本編後主人公のヒロインと始めるハイスピードメカアクション   作:文才の無い本の虫

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甘さ多め・・・・・多め?
不穏な雰囲気を甘さや日常で挟んでいくスタイル


第十二話/休日の過ごし方・後編

 

 

 

「これ・・・・・私なんかには・・・・・似合わないと、思う・・・・・」

「いや、似合っている。簪はクール系も似合うな」

「そ、そうかな・・・・・」

 

黒いタンクトップとショートパンツに白と黒の縦縞模様の半袖シャツワンピースを羽織った簪が恥ずかしそうに言う。

 

「ああ。カジュアルや可愛い系と言われるものとはまた違った魅力がある」

「・・・・・買う」

 

結局人酔いした簪が吐きかけたり、ショッピングモールの品揃えの多さに目を回したりと先行きが不穏な状態で始まったショッピングだったがそこそこ順調に進んでいた。

先ずは簪の主目的だという服を買いに来たのだが、彼女は「ファッション・・・・・?なにそれ?」といった(言った)様子だったので俺が彼女の服を選ぶという珍妙な事態になっていた。

だがまあ、幸いな事にある程度の知識があったおかげか良い感じに選べたのでは無いだろうか。

ファッションの知識を詰め込んでくれたスネイルとメーテルリンク達には感謝しておこう。

結局簪はベルト等の小物も含めて三種類ほどセットで買うことにした様だ。

 

「では、合計で21600円になります」

「えっと・・・・・」

「簪、ちょっと待て」

 

俺は財布を取り出そうとした簪を手で制して、用意していたカードを取り出す。

 

「カードで」

「承りました」

 

さっさと会計を済ませて店のロゴが描かれた紙袋を受け取る。

・・・・・今気づいたが端に小さくアーキバスグループのマークが付いてるな。

また来るかもしれないし後でスネイルに社割があったりしないか聞いてみるか。

 

「ねえ」

「ん?」

「お金出してくれたの・・・・・なんで?」

「日頃の感謝、じゃ駄目か?」

「でも、私なんかに・・・・・」

「・・・・・相変わらずだな、君は」

 

申し訳無さそうな顔をした簪に言う。

 

「『私なんか』と卑下し過ぎるな。簪、君は魅力的な女性だよ。それに、そんな魅力的な女性とのデートだ。少しぐらい格好つけても良いだろう?」

「ぴっ」

「簪?」

「~~迅の、ばか」

 

罵倒された。

口に出さない方が良かったか?

 

「そう言う、問題じゃない・・・・・心臓に、悪い」

「顔に出てたか?」

「うん。でも」

 

くすりと彼女は笑って、

 

「迅も、相変わらず・・・・・ふふ。私達・・・・・お揃い、だね?」

 

と言った。

あざといというか、蠱惑的というか・・・・・。

うん、まあ。

 

「・・・・・簪、君も十分心臓に悪い」

「え?」

「無防備過ぎるんだ、君は・・・・・」

 

小さく呟いてしまったのも、しょうが無いだろう。

 

「・・・・・つい、勘違いしてしまいそうになる

 

 

 

勘違いしても、良いのに・・・・・」

 

 

 

〜~

 

 

 

「防衛機制、ですか?」

 

銀色の少女が首を傾げる。

 

「そそ。心理学のやつでね・・・・・わかりやすく言うと自分を守るために殻を被ったりすることをいうんだけどね」

 

その少女と共に紅茶を飲んでいた女性が答えた。

少女は少し考えてから言う。

 

「束様は・・・・・それがあの異常な戦闘意欲だと?」

「多分ね。運命を選べる人間は居ないけど・・・・・それにしたって凡人君は運が無い。流石の束さんでもちょっと同情しちゃうよ」

 

けらけら、と心底楽しそうに女性は言う。

 

「経歴を見ましたが・・・・・私も少し同情してしまいました」

 

少女は少し前に見た彼の正しく波乱万丈という感じの経歴を思い出して言った。

その少女の言葉にうんうん、と頷いてから女性は言う。

 

「ま、()()()()()手を緩めるつもりは無いんだけどね?」

【さっすが束博士。わかってるねえ!!ギャハハハハ!!】

 

