おっぱい大作戦   作:そらまめ

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11-6 修正

隣に座るシャリアから凄まじいプレッシャーをコモリは身体全身で感じていた。

怒りと静かな悲しみを持ってシャリアは電話コーナーの扉を開けて出てきたジョンを見て立ち上がった。

見るからに落ち込んでいるジョンを見据えてシャリアが両手の拳を強く握った。

そのままジョンの元へと歩いて行こうとしたシャリアだったが、待合室に誰かが入ってきた。

シャリアがそちらに視線を向けようとした時だった。

「修正してやる!!」

そう叫びながら待合室にSDゾック君が全速力で走ってきた。

 

SDゾック君はマニュピレータをグーパンチでジョンを殴りにかかる。

「ちょ、待てシュウジ!」

「待たない!僕は君を殴らなきゃいけない!」

グーパンチで殴られたジョンは空中で一回転して着地した。

「なんでアマテを置いていくんだ!!」

「…!!」

シュウジの叫びを聞いて構えのポーズを取っていたジョンは構えを解いた。

SDゾック君の突進をジョンは避けずにそのまま受け入れた。

互いに壁まで吹っ飛んでいく。

「ニャアンから聞いたよ!お互いに愛していると、割れたスマホだって!それなのになぜだ!」

「しょうがないだろ!!仕事だ!!」

「そんな建前捨ててしまえ!」

ジョンとシュウジが一緒にいた時間は少ない。

なんならニャアンの方がシュウジと一緒にいた時間の方が長いだろう。

それでもシュウジにはジョンの思考が何となく読めていた。

「君の考えていることは分かる!ナガラ衆でみんなに迷惑をかけたくないからだろ!!特にアマテに!」

ジョンとSDゾック君はゴロゴロ転がりながら待合室から飛び出して行く。

 

タイミングよく自動ドアが開き廊下でも口論は続く。

「アマテならジオンに行くといっても待っていてくれるはずだ。何故アマテを信じない!!」

「そういう話じゃないんだ!!」

「本当はアマテが怖いんじゃないのか、アマテを信じてないんじゃないのか!?」

SDゾック君のマニュピレーターのパンチをジョンは両手で受け止めていく。

「ナガラよりも愛を優先するんだ!!ジョン!!」

「僕は愛される資格は無いんだよ!!」

シュウジはSDゾック君の機能を活用してジョンを巴投げして通路の向こうへと吹き飛ばす。

上手く着地してジョンはSDゾック君へと歩ていく。

「さっきマチュと電話したよ!!別れたんだ、僕達は!!」

ジョンの叫びにシュウジは言葉を失った。

「初めからこうしておくべきだったんだ。マチュに愛される資格なんて僕には無いんだよ!!」

「愛されることに資格なんて必要ないんだジョン!!この、馬鹿野郎!!」

 

 

 

「何これ…」

ジョンとSDゾック君の殴り合いを見てコモリとハロ達は呆然としていた。

コモリから見れば電話を終えたジョンがいきなり待合室に飛び込んできたゾックのゆるキャラと殴り合いをしているようにしか見えない。

 

「あのゆるキャラはジョン君の友達でしょう。それよりも…ジョン君はアマテさんと別れ話をしたんです」

コモリの疑問に答えるようにシャリアが言った。

「ジョン君は敵を抱え込んでいます。敵の策謀にアマテさん達を巻き込まないように色々と根回しをしていました。彼にとって予想外だったのはアマテさんがGクアックスに乗ってまで自分を追いかけてきたことだった」

「敵…?」

その敵が何なのかは抽象的でコモリには分からなかった。

「超自然の使者ですよ…ジョン君は先程グラナダへ行く前にアマテさんと別れようとしました」

「グラナダ行きって言ってもすぐ帰ってこれますよ。別れ話なんて大げさな」

コモリはナガラ衆については詳しくは知らない。

 

多少のトラブルはあったとしても、なんで出張に行くのに17歳同士のカップルが別れ話を切り出しているのかが意味不明に見えた。

「ジョン君もコンプレックスに感じているのでしょう。元々ジョン君とアマテさんは身分の差がありました。ナガラ衆の騒動とアマテさんの件が合わさってああなったんです」

「愛があるなら身分なんて関係ないでしょ」

愛の力を愛するコモリには理解できない話だ。

「冷たい世界からやってきたんでしょう。彼は」

SDゾック君のボディを蹴り一気にジョンは距離を取った。

両者の睨み合いが続く中、2人の間に割って入る影があった。

「何やってるのジャック!シュウちゃん!」

その影はニャアンだ。

ケルゲレンからSDゾック君を持ち出して待合室へ向かうシュウジを見て嫌な予感がしたニャアンだったが、案の定2人が殴り合いをしていた。

 

ニャアンに丸め込まれる2人を見てシャリアは両手の拳の力を解いた。

(言いたいことの8割をゾックのゆるキャラが言ってくれたので修正は良しとしましょう…ただ)

ニャアンに頭を下げるジョンとSDゾック君、その光景を見るコモリを見てシャリアは別の感情が浮かんできた。

(ジョン君個人のことを思えばジオン行きの話は失敗でした。ただ、今後のことを思えばジョン君の力が無くてはいけない。そのためにジョン君にジオン行きを提案した…そのダシにアマテさん達を利用したのですから本当に恨まれなきゃいけないのは私です)

待合室の時計をシャリアはチラリと見た。

もうそろそろで迎えが来る。

ジョンとシャリア達の出発が迫る。

掘り下げが足りないと感じる主要人物

  • ジョン・マフティー・マティックス
  • アマテ・ユズリハ(マチュ)
  • ニャアン
  • シュウジ・イトウ
  • シャリア・ブル
  • シロウズ
  • サンライズカネバン社長
  • シイコ・スガイ
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