遊戯王GX 決闘モンスターリリカルなのは   作:あかない

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今回はデュエルが少し短いです。
それと原作の時系列が違います。完全に勘違いしていました、ご了承ください。


第九話

万丈目が学校を去ってから翌日。その日俺は、十代、翔、隼人、明日香、それとももえさんとジュンコさんとピクニック気分で森をブラブラしていたらSALという研究所から逃げたデュエルできる猿と出会った。SALはジュンコさんをさらい、人質にしたのでデュエルで勝負する事になった。

そんな中俺と十代、二人のデュエル馬鹿がいたら問題が一つ起こるだろう。そう、どっちがSALとデュエルするかだ。

結局俺はじゃんけんで負け、十代とSALとのデュエルをジーと見ていた。

そしてその日の夜。

 

「あ~、いいな~十代は。SALとデュエルして」

「へへっ、あいつスゲー強かったぜ」

「二人ともお気楽ッス。条件付きのデュエルで負けたら、とか思わないんスか?」

「「思わない」」

 

当たり前だぞ翔。どんな相手だろうとちょっとでも気持ちが負けてたら、デッキは答えてくれないし自分の実力を出し切る事なんで出来ない。十代も俺と同じ考えの様で、翔に軽い説教をしている。

 

「・・・・それで、どうして僕達は廃校に来てるんッスかね?」

「だから言っただろ、俺のカードが一枚無いんだよ」

 

そう、事の発端はSALとのデュエルの後。

 

 

 

 

「しかし猿なのに凄いデュエルタクティクスだったな」

「俺のデッキに似てる筈だけど、全然違うデッキに見えたんだな」

 

そう言えばSALのデッキは獣族をメインにしたデッキだったな。と言う事は隼人のデッキも獣族デッキか。一度戦ってみたいな。

なんて話していると急にデッキケースからなのはさんが現れ、遠くにある茂みを睨んだ。

 

『ん? ごめん遊斗、気になる事あるからちょっと向こう行くね』

 

翔と隼人がいるので声を出す事が出来なかったので、コクンと小さく頷き合図を送った。

そしてなのはさんが別行動して一時間、二時間、三時間と経過して行き、俺だけではなく精霊(みんな)も心配になって行き、なのはさんを探す事になった。

俺達の会話を聞く事が出来る十代が「みんなで遊斗のカードを探そう」といい、現在に至る。因みに翔と隼人には、さっきの会話通りカードが無くなったと伝えた。

 

「明日ドローパン奢るから許せ」

「本当か? いや~、遊斗は太っ腹だな。じゃあさっさと見つけ出して、帰ろうぜ!」

 

十代はどこでも明るくて元気だな・・・・。だが正直俺は内心かなり焦っている。なのはさんが何の連絡も無しに三時間も帰って来ないなんて今まで一度も無かった。精霊達(みんな)は念話という、頭の中で通話できる魔法が使えるので、何かあったら連絡はすぐに来る筈だ。

だが実際は来ない。それは何らかのトラブルがあったのか、なのはさんが何者かに捕まっていると言う事だ。

 

「ぅぅぅ、アニキは怖くないの?」

「全然! 豪華な場所でいいじゃねえか。掃除したら住めそうだぜここ」

「ぜ、絶対に嫌ッスー!」

 

怖さの余りか翔は十代の腕に抱きついて首を右へ左へ振っている。その姿が情けなくて、つい兄の亮さんと比べてしまう。

でも翔の意見には俺の賛成で、この廃校は怖い。光源は十代が持っているロウソクと割れた窓ガラスから入ってくる月明かりしかなく、小部屋に入ると十代の持つロウソクだけが頼りとなる。床は歩く度にギシギシと今にも壊れそうな音を立て、ヒューと吹く風が生暖かく感じる。

いつもの俺なら内心ビクビクして歩いているだろうが、今はなのはさんの安否が第一だ。怖がっている暇はない。

 

「・・・・あなた達、何してるの?」

「でたッスーっ!?」

「んだなー!?」

 

