天才冒険者リオの英雄譚 童貞・処女しか入れないダンジョンを攻略せよ!   作:ナオ3

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頭を空っぽにして読んでください。

タイトルを修正しました。


31話 童貞はおっぱいの夢を見るか?

目を開けると、白い蒸気に包まれた空間だった。

まるでサウナのように湿気が漂い、天井からゆっくりと水滴が落ちてくる。

 

 

「え、なに、ここ?」

 

 

視界がぼやけ、思考が霞む。

ついさっきまで――何か、とても重要なことがあったはずなのに。

思い出そうとするたび、霧のように記憶が溶けていく。

 

 

「俺は……どうしてここに?」

 

 

その時、背後の扉がギィと音を立てて開いた。

蒸気の中から現れた二つの影。

一組の男女が、こちらに向かって笑っていた。

 

 

「おいーす! リオ!!」

「相変わらず苦労人ねぇ、リオ?」

 

「……ガルド! レイナ!」

 

 

声が出た瞬間、胸の奥が熱くなる。

俺の幼馴染であり、兄貴で姉御のような存在。

孤児院で共に育ち、何度も喧嘩し、何度も励まされた二人だ。

 

朗らかに笑うガルド。

呆れたようにため息を吐くレイナ。

その表情が懐かしくて、気付けば笑みが零れていた。

 

 

「どうしたんだよ、二人とも!?」

 

 

問いかけると、二人は同時にニヤリと不敵な笑みを浮かべた。

 

 

「おいおい、決まってるだろ?」

「私達はねぇ――」

 

「「リオを癒やしに来たんだよ」」

 

 

息ぴったりにハモるその声に、思わず目を瞬かせる。

 

 

「……俺を? 癒やすぅ?」

 

「そうだぜ、頑張り過ぎだぜリオ?」

「まったく、少しはブレーキを使いなさいよ」

 

 

苦笑が漏れる。

確かに、俺は止まらず走り続けていた。

――パルシリア王国の未来を背負ってしまったあの日から。

 

 

「いや、だって、俺は……」

 

 

言葉を探しても、喉が詰まる。

頭の奥が、霞のようにぼやけていた。

 

この状況を打開できるのは、俺しかいない。

神域ダンジョン――ヴァージニアを放置するわけにはいかない。

あそこには、俺の運命がある。

そんな確信めいた感覚が、胸の底でずっと燻っていた。

 

それに――か、かん……?

 

そこまで言いかけて、思考が途切れた。

脳裏に何かが浮かびかけては霧散する。

 

 

(なんで……思い出せない?)

 

 

胸が締め付けられる。

大切なものを、どこかに置き忘れてしまったような、ひどい喪失感。

忘れてはいけない。

なのに、どうしても思い出せない。

 

その疑問を遮るように――。

 

 

「確かに、お前にしかできないことがあるのはわかる。だけどな、」

 

 

続けてレイナが、やわらかく微笑む。

 

 

「でも、頼れるところは頼りなさい。私達がいるんだから。」

 

 

胸の奥の緊張が、少しずつほどけていく。

誰にも言えなかった焦燥も、孤独も、二人の言葉で溶けていく。

 

 

「……そう、だよな。」

 

 

一人で全部を背負おうとするのは、傲慢だ。

守りたいものがあるなら、支えてくれる手を信じるべきなんだ。

王国を守りたいと思うのは俺だけじゃない。

俺だけでやらなきゃいけない理由なんてない。

 

 

――あの英雄のようになる必要は、無い。

 

 

(……あの英雄?)

 

 

胸の奥がざわつく。

その名前を、思い出そうとするたびに靄がかかる。

 

 

「そんなお前を少しでも労うために、俺達は来たんだ!」

「そうよ、感謝なさい!」

 

 

ガルドとレイナの明るい声が響き、思考が現実へ引き戻される。

夢と現の境界が溶けるような感覚。

まるで過去の記憶をそっと撫でているような――。

 

 

「……ああ。ありがとう。」

 

 

声に出した瞬間、視界がまた少し滲んだ。

温かな蒸気の中で、まるで心そのものが解けていくようだった。

 

 

「でも癒やすって……どうやって?」

 

 

俺が眉をひそめて尋ねると、ガルドは不敵に笑った。

 

 

「ふっふっふ……男を癒やすには――おっぱいだ!!!」

 

「はああああっ!?」

 

 

一瞬、思考が止まる。

耳を疑った。いや、理解が拒絶した。

 

おっぱいって、まさかレイナの!?

