遊戯王GX 決闘モンスターリリカルなのは   作:あかない

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宣言した通りすっかり投稿が遅れました。更新ペース安定しませんが完結に向けて頑張っていきます。



遂にブルーアイズのストラクが登場しましたね。強靭にして無敵! 我が魂! あの宣伝は今までで一番愛のある宣伝だった。そしてキサラの強さにドラゴンヌートが嫉妬。キサラとヌートを軸に、ブルーアイズとレッドアイズを展開するデッキを組みましたが、やはり事故率が酷い。あーだこーだとデュエル脳をフル回転させてとりあえずある程度まとまりました。



そして今回はおそらく皆さんすっかり忘れていたであろう結構重要なフラグを回収します。


第六十三話

覇王を倒し、十代を取り戻した俺達はヴォルフラムで魔法都市エンディミオンに戻っていた。十代を医務室のベッドで寝かせ、俺は亮さんとエドに事の全てを順に話した。破滅の光と王達の事、俺が王の中のF・G・Dの息子だと言う事、今この次元世界では戦争が起こっているのでそれを止めようと動いている事。二人とも、二つ目の俺の体の事に付いては今一実感が無いようなので、もう一度F・G・Dの力を解放して覇王とデュエルをしていた姿になると複雑な顔をしながらも納得した。

 

「遊斗の事は凄いデュエリストだと思っていたが、まさかここまでとはね」

「エド・フェニックスに褒められるなんて光栄だな。エドと亮さんは俺が知らない情報を持っていますか?」

「ああ。だが俺、と言うより今も後を付けてきている翔とオブライエンの情報だが」

「あれで隠れているつもりだったのであえて何も言いませんでしたが、やっぱり翔も何かあったんですか?」

「よくは知らん。ただ二人から聞いた話を纏めるとこうだ」

 

数分後、亮さんは全てを伝え終え「そこ等を歩く」と言って医務室から出て行った。亮さんから聞いた話を纏めるとこうなる。

まずこの次元にやって来る段階で三つのグループに別れて飛ばされた。一つが俺一人。二つが亮さんとエド。三つ目が十代、翔、万丈目、明日香、吹雪さん、剣山、ジム、オブライエン、それから・・・・そ、そう三沢だ。三沢はすぐにその三つ目のグループから脱退し、俺達と同じく次元の歪に飲み込まれた元セブンスターズの一人タニヤと行動しているらしい。

三沢が脱退した後、万丈目、明日香、吹雪さん、剣山は暗黒界の魔王ブロンに掴まり、十代は四人を助ける為にブロンとデュエルをした。しかし十代は四人を守る事が出来ず、目の前で四人は消えて行った。四人が掴まったのは十代が突っ走った所為というのもあり、少し頭を冷やさせる為にジムとオブライエンは翔を連れて少しの間十代を一人にした。そして三人が帰って来ると十代の姿は何処にも無く、翔はジムとオブライエンの元を離れて一人でどこかに行った。

それからジムとオブライエンは十代を探す為にあちこち動き回り、翔は生き残った万丈目のおジャマ・イエローと旅をしており、翔はそこで亮さんと再会したらしい。最もすぐに別れた様だが。翔が俺達を付けているのは、十代を行う事を最後まで見届ける為らしい。

 

「そっちはそっちで大変だったみたいだな。特に十代は」

「だね。僕と亮は雑魚と戦うだけだったからさほど苦労はしなかったが」

 

それからエドとさほど大事では無い、世間話の様なものをしていると、ベッドに眠っていた十代の口から息が漏れた。

 

「んっ・・・・、ここは?」

「起きたか十代」

「遊斗、それにエド。俺は一体・・・・」

 

覇王となった時の事を覚えていないのか、或いは起きたばかりで頭が回らないのか。どうやら後者だった様で、何を言えばいいのか迷っている最中、十代は全てを思い出したのか、急に両手で頭を抱え始め小さな嗚咽を漏らす。そして自分の手の平を見ると体を震わしながら。

 

「そうだ・・・・、俺はこの手で、みんなを・・・・。万丈目も明日香も剣山も吹雪さんもジムもオブライエンもッ!」

「・・・・お前の所為じゃない。だがお前に全く非が無い訳でも無いのも事実だ」

「遊斗。少し一人にさせておいてやろう。十代も混乱している」

「ああ。最低限の事は伝えておく。ここは俺のカード、艦船ヴォルフラムの中で今この船は魔法使い族がいるエンディミオンに向かっている」

 

