おっぱい大作戦ではシャリア・ブルがタマキ・ユズリハに巴投げされます。
スラム街:橋下通路
キラキラを見たい。
そう思いニャアンは何度もこの通路を通る。
このグラフティに描かれている光景を見たい。
このグラフティを描いた人物に会ってみたい。
どんな人物なのだろう。
「また会ったわね」
脇から声が掛かり、ようやく隣に人が立っていることに気付いた。
振り向くとそこにはいつぞやの虹色の水着の女性が立っていた。
水着の模様がグラフティに似ていた。
手には黄色いチューリップの花束を持っている。
「これを描いたのはシュウジ・イトウ、私の水着みたいでいいでしょ」
水着はどうでも良いが、先に出たシュウジ・イトウという名がニャアンは気になった。
「シュウジ・イトウ」
「刻が未来に進むのであればいずれ会える。あなたは会ってみたい?」
ニャアンは沈痛な面持ちを浮かべる。
ジョンに振られた後、落ち込んだ心を誤魔化すようにここまで散歩に来ていた。
グラフティの主に会ってみたい気持ちと恐怖がニャアンに共存していた。
「男に振られたね」
ニャアンは頷いた。
「全く、あなたみたいな子を振るなんて…女を見る目がないわね」
「5年も会ってなかったの、お互い死んだと思ってたし。この5年で違う人を好きになってた」
自分に言い聞かせるようにニャアンは言った。
「好きな人か、懐かしいわね」
その言葉に哀愁を持たせて虹色の水着の女性は言った。
「いたの?」
「今は名前も顔も忘れちゃった。でもこの人に自分の人生を捧げて良いと思った男はいた。それだけは本当」
虹色の水着の女性は通路の手すりに身体を預けた。
ちょうど通路の下に流れる川をボートが進んでいく。
「人間なんて分からないものね。女心と秋の空、女は優生思想の生き物という話は聞くけどこうも忘れられないとは」
ニャアンも虹色の水着の女性と同じように通路の手すりまで歩いていく。下に流れる川をじっと眺める。
「そんな難しい言葉は知らない」
「難しい言葉を使う人達は自分達の周囲しか知らないの」
ニャアンは虹色の水着の女性を改めて見た。
水着に描かれたユニコーンのマークが妙にニャアンの印象に残った。
水着で駅構内とスラムを歩き回るような異常な女性だが、ニャアンは不思議と恐怖を感じなかった。
(この人はナガラ衆?)
ジョンとの会話の中でも出てきたが、最近イズマコロニーでテロを起こしている団体がいるという話だ。
その団体の人間は全裸だったり、OPPAIだとか謎の言葉を使っているという。この女性もその可能性がある。
そこまでニャアンが考えたところで虹色の水着の女性はニヤリと笑った。
「その通り。ナガラ衆が団体、ナガラの使いが個人といったところかしら」
(心が読まれた?)
「ナガラ衆はニュータイプの成れの果てが辿り着く吹き溜まり」
そういうと虹色の水着の女性は「いいわよー!」と誰もいないところへ叫んだ。
「あなたはアマテ・ユズリハとシュウジ・イトウと巡り合う運命にある。遅かれ早かれ発覚するのだからあなたに見せてあげる。ナガラ衆の秘密を」
虹色の水着の女性の叫びの後、道路に設置してあったマンホールが勢いよく空中へ射出された。
ポン
「この下にはシュウジ・イトウの隠れ家があった空間がある。そこで見せてあげる」
逃さんぞ、という凄みを出しながら虹色の水着の女性はニャアンを見た。
今すぐこの場から全力で逃げ出したいニャアンだったが、他に選択肢は無かった。
地下隔壁:第43-52番通路
「あなたと会うのもあの駅以来ね」
虹色の水着の女性は水着をゲーミングPCのように光らせながら地下通路を歩いていく。ニャアンも端末のライト機能を点灯させて後ろをついていく。
「あの、何でいつも水着なんですか?」
「そんな些細なこと、気にしちゃいけない」
些細なことかな?とニャアンは思いながら周囲を照らして歩く。
「枯れた技術の水平思考だけでは未来は作れない。未来を作るのは挑み続ける意志」
唐突に虹色の水着の女性は語り始めた。
「成功よりも失敗の方がずっと多い。でも挑戦なくして成功はない」
「だからナガラは私達にその名を授けた。挑戦者としての意思を残すために」
「でも、実際のところはね…」
ニャアンには意味不明だった。
それでもこの女性は真剣なトーンで語った。
少し歩いた先に閉鎖されたドアがあった。そのドアが自動的に開かれていく。
「着いたわ」
ドアの向こうの先は巨大な空間が広がっており、天井全面にあのグラフティが描かれていた。
後ろを振り返るとスペースランチが遺棄されており、出入り口はその隙間にあった。
スペースランチにはハシゴが掛けられており、つい最近まで誰かがここに出入りしていた痕跡があった。
