィヴィオを破壊だ!」
グラファが手に装着している禍々しいデュエルディスクから、暗黒の名に相応しい不気味な瘴気を纏った光線がヴィヴィオさんに向けて吐き出され、ヴィヴィオさんの体を貫通して破壊する。やはり暗黒界のアドバンテージの取り方は凄まじい。これだけやって手札三枚ってどういう事なの?
「そして暗黒界の狂王ブロンを召喚し、墓地のグラファの効果を発動する。フィールドの暗黒界を手札に戻す事で墓地のこのカードを特殊召喚できる。ブロンを手札に戻し、グラファを特殊召喚!」
グラファA2700・D1800→A3000・D2100
このカードは本当にインチキと思いたくなる程の性能を持っている。フィールドの暗黒界を墓地へ送って特殊召喚するだけでも下級モンスターからポンと最上級モンスターが出るのに、特殊召喚するコストは手札に戻す効果と来たものだ。しかも手札から効果を発動する暗黒界だ。おまけに手札から捨てられたら先程の様に破壊効果を持っており、この一枚でアドバンテージを大量に稼げる。
「バトル。暗黒界の武神ゴルドでレヴィを攻撃!」
「ラッキー。ダメージステップに手札のスバルの効果発動。レヴィの攻撃力を1000上げる」
レヴィA1900→A2900 VS A2600
「ハッハッハ! 馬鹿め! 光翼斬!」
絶対にレヴィにだけは言われたくないワード第一位を、舐めた口調で言われたゴルドは頭をカッとしたのか、巨大な斧を頭上で振り回しながらレヴィに突撃する。しかし遠距離攻撃を持つレヴィは慌てずにバルファニクスに魔力を込めて、今度は縦にバルファニクスを振って魔力刃を飛ばす。冷静さを失ったゴルドは突然飛んできた光翼斬に対応できずに真っ二つになった。
「ぐあっ!」
グラファLP3900→3600
「更にレヴィの効果発動。LCを取り除き、デッキからクロノを特殊召喚する。そしてクロノの特殊召喚成功時、デッキからバインドと名のついたカードを手札に加える。手札に加えるのはストラグルバインド」
LCレヴィ1→0
A1700・D1500
「だがグラファの方が攻撃力は上だ! グラファでレヴィを攻撃! 魔神龍激波!」
A3000 VS A2900
モンスターのグラファは黒い巨大な翼を羽ばたかせて強風を起こし、その風に乗せて黒い刃をレヴィに向けて飛ばした。回避能力の高いレヴィはひょいひょいと回避していたが、風に乗って飛ばされてきた巨大な石を頭にぶつけ、アニメの様に頭の上にひよこを羽ばたかせながら墓地へ送られた。
もはやレヴィの馬鹿はソリッドビジョンも公認しているのか、レヴィの倒され方にはどうも閉まりが無い。
遊斗LP5000→4900
「シルバでクロノを攻撃! 暗黒剣!」
A2600 VS D1500
どうもデュエルをプレイしているグラファ本人はネーミングセンスが無いのか、単調な攻撃名が続いている。そんなどうでもいい事を考えていると、シルバの剣に切り裂かれたクロノが目に入った。実際の戦いなら、器用で経験豊富なクロノならシルバ程度倒せるだろうが、これはデュエルだからな~。
「カードを一枚伏せてターンエンド」
場 暗黒界の門
遊斗 モンスター1 伏せ1 手札3 LP4900
グラファ モンスター2 伏せ1 手札2 LP2600
「俺のターン。速攻魔法次元震を発動。互いのプレイヤーはお互いのフィールドにいるモンスター一体を選択して破壊する。俺はグラファを選択」
「貴様のフィールドにはシャンテしかいない」
「選択したカードは破壊だ。そして俺はデッキから次元断層とレベル4以下のLSを手札に加え、お前はデッキから一枚ドローする。俺が手札に加えるのはすずかだ」
次元震のカードの絵から発射された緑色の光線によりシャンテとグラファはバリーンと音を立てて破壊されたが、グラファと違い破壊される時のシャンテはニヤリと笑みを浮かべていた。
「シャンテの効果発動。このカードが破壊され墓地へ送られた時、このカードをデッキに戻す。そしてこの効果で墓地に存在するこのカードがデッキに戻った場合、自分以外のLSを特殊召喚できる。フェイトを特殊召喚」
A1800・D500
シャンテの強い所は効果破壊でも良い所と、リクルート対象に制限が無い所、タイミングを逃さない所と、まあかなり優秀で使いやすいリクルーターである。リクルートの対象がカテゴリに限定されているカードは何かと優秀な効果を持っているリクルーターだが、シャンテ程使いやすいリクルーターもそうそういないだろう。
唯一使いにくい所と言えば、デッキに戻る為墓地肥やしが出来ない所だろうか。
「頑張ろうね遊斗」
「ああ。カートリッジロードをフェイトに発動。そして魔法・罠ゾーンにすずかを置く」
LCフェイト0→1
「アリサの効果をフェイトに対して発動。そしてフィールドにすずかがいる時、選択したモンスターが戦闘でモンスターを破壊した時、LCを乗せる効果に加えデッキから一枚ドローする効果を得る。そしてフェイトの効果発動。LCを取り除いてシルバの攻守を変更」
LCフェイト1→0