 

 

「ま、まてまてまてまてまて!!!」

 

 

俺は慌ててレイナを指差した。

 

 

「レイナはお前の恋人だろうが!?」

 

 

レイナは美人だ。

胸も――ミリアほどではないが充分すぎるほど大きい。

姉御肌で、面倒見がよくて、それでいて時々見せる柔らかい笑顔がたまらなく魅力的だ。

そんな彼女のおっぱいで癒やされるなんて、そんな……

 

 

「俺がレイナのおっぱいで……駄目だ、解釈違いだ、脳が壊れる……!」

 

 

あの“忌まわしき青春殺人事件”で、二人が付き合っていたことを初めて知った。

驚いたが、同時に納得もした。

兄貴分のガルドと、姉御肌のレイナ――まさに理想的なカップルだ。

推せる。心の底から推せる。

 

だが、そんな二人の間に挟まるとか、あり得ない。

想像した瞬間、脳が軋みを上げて悲鳴を上げた。

 

それに、そんな不誠実な所業をしたら――あの娘に、合わせる顔がない。

 

胸の奥で、何かがぎゅっと締め付けられた。

名は思い出せない。顔も霞の向こうにあるようで、掴めそうで掴めない。

それでも、彼女のことを思うと胸が痛んだ。

温もりの記憶だけが、確かに残っている。

 

――あの笑顔。柔らかい声。

あの娘に何度も心を救われた気がする。

 

 

(誰だ……誰なんだ、俺は何を忘れている?)

 

 

熱気の中で額の汗が滴り落ちる。

それが湯気と混ざって消えていくのを見つめながら、

脳の奥が軋むように痛んだ。

 

思い出せないのが怖い。

忘れてはいけないという焦燥が、確かにそこにあった。

 

レイナは頬を染め、呆れたように溜息を吐いた。

蒸気の中で、その頬に映る紅がやけに鮮やかに見えた。

 

 

「違うわよ、私のおっぱいはガルドのモノよ」

 

 

その一言に、俺の全神経が一瞬で現実へと引き戻された。

さっきまでの混乱も妄想も、一撃で吹き飛ぶ。

胸の鼓動が耳の奥で鳴り響き、息が荒くなる。

 

 

「はあ、はあ、はあ……そ、そうだよな!」

 

 

自分でも驚くほどの動揺。

焦りと恥ずかしさで声が裏返った。

 

そんな俺の狼狽を見て、ガルドは困ったように眉を下げた。

 

 

「流石にレイナのおっぱいはやれん」

 

 

その声には冗談のような軽さと、芯のある真面目さが同居していた。

 

 

「おう、間男になりたくねぇ!!」

 

「だがな、リオ――お前はまだ癒やされちゃいねぇ」

 

「え?」

 

 

思わず聞き返す。

 

ガルドは一歩前に出た。

その目に、悪戯っぽい光が宿っている。

 

 

「だから俺が――癒やしてやる」

 

 

そして――唐突に上着を脱ぎ捨てた。

筋肉が空気を裂くように隆起し、蒸気の中で鈍く光る。

肩から胸、腹にかけて流れる筋の一本一本が生き物のように脈打っていた。

 

 

「お、おい、どうしたんだよ!?」

 

 

俺が困惑の声を上げると、

ガルドはニヤリと笑い、雄々しく胸を張った。

 

 

「お前を癒やすのは――俺の雄っぱいだぁ!!!」

 

 

バァン!!!

 

 

その瞬間、ガルドの筋肉が眩しく輝いた。

爆発的な迫力と無駄のない造形。

広く逞しい胸板が、まるで神話の壁のように立ちはだかる。

 

 

「はあああああああああああ!!?」

 

 

筋肉の波動が視覚化したかのように、蒸気が吹き飛ぶ。

 

 

「見ろ、この雄っぱいを!」

 

 

ガルドは誇らしげに両腕を広げる。

ムキィィ……と音がしそうなほどの張り。

 

 

「友情と努力の結晶だ!!」

 

「知らねえよ!? 何でそんな自信満々なんだよ!?」

 

「リオ! この胸に飛び込めば、すべての悩みが消える!!」

 

「いやいやいや、俺は男の胸に興味ねぇから!!」

 

 

そう言いながらも、視線が勝手に動く。

広く、厚く、力強いその胸。

あれに包まれたら、いったいどんな世界が見えるのだろう――

 

 

「まてまてまてまてまて!!!?」

 

 

俺は慌てて頭を振る。

だが視界の端に映るガルドの腕が、またもや俺の理性を揺さぶる。

太くてゴツい。

血管が浮かび、筋肉が波打つその腕。

あれで抱きしめられたら――

 

 

「ああああああああああああああ!!!」

 

 

自分で自分を叩く。

落ち着け俺、落ち着けリオ!

