本編後主人公のヒロインと始めるハイスピードメカアクション   作:文才の無い本の虫

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水着回(人の心案件)


第十五話/臨海学校

 

 

 

臨海学校当日。

俺はバスに揺られながら書類を確認していた。

 

「迅、それは?」

「臨海学校中にテストすることになっている装備一覧だな」

「端っこに『迅、新型持っていくわよ!!待ってなさい!!』ってメッセージ付いてるけど?」

 

昨日の夜に渡された書類の束。

メーテルリンクが教えてくれたのだが元々は大量の装備があったものをスネイルが徹夜で十数種類の兵装と()()()()()新型ISまで絞り込んでくれたらしい。

スネイルには感謝しか無いが・・・・・。

 

「・・・・・俺、『ロックスミス』に乗り換えたばかりなんだがなぁ」

「ん、テストパイロットなんてそんなものだよ・・・・・多分」

 

数十種類とは言えISの兵装と新型。

テスト項目は山程ある・・・・・初日の自由時間を除いた予定はギチギチだなこれは。

非常に楽しみではあるが。

 

「簪の方は無いのか?簪も企業のテストパイロットだろう?」

「うっ・・・・・あるには、ある」

 

面倒くさがりの簪が渋い顔でデータを見せてくる。

見せて良いのかそれ?

 

「これとこれ」

「火炎放射器と・・・・・チェーンソー、か?」

 

片方のデータは火炎放射器、もう片方のデータに表示されているのはチェーンソーを六本束ねた様に見えるアームユニット。

簪の所属企業はRad。

それに彼女の機体のベースは多目的探査用ISの『LOADER』。

作業用の火炎放射器はわかるが、何故チェーンソーを六本??

 

「うん。溶接とかもできる多目的火炎放射器と、六連装チェーンソーとそれを運用する為の試作パッケージ。通称グラインドブレード」

「ふむ・・・・・」

 

グラインドブレードか。

仕様を見る限りISが使うには大き過ぎる気がするが・・・・・。

 

「多分・・・・・カーラ・・・・・社長の趣味だと思う」

「成程・・・・・面白そうだ」

「?」

「うん?これを掘削機みたいに回しながら突撃したら面白そうだろう?」

「・・・・・たし、かに?いや、でも・・・・・」

 

うーん、と唸りながら簪が言う。

そんなにおかしな事を言ったか?

 

「・・・・・うん、やっぱりオカシイ」

「そうか?」

「普通チェーンソー(縦回転してるもの)を掘削機みたいに回しながら(横回転させながら)突撃するなんて考え出て来ないよ」

「ふむ・・・・・良い考えだと思うのだが」

「・・・・・迅」

「ん?」

「バトルジャンキーは、程々にね」

「すまん・・・・・善処する」

 

そうやって簪と話していると時間はあっという間に過ぎていき、バスは目的の旅館に着いていた。

 

「女子生徒各位は荷物を持って旅館のロビーに集合しなさい。事前に配布した部屋の鍵を渡します。無論、旅館の職員方には挨拶を欠かさぬように」

 

そう言い残し、スネイルは旅館のロビーに向かって歩いて行く。

ボストンバッグを抱えた簪は軽く手を振って言う。

 

「ん、また後で」

「ああ」

 

そうして女子たちは旅館のロビーに向かって行く。

スネイルは「当日までには決定します」と言っていたか俺の部屋は何処になるのだろうか。

俺はメーテルリンクに近付いて聞く。

 

「メーテルリンク先生、俺の部屋は何処になるんですか?」

「隊ちょ・・・・・こほん。速水くんの部屋はスネイル先生と同室です。職員会議で男子生徒は教員と同室にする様にと」

「成程」

「鍵は私が預かっていますので行きましょう」

 

メーテルリンクに並んで歩く。

だから当日までには決定すると言っていたのか。

それにしてもスネイルと同室か。

非常に不安だ。

そう思っているとメーテルリンクが俺の耳元に口を近付け、手で隠すようにして言う。

 

「隊長、私の部屋は隣なので副隊長関連で何かありましたら来て下さい。できる限り対処します」

「助かる」

「・・・・・気が向いたら来てくださって構いませんよ。こうやってプライベートで話せる機会は少ないですから」

「ふむ。時間があったらお邪魔させてもらおう」

 

 

 

~~

 

 

 

部屋に荷物を置き、自由時間。

簪から『先に行ってて』との連絡を受けたので、水着に着替えた俺はビーチの入口付近で女子生徒達をあまり視界に入れないように海を眺めていた。

青少年には少々刺激が強いと思うのだが・・・・・。

そうして暇をつぶしていると着ぐるみを着た誰かが駆け寄ってきた。

着ぐるみ??

 

「はじめまして~本音っていいまーす。かんちゃんから話はよく聞いてるよ~~よろしくね、はやじ~」

「はやじー?それは俺の事か?」

「うん。速水迅だからー、はやじ~」

「鼻血みたいな語呂だな・・・・・」

「嫌だった~?」

「いや、『二人目』と呼ばれるよりはましだ。好きに呼んでくれ」

「わかったよ~じゃ、そろそろかんちゃんが来ると思うから~あとはお二人でごゆっくり~」

 

嵐のように去っていった。

というか何故着ぐるみ??

 

「お・・・・・お待たせ」

「簪」

 

そうこう考えていると、とことこと水着姿の簪がやって来た。

彼女の透き通った白い肌に水着が映える。

 

「かわいいな」

「はぅ・・・・・」

 

簪が茹でダコに見える。

ついストレートに言い過ぎて少し気恥ずかしい。

 

「あー・・・・・なんだ。簪、ビーチでも散策するか?」

「・・・・・うん」

 

さくさくと音を立てながら砂浜を歩く。

海風が心地良い。

落ち着いたのか、簪が言う。

 

「ん・・・・・いい天気だね」

「ああ」

「・・・・・ウォルターにも見せてあげたかったな」

「ウォルター?」

 

悲しそうな彼女の表情。

 

「・・・・・私の、お父さんみたいな人」

「そうか・・・・・すまん」

 

簪の表情が、雰囲気が物語っていた。

そのウォルターという人物はもう居ないのだと。

 

「ううん。大丈夫、だよ。今の私には、貴方が・・・・・居るから・・・・・ね?」

 

簪が微笑む。

 

その笑顔が、美しいものだったからなのか。

自身への言い訳が、限界だったからなのか。

それとも、もう一度彼女に▓をしたからか。

 

つい、口をついて出た。

 

「・・・・・簪」

「?」

 

 

 

 

 

「何時か・・・・・言うよ。君に。俺は俺で居られるようになったら。それまで・・・・・待っててくれるか?」

 

そう言うと、彼女は笑顔でこう返してくれた。

 

「うん、待ってる」

 

その笑顔は筆舌に尽くしがたい程――――

美しく、艶やかなものだった。

 

 

 

 

 

 







かんちゃん
結論:いい女。

主人公
情状酌量の余地があるダメ男。



のほほん
遠目に見てた。最後の笑顔はめっちゃ怖かったとの事。

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