シルバもゴルドも、手札から捨てられただけで特殊召喚できる優秀なモンスターだけあり、上級モンスターにしてはステータスがさほど高くは無い。暗黒界の門で攻守が300上がっているとはいえ、元々の守備力は1400。フェイトの攻撃圏内だ。
「バトル。フェイトでシルバを攻撃」
「ハーケンセイバー!」
A1800 VS D1700
レヴィの光翼斬と同じ様に三日月の魔力刃を飛ばし相手を切断する魔力刃は、アリサの効果も加わって電気だけでなく炎の力も纏っている。それが攻撃力に繋がっている訳ではないが、より演出がカッコ良くなり見栄えもいい。シルバの剣諸とも体を切断し、デュエルモンスターズお決まりの爆発でグロい演出を防ぐ。
「アリサの効果でデッキから一枚ドロー」
LCフェイト0→1
「フィールド魔法、魔法都市ミッドチルダを発動。このカードの発動により暗黒界の門は破壊される」
「チッ!」
紫の瘴気が漂う不気味な空間と、グラファの背中にあった巨大な門はガラスの欠片の様にバリンと割れて破壊され、都だが青空の気持ちい近未来の魔法都市になって見栄えが良くなる。最もグラファからしたら太陽の光が降り注ぐミッドチルダよりも、薄暗い暗黒界の門の方が居心地がいいだろう。
「ミッドチルダの効果発動。フェイトのLCをミッドチルダに移動する」
LCミッドチルダ0→1
「カードを二枚伏せてターンエンド。エンドフェイズ時にカートリッジロードを手札に加える」
「エンドフェイズ時に速攻魔法、暗黒界の結界通路を発動。墓地の暗黒界の軍神ゴルドを特殊召喚!」
A2300・D1400
場 魔法都市ミッドチルダ
遊斗 モンスター1 伏せ4 手札2 LP4900
グラファ モンスター1 伏せ0 手札3 LP2600
「俺のターン! 手札抹殺を発動。互いのプレイヤーは手札を全て捨て、その枚数分ドローする」
ッツ、手札抹殺を発動されてしまったか。暗黒界は手札を捨てる事で効果を発動する。手札を全て捨てる手札抹殺やメタモルポットと言ったカードとは相性が良過ぎて、専用のサポートカードと思うレベルの力を発揮する。
「二枚捨て二枚ドローする」
「俺は三枚だ。そして捨てた暗黒界の導師セルリの効果が発動する。捨てられたセルリを相手フィールド上に特殊召喚する」
A100・D300
「面倒なカードを・・・・」
「そしてセルリの効果。自身の効果で特殊召喚に成功した時、相手の手札、つまり俺の手札を一枚捨てる。俺が捨てるのは暗黒界の魔神レイン」
相手のフィールドにモンスターを召喚したあげく自分の手札を一枚捨てないといけないデメリット置きモンスターに見えるが、暗黒界の多くが相手の効果によって捨てられる事により大量のアドバンテージを稼げる効果を発動できる。いや、それよりも気になるのが・・・・。
「暗黒界の魔神レイン? 初めて聞くカードだ」
「クックック、そうだろう。これは最近狂王ブロンが作り上げた新たな暗黒界のカード。レインが相手の効果によって墓地へ送られた場合、墓地のこのカードを特殊召喚する」
A2500・D1800
槍の先が二つに絵だ別れしている槍、双槍と言うのだろうか? すくなくとも人間が持てる大きさでは無い槍を持ち、悪魔らしく羊の角の様に曲がった角をしている暗黒界モンスター。暗黒界は強いが、見た目はさほどインパクトがある訳ではないので簡潔な説明になってしまう。
始めて見る暗黒界モンスターがどんな効果を持っているのか・・・・。
「この効果で特殊召喚に成功した時、相手のモンスターか魔法・罠のどちらか全てを破壊できる。俺が選択するのは魔法・罠だ!」
「ほう、だがさせない。速攻魔法ロングアーチサポートを発動。LSがいる時に発動可能。相手フィールド上のカードの効果を無効にする。レインの効果は無効だ」
「チッ! 暗黒界の斥候スカーを召喚。そしてグラファの効果でスカーを手札に戻して特殊召喚する!」
A2700・D1800
前のターンから出てくるのは分かっていたとは言え、こうノーコストでポンポン出てくるとため息を吐きたくなる。というか既にため息を吐いており、もう一枚のセットカードが破壊されない事を神に願いながらグラファの次の行動に警戒する。
「バトル! ゴルドでセルリを攻撃!」
「カウンター罠、クラールゲホイルを発動。相手モンスターの攻撃宣言時に自分フィールド上のモンスター一体を選択し発動。相手モンスターの攻撃を無効にしてバトルフェイズを終了。その後選択したモンスターをデッキに戻してデッキから夜天と名のつくモンスター一体を、LCを一つ乗せた状態で特殊召喚する。セルリを戻してシグナムさんを特殊召喚する」
ゴルドの前にシャマ姉の魔力光で作られたキューブ状の物体が現れて進行を止める。害が無いと判断したゴルドが再び突撃しようとしたその時、キューブが眩い光と耳がキーンとする高い音を出して爆発した。プレイヤーであるグラファを含む暗黒界全員は目と耳を塞ぎ、その間セルリを叩き戻してシグナムさんがデッキから現れた。
LCシグナム1
A1800・D1400
「サーチしたストラグルバインドでは無かったのか・・・・。カードを二枚伏せてターンエンド」
場 ミッドチルダ
遊斗 モンスター2 伏せ2 手札2 LP4900
