こちらのおっぱい大作戦も継続します。
ショッピングモール:映画館(シアター6)
宇宙世紀に時代が進んでも映画産業は現役で存続している。
映画館は上映だけを生業にはせず、個人や会社に貸切でレンタルできるようにするなど柔軟に時代に適応して生き残っている。
シアター6の前には「サンライズ・カネバン様御一行」というパネルが貼られて出入り口がロックされている。
「さて、ここにいるメンバーはナガラ衆についてどれくらい知ってるかな?」
『ナガラ衆説明会』とプレゼンテーションソフトで作ったスライドをスクリーンに投影しながらシモダが言った。
マチュとニャアンがお茶会をやっている間にジョンとシュウジはナガラ衆についてどういう話をするかで悩んでいた。
おっちゃんとアンキーを巻き込み、最終的に
「ナガラ衆についてそれなりに知っている男」
を自称するシモダを中心に話がまとまっていった。
「最近イズマで活動するようになったテロリスト」
「都市伝説の動画でたまに出てくる変な団体」
「MSに変身できる」
「虹色の水着を着た女がよく出てくる」
ジョン、マチュ、ニャアン、シュウジが思い思いに発言する。
ジョンとマチュは隣同士の席に座って手を握っている。
「そんなところだろう。話によると君達4人はナガラ衆に目をつけられている。中々面倒な奴らに好かれたもんだな」
次、とシモダがラップトップパソコンの前に陣取るペイルライダーに言った。
キーボードをクリック音の後にスクリーンに次のスライドが映し出される。
「ナガラ衆はある目的のために動いている。それが達成されるまでは君達は危害を加えることはない」
「なんでそう言い切れるんや?」
ジョン達の席から通路を挟んだ席に座るおっちゃんは疑問に思った。
「ナガラ衆の目的は2つ。1つはナガラ衆の価値観によるニュータイプの世界を作ることだ」
なんだ、とマチュは思った。
映画館に入る前にマチュはナガラ衆についてネットで軽く調べていた。
ニュータイプ云々のテロリストは一年戦争後からよく話題になるのでさして珍しく話ではない。
それに既存の文化とニュータイプの概念が混ざったような話もよくある。
テロリストに目をつけられたことに恐怖こそあれど、実態としては陳腐な思想に殉じている、とマチュは思っていた。
「もう1つの目的、ナガラ衆は新たな神様を作ろうとしている」
シモダ以外の殆どの人間の頭上に?マークが浮かんだ。
「そのためにナガラ衆は世界を滅ぼそうとしている」
次、とシモダが言った。スライドが変わる。
スライドには見慣れない単語が並んでいた。
・アド・ステラ
・アドバンスドジェネレーション
・ポスト・ディザスター
「これはシュウジが以前、ナガラ衆の虹色の水着を着た女と接触した時に言われた言葉だ。これは恐らく、古代に滅亡した文明が使っていた年号だ」
「虹色の水着…あの女の人かな?」
マチュは思い出す。以前、夢のような空間で遭遇した息切れしながら電車に乗り込んできた女性、彼女もまたナガラ衆の1人なのだろうか。
「待てや、何でテロリストがそんな訳分からんこと言ってるんや?
奴らは反ジオンのテロリストじゃないのか?
ニュータイプの世界を作る、神様を作ろうとするだの何訳分かんないこと言うんや?」
おっちゃんが口を挟んだ。
あらかじめ口を挟むタイミングはお互いに決められていたのだろう。
ニャアンはおっちゃんの指摘がわざとらしく感じた。
発表会前に打ち合わせでおっちゃんをツッコミ役にしたのだろうとニャアンは思った。
「そもそもナガラって何なんや?」
おっちゃんの問いかけにシモダは指を振った。
「それをこれから話していきます。ペイルライダー、準備は出来たな?」
「ギリギリでしたが完成してます。シイコさんとアンキーさんに頑張ってもらいましたからね」
「よし、10分後に説明用の動画を再生する。10分時間をください」
ジョン達がバタバタしていたことにマチュは合点がいった。
ナガラ関係の説明のために色々忙しく回っていたのだ。
ナガラについてはあまり接点のないマチュが呼ばれなかったのはそのためだろう。
ただ、ニャアンは何かしら知っているようでニャアン自身の端末からデータを抜き取った後はマチュと共に行動していた。
「ニャアン、ちょっと良いかい?」
ニャアンが振り返ると後ろの席列にアンキーが立っていた。
アンキーは席から離れた映画館の出入り口がある通路の方を指差した。あそこで話したい、という意味だろう。
ニャアンは頷いて席から立った。
席から立ち上がる時、アンキーはジョンと目を合わせてお互いに頷いた。
「ニャアン、うちで働かない?」
開口一番でアンキーは言った。
「サンライズ・カネバンは人がいなくてね。見ただろ、社長がお好み焼き名人スーツを装着しているような男だから人が来ないんだ」
「え、え?」
ニャアンは戸惑った。
サンライズ・カネバンは有名企業だ。そして目の前の女性はその副社長、そんな人物が運び屋をやってる自分をわざわざスカウトに来たのだ。
「衣食住は保証する。ただ、儲けがないとやっていけないからそれなりに厳しくはする。でも悪い話ではないだろ?」
ナガラ衆の話ですらパンク状態のニャアンだったが、サンライズ・カネバンのスカウトで更に混乱した。
「でも、なんで?」
辛うじて言葉を出したニャアンの困惑した顔を見てアンキーは笑った。
「あんたは結構体力あると見た。それだけさ」
「うそ…」
「明日にはパルダに戻る。それまでに決めて欲しい。あんたの仕事先にも話を通さなきゃならないだろう?」
アンキーの顔はこの娘は来る。という確信に満ちていた。
「後ね、説明用の動画を録っている時にナガラの話をちゃんと聞いてね。連中が超自然的な力を持っているのはあんたの写真を見て分かってる。テロリストに狙われるくらいならうちにいた方がまだ安全だろ?」
あのνガンダムか、とニャアンは思った。そして後者の言葉には魅力的だった。
今の運び屋生活よりもサンライズ・カネバンで働いた方がまだ助かる可能性がある。
顔には出さないがニャアンの心は決まった。
同時にこの話をアンキーに通したのはジャックだろうとニャアンは察した。ジャックとアンキーが会話している光景は内容は分からないにしても見ていた。
あのバタバタしたジョンの行動はサンライズ・カネバンのおっちゃんとアンキーに懇願したのだろう。
自分に話を通さないのはどうなのかとは思う。
思うところこそあれど、ジャックが自分のために動いてくれたことがニャアンは嬉しかった。
掘り下げが足りないと感じる主要人物
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ジョン・マフティー・マティックス
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アマテ・ユズリハ(マチュ)
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ニャアン
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シュウジ・イトウ
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シャリア・ブル
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シロウズ
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サンライズカネバン社長
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シイコ・スガイ