「25m分の高さを作るために少し改造させてもらったわ」
虹色の水着の女性はニャアンから離れて不自然に高く加工された場所へと降り立った。
「ニャアン、あなたはニュースを見てるわよね」
ニャアンはビクッとなった。
「人並みには…」
「ソドンがここに滞在することになった事件は覚えている?」
「確かテロリストの乗るアンノウン1とかに襲われて、その捜査のためとか」
「アンノウン1、そうね」
何度か虹色の水着の女性は咳払いしてニャアンを真剣な眼差しで見つめた。
「多くの人が不思議に思ったと思うの、テロリストがコロニー内のどこにMSを隠していて、整備をしているのかって」
その話はニャアンも聞いたことがある。
MSの維持、運用には現実的な予算の範疇にしてもそれなりに金が掛かる。
ジオンの最新MSとソドンを一方的にボコボコに出来るMSをテロリストがどこに隠しているのか?
最近は軍警がしつこくスラムを調べて回ったりしたが、結局足すらつかなかった。
「その答えを教えてあげる」
虹色の水着の女性は不敵な笑みを浮かべた。
その言葉のすぐ後だった。
虹色の水着の女性の身体が一瞬でその場から消えてしまった。
「えっ!?」
ニャアンは思わず左右を見渡した。どこにもいない。
困惑するニャアンをさらに困惑が襲った。
周囲の空気が変わった。
いきなりニャアンの目の前に巨大な影が現れた。
ニャアンの端末の灯りがその影の一端を照らした。
その影は人型だ。
その影は白と黒のツートンだ。
その影はMSだ。
その影は双眼でVの字のアンテナを持っていた。
その影は肩にあの水着に描かれたユニコーンのマークが描かれていた。
その影には…
『驚いたでしょ』
MSから虹色の水着の女性の声が聞こえてくる。
『ナガラの使いは人間ではない身体を持っているの』
『人間とMSが一つになったニュータイプの末路…』
ニャアンは思考が停止しそうになるのをどうにか抑えて震える手で端末を握った。
怯えるニャアンを安心させようとしているのかMSの頭部、デュアルアイが発光した。
『RX-93』
「RX…93」
それがこのMSの名前なのだろうかとニャアンは思った。
『他にもこういう呼び方があるの』
『νガンダム』
反芻するようにニャアンも呟いた。
「ニュー、ガンダム…」
νガンダムのその姿は暗闇の中で神々しい程の光を放ってニャアンの目の前にあった。
その光が周囲のグラフティと合わさり、その場にキラキラが溢れてるような錯覚をニャアンは覚えた。
コロニー公社イズマ支部:庁舎前
(ニャアン…?)
ジョンはニャアンの身に何か起こったような気がした。
死の恐怖ではない何か大変なことがニャアンの身に降りかかったような気がしたのだ。
今日再会するまでニャアンのことなんてまるで知らなかったので錯覚かとジョンは思った。
だが、この直感は信じても良い気がした。
彼女の身に何かあったならすぐに向かいたいところだが、今のジョンは目の前で起きてる事を先に何とかしなければならなかった。
ディープキス3回目を始めようとしているマチュを何とかしなければならなかった。
ジョンは気合いで性欲を抑えていたが、このままだと後ろで取っ組み合いをしているシャリア・ブルと外交3部の部長の目の前で青姦をやりかねない。
「マチュ、頼むからそろそろ話し合おう…」
そんなの関係ないと言わんばかりにディープキス3回目が始まった。
掘り下げが足りないと感じる主要人物
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ジョン・マフティー・マティックス
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アマテ・ユズリハ(マチュ)
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ニャアン
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シュウジ・イトウ
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シャリア・ブル
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シロウズ
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サンライズカネバン社長
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シイコ・スガイ