グラファ モンスター3 伏せ2 手札3 LP2600
「俺のターン。すずかの効果発動。フィールドのLCを移動させる。シグナムさんのLCを自身に移動」
LCシグナム1→0 すずか0→1
「ツヴァイを通常召喚。効果でミッドチルダにLCを置く」
LCミッドチルダ1→2
AD500
「場のシグナムさんとツヴァイを融合。来い、祝福の将シグナム。融合召喚成功時に自身にLCを置く」
LCシグナム
A2700・D2200
このシグナムさんを王様はやてさんの効果以外で呼ぶのはずいぶんと久々な気がする。十分に強いし良いフィニッシャーにもなるんだけど、融合素材の二人が揃わない時が多かったから中々呼べなかった。ユニゾンしたシグナムさんの背中は、まるで父親の背中の様に大きくて安心感がある。実際俺よりも細くて滑らかであろう背中だが、こう強者のオーラと言うか、武士のオーラと言うか、兎に角安心できるオーラを放っている。
「融合素材として墓地へ送られたツヴァイの効果発動。フィールドのLCを一つ取り除いてこのカードを手札に加える。ミッドチルダのLCを取り除いて手札に」
LCミッドチルダ2→1
「デッキのアルフの効果発動し、すずかのLCを取り除いて特殊召喚する。場のフェイトとアルフを融合。来い、黒騎士フェイト・テスタロッサ・ハラオウン」
LCすずか1→0
A2800・D500
フェイトとアルフがグニャグニャになって融合の渦に呑み込まれ、そこから現れたフェイトさんはチラリと俺の方を見ると言った。
「遊斗、さっきからテンション低くない?」
「そうですか? まあさほど心躍るデュエルでは無いのは確かですけど」
「ッツ! 何だと!? 俺が弱いとでも言いたいのか!?」
「そうかもな。もう少しライフを削ってもらえると楽しめるが。シグナムさんの効果発動。自身のLCを取り除いて、相手フィールド上に存在するモンスターの攻守を0にする。グラファの攻守を0にする」
「何だと!?」
「「捉えよ、凍てつく足枷! フリーレンフェッセルン!」」
シグナムさんの手の平から渦の様に回転する氷が現れ、その渦は徐々に大きくなってサイクロンと同じ大きさの竜巻となり、シグナムさんが手を横に振ると同時に氷の竜巻は飛ばされてグラファの巨体を数秒間竜巻の中に閉じ込める。竜巻が晴れるとそこにあったのはカチンコチンに凍って氷象となった暗黒界の龍神-グラファだった。
LCシグナム1→0
グラファA2700・D2200→AD0
しかしシグナムさんの効果も十二分に強い。発動コストであるカウンターを融合召喚時に乗せる事が出来るし、自身の攻撃力は2700と初期ライフの半分を上回っている。
プレイヤーであるグラファは大声を出したが、さほど慌てた様子を見せないので、グラファが伏せたあの二枚のカードにより戦闘ダメージを回避してくるだろう。それが分かった所で、伏せ除去がある訳ではないので突っ込んでいいだろう。
「アリサの効果を、シグナムさんを対象に発動。バトル。シグナムさんでグラファを攻撃」
「「紫電一閃!」」
A2700 VS A0
シグナムさんはひとっ跳びでグラファの頭上まで跳び上がり、両手で持った赤い炎を纏う剣、レヴァンティンを振り下ろして氷象となった龍神を豆腐の様に切る。綺麗に真っ二つになったグラファの体はゴトンと地面に落ちて爆発し、その爆発に乗せてシグナムさんが左手から氷の魔力弾をグラファ本人に放つ。
「罠発動、ガード・ブロック! 戦闘ダメージを0にしてデッキから一枚ドロー!」
「やはり止めてきたか。アリサの効果でシグナムさんにLCを置いてデッキから一枚ドロー」
LCシグナム0→1
「フェイトさんでレインを攻撃。フェイトさんは自分の目の前のモンスターゾーンにいるカードと戦闘を行う時、700攻撃力を上げる」
フェイトA2800→A3500 VS A2500
「トライデントスマッシャー!」
自分の前に広げたミッドチルダ式の魔法陣の中央に向け、バルディッシュを持った手の反対、つまり左手を前に伸ばすと、フェイトさんの手の平から黄色の砲撃が飛びだした。レインは跳ね返せると思ったのか、右手の双槍の間から小さくジグザグに動く黒いエネルギーを発射して迎え撃ったが、結果は一目瞭然。魔神と名乗るには低い攻撃力を持つレインの体は、四分の三を黄色の砲撃によって貫通され、プレイヤーであるグラファの体をトライデントスマッシャーが襲う。
グラファLP2600→1600
「墓地の次元断層をゲームから除外して虚数空間を発動。互いのプレイヤーはスタンバイフェイズ時に相手フィールド上のカード一体を選択してゲームから除外する」
太陽が降り注ぐ近未来都市に、突然血の様に濃い赤く白い粒粒が混ざった空間があちこちに現れ、たった一枚のカードで平和だった近未来都市は不気味な都市へと変化した。
虚数空間は強いと言えば強いが、最初に効果を発動するのが相手のスタンバイフェイズ時だから使いにくい所がある。
「ミッドチルダの効果発動。シグナムさんのLCをすずかに移動」
LCシグナム1→0 すずか0→1