翔と隼人の絶叫を無視し、十代は声の主の方へロウソクを向ける。そこにいたのは幽霊ではなく、金髪美人の明日香。絶叫した二人はホッと息をついている。

 

「あなた達はどうしてここに?」

「遊斗の大事なカードが無くなって探しに来てるんだ」

「え? こんな所に?」

 

ック、馬鹿の翔と隼人は何の疑問も持たずに廃校まで一緒に来たが、やはり明日香は騙せなかったか。何で俺がピンポイントでここに来たのかと言うと、なのはさんの魔力反応がここにあると聞いたから。

 

「あ~、廃校の周りをブラブラした後に無くしたから。辺りになかったから風で廃校の中に飛ばされたと思って」

「明日香こそどうしてここに?」

「・・・・この廃校で私の兄さんが行方不明になったのよ」

 

ゆ、行方不明!? それって大問題じゃないか!?

 

「そ、そう言えばこの前大徳寺先生に聞いたッス。この廃校で闇のデュエルの研究がされてるって・・・・」

「ま、まさか・・・・」

「そんなわけないでしょ。闇のデュエルなんてただのおとぎ話よ。じゃ、私は兄さんの手掛かりを探すわ。あなたのカードを見つけたら連絡するわね」

 

っておい、まさか別れて行動するつもりかよ。どんだけ肝っ玉が強いんだ、少しは翔に別けてやって欲しい。

だがいくら強くても明日香は女の子、一人で放っておくわけにはいかない。俺は十代の耳元に口を近付け、他のみんなに聞こえない様に小さな声で伝えた。

 

「十代、今から精霊達と動き回りたい。翔と隼人がいると不便だから二人を連れて明日香について行ってくれ」

「おう、分かった。待てよ明日香、俺達も一緒に行くぜ」

「え? いいわよ別に・・・・」

「駄目だって。女の子を一人にするわけにはいかないだろ?」

「ま、待ってよアニキー。ロウソク持ったままいかないでー!」

「さ、三人ともちょっと待つんだなー!」

 

十代から女の子と言われた時の明日香の頬が少し赤くなっていた気がするが気のせいだろう。気の所為じゃなかったら十代爆発しろ。

 

「さて、なのはさんの魔力反応は?」

『ここの丁度下にある』

「了解。そこまで案内してください」

 

 

 

 

Sideなのは

 

SALとデュエルできなかった遊斗の悔しそうな顔を、微笑ましく眺めていた時にある気配を感じた。私は人一倍空間認識能力に長けているからか、みんなその気配に気付かなかった。私の思い違いかもしれないので、私一人でその気配の所に行く事にした。

 

『やっぱり勘違いかな』

 

なんてポツリと呟いた途端、私の視界が真っ暗になった。

 

『・・・・気が付いたかな?』

 

そして次の瞬間目の前にいたのはデュエルモンスターズのカオス・ソーサラーの精霊。私は慌てて辺りの景色を見渡したが、そこは見た事も無い空間。そして両手を動かそうとしたが、鉄の鎖に繋がれており動かす事が出来ず、念話をしたが誰にも繋がらない。

 

『クックック、噂に聞いてたより随分可愛らしい娘じゃないか』

『あ、あなた、どうしてこんなことするの!?』

『何故私が説明しないといけない?』

 

な、何なのコイツ・・・・。精霊が宿っていないカオス・ソーサラーとは違い、凄く気持ちが悪い。ニヤニヤと仮面の下から笑っているのが分かり、私を舐めまわす様に見ている。

 

『クックック、良い眺めだ・・・・』

『ッツ、今すぐこの手錠を外すならまだ許すよ!』

『? 許す? 逆に手錠を外さなかったら誰が私を罰すると言うのです?』

 

ック、念話が使えないとみんなに伝えることすらできない。レイジングハートも眠らされている今、コイツを倒す事は・・・・。

 

