特に独自要素として「メタルギア」関連の話が登場します。
何故ガンダムにメタルギアが出てくるのかというと元ネタは1990年7月20日にMSX2で発売された「ソリッドスネーク メタルギア2」にルーツがあります。
後年の復刻版では変更されたMSX2版だけの台詞にガンダム由来の話があったので今回採用しました。
『多いな、珍しい』
マゼラン級戦艦の残骸から生まれたスペースデブリをRB-79Cのパイロットはアームで器用に掴んだ。
装甲の中にあるボロボロになった配線がむき出しだ。
『ルウム戦役の頃の奴だろうな』
MS-06はヒートホークで大きなデブリを切断してマニュピレータに掴めるようにして作業艇の下部に取り付けたカゴの中へと押し込んだ。
モノアイで周囲を見渡した時、サラミス級巡洋艦の艦橋の残骸の前でガンダムが何もせずに静止していた。
光学カメラでズームアップしてみると、ガンダムが何もしないというのは誤りだということに気付いた。
ガンダムは艦橋に手を合わせていた。
スラスターとバーニアを吹かしながらMS-06はガンダムの近くに寄った。
20秒ほどでガンダムの隣に到着したMS-06はガンダムが手を合わせている先を見た。
ボロボロになり、とうの昔に機能を失った艦橋をガンダムに搭載されているサーチライトが照らしていた。
照らされた先の光景を見てMS-06のパイロットは気が付いた。
艦橋の壁とキャノピーには黒いシミがくっきりと残っていた。
「人間だ…」
その黒いシミは人間の形をしていた。
「1年戦争は宇宙世紀0079年1月のブリティッシュ作戦から宇宙世紀0080年1月3日の第2次ソロモン会戦後の休戦条約まで行われた戦争だ」
「この戦いでジオン公国は勝利、地球から独立を果たした。この戦争ではモビルスーツ、MSが大きな役割を果たしたのはみんな知っての通りだと思う」
「ジオンのMSー06、ザクと地球連邦のRGMー79、軽キャノンは人間の形を模倣しており、従来の兵器戦車や航空機をボコボコにして回った」
「しかしだ、人間のような脚を持つ二足歩行兵器というのはけっこう昔からあるんだ」
「旧世紀の20世紀後半、この頃は宇宙世紀と西暦が併記されていた時代だ。宇宙世紀に変換すると0030~0040年辺りの話になる。
この時代にメタルギアという二足歩行戦車が当時のソビエトとアメリカで実用化されていたんだ。そいつらが何を積んでいたかというと…」
『核だ』
いつの間にかMS-06の隣にはRB-79がいた。
『ルウムの時はMSー06Cというお前が乗っているザクとは違って核兵器装備のザクがいたんだ』
『この黒いのはその時に』
『そうだ、かつて人だったものだ。あの時は死体回収すらあまりできなかった』
「ソビエトのペトロヴィッチ・マッドナー博士がメタルギアTX-55、メタルギア改Dを開発した。
このマッドナー博士はかのトレノフ・Y・ミノフスキー博士とも交流がありミノフスキー博士を通じてミノフスキー粒子にも精通していた」
「ザンジバーランド騒乱ではミノフスキー粒子が使用された。これが歴史上初の電波妨害を目的に使われたミノフスキー粒子の軍事利用だ」
『すいません、仕事の手を止めてしまって』
ガンダムは手を合わし終えると隣にいる2機に頭を下げた。
『いや、いいんだ。サーベルでカゴに収まるくらいに切ってくれ』
『了解しました』
ガンダムはしゃがみの姿勢を取りながら太ももに収納されているビームサーベルを取り出した。
ビームサーベルの筒状の先からピンク色の刃が形成されていく。
ガンダムの仕事はスマートだった。サラミスの艦橋を綺麗に切っていく。手を貸そうと思ったMS-06のパイロットはそのまま様子を見ることにした。
『酷いもんだよな』
接触回線でRB-79からMSー06へ声が伝わる。
『まだ17歳であんなに腕がいいのに、ジョンはまともに学校へ行けなかったそうだ』
『不登校ですか?』
『違う、一年戦争で学校どころじゃなかったみたいだ。あいつ育ちがサイド2だからな』
サイド2、その言葉でMS-06のパイロットはなんとなく気付いてしまった。ジョンにはふとした時に暗い影があるのだ。
『戦争が終わっても帰るところもないし、身元を保証してくれる物もない。色んな所を転々としてここに来たみたいだ』
「メタルギア改Dはザンジバーランド騒乱で破壊されて現物はもう残っていない。だが、メタルギアの技術は生き残った」
「ザンジバーランド騒乱の後、アメリカが再びメタルギアを作り出そうとした。この時期から西暦との併記は廃止で宇宙世紀へと移行していくからな。この時期のアメリカが作ったメタルギアは2機種」
「メタルギアREX、メタルギアガンダーだ」
『ニュータイプだかなんだか知らないが、便利な力があるんだったらジョンみたいな奴が出てこないような世の中を作って欲しいもんだが、上手くいかないもんだな』
『ああいう特権階級みたいな連中は配管に詰まったうんこを流すような作業なんて1回でも考えたのかなって思うんですよね』
『お前にしちゃ口が悪いな』
