ショッピングモール:喫茶チェーン店
「シュウジ、君はお好み焼き屋か?」
追加注文のニャアンと同じカフェオレを飲むシュウジからはお好み焼きの匂いが漂っていた。
ついさっきまでニャアンとの昼食はお好み焼きかフードコートという話だったのでジョンはシュウジにお好み焼きを焼いてもらおうかと考えていた。
「今はおっちゃんが店番をやってる。おっちゃんの家で練習したんだ」
「屋台だな、おっちゃんというのが身元引受人か」
「うん」
おっちゃんとやらがサンライズ・カネバンの関係者でシュウジと赤いガンダムの面倒を見ている。
間違いなく、会社内でも幹部クラスの人間だろう。
幹部クラスの人間がなんでお好み焼きの屋台をしているのかは疑問に思いつつも、右手に感じる感触に浸っていた。
シュウジの乱入により席の入れ替わりがあった。
マチュとニャアンの席が入れ替わり、シュウジとニャアンがジョンと対面するように座りなおしていた。
ジョンの隣にマチュが座り、2人は手を絡めあっていた。
「ジョンはおっちゃんのこと、知ってる?」
「そもそもおっちゃん、という人の名前すら知らないぞ」
「おっちゃんはおっちゃんだよ。ジョンは…いやいっか」
シュウジの探るような言葉にジョンは怪訝に思った。
(記憶にないだけで昔の僕に会ったことがあるのか、そのおっちゃん)
ナガラ衆の話も兼ねてそのおっちゃんとも会ってみるかとジョンは思った。
ジョンは氷が解け切った自分用のアイスティーを飲んだ。
それを見ながらシュウジはニコニコしながらジョンのスコーンを食べた。
マチュとニャアンはジョンとシュウジの顔を見比べながら思った。
((似てる…))
ジョンとシュウジは髪と雰囲気以外はそっくりさん以上にそっくりだ。
目元を隠すような白髪の混じった金髪、ザラザラした雰囲気のジョンと後ろで纏められた蒼い長髪のおっとりとした雰囲気のシュウジ、何もかも違うように見えても見比べれば見比べる程似ている。
「ジャック、ジャックとシュウジさんは似てるけど兄弟なの?」
思わずニャアンが2人に聞いた。
「僕に兄弟はいないだろう、ニャアン」
「シュウジで良いよ、ニャアン。僕とジョンは全然似てないよ」
アイスティーとスコーンを置いて2人は言った。
「すごい似てるんだけどなぁ…」
マチュは飲んでいい?とジョンの返事を待つ前にジョンのアイスティーを飲み始めた。
それをジョンは特に咎めることなく、似てるかなぁとシュウジの顔を見た。
ニャアンもシュウジの顔を見た。
(綺麗だ)
自分は面食いなのかな、とニャアンは思ったがシュウジの雰囲気を見てニャアンはジョンには無い物を感じ取っていた。
(ジャックもそれを分かっているからあんなに話せるのかな)
初対面ではあったが、ジョンに似て異なるシュウジにニャアンは少し惹かれていた。
「ジョン、おっちゃんのお好み焼きを食べない?」
少しの沈黙が流れ、シュウジが突如として提案してきた。
元々、昼食はお好み焼きという話だったので悪い話ではない。
ついでにおっちゃんとやらに会ってみようとジョンは思った。
「OK、2人はどうする?」
「食べよう!食べよう!」
マチュはニコニコしながら言った。
ニャアンも頷いた。
かくして彼らの行く先は決定した。
この4人の光景をマチュ達の盟友の少女達は離れた席から見ていた。
マチュからは急用ができたと詫びのメッセージが友人達の端末には届いていたが、マチュの動向が心配になって追いかけてきた。
彼らの光景は傍から見れば美男美女の集まりだが、なんだかチクハグに見て取れた。
「あの目隠れ金髪少年がアマテさんの彼氏さんか」
「悪い子じゃなさそうだけど大丈夫なのかな。やっぱりアマテさんは私達が守らないと」
「アマテさんに…彼氏が…彼氏が…嘘だそんなこと…」
落ち込みようが激しい少女は注文していたパスタを一口も食べようとしない。
「私達もお好み焼き食べにいこっか。どうせこの後、カラオケだけだし」
「うん…」
「ねぇ」
少女の一人が手を付けていないパスタが盛った皿を手に取った。
「これ食ってもいいかな?」
「えっ!?」
「これからお好み焼き食べるのに!?」
落ち込んでいた少女は満面の笑みを浮かべている少女の食欲に対して流石に突っ込みを入れた。
少女達が話している間にジョン達はお会計を済ませて喫茶チェーン店を出ていた。
なお、支払いはジョンが全額負担した。
掘り下げが足りないと感じる主要人物
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ジョン・マフティー・マティックス
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アマテ・ユズリハ(マチュ)
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ニャアン
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シュウジ・イトウ
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シャリア・ブル
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シロウズ
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サンライズカネバン社長
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シイコ・スガイ