それだけ十代に伝えるとエドと一緒に医務室から出た。扉が閉じると同時に、背中から十代の小さい泣き声が聞こえ、俺達は静かに医務室から離れて行った。エンディミオンに到着したのはそれから二時間後で、その三十分前に医務室に戻った俺は、この世界で体験した事全てを十代に伝えたが、十代はほとんど反応を見せずにただうずくまっていた。

 

 

 

 

再びエンディミオンに戻ると、ホワイトナイツと氷の女王、ブラック・マジシャンとブラック・マジシャン・ガールが待っていてくれた。俺が安全無事に帰って来た、それはつまり無事に覇王を倒したと言う事であり、皆喜んで出迎えてくれた。

十代が覇王だと伝えてもデメリットしか無いので、ホワイトナイツにも黙って置く事にしよう。俺の友人であり当事者でもある、十代、亮さん、エドの三人も一緒に会議室に入れるように魔法使い族三人に願う。

 

「分かりました。ではご案内します」

 

かなり落ち込んでいた十代も本物のブラック・マジシャンの精霊に会えたのは嬉しかったのか、少しだけ笑みを浮かばせるが、それもすぐに消えた。ブラック・マジシャンが案内したのはこの前来た会議室と全く同じ場所。最も態々ここで話し合う事など殆ど無いのだが。初めに俺が席に付き、その後十代、亮さん、エドが座り、他の皆が席に座る。

 

「遊斗様がお帰りになられたと言う事は、覇王を倒したと言う事でよろしいのでしょうか?」

「ああ、覇王は消えた。覇王軍の統率も無くなり、自然消滅するだろう。念の為、残党が手を組まない様に、あの辺りを巡回させるようにしておく。これでいいよな?」

「はい。我等魔法使い族からも力に自信のある者を出しておきます。それとホワイトナイツ殿から聞いたのですが、遊斗様はヨハンと言う人間の少年を探しているとの事」

 

すると亮さんとエドの眉がピクッと動き、十代がドンと机を叩いて席を立った。

 

「ヨハンを見つけたのか!?」

「あ~、悪いみんな。十代、とりあえず座って話を聞け」

「あ、ああ・・・・。それでどうなんだ?」

「少年では無いのですが、妙な語尾を付ける中年の男性と角刈りの頭の女性が、つい先日ここから歩いて数時間程にある洞窟の近場にいたそうです」

 

妙な語尾を付ける中年の男性って言ったらあの人しか思い浮かばない。ただもう一人の角刈りの頭の女性は知らないな。そもそも角刈りの頭の女性がいるのか・・・・ってまあ、髪型は人それぞれだしな。あのデュエルキングの遊戯さんもかなり独特な髪形をしていらっしゃるし。

 

「クロノス教諭だな」

「ですね。その洞窟はどこにあるんだ?」

「今地図をお持ちします。ガール、取って来い」

「は~い!」

 

元気よく席から立ったブラック・マジシャン・ガールは短いスカートを揺らしながら部屋から出て行った。何でこの次元にクロノス先生がいるかは分からないが、理由がどうであれ、これからの目的が無い亮さん達はクロノス先生の元へ向かう筈。

 

「次の目的が決まったな。俺はクロノス教諭の所へ行く。遊斗、お前はどうする?」

「俺はもう少しここにいます。まだブラック・マジシャンの大事な話しとやらを聞いていないんで」

「そうか・・・・」

「僕も亮に付いて行く」

「お、俺は「お前は付いて来い。お前みたいな不抜けが居ては遊斗も迷惑だ」・・・・ああ」

 

もう少しオブラートに包んで欲しいものだが、甘やかすばかりでは何もならないし、十代は亮さんの元へ置いておくのがいいのかもしれない。実際俺は十代に何て言えばいいのか分からない。例え第二の人格の覇王が原因であれ、十代がその体でジムとオブライエンを殺し、沢山の精霊を苦しめたのには変わりは無い。そんな十代をどうやって励ませばいいのか、そもそも励ますのが十代の為になるのか。

・・・・でも一つだけ言える事があった。

 

「十代、お前には俺や仲間達がいる。E・HEROやネオスペーシアン達がいる。それを忘れるな」

「・・・・ありがとう」

「それはお前が元通りになってから言え」

「地図持ってきましたよ~」

 

元気よく扉を開けてきたブラック・マジシャン・ガールは俺の元へ広げた地図を持って来る。そして右手の魔法の杖を光らせると、クロノス先生が居たと言う洞窟の場所に黒い円を描く。地図の中心に描かれている城が魔法都市エンディミオンだから、ここから西へ進んだ所の様だ。両隣にいた亮さんとエドもこの地図を眺め、エドは二三頭を縦に振り「なるほど」と呟く。この中で何だかんだで一番しっかりしていそうな最年少のエドに丸めた地図を渡すと、エドは「助かるよ」と言ってジャケットの中に地図をしまう。

