かつて、戦争があった。
1つのコロニーの独立運動から端を発した紛争が、地球全土を巻き込む全面戦争となったのだ。
戦争が膠着状態となって8カ月…
ジオン軍は地球連邦軍が極秘裏に開発していたモビルスーツ「ガンダム」を奪取、この事件により地球連邦軍はジオン軍に後れを取るようになり、戦局は次第に悪化していった。
戦争末期、月面都市グラナダに対して地球連邦軍は宇宙要塞ソロモンを墜落させる作戦を実行した。
これに対し、ジオン軍はグラナダに残っていた僅かな戦力で殴り込み艦隊を結成、ソロモン落としを阻止するために奮戦し、最後にはシャア・アズナブルが引き起こしたとされるゼクノヴァによってソロモンがグラナダに墜落する事態は避けられた。
のちに第2次ソロモン会戦と呼ばれる戦いの歴史である。
ただし、この歴史には意図的に抹消された事実がある。
シャリア・ブルは死んでいった仲間達の最期の言葉をたまに思い出す。
「うわぁぁぁぁぁ」
「なんだ、なんなんだ!?」
「なんだあのビットは!?ああああああああ」
「ガンダム!?馬鹿な軽キャノンじゃな…」
ソロモンに突入直前だった艦隊は一気に崩壊した。
辛うじてソドンだけはソロモンに上陸できたが、他3隻は誰1人として生きて帰ってこれなかった。
あの時、キケロガに搭乗していたシャリアも一方的に甚振られた。
相手が小型のビットのような物でオールレンジ攻撃をかけてきたのは理解できた。
だが、こちらは相手の正体すら見ることも叶わずにメガ粒子砲をビットのような物で潰されていく。
シャリアを甚振る者の思念がシャリアの脳内に響き渡る。
『ニュータイプは癌細胞だ』
『癌細胞に人類の革新を名乗る資格はない』
『ニュータイプに未来などないのだ。シャア・アズナブル、シャリア・ブル』
その思念に反論の余地すらなくシャリアの死は決まった。はずだった。
その時、シャリアは彼に救われた。
『助太刀します』
彼が何者だったのかは分からない。
第二次ソロモン会戦の生き残りがソドンの僅かな人員のみという状況とゼクノヴァによる混乱が重なりシャリアが出会ったあのもう1機の赤いガンダムを知る者は殆どいない。
イズマ支部:2階休憩所
休憩時間の合間にマチュはオフライン状態にしていた端末をオンライン状態に切り替えた。
オフライン中に受信していた通知が通知画面に表示されているのを眺めているとその中に奇妙なメッセージが混じっていた。
『THRICE UPON A TIME』
マチュの端末は発信者不明の人物からのメッセージを受信していた。
怪訝な顔でマチュはメッセージを読む。
「誰?」
その人物に返信するが返事は帰ってこない。
端末の画面を閉じてリュックに入れるとマチュは端末と入れ替わりに御守りを取り出した。
御守りといっても宗教的な要素は薄い。
イズマ・コロニー内にあるような神社の御守りとは違う。
マチュの御守りはペット・ロボットのハロを模したポーチの中に入っている。
「もうすぐジョンに会える。本当に長かった。あの子はシュウジ君と上手くいったのかな」
マチュは慎重にポーチを開いて中に入っている物を取り出した。
本来、宗教的には御守りの中身を見ることは避けるべきだとマチュは教わっている。
だが、この中身を作ったのは他でもないマチュ自身だ。
マチュは御守りの中身の一部を取り出した。
それをマチュは愛おしそうに触る。
「お前のおかげでジョンと繋がれるなんて、運命ってあるもんだね…」
マチュが握っているのは無塗装の金属片だ。
その金属片はT字型をしていた。
パルダ・コロニー:サンライズ・カネバン本部社長室
「僕、ジョンに会いにいってくる」
社長室でおっちゃんと対面するシュウジは開口一番こう言い放った。
「なんでや、ガンダムが言っているのか?」
「うん、ジョンに会いに行けとそう言っている」
お好み焼き名人スーツの金属を擦る音が室内に響く。
シュウジの赤い目を見ながらおっちゃんは逡巡を重ねた。
「分かった。ただな、条件を付けてもいいか?」
「?」
「ワシも行こう」
おっちゃんはデスクの上にある卓上カレンダーをシュウジに渡した。
「今度の金曜から日曜、移動はリリー・マルレーン。赤いガンダムも搭載、これでええな?」
シュウジは思わず頭を下げた。
「ありがとう」
それを見ておっちゃんは笑った。
「なに、久々にボンの顔を見たくなったんや」
イズマ・コロニー:某公園
「棺の王子が目覚めようとしています」
S-DAT女がベンチに座る優男に対して語り掛ける。
「しかし、棺の王子の身体はまだ完全には治っていません。棺の王子が完治するのは数か月、イオマグヌッソの完成とほぼ同時期だと予想されています」
続いてR-DAT男も資料を見ながら優男に語り掛ける。
「予定通りだ。シャロンの薔薇…いや、その中に眠る月の処女を呼び起こすのには王子のOPPAI-SENSEを復活させる必要がある。そのためには」
優男は自分を見る2人を見た。
「頼むぞ」
R-DAT男とS-DAT女は同時に頷いた。
掘り下げが足りないと感じる主要人物
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ジョン・マフティー・マティックス
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アマテ・ユズリハ(マチュ)
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ニャアン
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シュウジ・イトウ
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シャリア・ブル
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シロウズ
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サンライズカネバン社長
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シイコ・スガイ