「そしてすずかの効果発動。フィールドにアリサが存在する時、自身のLCを一つ取り除き相手フィールド上のモンスターを選択して発動する。選択したモンスターは次の相手のエンドフェイズ時まで表示形式及び攻撃宣言する事はできない」
LCすずか1→0
グラファの効果でゴルドを戻されたらすずかの効果も消えてしまうが、その場合手札のスカーでは無くゴルドを戻さないといけないので、相手はゴルドを戻してグラファを特殊召喚するか、スカーを召喚してグラファを戻すかの二択の内どちらかを選択しなければならない。前者の場合上級モンスターが一体減り、後者の場合上級モンスターが並ぶが片方は表示形式と攻撃宣言ができない。
「カードを二枚伏せてターンエンド」
場 魔法都市ミッドチルダ
遊斗 モンスター2 伏せ5 手札1 LP4900
グラファ モンスター1 伏せ1 手札4 LP1600
「俺のターン!」
「スタンバイ。虚数空間の効果でお前はフィールドの俺のフィールドのモンスター一体を選択する」
「邪魔な黒騎士フェイト・テスタロッサ・ハラオウンをゲームから除外する」
「勿論対策はしてる。チェーンして罠発動Force-evolutionを発動。レベル7以上のLSを生贄に発動し、生贄にしたモンスターの名前が含まれているForceを特殊召喚する。フェイトさんを生贄に、融合デッキからLS-CW-Force01Xフェイト・テスタロッサ・ハラオウン-Riot Blade & ZamberⅡを特殊召喚」
A3300・D0
一昨日の大臣達とのデュエルと同じ様に、フェイトさんはForce-evolutionのカードから浮かび上がって来た二刀一対となっている連結剣を右手で取ると、素早く自分の足元に現れた小さい虚数空間から飛び出す。先程までフェイトさんがいた場所は、広がっていく虚数空間に支配されており、気付くのが遅かったらフェイトさんも呑み込まれていただろう。
「元から敵のカードなどあてにしていない。闇の誘惑を発動。デッキから二枚ドローし、手札にある二枚目のグラファをゲームから除外する」
「除外するのはスカーじゃない・・・・。となるとセットカードか」
「その通りだ。永続罠、闇次元の解放を発動。除外されたグラファを特殊召喚する!」
A2700・D1400
「墓地のグラファの効果を発動。フィールドのゴルドを手札に戻して特殊召喚! 更にトランス・デーモンを守備表示で召喚して効果発動。手札のゴルドを墓地へ送り自身の攻撃力をアップ。ゴルドを特殊召喚!」
トランスA1500・D500→A2000
A2300・D1400
「ハァ・・・・。グラファの効果考えた奴誰だよ」
「更に装備魔法巨大化をグラファに装備。攻撃力を倍にする」
グラファA2700→A5400
暗黒界に装備魔法・・・・。ドラゴン族や天使族等に比べたら火力不足かもしれないが、それより手札を捨てるカードを入れた方が強い気がする。まあ巨大化を発動されて少なからずピンチになっている俺が言える台詞ではないが。
「バトルだ! 巨大化を装備したグラファでフェイト・テスタロッサ・ハラオウンを攻撃!」
「罠発動、ポジションチェンジ。相手の攻撃宣言時及び自分フィールド上のモンスターを対象にする効果が発動した時に発動可能。その対象を自分フィールド上の別のモンスターに移す。フェイトさんへの攻撃対象をシグナムさんに変更する」
「すいませんシグナム」
「構わん。後は任せたぞ」
A5400 VS A2700
巨大化より大きさが二倍となったグラファは、体と同じく二倍になった翼を羽ばたかせ、風に乗せて黒い暗黒の刃をシグナムさんに飛ばす。フェイトさんへ飛んでくる黒い刃をレヴァンティンで斬り裂きながら、その身で黒い刃を受けて甲冑はボロボロになって満身創痍だ。防ぎきれなかった黒い刃が俺に向かって飛んで来る。上半身だけを動かして黒い刃を避けて、回避しきれなかった刃が皮膚を斬り裂いて血がポタポタと流れていく。
遊斗LP4900→2200
「ふ、ふははっ」
「何がおかしい?」
「いや、中々やるじゃんって思ってな。やっぱデュエルはこうじゃないと面白くない!」
「俺の分身が与えた2700のダメージを受けてそのダメージとは、お前本当に人間か?」
「残念だが一年前から人間止めててな。おかげでお前の2700のダメージもかすり傷だ。ポジションチェンジの効果発動。このカードを発動したターンに対象を変更したモンスターが破壊された時、融合デッキの好きなカードを墓地に送る事ができる。俺が墓地に送るのは烈火の剣聖シグナム」
「ふん。お前が何者であろうと俺には関係ない。カードを一枚伏せてターンエンド」
場 魔法都市ミッドチルダ
遊斗 モンスター1 伏せ4 手札1 LP2200
グラファ モンスター4 伏せ3 手札2 LP1600
「俺のターン! スタンバイフェイズ時に虚数空間の効果発動。除外するのは巨大化を装備したグラファだ」
俺が指差したグラファの足元を血の様な赤で塗られた虚数空間が占領し始め、その上にいたグラファは虚数空間の掟の通りに、赤い空間に引きずり込まれた。
「アリサの効果をフェイトさんに発動する。バトル! フェイトさんでゴルドを攻撃!」