 

「ブラック・マジシャンの大事な話と言うのは俺達が聞いてはいけないものだろう。俺達は早速ここを出る」

「すまないが数人分の食糧をくれると助かる」

「頼みごとばかりですまないが、宜しく頼む」

「覇王軍を壊滅してくれたのです。これくらい些細なものですよ」

「じゃあ十代。今度会う時はいつものお前になって・・・・なくてもいいけど、せめてみんなの願いを成し遂げる為にヨハンを見つけておけよ」

「あ、ああ・・・・」

 

十代はぎこちない返事をしながら亮さんとエドと共に席を立ち、氷の女王に案内されながら部屋から出て行った。四人が出て行った後、ホワイトナイツは「では用事がありますので」と頭を下げて部屋を出て行った。あっと言う間にブラック・マジシャン、ガールと俺の三人だけとなってしまい、どうにも落ち着かない。

大事な話って何だ? 今後の精霊界の事? それとも魔法使い族との関係? 死んだ王の代わりの者を探すとか?

ここ一週間で立場が一転した所為で様々な事が頭を過り、段々と頭が混乱して来た。そもそも数時間の休息があったとはいえ、数時間前は覇王となった十代と命がけのデュエルをしたり、オブライエンが消えていく姿を見たりと、色んな事が一気に起こって俺も疲れていた。

 

「では、今から非常に重要な事をお伝えしようと思います」

 

そんな俺の心境を察してくれたのか、ブラック・マジシャンは勿体つけずに、全国の校長先生に見習って欲しい短い出だしから、本題に入ってくれた。

 

「実はここ最近、三週間程前からとある地点に非常に強大な時空の歪が現れています」

「じくうのひずみ? えっと、それは俺や十代達がこの次元に来た時の歪が未だに残っていたって事か?」

 

聞き覚えのある時空の歪という単語。前の砂漠の次元から俺達の次元に戻った時の余波で現れた、文字通り歪で、俺達はそこを通ってこの次元にやって来た。しかし俺は感の悪いと言うか、さほど頭がよくないと言うべきか、首を横に振るブラック・マジシャンの姿を見て再び頭を混乱させ始めた。

 

「それとは別です。遊斗様がこの次元に来る数日前から起こっており、その時空の歪は着々と大きくなってきています」

「はぁ・・・・。それで、えっと?」

「勿体ぶり過ぎだよお師匠様。ほら、その歪を広げている犯人を言わないと」

「分かっている。その時空の歪を広げている者は、名前を持たなかったカード・・・・」

 

そう言ってブラック・マジシャンは俺の目をジッと眺め、ゆっくりと唇を動かした。

 

「フェルシュトラーフェ」

「ッツ!? フェル!?」

 

前の次元で俺やみんなを助けてくれた三幻魔の力を持っている少女。予想していなかったその名を聞いた途端、俺はガタンと音を立てて座っていた椅子を倒して勢いよく立ち上がった。

何故立ち上がったかは分からない。フェルがそんな事をする筈が無いと言いたいのか、何故フェルがそんな事をしているのかと聞きたいのか。ただその名を聞いた途端ジッとしていられなかったのは頭で理解出来た。

ブラック・マジシャンはローブの中から、占い師が使っていそうなバスケットボールより二回り程小さい水晶の玉を机の上に置き、あくまで冷静なトーンで説明を続けていった。

 

「彼女が何故そんな事をしているのかは分かりません。ただ彼女を調べる内に分かったのが、彼女こそ本来なら存在する筈の無いカードを呼び寄せた張本人です」

「なっ!? ・・・・本来なら、存在する筈の無いカード・・・・」

 

二年前から度々聞く機会があった。本来なら存在する筈の無いカード。例えばカオス・ソーサラーが使っていたエフェクト・ヴェーラー。梶木さんが使っていた忘却の海底神殿。F・G・Dが使っていた四征竜。覇王が使っていたE-HEROもそれに当たるのかは知らないが、どれだけ調べても、どこの誰が使っているとかどんなパックに入っていたかなど、正体を掴めないカードを俺はこの二年間と数ヶ月の間に出会っている。