「おr『私だ!』フェ、フェイトさん・・・・」

『フェ、フェイトちゃん!?』

『ほう、これはこれは。LSの一角ではありませんか・・・・』

 

カオス・ソーサラーは私から離れ、この空間の入り口にいるフェイトちゃんの方へ歩いて行った。

 

『よくもなのはをっ・・・・』

『クックック、安心してください。まだ手は出していません。最も、今からあなた達は私の下僕となるのですがね・・・・』

「なにを『何をふざけた事を!』フェ、フェイトさん・・・・」

『おや? 後ろにいるのはデッキの持ち主様ですか? 初めまして、影が薄くて気付かなかったよ』

 

カオス・ソーサラーの言葉に激怒した遊斗は、地面をバンバン蹴っている。ご、ごめんね、私もフェイトちゃんとソーサラーに夢中で気がつかなかった。

 

『クックック、これは幸運だ。貴様は殺しても構わないと言われているからな』

「ごちゃ『ゴチャゴチャ言ってないで私と戦え!』・・・・ぅぅ」

『何、ただ力で戦っても面白くない。ここはデュエルで決着を付けよう。おっと、君達に拒否権はない、私の手にはその小娘がいるんだからな』

 

ソーサラーは右手の不気味に光る魔力を私の方へ向けると、壁の一部が爆発した。

あんなものをくらったら魔法が使えない私はイチコロだ。けど精霊世界のデュエルは文字通り決闘、敗者は死。それはフェイトちゃんも分かっている。

そんな危ない事遊斗にさせるわけにはいかないので、必死になって鎖から逃れようとするけど、ビクともしない。

 

『遊斗。このデュエルは文字通り決闘、敗者には死・・・・』

「命を掛けたデュエル・・・・」

『遊斗! 私の為にそんな「受けて立つ!」遊斗!?』

「負けた時の事なんて考えない! 常に勝利をイメージるのがデュエリストだ!」

 

ッツ、遊斗・・・・。いつのまにそんなに立派に。

 

「さあデュエルだ!」

『ククク、命が掛かっていると知りながらここまで堂々とするとは』

『「デュエル!」』

 

 

 

 

Side 遊斗

 

「先攻は俺だ、ドロー! よしっ、フェイトを召喚」

『なのはを、返してもらう』

 

LCフェイト1

A1800・D500

 

いつもは穏やかで大人しい女の子のフェイトだが、今はカオス・ソーサラーを殺気だった目で睨んでいる。

 

「カードを一枚伏せてターンエンド」

 

遊斗 モンスター1 伏せ1 手札4

 

『私のターン、ドロー。ふむ、魔法族の結界を発動し魔力掌握を発動。結界に魔力カウンターを一つ乗せ、デッキから同名カードを手札に』

 

魔力カウンター(以後MC)結界0→1

 

『モンスターをセットし、カードを一枚伏せてターンエンド』

 

遊斗    モンスター1 伏せ1 手札4

ソーサラー モンスター1 伏せ2 手札3

 

? 偉そうな事を言ってたわりにはやけに消極的な手だな。いや、だが無難で確実な一手でもある。一瞬でも油断したら負けると思う、体術の訓練でもそう習った。

ソーサラーの永続魔法、あれは魔法使い族が破壊される度に魔力カウンターを乗せ、場の魔法使い族と自身を墓地に送り、乗っていたカウンターの数だけドローするカード。と言う事は相手のデッキは魔法使い族軸。

 

「ドロー。・・・・このタイミングでは動かないか。なら行くぞ、リバースカードオープン、フォトンランサー! そのセットされたカードを破壊!」

 

フェイトは右手に魔力弾を生成し宙に浮かせ、バルディッシュで伏せカードを指した。その瞬間魔力弾は指したカードに向けて高速で直進する。

 

『エンドフェイズに使わなかったのが仇になりましたね。チェーンして「フォトンランサーにチェーンする事はできない」何!?』

 