A3300 VS A2300
「これ以上ドローはさせん! 罠発動、威嚇する咆哮! このターンのバトルフェイズを終了させる」
威嚇する咆哮のカードから浮かび上がった暗黒のマンティコアの顔が、口から衝撃波の様に目で確認できる程の咆哮をフェイトさんに上げる。その程度の咆哮で臆するフェイトさんではないが、ルールはルールだ。バトルフェイズは終了される。ドロー効果を使えなかったのは辛いが、アリサもすずかも今まで十二分にアドバンテージを稼いでくれた。十分に働いてくれたから誰かとチェンジしよう。
「Forceフェイトさんの効果発動。一ターンに一度自分フィールド上のLCを一つ取り除いて魔法・罠ゾーンにいるLSを選択して発動。選択したモンスターをデッキに戻し、戻したモンスターと同じレベルのLSを手札に加える。ミッドチルダのLCを取り除き、アリサをデッキに戻して同レベルのルーテシアを手札に加える」
LCミッドチルダ1→0
「ルーテシアの効果発動。このターンの通常召喚権を放棄する代わりに、戦闘で破壊されたLSを特殊召喚する。特殊召喚するのはクロノ」
A1700・D1500
「特殊召喚したクロノの効果発動。デッキから設置型バインドを手札に加える。カードを一枚伏せてターンエンド」
場 魔法都市ミッドチルダ
遊斗 モンスター2 伏せ5 手札2 LP2200
グラファ モンスター3 伏せ2 手札2 LP1600
「俺のターン! 貴様の虚数空間の効果でフェイト・テスタロッサ・ハラオウンをゲームから除外する!」
「フェイトさんの効果発動。相手のターン墓地のLSをゲームから除外し、次の自分のスタンバイフェイズ時までゲームから除外する」
次のターンアルハザードを手札に加えられるので虚数空間で除外されてもさほど問題は無いが、万が一虚数空間やアルハザードが破壊されたら元も子もない。虚数空間のデメリットをカバーしているつもりだが、やはり自分のカードも除外されてしまうのは辛い。
「これで貴様のフィールドは下級モンスター一体だけ。まあ念には念をだ。罠発動、暗黒よりの軍勢。墓地の暗黒界モンスターを二体手札に加える。手札に加えるのはスノウとシルバ。フィールド魔法暗黒界の門を発動!」
ミッドチルダの街並みは暗黒界の門が上書きされた時と同じ様に、ガラスの様に砕け散って、再び暗黒界の門がグラファの背中から生えてきた。しかし先程と違うのは虚数空間で、このフィールドのメインとなる暗黒界の門にまるで生き物の様に、赤い空間が張り付いている。
「暗黒界の門の効果発動」
ゴルドA2300・D1400→A2600・D1700
グラファA2700・D1800→A3000・D2100
トランスA1500・D500→A1800・D800
「墓地のブロンを除外して手札のスノウを捨て一枚ドロー。その効果でデッキから暗黒界の取引を手札に加える。暗黒界の取引を発動。何も無いなら一枚ドローして捨ててもらう。俺が捨てたのは暗黒界の刺客カーキ。その下級モンスターも破壊だ!」
クロノまで破壊されてしまったか。この場面でクロノを破壊したと言う事は伏せ除去は無いと見ていいだろう。
「更にトランス・デーモンの効果発動。手札のシルバを捨てて攻撃力を500アップ。そしてシルバを特殊召喚」
トランスA1800→A2300
シルバA2300・D1400→A2600
グラファに続いてゴルドにシルバ。暗黒界ではないが暗黒界と相性抜群のトランス・デーモンが並んだか。念には念の為か、トランス・デーモンだけは守備表示だが、残りの三体は攻撃表示になっている。
「バトル! グラファでダイレクトアタック!」
「もし今後デュエルをする機会があれば、もう少し伏せ除去を豊富にするんだな。罠発動、ディフェンス・スクラム。相手モンスターの攻撃宣言時に発動可能。自分フィールド上に武装隊トークンを可能な限り特殊召喚する」
AD500
レイジングハートのカノンモードを地味にして個性を無くした簡易デバイスを持った管理局職員達が一斉にシールド魔法を発動した状態で俺のフィールドに現れる。バリアジャケットも皆同じで個性が無く、髪型も顔も整ってはいるが全体的に特徴が無い。
「こざかしい! グラファ、ゴルド、シルバでその雑魚共を粉砕する!」
「グラファの攻撃は設置型バインドで防ぐ。効果ですずかにLCを置く」
LCすずか0→1
A2600 VS D500
A2600 VS D500
ゴルドの斧とシルバの剣によって二人の魔導師はシールドもろとも切断され、アッサリと破壊されてしまった。
「次のターンで決めてやる。カードを一枚伏せてターンエンド」
「エンドフェイズ時に武装隊トークンは破壊され、破壊された枚数以下のレベルを持つLSを手札に加える。破壊される枚数は三枚だがレベル3以下のLSは墓地にいない」
場 暗黒界の門
遊斗 モンスター0 伏せ4 手札2 LP2200
グラファ モンスター4 伏せ2 手札2 LP1600
「俺のターン! スタンバイフェイズフェイトさんが戻り、虚数空間の効果発動。まあゴルドを除外だ」
A3300・D0
