訂正版の作成と共に感想欄に寄せていただいた感想にも返信をさせていただきます。
『クアックス!?誰が乗っているの!?』
『アマテが部屋にいない!?まさかジークアクスに!?』
『女学生がMSに乗れるわけないだろ!!なんでオメガサイコミュが動いているんだ!?』
『とにかくクアックスは動向を記録と監視、最優先はキシリア様だ。キシリア様をお守りしろ!!』
メモリースティック女はイズマコロニーの外壁に張り付いてソドンの監視をしている。
デジタルマイクロカセット男がソドンを襲撃した際にソドンのコンピュータ全般へのクラッキングによるバックドアを設定し、艦橋に集音機材を密かに取り付けていたのでナガラ衆からすればソドンクルーの動向は殆ど筒抜けだ。
『アマテ・ユズリハが王子のことが大好きだったとはね』
メモリースティック女は虹色の水着の女性との密約でジョンとマチュ達の動向をナガラ衆に伏せるように言っていたので傍受内容についてはメモリースティック女しか知らない。
HIDEKOにいるR-DAT男とS-DAT女にはジークアクスのことは気にせず任務を続けるようには伝えてある。
『頭空っぽで追いかければいいとは言うけど、エンディミオンユニットも何考えてんだかな』
本線のマチュなら今頃泥棒をしている頃だろう。
OPPAI‐SENSEで姿を変えているので心の中でしかため息をつけないのが悲しい。
自身のセンサーで宙域にいるケルゲレンから赤いガンダムが飛び出して行くのをメモリースティック女は捉えた。
サイコガンダムがキシリアの滞在しているホテルに向かっていることにゲーツは胃薬の購入意欲が多少下がった。
ドゥーが何故かコックピットを降りたのは気がかりだが、とにかくキシリアを殺してくれれば文句はない。
そんなゲーツだったが、コロニー内部にソドンとキケロガが突入してきたことで胃薬の購入意欲がV字回復した。
「ドゥー!!キケロガだ!!急ぐぞ!!」
『飲んでよ…僕の…』
接触回線でドゥーに呼びかけるが、返事がおぼつかない。
「向こうはオールレンジ攻撃してくるんだぞ!!」
『ストライク…飲んでよ…僕の…』
こんな状況で何言っているんだこの女!!
キケロガがソドンから離れていくのが見える。
ゲーツはお通夜気分のままにキケロガに背部のビームライフルを向けた。
キシリア達のホテルの屋上に2人の男女がいた。
2人はパラペットへ向かって歩いていく。
「ソドンには何もさせない」
「ええ」
パラペットの上に立った2人はお互いに向き合う。
「驚異の音質、R-DAT男」
「幻の規格、S-DAT女」
お互いに静かに呟くと2人は抱き合った。
そしてそのままホテルから身投げした。
抱き合った2人の身体は宙に消えた。
地面に肉と血のシミはない。
2人の身体が消えた空間に1体のMSが静かに出現した。
テロが発生している以上、キシリア達はホテルから身動きが取れなくなってしまった。
こうなった時のマニュアルは存在しており、ホテルの屋上に待機してヘリコプターで回収してもらうことでこの場から脱出することになってはいた。
ペルガミノ達とは別行動を取るキシリアはアサーヴと共に屋上に上がるためにエレベーターに乗っていた。
エレベーターのガラス越しにテロリストのMAとMSが見える。
この距離なら時間の問題だろう。
「連邦のサイコミュ兵器か…」
ミノフスキー粒子による電波障害が解決していない以上、ヘリコプターでの脱出は難しいだろう。
軍警はほぼ壊滅状態、ビーム兵器の射程圏内だ。
「キシリア様、あれは…」
アサーヴは信じられない物を見たような表情を浮かべる。
エレベーターのガラス越しにMSが宙に浮かんでいるのが見えた。
そのMSはRX-78-02に何処となく似ていたが、一回り小さい。
背中の推進器を見た時、キシリアはそのMSの正体を悟った。
(ミノフスキードライブ、ナガラ衆だな)
音もなくその場から飛び去って行くMSの背中を見送りながらキシリア達のエレベーターは進んでいく。
周囲を破壊しながら進み続けるサイコガンダムに対してソドンは半ば突っ込むように進んでいく。
「やらせるか、メガ粒子砲用意!!」
ラシェットの号令で修理の末に何とか使用可能になったメガ粒子砲をサイコガンダムに向けた時だった。
どこからか飛んできたビームでメガ粒子砲が消滅する。
それどころかそのビームの余波で周囲の構造物が吹き飛んだ。
立て続けにソドンに向かってビームが飛んでくる。
生き残っていたメガ粒子砲、VLS、イルミネーターが破壊されていく。
被害を報告する前に次の箇所が破壊されていく。
セファとべノワは動揺しながらも各所から上がる報告をラシェット達に伝えていくが、恐れていたことが起こる。
「メインエンジン左舷部が使用不能!!」
何が起こっているのか分からない。
ラシェットは冷静に頭を回転させる。
とにかく今は戦闘に参加できない。ソドンを一時離脱させる。
そう決めた時、艦橋にビームの光が迫ってきたことにラシェットはようやく気付いた。
「あっ」
死んだ、と思う前に不思議な物をソドンクルーは見た。
放熱板が空を飛んでいる。
4枚の放熱板がソドンの艦橋の前に降り立ち、バリアのような物を展開した。
そのバリアに吸い込まれるようにビームは消滅していく。
次弾は飛んで来ない。
ソドンに対しての攻撃が止んだ。
それを見届けると4枚の放熱板はソドンから離れていく。
助かった、だがよく分からない。
ソドンクルーの誰もが思った。
「…離脱する。艦はこれ以上の戦闘能力がない」
ソドンの状況は深刻だ。
武装は殆ど破壊され、メインエンジンの片側は使えなくなった。
事実上ソドンは何もできずに離脱するしかなかった。
「中佐のキケロガに任せるしかない…」
悔しさが混じったラシェットの言葉にクルーは誰も反論できなかった。
(何者だ?)
