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『トモヨ クロサワの声でお送りします』
『国際標準時刻 7月14日 午後5時を お伝えします』
『現在 空調設備の 点検のため 予定されていた 雨は 中止となりました』
『この音声は エム ゲイノウ 株式会社 の許諾を取った AI音声 です』
「星の王子はグラナダに到着しました」
老人の背中に虹色の水着の女性に話しかける。
スーツを腕まくりにした老人は雑居ビルの屋上に建立された神社の清掃をしていた。
社へ続く小人サイズの小さな階段に生えるコケを落としていく。
「王子も忙しいね。仕事で月まで行くとは」
はっはっはっと笑う老人を虹色の水着の女性は睨みつけ、屋上の柵まで歩いていく。
「この間はありがとう。ソドンをファンネルで守ってくれて」
「彼らも反省していました。厳罰については…」
「いいさ、ただ今度は月で頑張ってもらうよ」
コケを落とし終えると老人はモップで小さな階段を拭いていく。
「棺の王子の様子はどうだ?」
「身体の修復は進んでいます…ただ」
虹色の水着の女性は言い淀むが、老人は振り返り、鋭い目つきで次の言葉を催促する。
「魂が消えかけています。以前、王子の元まで会いに行った時よりも薄くなっています」
「ナガラの意思だ。棺の王子は5年前のソロモンで既に死んでいる。身体は棺となり残ってはいるが、棺が修復が終えてもその身体はがらんどうだ」
「では、王子との決闘はどうなるのですか?」
老人は掃除を終えてモップを柵に立てかける。
「僕達もグラナダへ行こうか」
バケツの水を排水溝に流し、屋上の床に置いていた掃除用をバケツの中へと入れていく。
疑問への答えが返ってこないことに虹色の水着の女性は顔を僅かに顰めるが、老人は構うことなく柵にかけていたマップを手に取った。
「君が心配することはない。『クライアントのキシリア様』とも話はついている」
行こうか、と言う老人の言葉に虹色の水着の女性は小さく頷いた。
採光部の調整により本来なら夕暮れ時になっているはずのイズマコロニーだったが、屋上から見える景色は夜の闇に覆われていた。
サイコガンダムの攻撃とセカンドVの光の翼により採光部の制御部が損傷した結果、採光部の運用が制限されてしまい不自然な夜が生まれてしまっていた。
イズマコロニー内でも華やかなビル街、その一角にあるビルの壁面に設置された街頭モニターには赤いガンダムとストライクがマヴを組んでいる様子が映し出されていた。
サイコガンダムの戦闘の光景はライブカメラが記録しており、記録された場面のいくつかを映画のように繋ぎ合わせた映像がニュース番組で引用されていた。
2機の赤いガンダムがサイコガンダム戦っている光景を見て信号待ちをしている人達の何人かが、街頭モニターに目線を合わせる。
ここのスクランブル交差点は待ち時間が長いので街頭モニターを見る人もそれなりに多い。
『…軍警は赤いガンダム達を捜索していますが現在でも発見できていません。赤いガンダムに拉致されたジオン軍所属のMSは回収されており、本件の捜査のためにソドン襲撃事件以降から捜査協力を結んでいるジオン公国とは…』
「シャアって生きてるのかな?赤いガンダムが出てくるってことは」
「レプリカでしょ。ソロモン会戦で消滅したって動画で言ってた」
「ゼクノヴァの被害は無かったらしいけど、あんなに強いのならもっと早く出てきて欲しかったよ」
「ゼクノヴァのガンダムって掲示板じゃ話題だけど、正直分かんねぇよなぁ」
「ゼクノヴァ自体、まだよく分かってないんだ。あのデカブツを止めてくれただけでも感謝だな」
「それにしても、普段は威張り散らす軍警がクソの役にも立たなかったな」
「ジオンも赤いガンダム以外は大概だろう。あの光ってる翼のせいでソドンもボコボコにやられたんだぞ」
「ありゃこの世の物じゃない。UFOだろ」
「MSのUFOなんてあるかよ」
「クランバトルも中止で学校も2週間休校、冬休みは短縮ね」
「アマテ、大丈夫かな?」
「ジオンの人に救助されたらしいから明日には帰ってくるんじゃない?」
「あの金髪イケメンと一緒、にね」
信号が青に切り替わった。
街頭モニターに映る2機の赤いガンダムを見ていたシロウズは周囲の声を聞きながら交差点を歩いていく。
イズマコロニーでやるべきことが終わり、シロウズの次の目的地は決まっている。
「待っていてくれよ…」
そう呟くとシロウズは群衆の中へと消えていった。
掘り下げが足りないと感じる主要人物
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ジョン・マフティー・マティックス
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アマテ・ユズリハ(マチュ)
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ニャアン
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シュウジ・イトウ
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シャリア・ブル
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シロウズ
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サンライズカネバン社長
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シイコ・スガイ