そもそも事の発端は、LSが本来なら存在する筈の無いカードを生み出した原因だと言われたのがきっかけだった。LSが強力な力を持っているという事で精霊達が襲って来て、そしてそれから王達が襲って来て、王達の正体が破滅の光だって気付いて・・・・。

 

「そういえばその問題、まだ解決していない・・・・。色々あり過ぎてすっかり忘れてた・・・・」

「二年前の文化祭の時に私が言った通り、原因はLSじゃ無かったんだよ。あっ、今フェルシュトラーフェはLSみたいだけど」

「おそらく彼女は強すぎる余り存在するだけで、時空を歪め、そこから様々な時間や世界のカードを運んでいるのかと」

 

まるでフェルが存在してはいけない様な言い方にムッと来たが、ありのままを話しているブラック・マジシャンに当たっても何の解決もしない。それなら混乱して疲れきっている頭を少しでも回復させて、冷静に物事を判断した方がいい。三十秒近い間無言で考えていると、さっきのブラック・マジシャンの台詞と、ふと父さんの考えがクロスした。

フェルが存在するだけで時空を歪めて、色んな時間のカードを運ぶ? 確かにそれならいくら調べても正体が掴めないカードがあるのにもまだ納得できる部分もある。だがそれなら、この時間にも絶対にある筈の未来のカードが無い。

 

「合計レベル・・・・」

「は?」

「フィールドのモンスターのレベルを足す事で召喚できるモンスター群。お前達はそんなカードを知っているか?」

「ううん」

「いえ・・・・。そんなカード見た事も聞いた事もありません」

 

二人の返答は予想通りだった。逆に首を縦に振っていたら俺は混乱の余り大声を上げていただろう。なにしろ質問した俺すらも知らないカードだから。だがそれ等のカードは絶対に未来に生まれる。それは断言できるのだ。

 

「俺の父さん、ジェイル・スカリエッティが考えている新しい召喚方法だよ。どんな呼び方をされるのか、どんなカード枠になるのか、どんな効果を持っているのか全く分からない。だが父さんは絶対にそれらの召喚方法を持つモンスターを作り出す」

「え? だって未来の事なんでしょ? 何でそんな自信満々に「父さんならやりかねない」は?」

「どうしてそんな召喚方法を思いついたのかは知らないが、LSの一部の融合モンスターはその試作段階と言ってもいい。あの人が態々試作までしたんだ。絶対何らかの形でその召喚方法を復旧させるに決まっている」

 

未来の出来事になるのでそれを証明する方法は無いが、その召喚方法を必要とするモンスターは絶対に現れる。根拠も証拠も無い。強いて言うならジェイル・スカリエッティという名が根拠でもあり証拠である。

 

「つまり俺が言いたいのは、フェルが様々な時間のカードを移動させるのなら、どうしてその召喚方法を必要とするモンスターがいないのかって話だ」

「さ、さあ。我々は本来なら存在する筈の無いカードの正体が、未来や別次元から来たカードであり、それをフェルシュトラーフェが運んでいると言う事しか・・・・」

「本人に聞かないと分からない、か。他にも分からない事がいくつかあるし、フェルを放って置くわけにもいかない。フェルが居る場所はどこだ?」

 

問うとブラック・マジシャンは再びローブの中から精霊世界の地図を取りした。ブラック・マジシャンの行動に連動し、ガールは先程ブラック・マジシャンが机に置いた水晶に、手の平から桃色に光るエネルギーを送り込み始める。ブラック・マジシャンが地図を広げるのと同じタイミングで、ガールの魔力を供給されていた水晶に映っていた俺の顔が消え、突如砂漠地帯を上から見た景色が映し出される。かなり気候が悪いその砂漠は、ビュゥゥと拭き叫ぶ風が大量の砂を舞わせて視界を霞ませるが、その中でもハッキリと確認できるものがあった。それはポツンと宇宙の様に黒く、白い小さい粒が無数にあるドーム状の空間。

 

「あの中にフェルがいるのか?」

「うん。そしてこの砂漠はここ」

 

ガールは俺の前に広げられた地図の白い空間を指す。指した場所を中心に半径五センチ辺りの場所は真っ白で、山や建物や森等が細かく書いてある地図の中で唯一浮いている場所というのがやけに気になる。実際その事を質問すると理由は簡単で、この次元での砂漠の地域はここしかないので空白にしているらしい。砂漠なら砂漠で砂の絵を描けばいいと思うのだが、後々何か発見した時にすぐ付け加えられるようにだと。