「ゴルドを除外だと?」
「どっちにしろ除外したモンスターは戻る。四回効果を使用した虚数空間の効果発動。デッキからフィールド魔法アルハザードを手札に加える。お前ごときにこのフィールド魔法を使うとはな。フィールド魔法アルハザードを発動!」
グラファA3000・D2100→A2700・D1800
ゴルド&シルバA2600・D1700→A2300・D1400
トランスA1800・D800→A1500・D500
デュエルディスクにパン! と勢いよくカードをセットすると、本日三回目のフィールド魔法の上書きと共に、新たなるフィールドが生まれてくる。そこは心地よい太陽の光が降り注ぎ、広々とした草原には優しく髪や草を撫でてくれる風が靡く、強力な効果とは裏腹にマイナスイオンを発する空間だった。発動されたフィールド魔法が余りに呑気な場所だったので、グラファは弱い効果と呼んだのかニヤリと骨を動かして笑う。
「こんなフィールドで何が出来る」
「慌てるな。まずはアルハザードを発動時に虚数空間の効果が発動される。虚数空間で除外したモンスターをフィールドに戻す。グラファとゴルドがお前のフィールドに戻る。お前のモンスターゾーンには四体居るから、どっちか好きな方を選べ」
「勿論グラファをフィールドに戻す」
A2700・D1800
「そしてアルハザードの効果を発動。一ターンに一度、三つの効果の内一つを選択して発動できる。俺は第三の効果を発動。墓地の魔法・罠カードを一枚選択しデッキに戻す。その後二枚ドローした後に手札を一枚捨てる。クラールゲホイルを選択しデッキから二枚ドローし、一枚捨てる」
これで手札は四枚まで増えた。アルハザードの第三の効果を使い続ければ更に手札を増やす事が出来るが、このターンで終わらせる予定だ。
「ヴィータさんを通常召喚。そしてすずかのLCを取り除いてツヴァイを特殊召喚する!」
LCすずか1→0
A1900・D1200
AD500
「場のヴィータさんとツヴァイを融合! 来い、祝福の騎士ヴィータ!」
A2600・D2500
「ヴィータさんの効果発動! 融合召喚時にセットされたカードを二枚まで破壊する! そのリバースカードを破壊だ!」
「クッ!」
手の平サイズの鉄球を飛ばして破壊したリバースカードは、みんな大好き聖なるバリア-ミラーフォース。正直この状況で発動されていたら洒落にならなかったのでかなり助かったと言える。
「永続魔法LS級戦艦ヴォルフラムを発動!」
のどかな草原の上に現れたのは俺の移動手段でもあるヴォルフラム。せっかくの気持ちの良い太陽の光を遮らない様に上手く登場したヴォルフラムは、ワープ装置を使って一枚のカードを俺の前に落してくれた。
「墓地のForce-evolutionの効果発動。ヴォルフラムがある時に手札一枚を捨てることにより、このカードを手札に加える事ができる。そしてヴォルフラムがある時Force-evolutionは手札から発動できる!」
「手札から罠を発動だと!?」
「Force-evolutionで生贄にするのは祝福の騎士ヴィータ! ヴィータさんを生贄に、LS-CW-Force03X紅の鉄騎ヴィータ-War Hammerを特殊召喚する!」
LS-CW-Force03X紅の鉄騎ヴィータ-War Hammer ☆10/地/魔法使い/A3500・D1000
フェイトさんの武器と同じ様にヴィータさんの装備もまたハンマーだけの装備だった。しかしそのハンマーは、彼女のデバイスであるグラーフアイゼンにも負けずとも劣らない派手さでゴツい姿をしており、ヴィータさんの小さな体には似合わない筈なのだが、持ち手のオーラというものなのだろう。ヴィータさんの体には不思議と巨大なハンマーが似合っていた。
杭の様になって先は槍の様に尖っており、そこを支えるのがハンマーの中心部分――ハンマーをTの文字で現すと二つの線がクロスする部分だ。当たり前だが中心部分からは持ち手や、後方に付いているジェットに繋がっており、中心部分の少し下にはオーバーヒートしない様に熱の排出口が付いている。
「攻撃力3500!?」
「特殊召喚成功時にヴィータさんにLCを置く」
LCヴィータ1
「バトル! ヴィータさんでトランス・デーモンを攻撃し、攻撃宣言時にヴィータさんの効果発動。フィールドのLCを取り除き、このバトルの間貫通効果を得る!」
「ば、馬鹿な! 俺が人間の小僧に!」
ヴィータLC1→0
A3500 VS D500
「行くぞ! プラズマパイル!」
ウォーハンマーの後方に付いているプラズマジェット噴射機能を用いる事で、グラーフアイゼンのジェットよりも更に強力な噴射を行う打撃攻撃。その単純で分かりやすくも強大な攻撃は、大型兵器の粉砕もたやすく、頭上で飛んでいるヴォルフラムも破壊しようと思えばできるらしい。
ヴィータさんの大声と共に起動されたプラズマジェットにより、ヴィータさんの姿がうっすらと霞む程のスピードで移動し、ほんの0.数秒の間でトランス・デーモンの元まで飛び、巨大なハンマーをスピードを一切殺さずに細い悪魔へとぶつける。ヴィータさんにとっては紙の様に柔らかい悪魔はちょっとした障害物程度にしかならず、そのままのスピードでプレイヤーであるグラファにハンマーを叩きこんだ。
