電話コーナーに籠るジョンの様子を待合室のソファに座りながらシャリアとコモリは眺めていた。
急遽ではあるがグラナダからの迎えにはジョンの他にもシャリアとコモリも便乗することになった。
本来であればシャリア達はグラナダへ向かう予定はなかった。
だが、セカンドVに破壊されたキケロガの修理と新装備を搭載する都合もあり、事実上の専属パイロットであるシャリアもまた向かうことになった。
コモリはシャリアの「ストッパー」としてキケロガの修理を担当するグラナダ工廠から直々に指名された。
『長電話ダナ、シャリア』
ジョンのドラムバッグの上に陣取りながらハロは険しい表情を浮かべるシャリアを見た。
シャリアはハロに返事をせずに電話コーナーの曇りガラス越しに見えるジョンのシルエットを見ていた。
『人ノ心ヲ覗キ過ギルトモテナイゾ』
その言葉にシャリアは少し笑いハロの方を見返した。
「ハロ君、ジョン君があの赤いガンダムのパイロットでしょう?」
(何言ってるんだ?この人)
ピンクちゃんと遊んでいたコモリは怪訝な少女を浮かべてシャリアとハロを見た。
「色々募る話もあります。船の中で話してあげますよ」
楽しそうな表情から一変し、シャリアは再び電話コーナーを険しい表情で見つめる。
『思い出したんだ。昔のこと』
『月に行くって言ってさ、私のことなんか全部捨てて』
『どうしてまた逃げようとするの?』
『私が怒ったから?私がぶったから?私が悪いの?何なの?何なの?』
か細かったマチュの声が段々とヒートアップしていく。
昔のことと言われ、恐らくはマチュの自宅にあった写真のことだろうとジョンは目星を付けた。
お互いその時期の記憶はない。
昔のことについてジョンはマチュに聞いてみたくなったが、先程の自分の発言を思い返せば、流石に聞き出すことは憚られた。
『何か言ってよ、ジョン』
黙って話を聞いていたジョンに対してマチュが苛立ったように問いただす。
「…アマテは悪くないよ。悪いのはいつだって僕だ」
その言葉が癇に障ったのだろう。マチュの息が荒くなる。
『まただ…またおんなじだ!!』
どうやら昔の自分もマチュに同じことを言ったらしい。
「昔の僕も酷い奴だったんだろうね。今の僕はグラナダに行くんだから」
『またグラナダに行くの?』
思い返せば一年戦争が終わった時、自分はグラナダにいたのだ。
どんな経緯かは覚えていない。
『ジョン、私のことどう思ってるの?』
殺し文句だ。
それにどう答えるべきか、理性と感情を織り交ぜながらジョンは考える。
短い沈黙の後にジョンは口を開いた。
「…好きだよ」
腕の震えが強くなる。
『好き』
「僕とマチュだと身分が違い過ぎるんだ。君はお嬢様で僕は元はといえば難民…初めから釣り合わなかったんだ」
掘り下げが足りないと感じる主要人物
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ジョン・マフティー・マティックス
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アマテ・ユズリハ(マチュ)
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ニャアン
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シュウジ・イトウ
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シャリア・ブル
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シロウズ
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サンライズカネバン社長
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シイコ・スガイ