宇宙要塞ソロモンが地球連邦軍に占領された。
ドズル中将は戦死、地球連邦軍はソロモンの名をコンペイトウと改めたらしい。
ビットのビームで軽キャノンが腹から吹き飛びマニュピレータが宙を舞う。
推進剤が華麗な爆発を生む。
骨すら残らずに人間が消える。
ソロモンに集結した地球連邦軍の艦隊が次々と傷ついていく。
サラミス級、マゼラン級、軽キャノンが次々と破壊され、デブリの一部へと生まれ変わる。
その光景をドレンはソドンのブリッジから眺めるしかなかった。
シャアのgMS-α「赤いガンダム」と木星帰りの男、シャリア・ブルのMS-09「リック・ドム」の華麗なる戦果だ。
作戦終了のために2機を回収するためにドレンはクルー達に指示を出していく。
背中にビットを背負った赤いガンダムとその後ろをリック・ドムがソドンに向かって飛んでくる。
「ゲルググもどき15、サラミス7、マゼラン5、大戦果だ!!」
「ドズル中将の仇だ」
「戦争するってレベルじゃねぇぞ!!」
「さすがシャア大佐、やるぅ」
クルー達の歓喜を聞きながらドレンは淡々と仕事をこなしていく。
2機を収容したらグラナダへ帰還、書かなきゃいけない文書のことを考える。
最新鋭兵器であるビットは信頼性こそ高いが、部品の損耗が激しいから丸ごと予備を用意しなければならない。
仕事のことで頭を回すドレンは艦橋から遠くで爆発するマゼラン級の影を見た。
応急工作員のダメコンは失敗に終わってしまったのだろう。
「戦争は変わった」
マゼラン級に乗っていたであろう自分と変わらない年と階級の敵がいることを考え、思考を変えようとして思わずドレンは呟いた。
赤いガンダムの奪取から間もなく、シャアはフラナガン機関からお声を掛けられていた。
ニュータイプの研究を進めているフラナガン機関はシャアをニュータイプと考え、色々融通しようとしているらしい。
赤いガンダムにサイコミュ兵器を取り付けたり、シャリア・ブルと引き合わせたのもその一環のようだ。
今後の戦いはシャア達が示したようにサイコミュ兵器を駆使したMSが鍵を握るだろう。
そんな予感がドレンにはあった。
サイコミュを使えるのはニュータイプだ。そしてニュータイプは生まれ持った才能のようなものだとドレンは認識していた。
キシリアはそういった才能を持った人間を集めて特殊部隊を結成しているという。
機密情報の中から零れ出たノイジー・フェアリーという特殊部隊も実態こそよく分からないが、若い女の子で構成されニュータイプのような人間がいるとドレンは噂で聞いている。
ドレンは現場の叩き上げで軍人生活を続けてきた。
経験を積み重ね、苦難という砥石で切れ味が鋭くなった軍人だ。
そんな軍人がいるからこそ軍隊は回る。
今後はそんな常識が通用しなくなる時代が来るのではないか。
シャアのような若くて優れたニュータイプの才能とそれを活かせる兵器が戦場を支配する。
そんな時代ではベテランである自分達は磨り潰されてしまうのではないか?
磨り潰されて誰からも顧みられずに消えていくしかないのでは?
ノイジーフェアリーのような若い女ばかりが注目され、自分達のような軍人は蔑ろにされるのでは?
そんな思いがドレンにはあった。
多分に被害妄想が入っているだろうからドレンはその思いを決して正しいとは思ってはいない。
ノイジーフェアリーだってドレンが知らない所で色々苦労しているはずだ。
シャアは上司であり、愛すべき青二才だ。
シャリアは木星から帰ってきた苦労人ではあるが、決して苦労をひけらかすような人間ではない。
人間としての彼らを知っているからこそ、今回の大戦果に対してドレンはクルー達と共に喜んではいた。
それに彼らとは違う仕事が自分に課せられているから決して暇ではない。
それでもドレンは心のどこかで煮え切らない思いをどこかで抱いていた。
若いニュータイプの時代が来たら自分のような人間は消えていくしかないのではないかと。
ソロモン陥落から大きく間を空けず、ジオン軍は地球連邦軍の宇宙要塞ルナツーの攻略作戦を開始した。
ルナツーを攻略することが出来ればさしもの地球連邦軍も戦争を続けることはできない。
マ・クベ艦隊の大戦力での決戦を目指した。
そこにドレン達はいない。
ドレン達はルナツー攻略戦という一大決戦には投入されず、ただグラナダでの後方待機を命じられていた。
自分達がグラナダでの後方待機を命ぜられたのは政治の弊害だろうとドレンは思った。
マとシャアの折り合いが悪いのはそれなりに有名な話でマはシャアを使いたがらなかったのだろう。
馬鹿げた話だとドレンは思った。
グラナダにいれば死ぬことはないだろう。
だが、グラナダにいる理由がそんな政争であるということが気に食わなかった。
しばらくは戦いに出ることはないだろうと思っていたドレンだったが、現実はドレンの予想を大きく上回ることになった。
ルナツーにジオンの目が釘付けになっている頃、地球連邦軍は占領したソロモンをグラナダにぶつけようとしていた。
それを阻止するためのソドンを旗艦とした4隻の艦隊による防衛作戦が始まる。
第2次ソロモン会戦の始まりだ。
掘り下げが足りないと感じる主要人物
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ジョン・マフティー・マティックス
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アマテ・ユズリハ(マチュ)
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ニャアン
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シュウジ・イトウ
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シャリア・ブル
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シロウズ
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サンライズカネバン社長
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シイコ・スガイ