逆転裁判 異世界渡航記   作:フジビト

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第一章 この素晴らしい世界に逆転を 
第一話 異世界の逆転 プロローグ


「きゃぁぁ!」

 

路地裏で一人の悲鳴が響く。

 

「ん?何よあんら…邪魔しないでくれる!」

 

「人殺しぃぃ!」

 

「何だって!?」

 

その声を聞きつけて衛兵がどんどん集まってくる。

 

「ちょっと!やめなさいよ!離しなさいよ!私が誰だか分かってるの!」

 

「おとなしくしろ!」

 

「何よあんたら!私が何したっていうのよぉぉ!」

 

……

4月28日 某時刻

 

成歩堂法律事務所

 

「…」

 

「どうしたのなるほどくん。浮かない顔して?」

 

「ん?あ、いや。最近全然依頼来ないなって。」

 

「あ〜そうだね。いっその事宣伝してみる?貴方のことを弁護します!貴方に確定無罪!てきな?」

 

「…マヨイちゃん、弁護士は相手を無罪にする仕事じゃないよ。」

 

「えっ!そうなの?」

 

(…マヨイちゃんは弁護士をなんだと思っているのだろうか…。)

 

僕の名前は、成歩堂龍一。この成歩堂法律事務所の所長を務めている。そして今目の前にいるこの子はマヨイちゃん。元気で味噌ラーメンが大好き。霊媒師の家系で不思議な力を持っている。これまで僕は何度も彼女の不思議な力を目の当たりにしている。

 

「うーん…どうせここで待っててもお客さん来ないんだしラーメン食べに行かない?」

 

「いやいや!駄目だよ。お客さん来るかもしれないじゃないか。それに最近依頼もなくて今月厳しいんだよ。」

 

「えー!そんなになの!何でそんなに貧乏なの!」

 

「貧乏で悪かったね!」

 

だがやっぱり今月は厳しいのだ。最後の裁判…王都楼(おうとろう)真悟(しんご)の裁判…。あの時僕は殺し屋からある種の脅迫を受けた。その脅迫は…王都楼を無罪にすること。その交換条件としてマヨイちゃんを人質にされた。結果、王都楼の裏切りを暴き殺し屋の脅迫もなくなりマヨイちゃんは帰ってきた。そんな事があったのに…。

 

「ねぇ、ねぇナルホドくん!最近なんか変死とか行方不明が多いよね?」

 

このように全くあの時のことを気にしてないようだ。

 

(はぁ…最近気を使ってたのに何だか無意味だった気がする…。)

 

「ねぇ!聞いてるの!」

 

「あ、ごめんマヨイちゃん。変死とか行方不明のことだね。」

 

「そう!いつだったか忘れたけど女子高生を弾き飛ばして怪我させた挙げ句なぜか失神して死んだ人がいたり。」

 

「あ〜なんかあったね。結局あれは思い込みだったらしいね。」

 

「他には男子高校生が夜中コンビニに行ったきり帰ってこなかったり。」

 

「行方不明…実際行方不明の人ってどうなってるんだろ?」

 

「うーん…案外異世界にいたりして。」

 

「異世界?」

 

「知らないのなるほどくん!異世界はね剣と魔法がありふれた世界のことだよ!最近じゃトノサマンも異世界で暗躍するアクダイカーンと戦ってるんだよ!」

 

(トノサマンが異世界ってなんだよそれ…トノサマンはどこに向かってるんだ…。)

 

「異世界なんてあるわけないだろ?」

 

「分かってないなナルホドくんは、異世界はね"ロマン"なんだよ。」

 

「なんだよそれ…。」

 

「とにかくね!異世界には夢があるんだよ!」

 

「そ、そうなんだ…。」

 

「それよりもさ!やっぱりお腹が減るとお客さんが来たとしても上手く相手できないと思うんだよ!だから行こうよラーメン!」

 

(うっ…こうやっていつも流されちゃうんだよな…)

 

「しょうがないな…。トッピングは1個までだぞ?」

 

「やった!チャーシューにしよ!」

 

(…よりにもよって何で一番高いやつを…)

 

そう言ってマヨイはウキウキした様子で玄関に向かう。

 

(さて、僕も早く準備するか。)

 

成歩堂が色々とポケットにしまっていると…

 

「な、なにこれぇぇ!」

 

(!マヨイちゃんの叫び声!?何があったんだ!)

 

成歩堂はすぐに外に出たマヨイを追いかけるようにドアに手をかけ外に出る。その先に広がる光景は…

 

「な、なんだこれは!?」

 

外に広がっていたのは冒険者といえばいいのかわからないが杖や剣を持つ人が歩いたりとてもじゃないが日本には見えない街並みだ。

 

「な、ナルホドくん!これってあれだよ!巷で有名な"異世界転生"だよ!」

 

「い、異世界転生?てことは僕たち一回死んだのか?」

 

「あれ?そういえば死んでないから転生はおかしいのか…。」

 

「それに後ろの事務所…」

 

成歩堂が振り返るとそこにはちゃんと成歩堂法律事務所がある。

 

「事務所ごとここにあるし…。転生してたとするならこれがついてくるのおかしいと言うか…」

 

「てことは転移しちゃったのかな?」

 

「転移?」

 

「うん!異世界物の導入は転生意外にも急に飛ばされる転移もあるんだよ!」

 

(…なんでマヨイちゃんはこんなに詳しいんだ?)