俺は女が好きだ。

女の柔らかいおっぱいが好きなんだ!!

 

俺は、俺は――

雄っぱいなんて、断じて……!

 

 

「俺は、俺は……!」

 

 

胸の奥が焼けるように熱い。

けれど、その熱を押し流すように、レイナがそっと俺の肩を叩いた。

 

 

「いいわよ、とってもいいわよ」

 

 

その声は、甘くて危険な響きを帯びていた。

まるで悪魔が耳元で囁いているかのように。

 

 

「彼の雄っぱいは最高よ」

 

 

レイナの声が少し震えていた。だがその震えは恥じらいではなく、陶酔の余韻のようだった。

 

 

「硬いんだけど、その中に弾力があってね……」

 

 

指先で記憶をなぞるように、レイナは胸元に手を当てる。

 

 

「岩みたいに強いのに、抱かれるとほんの少し沈むの。その瞬間、全部包まれてるってわかるのよ」

 

 

蒸気の中、レイナの頬がほんのりと上気する。

 

 

「彼の鼓動と熱を感じながら抱きしめられると、意識が飛びそうになるの」

「胸の奥から響いてくるドクン、ドクンって音が、こっちまで伝わってきて……そのたびに、身体が勝手に震えちゃうの」

 

 

彼女はうっとりと瞼を閉じ、深く息を吸った。

 

 

「ガルドの男臭い体臭を嗅ぎながら、こう呟かれるの」

 

 

蒸気の音が消え、空気が止まる。

レイナの唇が、熱に溶けるようにゆっくりと動いた。

 

 

――「レイナ」

 

 

「その時に私はね、この時のために産まれてきたんだって実感しちゃうのよ」

 

 

声は震え、呼吸は乱れ、頬を伝う雫が汗なのか涙なのかわからない。

 

 

「この腕に包まれて、心臓の音を聞きながら、何もかもどうでもよくなるの。世界が終わっても、私にはこの雄っぱいがあるって――」

 

 

そこまで言って、レイナははっと我に返るように口を閉じた。

息を整えながら、それでも頬の赤みは消えない。

 

 

「……ねえ、リオ」

「あなた、わかる? この罪深い幸福が」

 

 

その声は震えていて、けれど確かに甘く、熱を帯びていた。

 

 

「その時に私はね、この時のために産まれてきたんだって実感しちゃうの」

 

 

レイナの瞳が潤み、微笑みながらも狂おしい熱を帯びている。

その姿に、俺は背筋を冷たい汗が伝うのを感じた。

 

 

「リオ」

 

 

レイナの声が、静かに、しかし確実に空気を震わせた。

彼女は少し俯き、まつげの影が頬をかすめる。

その一瞬の沈黙が、あまりに重い。

 

 

「あなたになら……」

 

 

その言葉を紡ぐたびに、彼女の声が震えた。

笑っているのか、泣いているのか分からない。

けれど確かに――その瞳は真剣だった。

 

 

「百億歩譲って……ガルドの雄っぱいを堪能する権利を……あげるわ」

 

 

息が詰まる。

レイナの唇が小刻みに震え、紅く塗られた唇の端から――

一筋、赤い雫が流れた。

 

血の涙だった。

 

それは、悲劇の女王のように美しく、芝居がかっている。

けれど、そこには奇妙な説得力があった。

冗談ではない、覚悟の滲む本気の目。

俺は言葉を失う。

 

 

「……レ、レイナ……?」

 

 

彼女は微笑んだ。

それは、笑顔の形をした絶望だった。

 

 

「彼の雄っぱいは……私だけの聖域。

でも――あなたが、彼を必要としているのなら。

私は……女として、冒険者として、そして――幼馴染として……譲るしかないの」

 

 

言葉の一つ一つが、まるで呪文のように響いた。

そのたびに、俺の心臓が締め付けられる。

 

 

「ちょ、ちょっと待て! 何を譲ってんだお前!?」

 

「いいの……わかってるの。

あの雄っぱいに一度触れた者は、もう戻れない。

でも、あなたなら……きっと耐えられる」

 