フォトンランサーが破壊したのはディメンションマジック。2:1効果で、単体で使うとアドバンテージがなくなるが、サクリファイスエスケープや追撃をしやすいトリッキーな速攻魔法。

 

「フェイトの効果、LCを一つ取り除き、そのモンスターの表示形式を変更する」

『私のモンスターは見習い魔導師』

 

LCフェイト1→0

A400・D800

 

「装備魔法バルディッシュ・ザンバーを装備。これで攻撃力は1000アップ」

 

フェイトA1800→2800

 

2800のモンスターにカオス・ソーサラーも少し驚いたのか、ピクリと仮面が動いた。まだ余裕みたいだが、すぐにあたふたさせてやる!

 

「バトル! フェイトで見習い魔導師を攻撃!」

『ジェットザンバー!』

 

A2800 VS A400

 

大剣のバルディッシュの刀身が伸び、小さな見習い魔導師を押しつぶした。よしっ、大ダメージだ。

 

ソーサラーLP4000→1600

 

『ック、見習い魔導師の効果でもう一枚の見習い魔導師をセット。結界にMCが一つ』

 

MC結界1→2

 

これで次のターンの4枚ドローが確定したか・・・・。なのはさんがいない今、手札のアドバンテージで勝負するのは難しい。ここは攻撃力の高いモンスターで押し、早急に勝負を終わらせるのが一番だ。

 

「モンスターをセット、カードを一枚伏せてターンエンド」

 

遊斗    モンスター2 伏せ2 手札2 LP4000

ソーサラー モンスター1 伏せ1 手札3 LP1600

 

『ドロー、見習い魔導師を反転召喚、効果で結界に一つMCを乗せ、魔力掌握で結界に乗せ同名カードを手札に』

 

MC結界2→4

 

魔力カウンターが最大まで溜まった・・・・。まだ通常召喚件が残っている状態で4枚ドローされるのは辛いな。

 

『見習い魔導師を生贄に私は四枚ドローする。魔導騎士ディフェンダーを守備表示で召喚。効果でMCを一つ乗せる』

 

A1600・D2000

MCディフェンダー1

 

え? 攻撃してこない? 手札が悪いのか、それとも何かを狙っているのか。だがどちらにしても攻めて攻めて攻めまくるだけ。

 

『カードを三枚伏せてターンエンド』

 

場 

遊斗    モンスター2 伏せ2 手札2 LP4000

ソーサラー モンスター1 伏せ3 手札4 LP1600

 

伏せが三枚・・・・。いや、臆していたら負ける。

 

「ドロー、手札から夜天の騎士ヴィータを召喚! そしてリインフォースツヴァイを反転召喚!」

 

A500・D500

A1900・1200

 

「場のヴィータさんとツヴァイを融合。現れろ、祝福の騎士ヴィータ! 効果でお前の伏せ二枚を破壊する!」

『おっと、それは困るな。手札のエフェクト・ヴェーラーを墓地に送り、そのモンスターの効果を無効にする』

 

エフェクト・ヴェーラー? 聞いたこと無いカードだな。リインサイズのそのモンスターは、手から光線を出して、ヴィータさんのコメートフリーゲンを止めた。

 

「バトル! ヴィータさんでディフェンダーに攻撃」

 

A2600 VS D2000

 

『ラケーテンハンマー!』

 

ヴィータさんの持っているハンマー、グラーフアイゼンからジェットの様な物が出てきた。そのジェットは魔力を燃料として噴射させた。ディフェンダーは自前の巨大な盾で防ぐが、ヴィータさんのハンマーの威力はだてでは無い。徐々にディフェンダーの盾にひびが入って行く。

だがソーサラーの宣言と共に、盾のひびが元に戻って行ってしまった。

 

『ディフェンダーの効果。このカードが破壊される時フィールドのMCを取り除く』

 

MCディフェンダー1→0

 

『フェイトで攻撃!』

『攻撃宣言時罠発動、マジシャンズ・サークル。魔法使いの攻撃宣言時にお互いデッキから攻撃力2000以下の魔法使いを攻撃表示で特殊召喚。私はミュータント・ハイブレインを召喚』