どうでもいい話になったので、一度閑話休題。

兎に角その砂漠にあるドームの中にフェルが居ると言う事だ。精霊界の事で色々やらないといけない事もあるが、フェルの話を聞いたからには真っ先にフェルを優先したい。俺やみんなを助けてくれた命の恩人って言うのは勿論、単純にあの子は危なっかしくて放っておけない。

 

「俺はいますぐその砂漠に向かう」

「待って下さい。遊斗様は覇王とのデュエルでお疲れになっています。せめて今夜はお休みになって下さい」

「けどっ!」

「いざという時に万全な状態でなければ、彼女を助ける事が出来ないかもしれません」

「ッツ・・・・。分かった。じゃあ明日朝一に出発する」

 

上手くブラック・マジシャンに丸めこまれたが、確かにもしもの時に万全の状態で無いと困るのは俺自身だ。そのもしもがどんな状況なのかは分からないし、どんな理由があってフェルがあんな事をしているのかは分からないが、強大な力を持っているフェルが次元の歪を大きくしているのは事実。万全の状態でいて損する事は無い。

ブラック・マジシャンに案内された部屋に入り、随分と豪華なベッドにドサッと横になって「ハァ~」とため息を吐く。覇王化した十代。未だに掴めないヨハンの行方。いなくなってしまった万丈目、明日香、吹雪さん、剣山、ジム、オブライエン。クロノス先生と角刈りの女性。次元の歪を広げているフェル。

思えば今日一日で色んな事を聞いて、色んな事があった。ドラゴン族の国にいたのが何ヶ月も前の様に感じる程長い二日間だった。

 

「・・・・どこに行ってたと思ったら、まさかこの次元にいるなんて・・・・」

「フェルの事が気になる?」

 

ベッドのスプリングが軋む音と共に、アルトの心地よいトーンが耳に入って来た。視線を動かした先にはフェイトがベッドに座っており、俺はフェイトの質問に首を縦に振って答えた。

 

「前の次元でみんなの力が弱まっていた時にな、フェルに命を助けてもらったんだ。その時フェルはエクゾディアをいとも簡単に倒したり、みんなに力を与えたりしてくれた。ユベルとのデュエルもフェルがいなかったら負けていたし、そもそもデュエルする前に俺は死んでいた」

「うん。私達も今度会ったらお礼しなくちゃね」

「ああ。喜んでくれるよ、きっと・・・・」

「あの子の事、放っておけないんだ?」

「そうなるのかな? あの子は強力すぎる程の力を持っている。純粋故に誰かに騙されたり、誰かを悲しませる事があるかもしれない。それが心配でな。大丈夫、こんな可愛い彼女が居て浮気はしないよ」

 

横になっていた手を上げて、座っているフェイトの頬に添えて優しく撫でる。心地よかったのかフェイトは少し目を細めながら笑みを零し、ゆっくりと俺の隣に倒れてきてベッドに横になる。カーテンの隙間から光るフェイトの顔がとても綺麗で、一緒のベッドに横になっているのにも関わらず、全く邪な心が出ない程美しい姿。

 

「知ってる」

「ん。ならいいんだ。それとさ、ふと思ったんだけど、フェルがこの次元にいるって事は、砂漠の次元に残っていたヨハンやユベルもこの次元にいる可能性があるかもしれないな」

「確かに・・・・。私達と別れてからフェルが次元移動をしてないなら、ヨハンとユベルがこの次元にいる可能性は高いかも」

「先に十代に伝えておくべきだったな。そうすれば少しでも希望を与えてやれたのに」

「そうだね。でも十代なら大丈夫。十代もきっと立ち直る事が出来る」

「ああ、あいつなら絶対に大丈夫だ。俺達は俺達に出来る事を頑張ろう」

 

 

 

 




安定のデュエル脳としか言いようの無い超展開。うん、細かい理由とかそういう難しいのは作者には無理です。フェル=本来なら存在するはずの無いカードの原因って深く考えずに結び付けてくれたら幸いです。


時々出てきたGX時代に無いカードとかは主にフェルの力で運ばれた物と思っていただいて構いません。ただ遊斗が作中で説明したカードとかは、この時代に元々あるカードです。


遊斗の出生と、本来なら存在する筈の無いカード。そして後者はスカさん=シンクロ召喚の部分をちょっぴり入れております。主にこの二つを中心にフラグを立てて来ました。そしてこのフラグを回収して三期終了。以降は未だに構成していない四期という流れでやっていこうと思います。
遊戯王GXの二次創作ではおそらく二期の終わり~三期が物語にオリキャラを混ぜる一番の山場だと思うので、ここを乗り越えたら完結まで近いんじゃないかな~(フラグ)



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