「耐えたくねぇよ!!」

 

 

叫ぶ俺をよそに、レイナはゆっくりと空を仰ぐ。

蒸気の光が彼女の頬を照らし、血の涙を紅玉のように輝かせた。

 

 

「行って……リオ。

ガルドの胸の中で、癒やされて――」

 

「まるで戦場に送り出すみたいに言うな!!!」

 

 

俺の絶叫が響く中、レイナの目に一瞬、救いのない優しさが宿った。

彼女は小さく呟く。

 

 

「……あの雄っぱいは……罪よ」

 

 

その声は震えていた。

けれど、確かに本気だった。

 

そして俺は――

自分の中で何かが崩れ落ちる音を聞いた。

 

 

「お、おれは……!」

 

 

息が詰まる。

目の前には、ガルドの胸筋。

雄っぱい、雄っぱい、雄っぱい――

 

脳が悲鳴を上げる。

心臓が早鐘を打つ。

耳鳴りのように頭の中でリフレインする。

雄っぱい、雄っぱい、雄っぱい――

 

 

「一度だけ……一度だけだ……!」

 

 

喉の奥から絞り出した声は、自分でも信じられないほど震えていた。

まるで――過ちを犯す人妻のようだった。

理性の端で「戻れ」と叫びながら、感情が「行け」と背中を押してくる。

 

汗ばむ掌。乾いた唇。

胸の鼓動は、打ち鳴らされる太鼓のように荒々しい。

まるで“禁忌”という扉を、今まさに自分の手で開こうとしているような感覚だった。

 

身体は一歩、また一歩とガルドのほうへ進んでいく。

 

ガルドは微動だにせず、ただ堂々と立っていた。

上半身は陽炎のように揺らめき、盛り上がった胸筋の影が、まるで呼吸を持つ生き物のように脈打っている。

あの胸の向こう側には“癒やし”があると、なぜか確信していた。

ガルドは真剣な顔で、ゆっくりと両腕を広げていた。

その姿はまるで母なるおっぱい、いや父なる雄っぱい。

 

 

「来い、リオ」

 

 

低く、重厚な声。

俺は雄叫びを上げる。

 

 

「うおおおおおおおおガルドおおおおおおお!!!」

 

 

身体が勝手に動く。

蒸気を切り裂き、ガルドの胸へ飛び込んだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――むにゅう

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

え?

 

予想と違う。

想像していた鉄壁の鎧のような硬さではない。

包み込むような柔らかい感触、そして胸いっぱいに広がる甘い匂い。

 

ガチムチなガルドにまったく似合わない感覚に、俺の脳はバグを起こし、

全身が電撃のような感覚に支配される。

 

 

「あああああああああああああああ!?!?!?」

 

 

叫んだ瞬間、世界が暗闇に包まれた。

音が消え、匂いが消え、蒸気が消える。

落下していくような感覚――

 

そして目を開けた時、そこには――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこには、全裸の美女がいた。

空気そのものが彼女の輪郭をなぞるように震え、光が肌の上で反射していた。

金色の髪は水面のように揺れ、淡く光を放っている。

滑らかな肌は雪よりも白く、息を呑むほどに整った造形。

 

その顔立ちは、神が最後に“美”という概念を定義した後で創ったとしか思えない。

胸は豊かで、腰は驚くほど細く、手足は絹のように滑らかで、指先は儚く揺れていた。

まるで生まれたばかりの女神が、まだ世界の理を知らぬまま眠っているかのようだった。

 

俺は、その胸に顔を埋めていた。

温かい。

柔らかい。

心臓の鼓動が伝わってくる――それは確かに“命”の音だった。

 

甘い香りが鼻をくすぐる。

脳がその香りを認識した瞬間、胸の奥で何かが弾けた。

 

そして理解した。

否、思い出した――本能が告げた。

 

 

(ルミナ)

 

 

その名を思い浮かべた途端、頭の奥で封印が解けたように記憶が流れ込む。

断片が連なり、色が戻り、音が蘇る。

 

――管理者。

――レオンハルト。

――そして、ルミナ。

 

ルミナは眠っていた。

だが、その長い手足がゆるやかに動き、俺を絡め取る。

まるで逃がさないように。

まるで“もう離れるな”と伝えるように。

 

 

 

 




安心してください、ちゃんと戻ります。
後ガルドは雄っぱいキャラではないですし、レイナにNTR性癖はありません。
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