 

A0・D2500

 

『攻撃力0? 勝負を捨てた・・・・?』

「ッツ、俺はシグナムさんを召喚する」

 

A1800・D1400

 

『分かってると思うが遊斗、油断するな』

『けど攻撃反応型ならあたしの時にやった方が得の筈』

 

そう、ヴィータさんの言う通り攻撃反応型の罠があるならさっきしていた筈。確かに攻撃力ではフェイトの方が高いが、魔法使い族は優秀な魔法・罠破壊モンスターがいる。あれだけドローしておいてそのモンスターが来てない方が変だ。

 

「だが守ったら負け! フェイトでバトル続行! ミュータント・ハイブレインに攻撃!」

『ッフ、その勇気だけは認めてやる。罠発動反転(リバーサル)世界(ワールド)!』

反転(リバーサル)世界(ワールド)!?」

『これによりフィールド上の効果モンスター全ての攻撃力と守備力が変化する』

 

フェイトA2800・D500→A500・D2800

ヴィータA2600・D2500→A2500・D2600

シグナムA1800・D1400→A1400・D1800

ミュータント・ハイブレインA0・D2500→A2500・D0

ディフェンダーA1600・D2000→A2000・D1600

 

A500 VS A2500

 

フェイトの防御力は紙同然。速度特化のフェイトの防御力が仇となり、不思議な力により全てが反転した。

フェイトはミュータント・ハイブレインにより破壊され、その反射ダメージが俺を襲った。

 

「ぐ、ああああああっ!?」

 

遊斗LP4000→2000

 

こ、これが命を掛けたデュエルのダメージ・・・・。全身に激痛が走り、体が引き裂かれそうな感覚。立っているのが辛く、膝をつき、荒い呼吸を何とか整える。

や、奴も俺と同じ条件なのにどうしてあそこまで平気で立っていられる?

 

『クックック、別に大したことでは無い。この空間は私が作ったものですから』

『て、てめぇきたねえぞ!』

『最高の褒め言葉だ。さあ、どうしまする?』

 

ック、変化したシグナムさんの攻撃力じゃディフェンダーを出す事ができない・・・・。フィニッシャーになりやすいシグナムさんを選択せずに、はやてを選択しておけばよかった。

ガクガクと震える足に力を込め、何とかして立ち上がる。デュエルディスクがここまで重く感じたのは初めてだ。

 

「・・・・ふぅ。カードを一枚伏せてターンエンド」

 

落ち付け。勝つ事に集中しろ。

奴のモンスター、ミュータント・ハイブレインは攻撃する時代わりに俺のモンスター一体を奪い、他のモンスターと攻撃させる能力を持つ。相手が選んでくるのは間違いなくヴィータさんのはず。

 

遊斗    モンスター2 伏せ2 手札1 LP2000

ソーサラー モンスター2 伏せ1 手札3 LP1600

 

『私のターン、ドロー。魔導戦士ブレイカーを召喚。効果で自身にMCを乗せる。MCが乗ったこのカードの攻撃力は300アップする』

 

MCブレイカー1

ブレイカーA1600・D1000→A1900

 

『そしてMCを取り除きその伏せカードを選択し破壊!』

「チェーンしてStrikersの回収発動。フェイト、ツヴァイ、ヴィータさんをデッキに戻し二枚ドロー!」

 

ブレイカーA1900→A1600

 

『ッチ、だが魔力掌握をブレイカーに発動し、再び効果。もう一枚の伏せを破壊する!』

「甘い! 伏せ除去の豊富な魔法使い族にそんな簡単に伏せない。チェーンしてソニックムーブをシグナムさんに発動! エンドフェイズ時まで除外」

『!? 遊斗、何してるの!?』

「さあ、ヴィータさんとミュータント・ハイブレインの攻撃力は同じ。相撃つか? それとも奪うか?」

『クックック、どちらにせよブレイカーとディフェンダーの攻撃であなたのライフは尽きる。だが手札から攻撃力を上げてもらっても困る。バトル!』

 