女性の様子とすかさず飛んできた合いの手を聞き、少女は呟いた。

 

「・・・・・本格的に彼には同情します」

 

同情が何かにつながるわけではなかったが、少女はそこまで悪辣な人間では無かった。

 

 

 

〜~

 

 

 

買い物が一段落し、俺達は昼食の為に適当な(アーキバスグループのロゴが付いている)イタリアンレストランに来ていた。

丁度良い席が空いていたので座り、テーブルに置いてあったメニューを開く。

 

「簪はどうする?」

「わかんないし、迅と同じので・・・・・」

「了解した」

 

店員を呼び、前菜にカプレーゼ、パスタはミートソースを二人分注文する。

流石はアーキバスグループ、注文してから提供までが早く、仕事も丁寧だ。

 

「ふむ・・・・・美味いな」

「うん」

 

そうして俺と簪は料理に舌鼓を打つ。

これまであまりイタリア料理は作ってこなかったが・・・・・簪の受けも良い様だし、今度作ってみるのもアリだな。

 

「ん・・・・・満足」

「はは、それは良かった」

 

それから暫くして、引き続き俺と簪はショッピングモールの中を歩いていた。

服や雑貨は一通り回ったので、目的もなくぶらついている感じだ。

 

「この後はどうする?」

「・・・・・買いたいものは買えたし、帰る?」

「それも手ではあるな」

 

少し考える。

 

「ふむ・・・・・簪、食べたいものはあるか?」

「今、お腹いっぱい・・・・・」

「ああ、質問の方法が悪かったな。夕食や茶菓子のリクエストをだな」

「成程。じゃあ・・・・・和食。迅のお任せで」

「和食か・・・・・了解した。じゃあ、買い物をしてから帰ろうか」

「うん」

 

近くの(アーキバスグループの)スーパーマーケットで一週間分の食品を買い込む。

あとは残り少なくなっていたコーヒーや調味料なども。

使えるもの(社員割引)はありがたく使わせてもらおう。

 

「迅、袋・・・・・片方持つ」

「ああ、助かる・・・・・簪?何故手を・・・・・」

「だめ・・・・・かな?・・・・・嫌なら、離すけど・・・・・」

 

簪が空いた手に細い指を絡ませながら、言う。

繋いだ手から低めの彼女の体温と、繊細さがダイレクトに伝わってくる。

・・・・・ふぅ。

 

「・・・・・・・・・・嫌では、無い」

「!!」

 

わざわざ、解く必要も・・・・・無いだろう。

そういう事だ。

 

「ああ・・・・・帰ろうか、簪」

「うん・・・・・ふふっ」

 

彼女と手を繋いで歩く。

二人で歩くのは何時もの事の筈なのに、手を繋ぐだけで此処まで感じ方が違うのか。

簪が確かめる様に握る力を強くして、俺は何と無く握り返したりして。

それは不思議な感覚で、何時もと違って少し気まずく・・・・・でも、心地良かった。

ふと・・・・・今だけは、唯の俺で居られた様な気がした。

 

「楽しかったね」

「ああ」

 

――全く・・・・・魅力的過ぎる。

 

 

 







かんちゃん
主人公の理性への衝撃力は重ショ並。そろそろアサルトブーストで突っ込んで来てパイルバンカーを決めに来る。薄々、主人公の歪さに気付いている。でもそんな所も・・・・・。

主人公
理性がスタッガーしない様に必死。束が称した通り、彼は『凡人』で争い事に無縁な『普通』の人間だったのだ。

メノ・ルー
スネイルによってアーキバス入社すぐにヴェスパー部隊に放り込まれた娘。『オープンフェイス』の2号機『プリミティブライト』を受領した。戦いは嫌いだが、迅の計らいにより戦闘というよりも機体制御系のデバック要員として配置されたことや、ヴェスパーの雰囲気は気に入った等の理由があり、ちょっと頑張ってみようと思っている。






たばねん
割と本当に凡人君こと主人公に同情している。だけどそれとこれとは別の話だよね!というノリ。

ごす
この後カーラから聞いて娘が嫁に行く時の父親の顔をしていた。V.Ⅰ・・・・・どんな男か見極める為にも何時かは会わなければならないな、とも。


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