おっぱい大作戦   作:そらまめ

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第9話
9-1 赤いストライク


ゼクノヴァの中から現れた赤いガンダムはゆっくりとイズマコロニーへと降り立った。

赤いガンダムの目の前には倒れ込んだままのサイコガンダムとそれを何とかしようとしていたハンブラビがいた。

ハンブラビのカメラ越しに見る赤いガンダムを見てゲーツは背筋が凍りついた。

 

地球連邦軍にもジオン軍にもないデザインだ。

アスリートを思わせるような洗練された立ち姿で隙がない。

シャアの赤いガンダムを彷彿とさせるその色合いも合わさってゲーツは今すぐにでもここから逃げ出したかった。

『嬉しいなぁ、やっと来てくれたんだ』

サイコガンダムが立ちあがろうとゆっくりと動き始める。

それに合わせるように赤いガンダムはゲーツ達に向かって走り始める。

 

速い!!

 

ハンブラビの後部ビームライフルを撃とうとするが、その前に赤いガンダムの動きの方が速かった。

 

赤いガンダムが腰から何かを取り出した。

ゲーツがビームライフルを撃とうとトリガーに指をかける前に何かがハンブラビのモノアイに直撃した。

ゲーツがその正体を確かめる前にモノアイとそのセンサー類は機能を停止してしまった。

 

ブラックアウトしたモニターに予備カメラからの映像が投影されるが、そこにはハンブラビのモノアイに刺さった何かを引き摺り出す赤いガンダムが映し出されていた。

センサーが死んでいるのでもうこれ以上戦うのは自殺行為だ。

それでもゲーツは戦うことを諦めずにハンブラビを動かそうとする。

『君達の目的は分からない。だが、イズマで戦争をするのはやめてほしい』

ゲーツの心に何者かが語りかける。

「テレパシー、ニュータイプか!!」

ゲーツには初めての経験だ。

赤いガンダムのパイロットはニュータイプなのだ。

 

ゲーツの反抗心を汲み取ったのか、赤いガンダムは何かを腰にしまうとハンブラビを蹴り飛ばした。

その際に片方のビームライフルの砲身が折れた。

誰もいない街道にハンブラビは何も出来ずに吹き飛ばされる。

 

 

 

来てくれた

来てくれた

来てくれた!!!!

 

ハンブラビを蹴り飛ばすストライクを見てドゥーは歓喜した。

起き上がった巨体がストライクを見下ろす。

 

赤色の胴体とピンク色に近い白色で構成された色合い、キラキラの中で見たストライクだ。

シャアの赤いガンダムのような殺伐とした赤さじゃない。

優しさを持った赤だ。

「レッド、ロート…違うなぁ、ルージュだ」

あの色はルージュと呼ぶのが相応しい。

ストライクがスラスターを使って近くにあるMS着陸パッドのある屋上へとジャンプした。

 

ドゥーはそれを邪魔することなく見つめる。

ストライクの重さに着陸パッドが軋むが破壊することなく着地した。

『ドゥー!!そいつは普通じゃない!!』

モノアイを潰されたハンブラビがフラフラに飛びながらサイコガンダムに近寄る。

「ゲーツ、邪魔だからどいてよ」

『何!?』

ドゥーは機体に搭載されたバイオセンサーに念じる。

 

ストライクを捕まえたい。

ストライクを殺したい。

 

そのドゥーの念に応えるようにサイコガンダムは全身の装甲をパージしていく。

パージされた装甲が宙を浮く。

それを見たゲーツはヘロヘロになったハンブラビをなるべく遠くに退かそうとする。

 

「飲んでよストライク!!僕のおっぱいを飲んでよ!!」

 

サイコガンダムの周囲を取り巻く装甲の破片がストライクへと一気に飛んでいく。

ストライクはそれも織り込み済みと言わんばかりに飛んできた装甲の上をジャンプしていく。

 

ドゥーはストライクに執心していた。

だからこそ気付かなかった。

自分の周囲を装甲以外の何かが飛んでいることにドゥーは気づいた。

だが、気づいた瞬間にサイコガンダムは撃たれた。

痛い!!

