おっぱい大作戦   作:そらまめ

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第7話
7-1


政府官舎:マチュの自宅

 

バイクを自転車置き場に停めた後、ジョンとマチュはその足でマチュの自宅へと向かった。

官舎となっているマンションのセキュリティは立派そのものでマチュは生体認証、ジョンに関しては身分証、これに関しては免許証の提示を求められた。

無人化と機械化が極まり、ジョンに相対したオペレーターロボットは人間と大差ないようにジョンと接した。

『アマテちゃんにもボーイフレンドが出来るとは、もうそんなに時間が流れたのかい』

オペレーターロボットはびっくりした声色でジョンに免許証を返した。

『おばちゃん嬉しいわぁ~こんなイケメンと付き合ってるなんて』

マチュはオペレーターロボットに軽いチョップを喰らわせた。

ハロと大差ないくらいおしゃべりなロボットだなと思いつつジョンはマチュと共にエレベーターに乗った。

 

エレベーターの中でジョンは考える。

今日はニャアン絡みで一日が終わるはずだった。

実際はνガンダムと自分がガンダムになれるという話が出てきたり、マチュと遭遇したり、シュウジに会ったり、サンライズカネバンにニャアンのリクルートの話を持ち掛けたり色々ありすぎた。

色々ありすぎて霞んでいたが、マチュと現実で会うのは2回目だ。明晰夢はあれ以来見ていないので会うのは久々だ。とはいっても1週間程度しか会ってないが、ここ2年間では中々ない。

 

(それくらいマチュとは2年間接していたのか)

 

ジョンから見る今日のマチュは前に会った時よりもかなり落ち着いていた。

衝動的にディープキスをしてきたような言動は影を潜め、発信機を借り受ける程にニャアンとも仲良くなれている。

それもあってジョンはマチュが家に上がってほしいという話にも乗ってしまった。

エレベーターの沈黙の中でジョンは少し後悔していた。

向こうから誘ってきたとはいえ、異性の家に上がることになるのだ。

どんなトラブルが待ち構えているのか分からない。

ジョンからはマチュの顔が見えない。

2年間の付き合いの中でこの1か月のマチュの行動はジョンには想定外だった。

 

(僕の知らないマチュだ)

 

ハロを抱きながらジョンはエレベーターが目的の階に到着したことに安堵した。

 

 

 

マチュの自宅に入るまでお互いに会話はない。

自宅の扉が生体認証で開き、ジョンもマチュの手招きされながら扉の中へと入っていく。

「ジャケットはここに掛けてね」

マチュに言われるがまま、ジョンは靴を脱いで来客用のスリッパを履くとM-65ジャケットをハンガーにかけるとポケットから端末とポケベルを取り出す。

「何それ?」

マチュが珍しそうにジョンのポケベルを指さす。

「イズマ支部での呼び出し用のポケベルだよ。今は殆ど端末のメッセージのやり取りをしてたからあんまり使わないけど、この間ね…」

ニャアンと再会したあの日、ジョンが中々端末の呼び出しに出なかったので端末以外の呼び出し手段としてイズマ・コロニー内だけで使えるポケベルをジョンは渡されていた。

「ふーん」

訳アリなジョンを見てマチュは何かを決意したような表情を浮かべる。

「このポケベルは端末よりも通じやすいらしいけど、僕以外で使っている人は見たこと無いな」

リビングに入ったジョンはイスに座るようにとマチュに言われた。

「レモンティーでいい?」

キッチンに入っていくマチュはリュック片手に振り返って言った。

「手伝うよ」

「いいよ、今はお客さんでしょ」

そう言うとニャアンはキッチンへと入っていった。

「今は?」

引っかかる言葉だ。

端末とポケベルに着信が入っていないか確認するジョンを尻目にハロはキッチンへと転がりながら入っていく。

 

 

 

『ソンナ強力ナ媚薬、ヨク手ニ入レタナ』

キッチンでレモンティーを作っているマチュの前にハロが転がってきた。

カップに注がれたレモンティーにマチュは粉薬の袋を手に持っていた。

「何?」

邪魔者が入ったような、獣のような目でマチュはハロを見た。

『君ハ仮面ヲ被ッテイル。猫ヲ被ルナンテ物デハナイ』

「…」

『止メハシナイ。エッチ、トイウ点デハジョンモ似タヨウナモノダロウ』

マチュは目の前のハロの言葉に安堵した。

『ダガ言ワセテホシイ。君達ハイビツナ出会イヲ果タシタ。

ジョンノ言ウトコロノ明晰夢では2年間、現実デ会ウノハ今ノ君カラシテ見レバ2回目ダ。薬ノ力ヲ借リテマデ肉体関係ヲ築コウナンテ早急スギナイカ?』

「明晰夢のこと、ジョンから聞いたんだ」

マチュはリュックから未開封のコンドームの箱を取り出した。

「遅いくらいだ」

コンドームの箱をリュックに戻すと粉薬の封を切った。

それをレモンティーに注いでいく。

「ジョンは私から逃げようとしている。今しかない」

『ジョン、ジオンニ行ク選択肢ヲ選ンダノハ君ノタメダ。ナガラ衆カラ目ヲツケラレタ自分カラ君ヲ遠ザケテ守ロウトシタンダ。君モ目ヲツケラレテイルカラアマリ意味ハ無クナッテシマッタガ』

「そっか…」

『ジョンハ大シタ人間デハナイ。仕事以外ノ話ハ出来ナイシ、極メテデリカシーノナイ話ダガ…君デ夢精シタリ自慰行為ヲヤル普通ノ男ダ』

粉薬を注ぎ茶菓子を準備し終えたマチュはしゃがんでハロを見つめる。

「私も同じ。人の事は言えないね」

『下品ナ話デ申シ訳ナイ』

「いいよ、これからするんだから」

マチュは立ち上がり、レモンティー2杯と茶菓子を入れたトレーを手に持った。

リビングに戻る前にマチュはハロに振り返って言った。

「ハロ、あなたはいったい何?ただのロボットじゃないよね?」

このハロはただのペットロボットじゃない。

ジョンのことをよく知っている。

一体何者なのか?

マチュの疑問にハロは自嘲するように答えた。

『コズミック・イラ、神話ノ世界カラヤッテキタ』

「コズミックイラ…?」

聞いたことのない言葉だ。マチュの口が開く前にハロが言葉を続ける。

『些細ナ話ダ。ソンナコトヨリジョンガ待ッテルゾ』

ハロに聞きたいことがいくつもあるが、マチュはハロから目を離してリビングへ向かって歩いてく。

その後ろ姿をハロは見送り、その後ろに着いて行った。

掘り下げが足りないと感じる主要人物

  • ジョン・マフティー・マティックス
  • アマテ・ユズリハ(マチュ)
  • ニャアン
  • シュウジ・イトウ
  • シャリア・ブル
  • シロウズ
  • サンライズカネバン社長
  • シイコ・スガイ
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