おっぱい大作戦   作:そらまめ

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18-4 グランドスラム

スクランブルで出撃したザク3機による小隊は、目の前の光景を見て呆気に取られていた。

 

彼らの視界の先では、ジークアクスと「アンノウン5」が交戦状態に入り、宙域を高速で飛び交っていた。

 

『ガンダム・クアックスとアンノウン5が交戦中。パイロットと通信不可』

 

ミノフスキー粒子が撒かれていないため、ザクはライブ映像をソドンと防衛隊の指揮所へ送信しながら、パイロットたちは指示を仰いでいた。

 

ジークアクスとフリーダムは、宇宙船の航路付近で激しく戦っている。

 

小隊は、航行中のスペースシップを守るような形で展開していた。

参戦したところで、機体性能の不足と武装の差でジークアクスの足を引っ張るのは明らかだったため、指揮所からの判断を待っていた。

 

『ガンダム・クアックスはオメガサイコミュを起動している。

ザクでナガラ衆のMSに挑んでも足手まといだ。スペースシップの護衛を継続しつつ、2機の監視を続けろ。入港後はガンダム・クアックスの支援に回れ』

 

『了解』

 

指揮所からの通信を受け、3機のザクはスペースシップの盾になるように配置を変えた。

 

指揮所は、アマテラス・コロニーの政庁機能が集約された合同庁舎内に設置されている。

最新鋭の機材こそ整っているが、グラナダ基地にあるような大規模な設備と比べれば、こじんまりとした造りだ。

 

そこに詰めている防衛隊の幹部たちは、ソドンと連携を取りながら、宙域に出現したアンノウン5、正体不明ゆえにそう呼ばれたフリーダムの対応に追われていた。

 

「なぜサイコミュが起動している? エグザベ少尉は起動できないはずだぞ」

 

未だ通信が取れないエグザベについてソドン側と情報を共有しているうちに、幹部の一人がザクから送られてきた映像に違和感を覚えた。

 

ジークアクスの性能について、指揮所側は詳細を把握しているわけではない。

だが、ジークアクスにオメガサイコミュと呼ばれる新型のサイコミュシステムが搭載されていること、そしてエグザベが未だ起動に成功していないことは共有されている。

 

にもかかわらず、映像のジークアクスはそのオメガサイコミュを起動していた。

 

「ソドン側は、機体側の暴走を疑っています。以前にも同様のケースがあったとのことで」

 

オペレーターとして席に着いていたセイラは、ソドンのメカニックから送られてきた機体データの追記を読み上げた。

 

「スタンドアローンで制御不能になる兵器なんてナンセンス、そういう言葉が身に染みるよ」

 

それを聞き、幹部の一人は苦笑した。

 

 

 

戦闘機動を取りながら、フリーダムは腰に装備された折りたたみ式レールガンを展開し、迫りくるジークアクスに照準を合わせる。

 

対するジークアクスは、マウントしていたビームライフルを解除して投げつけ、同時に折りたたまれていたグランドスラムを展開。

一気に間合いを詰めた。

 

ビームライフルは明後日の方向へ飛んでいき、フリーダムはそれを無視してジークアクスに向けて照準も定めずレールガンを連射し、弾幕を張った。

 

弾幕の隙間をかいくぐり、ジークアクスはグランドスラムの間合いにまで到達した。

 

フリーダムが腰のビームサーベルの柄を抜こうとしたその瞬間、

 

突然、どこからともなく飛来したビームがフリーダムの右マニュピレーターを吹き飛ばした。

 

ほんのわずか動きが違っていれば、胴体を貫かれていたはずだ。

驚きつつも、フリーダムは頭部バルカンらしき装備でジークアクスを牽制する。

 

続いて2発目のビームが飛んできた。

 

フリーダムは全力で回避しようと無理な態勢を取る。

 

そのとき、フリーダムは見てしまった。

接触回線用ワイヤーで繋がれたビームライフルが、自分を狙って展開されていることを。

 

明後日の方向へ投げつけられたビームライフルは、ワイヤーで繋ぎ止められたままフリーダムに狙いを定めていたのだ。

 

3発目のビームが発射される。

 

どうにか全身を捻って回避するフリーダムだったが、わずかな隙が生まれた。

それを見逃さず、ジークアクスは体当たりを仕掛ける。

 

フリーダムは回避しきれず、体当たりをまともに受けた。

フェイズシフト装甲が火花を散らす。

 

2機はぶつかり合いながら、宇宙港の目前へと迫った。

 

 

 

その光景をマチュは窓越しに見ていた。

背後では、周囲の客や生徒がパニックになり、CAや引率の教師が必死に落ち着かせているが、マチュにはどうでもよかった。

 

サイコガンダム事件のときのように、ジークアクスはオメガサイコミュを起動している。

 

「ジークアクス、来てくれたんだ」

 

マチュは手に持っていた御守りの中から、T字の金属片を取り出した。

 

「MSが来ます! 衝撃防止姿勢を取ってください!」

 

2機のMSは、ジークアクスの頭部が視認できるほど接近する。

宇宙港に入る直前、フリーダムの突進を阻止しようと、ザクたちが必死でザクマシンガンの弾幕を張った。

 

その一瞬、ジークアクスとマチュの視線が交わる。

 

次の瞬間、ジークアクスとフリーダムは船体を横切るように突っ込んでいった。

二機とも宇宙港近くの外壁部へと突っ込んでいく。

 

スペースシップは、どうにか無事に宇宙港内部へ逃げ込むことができた。

 

「分かってるよ、ジークアクス」

 

周囲の歓声と安堵の声を聞きながら、マチュは小さく呟いた。

T字型の金属片は鈍い光を放つ。

掘り下げが足りないと感じる主要人物

  • ジョン・マフティー・マティックス
  • アマテ・ユズリハ(マチュ)
  • ニャアン
  • シュウジ・イトウ
  • シャリア・ブル
  • シロウズ
  • サンライズカネバン社長
  • シイコ・スガイ
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