 

「ま、まぁ転移なら事務所ごと飛ばされるのは理解できる…。けどまだ異世界と決まったわけじゃないからとりあえず周りの人と交流してみよう。もしかしたら何かしらのドッキリかもしれないし。」

 

「…?ナルホドくんにドッキリを仕掛けるような人なんていたっけ?」

 

「…知り合いには居ないかな。」

 

………

同日 某時刻

 

???

 

(…見たことない言葉だ…。)

 

周りを見渡すがやはり現実らしくない。鍛冶屋や宿屋、遠くにはギルドらしきものも見える。

 

「ナルホドくん!やっぱりここは異世界なんだよ!異世界に来たってことは魔法が使えるのかな!」

 

「わ、分からないよ…と言うかマヨイちゃんは魔法がなくても霊媒師としての力があるだろ?」

 

「それはそれ、これはこれ。魔法はねロマンなんだよ。」

 

(…よくわからないな。)

 

成歩堂はとりあえず聞き込みをする。聞き込みをしてみたところここは初心者の街アクセルと言うらしく駆け出しの冒険者がチュートリアルとして冒険を始める街らしい。

 

(…てことはマヨイちゃんの言ってた通りここは異世界ってことになるのか?)

 

「ねぇねぇナルホドくん!」

 

僕が考え込んでいるとマヨイちゃんが飛んでくる。

 

「どうしたんだいマヨイちゃん?」

 

「同じ異世界人の人を見つけたよ!」

 

「え?ええぇ!?本当!?」

 

「うん!ほら!」

 

そう言って一人の少年を連れてくる。

 

「その男の子は?」

 

「サトウカズマて人で転生者なんだって!」

 

「俺の名前はサトウカズマよろしく。」

 

「僕は成歩堂龍一よろしくカズマくん。」

 

「カズマくん、転生してから結構経ってるから色んなこと知ってるらしいよ!」

 

「そうなの?じゃあ少し質問いいかな?」

 

「大丈夫だ、先輩として何でも答えてやるぜ。」

 

(さて何から聞こうか…。)

 

「とりあえずまずは世間話でもしようか。カズマくんはこの世界に来てから何したの?」

 

「そうだな…。…!…。俺は魔王軍の幹部を倒し、破壊兵器を止めた英雄だ。」

 

「き、君が?」

 

「お?信じられないのか?このカズマさんの武勇伝。」

 

「すごい!本当に主人公みたい!」

 

「だろ!俺は誰もが尊敬する冒険者なんだよ。」

 

「すごいな、何か特別な力でも貰ったのかい?」

 

「あ、いや…その…特別な力は貰ってない…。」

 

「じゃあどうやって倒したのかな?ちょっと気になる。」

 

「えっと…そ、そうだ!みんなを指揮したんだ!俺の知略でなんとかしたんだ。」

 

「へぇ〜みんなを取りまとめる。人望がないとできないことだね。」

 

「そ、そうだな!それはそれとして成歩堂さんたちはどうやって死んだんだ?」

 

「私達死んでないよ!」

 

「え?転生してきたんじゃないのか?」

 

「転生というよりかは転移だね。気づいたら事務所ごとこの世界にいて…。」

 

「事務所?そういえば二人は前は何してたんだ?成歩堂さんはスーツだし、マヨイは和服だし…。」

 

「私は霊媒師。それでナルホドくんは弁護士をしてたの!」

 

「れ、霊媒師?成歩堂さんの世界もファンタジーなのか?」

 

「いや、マヨイちゃんの家が特殊なだけだよ。」

 

「そうなのか…それで成歩堂さんは弁護士か。やっぱりいろんな事件に携わってきたのか?」

 

「うん、殺人事件が大半。裁判の時は常にギリギリだけど最後ビシッ!と無罪を勝ち取っちゃうんだよ!」

 

(そ、そんなにギリギリかな?)

