サイコガンダムとハンブラビの大暴れを見てソドンは第一種戦闘配置となり急遽出港準備を進めていた。
元々いつでも出港できるように準備は進めていたので出港作業は早々に終わり、ソドンはイズマコロニー内部に突入しようとしていた。
(分の悪い話だ)
ソドンの現状を鑑みれば今回の戦いは不利としかいいようがないとラシェットは思った。
Hi-MD男とデジタルマイクロカセット男の襲撃でソドンは戦闘こそ可能ではあるが、破壊されたVLSと砲台の一部は部品が足りなくて修理しきれていない。
赤いガンダムがビットで破壊したハッチもブルーシートで覆ってあるしているという有様だ。
イズマコロニー内で戦闘を行うという政治的な問題についてはイズマコロニーの行政側から戦闘参加の要請もあったので問題はない。
ソドンに搭載しているMSはパイロットのいないG3とクアックスでとても戦力にはならない。
戦力はソドンとキケロガしかない。
そのキケロガが強力ではあるが、パイロットが…
『ふはは、見てください。このキケロガ。すごいキケロガしてますよ』
キケロガがソドンの左舷から接触回線を通してシャリアの笑い声が艦橋に響き渡る。
キシリアとペルガミノの命が危ないというのに緊張感がない。
「中佐はあのMAを殲滅してください」
既に命令は下っているが、改めてラシェットはマイクでシャリアに語りかける。
『ところでコモリ少尉、アマテさんはどうしてますか?』
こんな時に何を言っているんだと艦橋にいる誰もが思った。
「外来部屋で待機させていますよ」
周囲の視線を感じながらコモリは答える。
本来なら戦闘に巻き込まないためにソドンから降ろしたかったが、誰もマチュのことを気にしていなかったのでそのまま外来部屋に待機させる流れになっていたのだ。
『コモリ少尉、一応お目付け役で傍にいてやってくれませんか?』
コモリはラシェットに視線を向ける。
マチュは本来ソドンに密航しようとしていた不審人物なので軍警に突き出すのがベターであるが、いつの間にかシャリアが手を回していたおかげでお客さん扱いとなっている。
「行ってやれ、コモリ少尉」
ラシェットからGOサインが降りたのでコモリは艦橋から出ていった。
(中佐が何を考えているのか分からん)
シャリアはソドンでは指揮官という立場で乗艦している。
とはいってもかなり浮いた存在として扱われている。
赤いガンダムを巡ってイズマの地に降りたり、密航者の存在も予見していたような行動を取っている。
味方であることに違いはないが、その味方にも自分の腹の内を見せないのだ。
(あのシャア大佐のマヴだしな…)
頼りになることには間違いないが、普段の言動がアレなのでラシェットはシャリアをどう扱えばいいか悩んでしまう。
誰もいないハンガーの中でガンダムクアックスは静かに佇んでいる。
ハッチを覆ったブルーシートから透けて見える外の光と赤灯に照らされたジークアクスの前にマチュは立っていた。
端末のメッセージはマチュを導いた。
その先はガンダムクアックスのコックピットだった。
「これもガンダムなんだ」
マチュが潜伏していたG3のようなV字アンテナとツインアイは見当たらない。
G3は全体的に角張った外見のいかにもロボットという外見だが、このガンダムは生き物のような有機的な印象をマチュは感じた。
「何て名前なんだろう」
『GQuuuuuuX』
マチュの足元にいる白いハロが答える。
「ジークアクス…」
その言葉に反応したのか、腹部のコックピットハッチが開く。
『マチュ モッテイル サイコフレームヲ ダスンダ』
「サイコフレーム?」
『マチュノ オマモリダ』
ハロの言葉に従ってマチュは上着のポケットに入れていたT字型の金属片を取り出した。
T字型の金属片はマチュの手から離れてゆっくりとコックピットの中へと吸い込まれていった。
それに呼応してジークアクスに変化が現れた。
頭部の赤い部品がツノのように開き、そこからツインアイが現れた。
『乗るんだ』
ジークアクスが自分に囁いたようにマチュは感じた。
「…分かった」
その言葉に従うようにマチュはコックピットに向かって足を踏み入れた。
「オメガサイコミュが起動しています!!ジークアクスに起動信号を確認」
オペレーターのセファの報告と同時にソドンの船体が宇宙港の隔壁を破った。
掘り下げが足りないと感じる主要人物
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ジョン・マフティー・マティックス
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アマテ・ユズリハ(マチュ)
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ニャアン
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シュウジ・イトウ
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シャリア・ブル
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シロウズ
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サンライズカネバン社長
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シイコ・スガイ