おっぱい大作戦   作:そらまめ

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8-9 ゼクノヴァ

ジョンとガンバレルストライカー(ハロ)の会話をマチュはジークアクスのコックピットから見ていた。

無意識の内にマチュはコックピットのインターフェースに手を触れる。

『乗ッテクレ』

「分かった」

僅かな言葉を交わしてジョンはガンバレルストライカーのコックピットの前に立った。

ジョンはマチュの方を一瞥した後、コックピットに乗り込む。

 

ガンバレルストライカーのキャノピーが閉まる。

マチュは焦った。

手段はどうであれジョンは戦いに行くのだ。

「行かせない!!」

ガンバレルストライカーはジークアクスに抱かれている。

マチュは緩めていたジークアクスの力を強くして逃げられないようにしようとした。

だが、その前にガンバレルストライカーはバーニアを吹かしてジークアクスの両腕から逃れた。

「私を置いて行かないで!!」

 

ジークアクスのハッチを閉めてマチュは寝かしていたジークアクスの体勢を立て直した。

『オウノカ マチュ』

「当たり前でしょ!!」

白いハロの問いにマチュは即答した。

 

ジークアクスはバーニアを吹かしてガンバレルストライカーを追う。

ガンバレルストライカーはコロニー中央部まで飛んでいく。

軍警のMS部隊もいないので邪魔をする者はいない。

 

全身に掛かる衝撃を受けながらジョンはメインモニターに映るサイコガンダムとサブモニターに映るジークアクスを交互に見る。

「マチュ…」

ガンバレルストライカーはコロニーの中央部へと到達する。

『ココナラ周囲ニ被害ハ及バナイ』

遠くにジークアクスが見える。

必死にジークアクスはガンバレルストライカーに迫る。

 

ガンバレルストライカーは急に止まった。

マチュは一瞬だけジョンが思い返してくれたのかと思った。

 

だが、ガンバレルストライカーの周囲を何かが包んだ。

それは光だった。

赤い光だ。

赤い光がガンバレルストライカーを包み、その中にはさまざまな色が飛び交う。

銀、金、緑、青、赤、ピンク、白…

それを赤の光が全てを覆う。

 

『ゼクノヴァ』

白いハロが呟いた。

『ジョンガ キエル』

その言葉にマチュは頭が真っ白になりそうだ。

一年戦争末期、第二次ソロモン会戦でソロモンの軌道を変えた強大な力、それが目の前で発生しているのだ。

「ジョン!!」

何でゼクノヴァが発生しているのかはマチュには分からない。

原因などマチュにはどうでもいい。

 

 

 

ガンバレルストライカーを中心に発生したゼクノヴァはソドンでも観測することができた。

生き残ったセンサーで情報収集するが、艦橋内は困惑に包まれていた。

 

オペレーターのオシロ達はCICから送られてくる情報を見ていくが、ディスプレイにはミュージックイコライザーのようなミノフスキー粒子の恐怖が表示されている。

『ミノフスキー粒子の相反転現象を確認』

オシロが絶句する。この言葉の意味を知っているからだ。

『ゼクノヴァです!!』

セファは叫ぶ。

『でも何だ、何か違うぞ』

オシロのつぶやきからベノワはラシットに叫ぶ。

『これまでに観測されたゼクノヴァとも違います!!』

艦橋の困惑をコモリはガンダムG3の接触回線越しに聞いていた。

ガンダムのセンサーでもミノフスキー粒子の異常現象をコンピューターが伝えてくる。

「何が起きるの?」

普通じゃないことが起きている。

 

ガンダムのコンピューターがバイオセンサーの稼働状況について警告を発した。

バイオセンサーがゼクノヴァの輝きに添うように段々と稼働率が上がっていく。

「バイオセンサーはサイコミュの一種…ゼクノヴァに同調しているの?」

コモリはバイオセンサーの稼働率を下げようと操作用のタッチパネルを触ろうとした。

その瞬間にコモリの意識が途絶えた。

 

 

 