 

「へぇ〜成歩堂さんは強いんだな。」

 

「それほどでもないよ。」

 

「あ、俺ばかり聞いて済まない。成歩堂さん他に質問は?」

 

「そうだな…この世界はやっぱり魔法とか使うのかな?」

 

「そうだな。」

 

「じゃあ私も使えるのかな!」

 

「いや、魔法は冒険者登録して冒険者カードにスキルポイントを使って覚えないといけないから多分無理だな。」

 

「そうなんだ…。」

 

マヨイは肩を落としてがっかりする。

 

「け、けど冒険者登録してウィザードとかアークウィザードとかになれば魔法を覚えられるかもしれない!」

 

「そうなの!ナルホドくん!今すぐ冒険者登録しに行こ!」

 

「ま、待ってよマヨイちゃん。僕は戦ったりできないよ!」

 

「冒険者になればナルホドくんも最強の弁護士になれるよ!」

 

「弁護士に物理の強さは要らないよ…。」

 

「冒険者になるにしても成歩堂さんたちお金は持ってるのか?」

 

「?あ…」

 

「え?もしかして一文無しなのナルホドくん!それなのにラーメン食べに行こうとしてたの!?」

 

「違うよマヨイちゃん。僕たちは"この世界のお金"を持ってないんだよ。」

 

「ん?どういうこと?」

 

「つまり日本円があってもドルの商品には使えないだろ?」

 

「なるほど!てぇぇ!じゃあ、私たちこれからどうするの!」

 

「日雇いの仕事を見つけて今日を凌ぐしか無いよ…幸い、寝床は事務所があるから。」

 

「うう…私美味しいラーメン食べたかったなぁ…。」

 

「何か売れそうなものは…」

 

成歩堂は何でもいいから質に入れられそうなものを探っていると。

 

チリーン

 

1枚の硬貨がポケットから落ちる。

 

「あ…。」

 

「ん?何だ成歩堂さんこの世界の通貨持ってるんじゃないか。」

 

「え?どういうこと?」

 

「だから今成歩堂さんのポケットから出てきたこれ、この世界の通貨のエリスっていうんだ。」

 

「え!?何でナルホドくんそんなの持ってるの!」

 

「し、知らないよ!…もしかして!」

 

成歩堂は財布を取り出して中身を見ると、中身の日本円はなくなり全てエリスに変わっている。

 

「ど、どうして?」

 

「…もしかしてナルホドくん異世界人なの!?」

 

「そんな分け無いだろ…」

 

「ま、まぁ資金は解決したわけだ。これから成歩堂さんたちはどうするんだ?」

 

「うーん…とりあえず帰る方法を探そうかな。」

 

「日本にか?」

 

「うん。飛ばされたってことは何かきっかけがあったはずだから。」

 

「そうか…ま!お互い頑張ろうぜ!日本に帰るには魔王倒さないといけないらしいけど!」

 

「え?」

 

「魔王いるの、この世界!」

 

「ああ、魔王を倒したやつは何でも一つ願いを叶えてもらえるんだ。帰りたいなら魔王を倒すしかねぇな。」

 

「そ、そんな…。」

 

「ナルホドくん!魔王退治頑張ろうね!」

 

とマヨイちゃんの清々しい笑顔が横にいた。

 

………

 

4月30日 某時刻

 

アクセル 成歩堂法律事務所

 

「…夢じゃなかった。」

 

成歩堂は1日寝たら案外夢で元の場所に戻っていると思ったがそんなことはなかった。

 

「おはようナルホドくん!さっそく冒険者登録して魔王退治に行こ!」

 

「…もっと別の方法で帰れる方法を探そうよ…。」

 

成歩堂が目の前の現実にうなだれてとりあえず冒険者登録をしに行くために支度していると。

 

ダン!

 

「た、大変だ成歩堂さん!」

 

「!?か、カズマくんいきなりどうしたんだい!?」

 

「お、俺の仲間が殺人の容疑で捕まっちまった!成歩堂さん弁護士なんだろ!俺の仲間を弁護してくれねぇか!あいつはバカだが人を殺したりはしない!多分…。金なら払う!頼めないか!」

 

 

「え!さ、殺人!?」

 

「こ、事の経緯を教えてくれないかな?」

 

「分かった、昨日俺はクエスト終わりに夜ギルドで酒を飲んでたんだ。」

 

「?カズマくんってまだ高校生くらいだよね?それ未成年飲酒じゃないかな?」

 

「この世界では制限無いから飲んでいいんだよって今はそんな話ししてる場合じゃない!昨日酒を飲んでて仲間のアクアがある男とケンカをし始めたんだ。その後男は外に行き、アクアも数分後に外に出たんだ。そのまた数分後に警備兵が来てアクアが殺人の容疑で捕まったて言われたんだ!」

 

「喧嘩の内容とかは?」

 

「酔ってたし、気にもとめてなかったから聞いてなかった。」

 

「なんというか…異世界に来ても殺人事件とは無縁になれそうにないね。」

 

「…そうだね。分かったよ。カズマくんには色々と教えてもらったからね。その弁護引き受けるよ。」

 

「ほ、本当か!ありがとう!俺もできるだけサポートする頼んだぞ!」

 

カズマはすぐに立ち上がり事務所からでていく。

 

(…ここでも法廷に立つ必要があるみたいだな。)

 

つづく

 




このすばの世界観を考えて被告人になるならカズマよりアクアのほうがいいかなって思いました。アクアならリザレクションできるだろって?その辺もちゃんと書きますよ。
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