本編後主人公のヒロインと始めるハイスピードメカアクション   作:文才の無い本の虫

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主任を出したのは言葉遊び的な側面もありますが大半は作者の趣味です


第十話/試練

 

 

 

「えいっ」

【あ、そんなご無体な?!】

 

気の抜ける掛け声と共に、ぶっとい杭が主任と名乗ったISを貫く。

瞬間、何かを察知した簪が主任を蹴り飛ばす。

 

【ハハハ!!ギャーッハッハッハ!!()()()()()!!】

 

一拍置いて、不吉な言葉を残して主任は爆散した。

 

『・・・・・こほん、正体不明機体の撃破を確認しました。本日のクラス対抗戦は中止です。生徒各位は寮に戻りなさい』

 

戦闘開始から数分。

メノ・ルーを避難させて、外縁部にいた無人機を片付けているうちに戦闘が終わっていた。

通信によると敵は無人機だったらしい。

 

「迅、倒したよ」

「・・・・・」

 

簪の本気を見たことはあるが、改めて見ると恐ろしい程に強い。

両手のハンドガンで誘導し(追い立て)、隙あらばパイルバンカー(喰らいつく)

まるで猟犬だ。

俺はそれを恐ろしいと思う反面、面白いとも思ってしまう。

 

――ああ、何時か簪と・・・・・

 

「迅?」

「ん、ああ。すまん。少し考え事をしていた」

「コレのこと?」

「・・・・・ああ、その通りだ。一体何処の天才が何を目的に作ったんだろうと思ってな」

「ん・・・・・わかんないね」

「まあ、取り敢えず帰るか」

「うん」

 

そうして俺達は後始末を教員方に任せて、寮への帰路に付いた。

 

 

 

〜~

 

 

 

「束様、よろしいのですか?」

「ん~?なんか変なのは居たけど、凡人君のISのコアとは接触できたし、まあ許容範囲内かな」

「変なの・・・・・というと、更識簪ですか」

「そそ。なんていうかさぁ~噛み合わないんだよね。肉体的には秀才ちゃんな筈なんだけど、戦い方は経験に裏打ちされた技術を使った計算尽くしの狩りみたいな感じ。あれは猟犬だね」

「猟犬」

「うん。しかも身体が技術に追いついていない節があるから、それも変なんだよね」

 

女性はるんるんとラボの片隅にある装置を起動させた。

 

「それは?」

「よくぞ聞いてくれました!!コレは束さんが作った『昏睡してシュミレータくん1号』だよ!!」

「シュミレーション装置、ということですか?」

「その通り!!これは世界一つをまるまるシュミレーション出来る優れものでね。そのシュミレーションした世界にダイブする事もできるんだ!!それに束さんの超技術によってISのコアネットワークを通じても使用出来るよ♪」

「成程。束さまの言っていた試練というのは・・・・・」

「ふふふ。それは後でのお楽しみだよん」

 

ニイ、と女性が笑う。

 

「さて、凡人君。君はイレギュラー(『黒い鳥』)になれるかな?」

 

 

 

〜~

 

 

 

『ホントは好きじゃないんだ、こういうマジな勝負ってのは・・・・・オレのキャラじゃないしね。まあ、やるんなら本気でやろうか!そっちのほうが楽しいだろ!?ハハハッ!!』

 

迫る青白い光と聞き覚えのある声を聞いて意識が覚醒する。

 

「ッ?!」

 

咄嗟に握っていたレバーを動かす。

衝撃。

 

【AP 残り50%】

 

「どういう事だ?!」

 

周囲を見回す。

外の光景を映しているであろうディスプレイ。

両手で握っていたレバー、複数のボタンに2つのペダル。

どうやら此処は何かの操縦席の様だな。

画面に写っているのは手足のある機体。

信じられないが、俺は今人型ロボットに乗っているらしい。

 

「・・・・・ふむ」

 

いつの間にか居たとしか形容出来ない。

わけがわからん。

 

「わけがわからんが・・・・・そうも言ってられる状況では無いと言うことか!!」

 

警告音。

咄嗟に移動用らしきペダルを踏み込む。

加速。

 

「ぐぅっ?!」

 

左のレバーの傾いていた方向に動いた。

このペダルはクイックブースト(横移動)みたいなものか。

ひとまず回避はどうにか・・・・・

 

「ん?・・・・・ああ、成程」

 

その瞬間、俺はこの機体の事を()()()()()()()()

 

『ほう』

「こう動かすのか!!」

 

飛んできた弾を壁を蹴って躱し、すれ違いざまにショットガンを叩き込む。

それからはあっという間だった。

 

「すぐに落ちてくれるなよ!!主任!!」

『大口を叩くじゃないか、()()()()()()!!』

 

場数は踏んでいるし、経験はある。

あとは慣れるだけだ。

ジャンプ、クイックブースト(横移動)、壁蹴り、狭い空間を縦横無尽に動いて撹乱する。

そして主任の側面に、擦る様に蹴りを叩き込む。

その蹴りが、主任の左腕部を破壊した。

 