「キラキラだぁ…」

サイコガンダムはよじ登った努力を無に帰すようにホテルから飛び降りる。

凄まじい揺れと轟音を鳴らしながらサイコガンダムはコロニーの大地に着地する。

失神していたゲーツはその衝撃で目を覚ました。

意識を取り戻したゲーツの目の前にサイコガンダムが倒れこんでいるのが見えた。

「ドゥー!?やられたのか!?」

『綺麗だなぁ』

ドゥーが生きていることに安堵するゲーツだが、屋上にカメラを向けると蒼いMSとギャンが相対しているのが見えた。

 

あれがナガラ衆だろう。

ゲーツの予想通り、ナガラ衆が登場した。

キシリアの暗殺は半ば失敗だ。

どうするかなと悩むゲーツはそこで初めてドゥーが赤い光に心を奪われているのに気付いた。

 

 

 

ブルーディステニー1号機とギャンはゼクノヴァの光を見て拮抗している状態から思わずお互いに動きが止まってしまった。

『王子、目覚めたのですね』

「あれがゼクノヴァか!?」

そんな2体を尻目にキシリアとアサーヴは非常階段で屋上から避難しようとしていた。

屋上から去る前、キシリアはゼクノヴァを凝視する。

「あの輝き、ソロモンの時と同じ光…いや、違うな」

あの時と違う。

アサーヴの催促する声に従うようにキシリアは屋上から去った。

 

 

 

何もない無の空間、そこにジョンはいた。

時間も重力もない、光もない、風も虫もいない。

ここには地面の概念もないが、ジョンはそこにいた。

 

久々の明晰夢だ。

 

そう思いながらジョンは背後に気配を感じた。

振り返るとそこには一体のMSがジョンを見下ろすように立っていた。

灰色に覆われたV字アンテナを持つMS…いつぞやのマチュに化けていたガンダムだ。

『ごめんなさい』

ガンダムは姿を変えた。

その姿はあの時のようにマチュと同じ姿だ。

「君はストライクなのか?」

あの時、彼女は自分の事をストライクと名乗っていた。

そしてガンダムでもあると言った。

ストライクを名乗る少女はジョンに近づく。

『またあなたを戦わせてしまう。でもあなたに力を…』

少女はジョンに抱きついた。

その様子からジョンは引き離そうとはしなかった。

少女がジョンの身体の中へと消えていく。

そしてジョンの中に「何か」が芽生えた。

 

 

 

ジークアクスが赤い光に包まれたガンバレルストライカーに触れようとした時だった。

『マチュ シールドヲ カマエロ!!』

白いハロの叫びにマチュはジークアクスの左腕にマウントしていたシールドを構えた。

次の瞬間、ガンバレルストライカーを包んだ赤い光が爆発するように弾け飛んだ。

 

あまりに強い衝撃にマチュは呻いた。

吹き飛ばされながらもマチュはジークアクスの体勢を立て直す。

シールドのおかげでジークアクスにダメージはあまりない。

マチュも無事だ。

「ジョンは?」

ガンバレルストライカーがあった場所には赤い光がある。

赤い光はコロニーの中心部を支配するように広がる。

縋るようにマチュは再びジョンがいた場所へ行こうとする。

だが、マチュはジークアクスの動きを止めた。

 

赤い光の中から何かが出てこようとしていた。

 

その何かをマチュは知らない。

だが、その何かが人型でありMSであるとは分かった。

そのMSは赤い光に照らされながらコロニーの大地へゆっくりと降りていく。

赤い光のシャワーの中から現れたMS、それを見てマチュは思わず呟いた。

「ガンダム…」

そのガンダムは赤色に染まっている。

シュウジの赤いガンダムとは似ているようで全く違う。

 

もう1機の赤いガンダムがイズマコロニーに舞い降りたのだ。

掘り下げが足りないと感じる主要人物

  • ジョン・マフティー・マティックス
  • アマテ・ユズリハ(マチュ)
  • ニャアン
  • シュウジ・イトウ
  • シャリア・ブル
  • シロウズ
  • サンライズカネバン社長
  • シイコ・スガイ
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