「ぐあああああっ!」
グラファLP1600→-1400
強大な体でも衝撃を押し殺す事は出来なかったグラファは与えられる痛みへの悲鳴と共に、ドガンドガンドガン! と城に巨大な破壊音が鳴り、破壊音が鳴る度に城が揺れる。飛ばされたグラファは城の壁を何枚も貫通し、外の景色が見える大きな穴を開けた。
「さっすがヴィータさん!」
「あたぼうよ。もっとあたしの力を見せてやりたかったが、それはまた今度みたいだな」
排出口から蒸気を噴出するウォーハンマーを肩で担いだヴィータさんは、オブライエンが上った階段を眺めながらカードに帰って行った。もう一度グラファのライフが0になったのをデュエルディスクで確認すると、僅かにカーブしている長い階段を掛け足で上って行く。
あのオブライエンの事だから負ける筈はないが、万が一、万が一があるかもしれないので、オブライエンの無事を願って走っていると、日本の城でいう天守閣の様な場所に出た。勿論天守閣の様に綺麗で整った場所では無く、どちらかと言えば見張り台と言った方がいいだろう。そこは少し狭いがデュエル出来るには申し分ないスペースがあり、現在進行形でオブライエンと黒い鎧と死神の様なマントを付けた男がデュエルをしていた。
「遊斗!」
「まだ雑魚がいたか・・・・」
「その声は!? う、嘘だろ・・・・」
覇王がいる方角から聞こえた声には聞き覚えがあった。いや、聞き覚えがあるなんてものじゃない。トーンが凄く低く冷たいが、生まれて初めて出来た親友の声だった。声だけじゃない。鎧の中から覗くその顔は、一生忘れる事の出来ない大切な親友、遊城十代の顔。
混乱しているのだろう。俺は十代の瞳の色が変わっている事に気付かず、ただ茫然と暗黒の甲冑を着た親友を眺めていた。
「何故、十代が・・・・。いや、お前は本当に十代なのかっ?」
「我は覇王だ」
「ッツ! オブライエン! 簡潔でいいから説明しろ!」
「仲間達・・・・万丈目、天上院兄弟、剣山を消されたショックで、本来の十代の人格は中に閉じこもり、代わりに隠されていたもう一つの人格が十代の肉体を支配したんだ」
十代の中にあったもう一つの人格ッ!? 残虐卑劣で村や国を襲って自らの力に吸収するのが、もう一人の十代!?
混乱している俺に見せる様にオブライエンはギュッと握っていた右手を開き、右手で隠れていた綺麗な宝石を露わにした。
「これはジムが残してくれた想い、そして力だ!」
「その力とやらも我が
A3500 VS A3000
悪魔の様な翼を広げ両手の指と指の間に鋭利な針を持った邪悪なE-HEROは、オブライエンの切り札であるヴォルカニック・デビルに向けて両手に持った針を投げた。禍々しいオーラを纏った針はヴォルカニック・デビルの灼熱の炎を諸ともせずに突き進み、ヴォルカニック・デビルのマグマの体を貫通し、ヴォルカニック・デビルがガクッと手を地面に付けると同時に、爆発して火の子を散らせた。
オブライエンLP500→0
「オブライエン!? 覇王ッ、貴様ぁぁあ!」
「待て遊斗! 俺は最後の作戦を完了している!」
黒い土煙の中からオブライエンの声が聞こえ、次の瞬間オブライエンは覇王に向かって走り出した。
「悪足掻きとはな。ライフがゼロになった者の力等無意味だ」
「俺が戦闘ダメージを受けた時、墓地のヴォルカニック・カウンターの効果が発動していた! 俺が戦闘ダメージを受けた時、このカードを除外して受けた戦闘ダメージと同じ数値分のダメージを相手に与える!」
覇王のライフは僅か100だ。先程の戦闘でオブライエンは500のダメージを受けたから、この効果を受けたら覇王のライフは0になる。この世界で合い打ちがどんな結末になるかは知らないが、このままオブライエンが持った宝石が覇王に触れた時何かが起きる気がする。
「させん。カウンター罠、天罰を発動。手札一枚を捨て、モンスター効果の発動を無効にする」
「なっ!?」
「ずっと伏せていたカード! 覇王は万が一を予想してずっと使わなかったのかッ!?」
天罰のカードから発射された白い稲妻がオブライエンの墓地にいるヴォルカニック・カウンターに目掛けて飛ばされ、電子音を上げるデュエルディスクは無情にもコストとして除外されたヴォルカニック・カウンターを吐き出した。これによりオブライエンのライフだけが0になり、先程まで吠えていたオブライエンはピタリと足を止めた。否、足が動かないのだろう。
「ッツ、遊斗! このオリハルコンの眼、ジムの、俺達の想いをッ!」
体から白い光を放つオブライエンは、右手に持った宝石を俺に投げてきた。茫然としていた俺だが、反射的にパシッと受け取ると、オブライエンは唇を小さく動かして「後は任せたぞ・・・・」と弱弱しい声で言って、最初から誰も居なかったかの様にスッと消えた。
これが・・・・、デュエルで負けた者の末路・・・・。敵を倒した時の達成感からは程遠い感情が俺の中を渦巻いた。大声で泣き喚きたくなる悲しい感情と、覇王に対する怒りの感情。そして、こんな気持ちを沢山味わった十代への同情。