よし、まだチャンスはある。

 

『ミュータント・ハイブレインの効果発動。攻撃宣言時相手モンスターのコントロールを得る。私はヴィータを選択』

『ック、遊斗!』

「大丈夫ですよ。その効果で奪ったモンスターはダイレクトアタックできない」

『何を考えているかは知らんがブレイカーで攻撃!』

 

A1600

遊斗LP2000→400

 

「があああああああ!」

 

ブレイカーの剣が俺の体を切り裂き、その痛みが体全体に来る。胸に手を当てると血が流れており、本当に斬られたみたいだ。シグナムさんとの木刀の打ち合いと、痛さのレベルが違う。

 

『これで終わりだ! ディフェンダーでダイレクトアタック!』

 

A2000

 

や、やべえ。頭がぼうっとしてきた・・・・。このカードを使わないと・・・・。

 

「ダ、ダメージ計算時手札のザフィーラを墓地に送り戦闘ダメージを0に。そしてデッキから一枚ドロー・・・・」

 

ディフェンダーの杖から放たれた魔力エネルギーを手札から現れた犬形態のザフィーラが受け止めてくれた。

 

『ッチ、生き延びたか。だがデュエル以前にお前の体はもうボロボロだ』

「う、るせえ。さっさと続けろよ、人間相手に下準備しないとデュエルできない臆病者・・・・」

 

挑発が効いたのかソーサラーは殺気だった目で俺を睨み、乱暴にカードを二枚伏せた。

 

『二枚伏せてターンエンド!』

「ヴィータさんとシグナムさんは俺の場に戻る」

 

遊斗    モンスター2 伏せ0 手札3 LP400

ソーサラー モンスター3 伏せ3 手札0 LP1600

 

ハハッ、8枚まであった手札を0まで減らした。俺のプレイスタイルはライフアドよりフィールド、手札を大事にすること。どんなに攻めようと意識したって、やっぱり体にはこのスタイルが残っているみたいだ。

 

「その所為で斬られたんだが・・・・。ドロー・・・・ハァ、やっぱりなのはさんの騎士はこの人だよな。妬けるよホントに。フェイトを召喚! 効果でLCを乗せる」

『次は負けない!』

 

フェイト1800・D500

LCフェイト1

 

「効果を発動しミュータント・ハイブレインを守備に変更。そして魔力高炉を発動!」

 

LCフェイト1→0

LC魔力高炉2

 

『遊斗!? もうデメリットを受けるだけのライフは残ってないぞ!?』

「このターンで決めれば問題ない! LCを取り除きアルフを特殊召喚! そして場のアルフとフェイトを融合。現れろ、黒騎士・フェイト・テスタロッサ・ハラオウン!」

 

LC魔力高炉1

A2800・D500

 

「そして場のフェイトを生贄に、現れろ、迅雷の化身フェイト!」

 

バチバチバチとデュエルフィールドの上空から電気の音が鳴った。そしてその音の根源である雷が一瞬見えた途端、落雷となりデュエルフィールドに落ちてきた。

サラサラだった金色の髪は稲妻と同じようにギザギザがあり、今まで持っていたバルディッシュは彼女の手にはなく、腕から魔力刃が出ている。来ている服も黒のバリアジャケットではなく、黒の長いロングコートと黒のズボン。

比喩ではなく本当に雷を纏っているその姿は、彼女の好きな言葉、疾風迅雷そのものだった。

 

LS迅雷の化身フェイトA3300・D0

 

『な、なんだ、そのモンスターは・・・・』

「ハハッ、この人がお姫様を助けたいってさ・・・・。バトル! フェイトさんで魔導騎士ディフェンダーを攻撃!」

『ハッハッハ! まさかそのモンスターを召喚しただけで攻撃するとはな! この罠全部使って遊ぶのもいいが、せっかくだから一枚で終わらせてやる! 聖なるバリア―ミラーフォースを発動、貴様のモンスター全て破壊だ!』