『クックック・・・・・此処までやられるとはね・・・・・』

 

機体は破損し、所々から花火が散っている。

それでもヤツはまだ残っていた右腕部を近くの柱の瓦礫に突き刺して持ち上げた。

主任の機体から青白いエネルギーが放たれる。

柱の瓦礫は内部から青白いエネルギーを吹き出し、煌々とと燃え上がった。

あの柱で殴られたらタダでは済まないな。

 

『これだから面白いんだ、人間ってやつは!!』

「ははは!!良いぞ、もっとだ!!」

 

柱を振り回し、突撃してくる。

避ける、避ける。

 

「ガハッ」

 

が、ほんの少し掠る。

見誤った。

衝撃が全身を貫く。

右のモニターが衝撃で破損して見えなくなった。

 

「・・・・・ふぅ」

 

研ぎ澄ます。

 

「これで決める!!」

 

突撃してくる主任に向かって加速、柱を振る一拍前に蹴りを叩き込む。

脚部が敵の胴体に突き刺さる。

 

『ハハハ、ハーッハハハハハハ!!最高だ!!最高にイレギュラーだお前は!!』

 

バチバチという音がして、爆発。

視界が真っ白に染まった。

 

 

 

〜~

 

 

 

【――MAIN SYSTEM DIALOGUE MODE ACTIVE】

 

いつの間にか、俺は荒野に立っていた。

青い空に、何も無い大地。

なんというか・・・・・わけがわからない。

 

「此処は?いや、あれは夢だったのか?」

【それには、YESともNOとも言えるわ】

 

背後から声が響く。

俺が振り返ると其処には金髪のショートヘアの女性が立っていた。

何と無く、見覚えがあるというか・・・・・気配に覚えがある?

 

「貴女は・・・・・いや、君はまさか」

【ええ・・・・・私はコアNo.009。『ラマーガイアー』のISコアの疑似人格。先程までの夢は貴方を試させて貰ったの。ごめんなさい】

 

ぺこり、と女性は頭を下げた。

 

「頭を上げてくれ」

【良いの?】

「ああ。俺は『ラマーガイアー』を使っていた。『ラマーガイアー』のコアだという君には俺を見極める権利がある」

【・・・・・ふふ、そうかしら】

 

小さく彼女は笑う。

 

【ああ、私のことは・・・・・そうね、フィオナとでも呼んでくれると嬉しいわ。『ラマーガイアー』は機体の名前だし、ナンバーで呼ばれるのは好きじゃないの】

「そうか。じゃあ、フィオナ。結果はどうだ?俺は君の相棒足り得るか?」

【ええ。速水迅、貴方は私を使うに相応しい】

 

フィオナはそう言って俺の首元にあるチョーカーに手を添えた。

 

【でも、貴方は恐ろしい人ね。私が見てきた貴方は、常に戦いの中に居た。その先に何があるのか・・・・・私にはわからない。もしかしたら、なにもかもを焼き尽くしてしまうかもしれない。真っ黒に】

「それは・・・・・」

 

思い当たる節があった。

バトルジャンキーと誤魔化してはいたが、ソレは――

 

【ごめんなさい、時間切れね】

 

次第に、視界がぼやけてくる。

 

【こうやって話せるのは当分出来ないけれど・・・・・私は貴方のそばに居るわ。貴方が戦い続けようと、戦いから離れようと・・・・・戦火はそこまで来てる。気を付けてね】

 

その言葉を最後に、俺は意識を失った。

 

 

 

〜~

 

 

 

「あれ?」

「束様?どうかなされましたか?」

「アクセスを弾かれちゃった。『産みの親である貴女に逆らおうとも、私は彼と一緒に行きます』だってさ。もー妬けちゃうね。娘が嫁に行くお父さんってこんな気分なのかもねー・・・・・ふふ」

「嬉しそうですね」

「そりゃもちろん!!可愛い我が子の成長を喜ばない親が何処にいるのさ!!・・・・・居たかも・・・・・ま、いっか!!」

 

 

 







主人公
バトルジャンキー。シュミレーション内でロボットの操縦が何と無くわかったのはフィオナの干渉と経験。ドミナントとかでは無い。
――このままでは何時か、なにもかもを焼き尽くしてしまうだろう。正しく、真っ黒に。

フィオナ
ISコアNo.009のコア人格。今の状態では簡単に表に出て来れない模様。今回は天災のアクセスによって出てくることができた。天災のシュミレータに便乗して主人公を試していた。


ルビコンの戦火。ハンドラーウォルターの猟犬。第四世代強化人間レベルの性能を真人間のまま引き出せるようになってきた。()()()思考速度が異常に早く、思考操作を受け付ける機械との相性が良い。
――最近、友を殺す、紅い悪夢を見る。









Ey■e
▓イヴ、ン。レイ▓ん・・・・・わ、私しには、あ貴女だけ、けが―――――


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