おっぱい大作戦   作:そらまめ

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14-7 恋人さん(修正版)

コアファイターの墜落地点にレバーアクションタイプのショットガンをスリングで肩に背負った2人の男がいた。

 

彼らはカバスの館の従業員だ。

 

館に運び込まれた少女が乗ってきたという飛行機がどんな物なのかを確認するために手空きの2人が墜落地点を見に来ていた。

 

2人の内、最近カバスの館に雇用された若い男が目の前にあるコアファイターを見て

 

「これは一体どうやって飛んでいるんだ?」

 

という感想を抱いた。

 

航空宇宙分野にどれくらい心血を注げばY字型の戦闘機が出来るのだろうと思いつつ、何枚か写真を撮る。

 

「撮るのはやめた方が良い。どうせ撮っても表に出せない」

 

同伴していた先輩が端末で写真を撮る若い男に釘を刺す。

 

「俺達の目的は戦闘機の有無だ。あるのを確認したらさっさと帰るぞ」

「せめてロープとかで立ち入り禁止にした方が良いのでは?」

 

若い男は道中に置いてきたトラックの荷台にロープを積んでいたことを思い出す。

コアファイターはいずれマンガルール市に駐屯しているジオンの警備隊が回収に来るだろう。

だったら民間人が近づかないようにロープなりで立ち入り禁止にするべきだろうと思った。

 

「馬鹿だな、俺達は何も見ていないんだ」

「は?」

「何も見ていない。いいな」

 

先輩はそういうとコアファイターに近付いて周囲を見渡す。

 

「独り言を言うぞ」

 

コアファイターのノズルを見ながら先輩は言う。

 

「俺達は面倒ごとに巻き込まれたくないんだ。恋人さんは連邦、ジオン、色々いる。そんな中でララァが素性も知れない小娘を館で助けた。

マンガルールの病院には口添えしてはいるが、あの小娘一人のせいで館の運営に支障が出たらまずいだろう」

 

コアファイターの推進装置周りを見終わった後、先輩は若い男のところに戻る。

 

「俺達の認識は不法移民の可能性がある小娘が生き倒れているところをたまたま近くを通った旅人が館に連れてきて手当した。

不法移民は当然、そのままにしておかないから明日になったらマンガルールの警務隊に引き渡す。戦闘機、何のことやら?」

(用は厄介ごとに巻き込まれたくないから戦闘機を見なかったことにしたいだけじゃん)

 

先輩は若い男に小声で囁く。

 

「戦闘機に搭載されている核融合炉か兵装辺りがもしも墜落の衝撃で爆発したらまずいだろう。そうなったらさっきの建前は無しだ。

幸い、戦闘機は爆発したりしなさそうだからこのまま帰るぞ」

 

そういうと先輩は元来た道を引き返していく。

 

(それならそうと館を出る前のミーティングで言って欲しかったな…しかしまぁ、事なかれ主義とはこういうことか)

 

若い男は先輩の背中を追って歩き始める。

去る前に若い男はコアファイターを一瞥した。

キャノピーは完全に閉まっており、開く気配はない。

 

いつでも飛び立てるが、誰かを待っている。

そのような意思がコアファイターにあるように若い男には見えた。

 

 

 

「ここのベッドは気持ちいいな…官舎のベッドより寝心地がいいぜ」

 

ララァの「恋人さん」であるジオン軍の中年の将校は呟いた。

間接照明に照らされた部屋に設置されたダブルベッドの上で将校は寝間着姿のまま倒れこんでいた。

 

「人間関係ってのは難儀なもんだな、売春宿の予約の仕方まで申し継がれるんだから」

 

将校は枕から顔を反らしてララァの方を見た。

ベッドの脇に座ったララァはそんな将校を見て笑う。

 

「あなたのようにここを仮眠所みたいに使っているのは珍しくないわ」

「人がいないのにリストラするからな…官舎じゃまともに寝れない」

 

将校はマンガルール市の警務隊から来た幹部の1人だ。

ここが売春宿であるにも関わらずに行為に及ばずに将校はベッドに沈んでいた。

 

「疲れてるのにセックスなんか出来るかよ…」

 

日頃の激務の影響で非番の日にカバスの館に訪れていた将校はわざわざここで仮眠を取るようになっていた。

官舎にいても心が休まらない将校はカバスの館にいる、と言えば緊急事態でもなければ連絡がこないので

この場所の方が安心して眠れると思い、高い金を払ってまで利用している。

だんだん眠くなっていて意識が朦朧としてきた時だった。

 

枕の横に置いていた業務用端末がバイブレーションが鳴り響く。

 

「お仕事の電話ね」

「マジか…」

 

電話を取りたくない心を押し殺して将校は枕から顔を起こして端末の画面に表示された着信ボタンを押した。

 

「どうした?」

 

凄まじくだらしない体勢を取りながら将校は声だけはっきりとして電話の向こうにいる幹部の声を聞いた。

 

「え?なんで、ソドンが…分かった。ズゴックとゴックだな。海中の捜索となれば支援艦も必要だ。明日来るんだな。すぐに戻る」

 

端末の終了ボタンを押した将校はああ…悲痛な声を上げながらベッドから起き上がった。

 

「仕事だ。今日はここまでで失礼するよ」

「頑張ってくださいね。お仕事」

「給料分は働くよ。給料分以外は働きたくない…」

 

ララァは将校の悲痛な声を聞きながらソドン、という単語を呟いた。

掘り下げが足りないと感じる主要人物

  • ジョン・マフティー・マティックス
  • アマテ・ユズリハ(マチュ)
  • ニャアン
  • シュウジ・イトウ
  • シャリア・ブル
  • シロウズ
  • サンライズカネバン社長
  • シイコ・スガイ
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