『世界のことを考えても隣にいる人間のことなんか何も考えない。そんな連中がニュータイプだの言って世界を良い方向に変えれるはずがないんですよ』
『最近じゃあ、ニュータイプだけで外宇宙に行こうなんて話も出てるからな、期待してるんだろ』
『どうせ上手くいかないですよ』
「後15分もあるよ」
マチュは隣の友人に聞こえるように囁いた。
「メタルギアの話なんてテストにでないでしょ」
一応ノートは取っていた友人は呆れながらマチュに囁いた。
「あぁ、エッチしたいなぁ」
マチュはエッチだった。
「本能に忠実すぎるわね…」
『来たときのあいつがあんまりにも酷かったからな、女遊び、教えてやろうと思ったんだ。よくある話だろ』
『先輩、そういう店詳しいですからね』
『あいつダメだったよ』
『?』
『下の穴を見ると死体の肉を思い出すみたいなんだ』
『えぇ…』
「2機種が完成したのと同時に地球連邦軍の整備が本格的に進んだ。2機種のメタルギアは連邦陸軍に供出されて運用された。一年戦争時には30年選手だったが、ジオン相手に相当暴れたらしい」
「ジオンのMSはメタルギアよりもずっと洗練されているはずなんだが、メタルギアには勝てずじまいだったみたいだ」
「こういう話を聞くたびに分かんないもんだな、戦争は」
「ジオンはメタルギアのデータからリバースエンジニアリングしてザクの脚を作ったらしいから出来は良かったんだろうな」
ガンダムが切り出したデブリとなった艦橋を3機で分担して作業艇のカゴへと運搬するが、MS-06のパイロットは左モニターに映るガンダムの横顔を見ると先ほどの会話を思い出した。
『EDになっても不思議ではないですね』
『いや、アイツは年相応だ。好きな娘もいるみたいだしな』
『へぇ~』
今度飲み会で茶化してやろうかと思ったMSー06のパイロットだが、RBー79Cから茶化しの雰囲気を感じなかった。
『茶化すなよ、真面目に』
『は、はい』
『あいつ泣いてたもんな、僕は中学校卒業認定を取ったばかりだが向こうは良いところの嬢ちゃんだって、酒飲みながら泣いてたよ』
『さ、酒…未成年飲酒では?』
『その時のあいつから酒を取り上げたんだが…』
『たんだが?』
『飲んでたのは炭酸水だった』
『酒じゃないじゃん』
カップルの片方の男性はフランチェスカの宇宙港のお土産店で頭を抱えていた。
「アルの分は良いんだけどドロシーちゃんの分どうするんだよ…」
頼りになる相方の女性は家族に電話中で不在だ。電話が終わるまで待った方がいいんだろうか。
「…ありがとう、もうそろそろでここを出発する」
男性が物色している棚の向こうには携帯電話で話しているスーツ姿の優男がいた。
(なんか変な奴だな、崖にいたペイルライダーエグザム男の知り合いか?)
とりあげず日持ちするお菓子でいいかと男性は決めた。
「明日にはソドンがそちらへ行くだろう。存分に暴れてくれ、間抜けなニュータイプにはいい薬だ」
ソドン?その単語に男性は不穏なオーラを感じた。
ジオン軍が運用している強襲揚陸艦、ペガサス級のホワイトベースを鹵獲した艦であると男性は知っていた。
そんな艦に用事があるなんて一体何なんだ?
男性はスーツ姿の優男の話に聞き耳を立てようとしたが、後ろから肩を叩かれた。振り向くと相方の女性が笑っていた。
「ドロシーちゃんの分で悩んでたんでしょ」
「正解、アドバイスを貰えるかな」
「もちろん」
2人は棚から離れて別のコーナーへと向かった。
優男のことは頭からすぐに消えていったが、どうしても耳に残った言葉があった。
「世界を変えるのはニュータイプでもオールドタイプでもない。ナガラとその使者だ。キシリア様にはちゃんと言ってくれよ」
ニュータイプ、ナガラ、キシリア様…近い内に何か大変なことが起きる。
男性は優男のいた所を振り返ったが、そこには誰もいなかった。
掘り下げが足りないと感じる主要人物
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ジョン・マフティー・マティックス
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アマテ・ユズリハ(マチュ)
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ニャアン
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シュウジ・イトウ
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シャリア・ブル
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シロウズ
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サンライズカネバン社長
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シイコ・スガイ