本編後主人公のヒロインと始めるハイスピードメカアクション   作:文才の無い本の虫

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CHAPTER-1
プロローグⅢ/天災の前触れ


 

 

 

生まれた時から私は天才だった。

いや、『天災』だったと言い換えたほうが良いだろう。

ある一定の基準をクリアした人間としかまともに喋れない、喋る気もない生まれながらの人格破綻者。

正しく私は天災だ。

世界は詰まらなくて、これっぽっちも笑えない。

だから私は、世界を変えてしまおうと思った。

 

 

 

〜~

 

 

「へぇーふぅーんほー・・・・・ぷ、あははははは!!ヤバい!!お腹が捩れちゃう!!」

 

エプロンドレスに身を包んだ女性が空間に展開された多数のウィンドウに表示された映像やデータを見て笑い転げている。

多数のそれは、全てが少年のものだった。

 

「凡人だとは思ってたけどまさか本当に凡人()()()なんて!!追い込まれて、追い込まれて、追い込まれたからしょうが無く死に物狂いで努力したって?!ばっかじゃないの?!あはははははははは!!・・・・・・・・・・はぁ」

 

狂ったように笑い転げていた彼女は次の瞬間には立ち上がり、データの一つを見つめていた。

その少年――速水迅の顔写真を。

 

「良いね、凡人君。私の目に止まった君に特別な試練をあげよう」

 

ニヤリと笑った彼女は空間に展開されたウィンドウの一つを操作し、何らかのコードを打ち込む。

 

「凡人君・・・・・どうか私に見せて欲しい。人類に可能性なんてあるのかを」

 

 

 

【マスタータバネからの命令を受領、疑似人格起動・・・・・ほう、成程成程・・・・・よーし!おじさん頑張っちゃうよー?ギャハハハハハ!】

 

 

 

私が人類を見限る、その前に

 

 

 

〜~

 

 

 

「?」

「簪?」

「何だか・・・・・嫌な予感がした・・・・・ような?」

 

それはまた曖昧な予感だな。

まあ、その時にならないと何もわからない。

今気にしてもしょうが無い事だ。

 

「取り敢えず朝食を食べようか」

「うん・・・・・そうだね」

 

 

 

〜~

 

 

IS学園に入学してから数ヶ月が経った。

俺と簪は二人っきりで殺り合ったり、勉強をしたり、趣味の話をしたりと充実した時間を過ごしていた。

ああ、勿論テストパイロットとしての仕事も並行してこなしている。

そんな中、俺は明日のクラス対抗戦に向けての調整に入っていた。

1組と2組は専用機持ちが出るらしいと聞いた。

楽しみだ。

 

「ん・・・・・迅のソレ、頭オカシイ」

「酷い言い草だな」

「残当・・・・・思考操作ドローンを六機同時に使うなんて、作るのも使うのも頭が可笑しいとしか思えない」

「いや?IS側のアシストもあるしスネイルに叩き込まれた多言語マルチタスクよりはマシな難易度だったぞ?」

 

俺は周囲を飛行するレーザードローンを群体の様に動かす。

空間を把握しながら個々のドローンを操作するのは中々に難易度が高いが・・・・・まあ、慣れれば問題無い。

 

「だが・・・・・確かに欠陥品だなコレは」

「うん。レーザードローンに囲まれるのは、厄介だけど・・・・・操作してる時・・・・・機体の動きが、少し読みやすかった」

「ああ。それを防ぐ為にマニュアル化するのが最終目標らしい」

「へぇ・・・・・じゃあ、迅のソレは行動パターン集め」

「その通りだ。面白そうだろう?」

「うん」

 

簪と笑い合う。

俺のISである『ラマーガイアー』に固定武装は無い。

強いて言えば飛行能力が特徴の第二世代だ。

スネイル曰く『ラマーガイアー』は“AMS”というシステムを積んでいるから厳密には第三世代らしいのだが・・・・・そのシステムがマトモに動いた事が無い為、第二世代と言っても良いだろう。

 

「そう言えば・・・・・私の『LOADER4』は第二世代だけど、迅の『ラマーガイアー』は第三世代だった、よね?」

「・・・・・ああ」

「じゃあ・・・・・『ラマーガイアー』のイメージ・インターフェイスを用いた特殊兵器って・・・・・どんなの?」

 

この時俺は無意識に苦虫を噛み潰したような表情をしていたのだろう。

簪が心配そうに言う。

 

「え、えっと・・・・・機密、だったり・・・・・?」

「いや、違う・・・・・データを送ろう。機密ではないが、流出はしないでくれ」

「う、うん」

 

俺はプライベートチャンネルを使って『LOADER4』宛にデータを転送する。

簪は送られてきたデータを読んで首を傾げた。

 

「えっと・・・・・Allegory Manipulate System・・・・・?」

「ああ。ISの操作をもっと精密にする為の・・・・・禁じ手と言ったところか」

「?・・・・・それって、どういう・・・・・?」

 

まず大前提として、ISはパワードスーツだ。

故に操作は身体的なものが半分以上だ。

 

「このAllegory Manipulate System、通称AMSは・・・・・()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()システムだ」

「!!それって?!」

「まあ、使えないんだがな」

「がくっ・・・・・」

 

とういうか・・・・・使わなくて済むほうが良い。

一度だけシステムを使った事があるが・・・・・アレは駄目だ。

 

『が、ァ・・・・・ああああああ』

『AMSが逆流している?!思考速度想定を超過!!20、30・・・・・尚も上昇中です!!』

『実験を中止しなさい!!ジン!!システムを切りなさい!!』

『システム強制停止・・・・・弾かれました!!』

『何ですって?!』

『搭乗者の自己防衛本能とリンクしてる模様です!!』

『くっ・・・・・私が『オープンフェイス』で力尽くで止めます!!救護班を!!』

 

凡人すら怪物にしてしまう。

 

「?どうしたの?」

「いや、何でも無いさ。今日はここまでにしよう。明日に響くからな」

「うん。明日、頑張ってね」

「わかっている。優勝するから一緒にスイーツでも食べよう。菓子作りの参考にしたい」

「うん!!応援、する!!」

 

簪が笑顔で小さく両手でガッツポーズをする。

それが両手にポンポンを持っているようにも見えて少し微笑ましい。

うん、少し気が楽になった。

 

「『ラマーガイアー(相棒)』、共にクラス対抗戦といこうじゃないか」

 

待機状態の『ラマーガイアー』が少し震えた気がした。

 

 

 








Allegory Manipulate System
読み:あれごりー・まにぴゅれーと・しすてむ
通称:AMS
アーキバス先進開発局と速水鉄工空力研究室が創り上げてしまったシステム。表向き、システムの機能は思考操作による機体制御の補助及び最適化と武装換装時の負荷低減とされている。アーキバス及び速水鉄工では詳細な内容と()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()は最重要機密として扱われている。


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