「そいつを発動出来たらの話だがな。フェイトさんが攻撃するバトルフェイズ、相手は魔法・罠を発動できない」

『なに!?』

 

そう、フェイトさんの速さは疾風迅雷。彼女の速さを前に、魔法や罠を発動する時間さえない。

 

A3300 VS A2000

 

フェイトさんはディフェンダーと視線が交わった途端、その速さでディフェンダーの後ろに回り込み、ディフェンダーの首を魔力刃でかっ切った。

 

ソーサラーLP1600→300

 

「終りだ! フェイトさんは二回攻撃する事が可能! フェイトさんでブレイカーを攻撃」

『そ、そんな馬鹿な!? わ、私が負けるなど・・・・』

 

A3300 VS A1600

 

『フォトンランサーファランクスシフト・・・・』

 

この状態のフェイトさんにフォトンランサーの溜め時間なんていらいない。計76基のフォトンスフィアを僅か一秒弱で形成させたフェイトさんは、スッと手を上げた。

カオス・ソーサラーは大量の銃を一斉に向けられた感覚を覚えたのだろう。無様にも両手を上げて降参の意思を現している。

 

『は、ははっ、ゆ、許して下さいよ。ほら、もう戦いません。次のターンサレンダーしますから』

『精霊世界のデュエルは文字通り決闘、例え貴様にダメージが通らなくてもそれは絶対・・・・死ね』

「『撃ち砕け、ファイア!』」

 

計76基のフォトンスフィアから毎秒14発の斉射を4秒続ける最強の技。フェイトが時間を掛けて放つ1064発の4倍の4256。

それがブレイカーを襲い掛かり、巻き添えにミュータント・ハイブレインをも破壊し、残りがカオス・ソーサラーを襲い掛かった。

 

『嘘だ、うそだあああああああ!』

 

LP300→-1400

 

巨大な爆風と共の絶叫はゆっくりと消えて行った。フェイトさんの言う通り、このデュエルは命がけのデュエル。

 

「・・・・さっすがフェイトさん」

『君は、無茶をしすぎだ』

 

元々クールなフェイトさんだが、この雷のフェイトさんは更にクールだ。なのはさんが言うに、出会ったばかりのフェイトにそっくりらしい。

 

「勝てばいいんですよ・・・・。ちょっと眠るんで、治療はシャマ姉とユーノに・・・・」

『遊斗・・・・、遊斗!』

 

俺の名前を必死に呼んでくれるなのはさんの声がゆっくりと遠ざかって行き、俺は深い眠りについた。

 

 




LS迅雷の化身フェイト ☆10/光/魔法使い/A3300・D0
このカードは通常召喚できない。自分フィールド上の「LS黒騎士フェイト・テスタロッサ・ハラオウン」一体を生贄にした場合のみ特殊召喚できる。
このカードが攻撃宣言を行ったバトルフェイズ終了時まで相手は魔法、罠を発動する事はできない。このカードは二回攻撃ができる。
このカードが戦闘で相手モンスターを破壊したエンドフェイズ、自分の手札、デッキ、墓地から「フォトンランサー」を自分のフィールド上にセットすることができる。




今回のオリカはこの一枚。フェイトのIF形態です。テスタロッサ・ハラオウンが無いのは、孤独なフェイトさんってイメージを込めたからです。
攻撃力3300は前の形態より落ちていますが、2回攻撃が増えたのでダメージ量は増えます。また一番魅力的なのは戦闘破壊したエンドフェイズ時にフォトンランサーをセットする効果。1:1効果のカードを場に伏せられるのは強いです。
王様なのは、王様はやてには破壊耐性があるので、フェイトさんだけ何もないというのは少しかわいそうと思ったのですがフェイトさんに破壊無効を付けるのも違和感がある。だから攻撃は最大の防御、という意味を込めてこの効果にしました。



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