ソドン離脱の報をレーザー通信で受信したシャリアは自分に降りかかる殺気に気付いた。
((シャリア・ブル中佐))
自分に語りかけてくる者が2人いる。
キケロガはキシリアのホテルから離れて有線制御式メガ粒子砲を2門展開する。
その瞬間、メガ粒子砲がビームで吹き飛んだ。
((あなたはニュータイプです。しかし、ナガラ衆の目指すニュータイプではありません))
(どういうことです?あなた達はナガラ衆なのですか?)
((あなたを殺すのは任務ではありません。しかし、王子の覚醒を邪魔するのであれば排除します))
その時になってシャリアは初めてキケロガの横に小さなMSが飛んでいることに気付いた。
そのMSはグレネードランチャーを取り付けたビームライフルをキケロガに突き付ける。
((この身体の名はセカンドV!!))
「ふざけた名を!」
再び2門のメガ粒子砲を展開してキケロガはセカンドVにビームを発射しようとするが、セカンドVは信じられない速さでキケロガから離れた。
発射されたビームが街に着弾する。
セカンドVは背中の左ウェポンプラットフォームから大きなシールドを展開した。
((光の翼を見せてあげましょう))
嫌な予感がシャリアに走った。
ナガラ衆は普通じゃない。
こんなMSをテロリストが持っているはずがない。
ジョンはガンバレルストライカーのモニター越しにキケロガの戦いを見た。
ガンバレルストライカーは急に下降を始めた。
『不味イ!!光ノ翼ダ!!』
「どんな効果があるんだ?」
舌を噛まないようにジョンはガンバレルストライカー(ハロ)に聞いた。
『光ノ翼ニ巻キ込マレタラ、コノ時代ノMSハ使イ物ニナラナクナルゾ!!』
(あのMS、普通じゃないぞ…)
ガンバレルストライカー(ハロ)の言っていることは分からないが、光の翼という物から逃れるためにビルの隙間を飛ぶという曲芸紛いの事をしているのだとジョンは悟った。
ジョンはモニターカメラを後ろに切り替えた。
ソドンから発進したジークアクスがガンバレルストライカーを追ってきている。
(エグザベさんか?それにしても操縦が下手だぞ)
エグザベは優秀なパイロットであるとジョンはシャリアから聞いている。
だが、後ろのジークアクスは操縦が先ほどまでおぼつかなかった。
「ジョン!!待ってよ!!置いてかないでよ!!」
「マチュ?」
不思議な感触があった。
ジョンはあのジークアクスからマチュの声が聞こえたような気がした。
だがあれはジオンのMSだ。
マチュが乗っているはずがない。
(マチュでもないエグザベさんでもない。でもプロでもないな…)
今は多少慣れたみたいでかなり安定している。
MSパイロットを名乗るなら問題があるが、あの操縦が素人なら恐ろしく飲み込みが早い。
モニターを前方に切り替えると同時にガンバレルストライカー(ハロ)が叫ぶ。
『来ルゾ!!』
その直後だった。
イズマコロニーの内部に光り輝く翼が羽ばたいた。
掘り下げが足りないと感じる主要人物
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ジョン・マフティー・マティックス
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アマテ・ユズリハ(マチュ)
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ニャアン
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シュウジ・イトウ
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シャリア・ブル
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シロウズ
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サンライズカネバン社長
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シイコ・スガイ