おっぱい大作戦   作:そらまめ

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マチュにとっての幸せな時間はすぐに終わる。

幸福な気持ちのまま目が覚めると股間に違和感があった。

ジョンに触ってもらった左手を股間に入れ、その違和感を触感で理解するとマチュは気怠げに窓の外を見た。シャワーを浴びることもだるい。

赤い携帯情報端末のディスプレイ、ブルーライト対策で夜の間だけオレンジ色のそのディスプレイにはデジタル表記でグリニッジ標準時が表示されているが、時刻は3時15分を表示しておりまだ外は暗い。

外の闇を見るたびにマチュは思う。

「作り物だ」

自分達が暮らすコロニーの朝、昼、夜は光の反射によって作り出されている。

人の手によって作られた物、そう思うと何もかも偽物のようにマチュの感性は訴えている。

自分の股から左手を出してマチュは仰向けになった。

左手が自分で濡れている。

この手が自分の手であることがマチュには少し惨めに思えた。

 

人間は24時間の内どこかで寝ても、コロニー公社という組織は24時間起きている。

何千万人が暮らすスペースコロニーの維持に休みなどないからだ。

採光部、河と呼ばれる鏡の一部を交換する作業が行われていた。

時刻は午前3時15分、人が安心して眠る為にはこういう仕事は欠かせない。

 

コロニー公社から派遣された作業員、紐解けば肩書きは多くあるが、彼らはMSと作業用ポッドを駆使して割れたミラーを交換していた。

作業員が乗っているMS-06、ザクと呼ばれるMSは搭載された無線機で仲間の1人に呼びかけた。

「割れたミラーの回収は程々で良い。割れた衝撃で半分以上はどっか行っちゃっただろうしな」

『了解です。ガンダムのデータ取りもあるので程々で締めます』

仲間の1人、ガンダムと呼ばれたMSは手に持った網とカゴを持って器用に宇宙空間に浮かぶ割れた鏡を回収していた。

「虫とり少年か」

作業用ポッド RB-79Cのパイロットはそんなガンダムの姿を見て笑ってしまった。

ノーマルスーツで船外活動をしていた作業員はやれやれといったポーズで立ち膝をしているMS-06に接触回線で話しかけた。

「ジオンのガンダムとはえらい違いだな。あんな人間臭いMSなんかみたことないぞ」

『あの何でも屋、大学と提携してガンダムを使ってるらしいが…』

「良い時代だよ、軍人じゃなくてもMSを使えるんだから」

 

ホッ、ホッ、ホッ

ガンダムの動きに擬音を付けるならこんな感じだろう。ツインアイと黄色のV字アンテナ、片方しかない胸部の黄色い排熱ダクトが目立つ。

ぬるぬる動いていたガンダムだが、突然動きが止まった。

「どうした?」

それを見たRB-79Cが声をかけた。

『何か、20km先に変なMSがいます』

ガンダムは網をカゴの中に入れると遠くの場所を指差した。

ガンダムに近づいたMS-06はガンダムが指差した方向をモノアイセンサーに搭載されている光学カメラで見る。

「確かに何か赤いMSがいるな。何やってんのか見えづらいけど」

『ちょっと見てきます。コロニーぶっ壊すような事をしてたら注意してきます』

ガンダムは作業クルーを一瞥した。ちょうど最後のミラーを貼る作業が始まったところだ。

 

作業メンバーの中で動けるMSはガンダムしかいない。

「分かった。何かあったらすぐに連絡してくれ。MS相手だと軍警を呼ぶ必要もある」

骨董品レベルに古いサラミス級宇宙警備艇を改装した作業艇に搭乗しているチーフはガンダムにゴーサインを出した。

『行ってきます』

網とカゴを作業艇に載せ、ガンダムは右手でサムズアップした。

同時にガンダムは周囲に気を遣いながらスラスターを点火、赤いMSの方へと向かっていった。

 

掘り下げが足りないと感じる主要人物

  • ジョン・マフティー・マティックス
  • アマテ・ユズリハ(マチュ)
  • ニャアン
  • シュウジ・イトウ
  • シャリア・ブル
  • シロウズ
  • サンライズカネバン社長
  • シイコ・スガイ
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