「うっ」

サイコガンダムと神経接続されたドゥーも同じく痛みに呻く。

撃たれたのは胸部にある2問のビーム砲だ。

ビーム砲がカバーごと破壊された。

 

それを皮切りにサイコガンダムは次々と周囲から撃たれる。

サイコガンダムに撃ち込まれているのはビームではなく実弾だ。

Iフィールドなど知らないとばかりにサイコガンダムは被弾していく。

関節と指のビーム砲の一部が使えなくなってしまう。

 

痛みに呻きながらドゥーはストライクがサイコガンダムに肉薄していることを僅かな間、失念していた。

ストライクの頭部バルカンらしき砲がサイコガンダムのセンサーに向かって射撃を断続的に始めた。

弾の大半はシャッターに弾かれるが、一部がシャッターを抜けてセンサーに着弾する。

モニターにセンサーの動作不良の報告が上がる。

「うおぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

ドゥーは射撃可能な指のビーム砲を浮遊している装甲にぶつけた。

ビームが反射していきストライクが着地する装甲に向かって着弾する。

ストライクにビームが着弾する直前にスラスターを使って宙に浮いた。

 

ストライクに僅かな隙ができる。

 

それを見逃さずにドゥーは指のビーム砲を直接ストライクに向けた。

「キラキラを一緒に見よ?」

ビームが発射される直前、ストライクの後ろに何かが飛んできた。

ストライクは飛んできた何かを背部に合体させる。

ビームが発射されたのとストライクがこれまで以上の機動力を持ってビームを避けたのはほぼ同時だった。

 

サイコガンダムのビームがビルに着弾する。

ドゥーはストライクが無事な姿を見た。

殺そうとしたのにドゥーはストライクが健在な姿に少し安堵した。

 

そんなストライクが先程とは違う姿をしていることにドゥーは気づいた。

ストライクがその背部に何かを背負っているのだ。

 

「ビットだ」

 

先程まで自分を攻撃してきたのはそれだろう。

ストライクがビットを背負っている。

ビットを使えるのはニュータイプだ。

その姿にドゥーの中にあるコンプレックスが刺激される。

ニュータイプ、その言葉を脳裏で反芻した時、ドゥーはストライクに向かって叫んだ。

「自らの意思で進化した僕らこそニュータイプに相応しい!!」

ストライクが背負う4基のビットが展開される。

装甲でビットを潰そうとするが、その瞬間に予想だにしないところからビームが飛んできた。

 

ストライクとは違うビットだ。

 

「何!?」

サイコガンダムのコンピュータが警告を発する。

サイコガンダムの後ろ、ストライクと対になるように赤いMSがそこにいた。

その赤いMSを見て退避していたゲーツが叫ぶ。

『本物の赤いガンダムだ!!』

自分を襲ったガンダムは赤色だったが、あれはシャアのガンダムじゃない。

だが、サイコガンダムの後ろにいるのはシャアのガンダムだ。

 

シャアの赤いガンダムが現れたのだ。

 

ドゥーは装甲を飛ばして赤いガンダムを潰そうとする。

だが、赤いガンダムはビットを自分に戻してその推進力でサイコガンダムから離れる。

赤いガンダムを見たストライクは4基のビットを戻して赤いMSに向かって飛んでいく。

 

イエローとパープルのデュアルアイが交差する。

 

それで十分と言わんばかりに2機の赤いガンダムは並行して飛びながらサイコガンダムへと迫る。

彼らの間にどんな会話があったのかはドゥーは分からない。

だが、彼らがやろうとしていることをドゥーは察した。

「M.A.V戦術!!」

 

ストライクと赤いガンダム、2機の赤いガンダムはマヴを組み、サイコガンダムに戦いを挑む。

 

 

 

3機のガンダムの戦いが繰り広げられている間、ジークアクスは蚊帳の外に追いやられていた。

宙に浮いたままジークアクスは動かない。

『マチュ! マチュ! マチュ!』

白いハロが泣きじゃくるマチュに必死に語りかける。

ゼクノヴァからストライクが君臨してからマチュはジークアクスを動かせずにいた。

「なさい…ごめんなさい…ごめんなさい…」

ジョンの中に「何か」が芽生えた時、マチュもまたゼクノヴァの中に「何か」を見た。

「全部…思い出した…」

泣き顔を隠すことも忘れてマチュはモニターに映る戦場を見つめる。

 

掘り下げが足りないと感じる主要人物

  • ジョン・マフティー・マティックス
  • アマテ・ユズリハ(マチュ)
  • ニャアン
  • シュウジ・イトウ
  • シャリア・ブル
  • シロウズ
  • サンライズカネバン社長
  • シイコ・スガイ
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