イズマ:6号ハイウェイ
『あ〜そこの目隠れボーイ、オールバックできそうなボーイ〜』
『お前〜逃げてんじゃねぇよ〜女から逃げやがってよぉ〜私はニュータイプだから分かるぞぉ〜』
『お前が何抱えてんのか〜分かんねぇけどよぉ〜言い訳並べてさぁ〜本当は女から逃げたいだけなんじゃねぇの』
『…逃げるなよ、君を愛してくれる奴なんてそんなにいないんだぞ』
『隣人を愛せない奴が世界平和を語る資格なんかねぇんだよ。昔の人間なんてそんな奴らばっかだ。…君はどうかな?』
歓楽街からマチュの自宅まではそこそこ離れている。最短ルートを選んでジョンはマチュと共にバイクに乗ってハイウェイを走らせる。
土曜日の夜ということもあり、それなりに交通量があるが特に道路が渋滞することもなく2人を乗せたバイクは進んでいく。
ジョンとマチュの間に会話はない。
バイクを運転するジョンの後ろに乗ったマチュは両腕でジョンをギュッと抱きしめる。
バイクで2ケツするのであれば別に間違ったことではないが、その行動にじっとりとした感情をジョンは感じた。
『ジョン、コモリノ言葉ヲ気ニシテイルナ?』
ヘルメットの近距離無線機能を介してハロがジョンに語りかけてきた。
「否定はできなかったからね」
確かに自分はシャリアに言った。
マチュのためにソドンを離れると。
だが、酔ったコモリの言うように正直マチュから逃げるために無意識で口実にしている部分もあったのではないかと改めて思うところがある。
『ニュータイプダノ頓珍漢ナ発言ダガ、反省スベキ点ガアルナラ自戒スルンダナ。
今日ノオ前ハニャアンニ構イッパナシダロウ。アマテノ気持チハドウシタ?』
「…ちゃんと話さなきゃな」
『実際、映画館ハ失敗ダッタカラナ』
マチュの自宅は政府官舎の最上階にある。
ハイウェイから見る政府官舎はジョンにはとても立派に見えた。
政府官舎は高層マンションとなっておりその最上階に住むマチュが改めて富裕層の住民であるとジョンは再認識した。
「あのマンションでいい?」
ジョンはマチュにヘルメットでリアクションを示して聞いた。
「そうだよ!そっか、ジョン初めてだもんね。私の家に上がるの」
マチュのその言葉にジョンは引っかかった。
自分はマチュを送っていくだけじゃないのか?
ジョンの疑問が伝播したのかマチュは続けて話した。
「今日お母さん、向こうで泊まりなんだ。少し家でお茶しようよ」
会計監査局:外交3部
ここ最近、会計監査局全体の仕事が急増していた。
理由は公にはできないが、1つしかない。
キシリアのイズマ入りだ。
そのせいでタマキはマチュとの会話が以前より減っていた。
ジョンとのこともあるのでちゃんと腰を据えて話さなければならないこともあるが、あれからキチンと話せずにいた。
(母親として失格ね…)
ジョンについては正直分からない。
悪い人間ではない。あれから頭を冷やして玉木は考え直したが、やはりジョン絡みの話は超自然的な存在のようにしか思えず、タマキの理解を超えていた。
超自然的な概念、明晰夢やニュータイプを抜きに男女交際という点であればタマキはもう一度ジョンと改めて話をしたかった。
だが、自分達の言動で彼はジオンに行くことになってしまった。
それに多少の負い目はある。
それでも彼がジオンに行く前に彼とマチュの関係に決着をつけなければならない。
タマキは机の中に入れていたグリフェプタンD+を取り出した。
「場合によっては…」
怖いオーラを放つタマキを見て近くの職員は文書の持ち回りをどうしようか悩んでいた。
掘り下げが足りないと感じる主要人物
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ジョン・マフティー・マティックス
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アマテ・ユズリハ(マチュ)
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ニャアン
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シュウジ・イトウ
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シャリア・ブル
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シロウズ
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サンライズカネバン社長
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シイコ・スガイ