「十代・・・・。お前はこんな光景を沢山見てきたのか。万丈目、明日香、剣山、吹雪さんの消えていく姿を・・・・」
「知らんな」
告げられたのは冷徹な言葉。仲間のオブライエンを消しても表情一つ変わらない冷徹な心。これが十代のもう一つの人格・・・・いや、十代と思うのは止めよう。王が破滅の光に操られていた様に、十代は覇王に乗っ取られたんだ。奴を倒す事で十代を救う事ができ、オブライエンとジムの悲願を叶える事が出来る。
「覇王ッ、デュエルだ! 竜の王として! ジムとオブライエン、そして十代の友としてお前を倒すッ!」
喉が千切れそうな程の大声を上げてデュエルディスクを構え、目の前の覇王を睨みつける。すると何が起こったのか、胸に掲げた竜の爪がカタカタと独りでに動いて、この薄暗い不気味な夜を赤・青・茶・緑・黒の光で包み込んだ。冷たい心を持つ覇王も少し驚いたのか、一瞬だけピクリと頬を動かしたのがチラリと見えたが、自分の体の変化の方に気が行ってしまい、その光景はあっと言う間に記憶から消えてしまう。
今までとは比べ物にならない力が体の奥底から溢れ出て、それと同時に眉に掛かる程の前髪が目を隠して鼻に当たる程度に伸び、後ろも肩を隠してしまう程に伸びた。視界を覆う髪の一部が、人間形態のF・G・Dの様に赤・青・金・茶・黒の五つの首の色が螺旋状になっている。何より変化があったのは左手に装着したデュエルディスク。デュエルアカデミア入学時に無料で配布される平凡で白くて丸っこいデュエルディスクだったのが一気に黒に染まり、それぞれのモンスターゾーンが薄い赤・青・茶・緑・黒で染められて、丸っこい形をしていたのが初代のデュエルディスクの様に三角になった形へと変わる。
「・・・・力を貸してくれるのか、F・G・D・・・・」
色々な事があり過ぎて突然の展開に慣れたのか、それとも無意識の内に力を解放できる事を知っていたのか、自分の変化にはさほど驚かなかった。覇王は無言で手裏剣の形をしていたデュエルディスクを回転させる。デッキや墓地の役割をしている場所を中心に、刃となったモンスターゾーンや伏せカードをセットする場所が回転しているのだ。覇王のデュエルディスクが、いつものデュエルディスクになると同時に俺達は揃えて声を上げた。
「「デュエル!」」
安定のデュエルマッスル。姿が変化する=デュエルで更なる力が発揮される。この式はデュエリストなら切っても切れない存在。
カードゲームと全く関係ないじゃんww
と思ってる方はまだまだ甘いですぞ……なんて言いましたが、あろうとなかろうと変わらないって言うね。
オブライエンのあのシーンめっちゃ名シーンなんですけど、やっぱり主人公と戦わせたいからこうなってしまいました。これ以上オリジナル展開を考えたく無かったとは言え、やはりあの名シーンを崩すのは辛かったです。
ヴォルカニック・カウンター通用しなかったのは遊斗の存在で十代がより強くなったと思っていただければ。(どっちにしろOCGでは通用しませんが)
というかグラファとのデュエルの存在が最後の流れで流されてしまいましたが、やっぱり暗黒界は強いですね。使われないカードを多数使用しましたが、グラファのデッキにウイルス系が入っていたら遊斗普通に負けていましたし、デュエルの構成も遊斗が有利になる様にしながらやっていたので。
そんな暗黒界でも最近では結果を残せなくなってきたのが現状。流石遊戯王!
LS-CW-Force03X紅の鉄騎ヴィータ-War Hammer ☆10/地/魔法使い/A3500・D1000
このカードは「Force-evolution」の効果でのみ特殊召喚する事ができる。
このカードが特殊召喚に成功した時、このカードにLCを1つ置く。
攻撃宣言時、自分フィールド上のLCを1つ取り除くことでこのバトルフェイズの間、このカードが守備表示モンスターを攻撃した時、その守備力を攻撃力が超えていれば、その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。このカードが戦闘で相手モンスターを破壊し、墓地へ送った時、墓地へ送ったモンスターのレベルの数と同じ数だけこのカードにForceカウンターを乗せる。このカードが攻撃を行うダメージステップ、このカードに乗ったForceカウンターを全て取り除き、取り除いた数×100ポイントこのカードの攻撃力をエンドフェイズまでアップさせる。
自分のエンドフェイズ時にこのカードに乗っているLCを1つ取り除く。LCが乗っていないこのカードは融合デッキに戻る。
◇
今日のオリカはこの一枚です。攻撃力3500とかなり高いですが、原作的には正直これでも低すぎるくらい。何しろ戦艦辺りの兵器に作られた武器ですからね~。だから元々の攻撃力を更に上げるか、それとも攻撃力をアップさせる効果を入れるかのどちらかにしたのですが、後者の方がバランスもいいので。
ヴィータらしく当然貫通効果も持っていますが、攻撃力が高いのでLCを消費しないと貫通効果を得られない様になっています。