本編後主人公のヒロインと始めるハイスピードメカアクション   作:文才の無い本の虫

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「さあ、最後まで踊りましょう!!ご友人!!」
「ブルートゥ!!」

壊れかけの機体をグラインドブレードを引き摺りながら突進してくる『ミルクトゥース』。

【――ASSAULT ARMOR READY】

センサー保護、『▓▓▓▓▓▓▓▓』の各部から整波装置が露出し、パルスの本流が迸る――

「ああ・・・・・ご友人・・・・・贈り物をくれるのですね・・・・・素敵、だ・・・・・」

・・・・・と、いう悪夢(寝てる間までクズの声を聞く羽目になったから)を見たんだ


第十六話/そのジョークは笑えない

 

 

 

「久し振りですね」

「ああ。久し振りだな、メノ・ルー。ヴェスパーはどうだ?」

 

旅館の中をぶらついていると浴衣姿のメノ・ルーと会った。

少し頬が紅いから風呂上がりだろうか。

 

「思っていたよりも良い場所ですね」

「だろう?」

「ええ。孤児院の方も多額の寄付で持ち直せたそうで・・・・・どれもこれも貴方のお陰です。今は隊長と呼んだほうが宜しいですか?」

「・・・・・明確にヴェスパーとして動いてる時以外は勘弁してくれ。学友といる時まで肩肘を張るのは勘弁願いたい」

「ふふ・・・・・では迅さんと呼ばせていただきますね」

 

上機嫌にそう言った後、彼女は少し衣服を整えてから口を開いた。

 

「先日、正式にV.Ⅳのコールサインを受領し、V.Ⅰ直属になりました。数日以内に正式な書類が来るそうです」

「直属だと?」

「はい。直属と言っても秘書のようなものとスネイル副隊長閣下に聞いています」

「成程な・・・・・」

 

前々からスネイルが秘書が必要だとか言っていたな・・・・・。

メノ・ルーから話を聞くと最近会わなかったのはアーキバスで専用機の受領や諸々の手続き、それとスネイルから最低限の教育を受けていたらしい。

少し見てみると確かに前よりも身体が引き締まっている。

 

「了解した。これから宜しく頼む」

「はい。恩を返すためにも精一杯頑張らせて頂きますね」

 

 

 

「・・・・・迅さん」

「なんだ?」

「メノ、と呼んでくれませんか?」

「別に構わないが・・・・・」

 

 

 

〜~

 

 

 

「・・・・・なあ、スネイル」

「なんですか」

 

迅から湯呑みを受け取る。

あ、美味しい。

 

「メーテルリンクはまだ分かるが・・・・・何で簪とメノが居るんだ?」

「この私が召集したからですが」

 

今私はスネイル先生に呼ばれて、メノ・ルーさんと一緒にスネイル先生の部屋に来ていた。

何で呼ばれたんだろう?

技術交流に関する契約とかの話は前にカーラが済ませていた筈だけど。

 

「その召集の理由を聞いているんだが?」

「それは・・・・・ええ、機密です」

「それ、此処でする話じゃなくないか?」

「・・・・・一理も二理もありますが、今でなければいけなかったのです。貴方は外で時間を潰していなさい。話が終われば呼びます」

「ああ。了解した」

 

そうして迅が部屋を出て行く。

部屋には私と、メノ・ルーさんと、スネイル先生にメーテルリンク先生。

 

「あ、あの・・・・・スネイル先生。私、何で呼び出されたんです、か?」

 

そう聞くとスネイル先生は答えた。

 

「・・・・・貴女達とは一度プライベートで話そうと思っていたのですよ」

 

するとメノ・ルーさんが言う。

 

「仕事の話では無く、ですか?」

「ええ、その通りですV.Ⅳ・・・・・いえ、メノ・ルー。メーテルリンク、防諜は?」

「問題ありません」

「宜しい。ではこれよりこの場は無礼講とします」

 

????

お風呂から出て来たらいきなり先生に重要そうな呼び出されて、無礼講?

ちょっとよく分からない。

何を話せば良いんだろう。

 

「肩の力を抜きなさい、更識簪」

「えっ、あ、はい」

 

余計に緊張しそうなんだけども。

少ししてからスネイル先生は言う。

 

「本題に入りましょう・・・・・V.Ⅰ、迅についてです」

「迅について?」

「迅さんがどうしたのでしょうか?」

 

アーキバス饅頭をつまみながらスネイル先生は少し遠くを見ながら話し始めた。

 

「迅は・・・・・極めて平均的な少年でした」

「平均的」

 

思わずオウム返しに呟く。

 

「ええ。本来ならば速水鉄工の社長を継ぐ予定だったのでしょう・・・・・ですがそれは叶わなかった」

「『一人目』の発見、ですね?」

「その通りです」

 

それからスネイル先生は懐かしむ様に迅との出会いを語った。

偶然適性検査の担当だった事、貴重な『二人目』として囲い込もうとした事を。

 

「今となっては笑い話ですが、あの時の私の目は曇っていたのでしょう。彼を女尊男卑の風潮に流されて生きている男だと思ったのですよ、私は。それがいけなかった」

 

スネイル先生は私達に見えるように空中に何枚かのウィンドウを展開した。

そのウィンドウに表示されているのはぼろぼろになりながら重量二脚に喰らいつく迅の姿だった。

 

「才能は無く、経験も無い。意地だけで喰らいついている。これは最初期の記録ですが、無様な戦いぶりでしょう?ですが・・・・・それは当たり前の事だったのです。私はそれに思い至らなかった。ええ、今となっては過去の私を殴り飛ばしたい気分です」

 

何と無く理解した。

ミシガンに近いんだ、スネイル先生は。

でもその加減を間違えたんだと思う。

 

「最初に言った通り、迅は極めて平均的な・・・・・普通の、戦いなど知らない人間だった。そんな人間を私が命の危機がありふれている世界に引きずり込んだ。もう少しやりようはあったんじゃないか。そう、今でも後悔しています」

「・・・・・そういう事ですか。迅さんが私の事をわかったのは」

「やっぱり迅のバトルジャンキーは防衛機制の一種だったんだ」

「薄々勘付いているとは思いましたが・・・・・知っていましたか」

「うん。迅の事だし」

 

一緒に過ごしていればわかる。

バトルジャンキーの時と、そうじゃない時があるって。

 

「迅のアレは何処かに強迫観念みたいなのを感じた。まあ、戦いが楽しいっていうのは本当だと思うけど」

 

そう言うとスネイル先生は頷いて、言う。

 

「ですから貴女達に頼みがあるのですよ」

「頼み・・・・・?」

「頼み、ですか?命令では無く?」

「・・・・・ええ。この私、スネイル・アーキバス個人からの極めて私的な依頼です」

 

()()()()()()()()()()()()

成程。

それ相応の覚悟があると言う事だ。

 

「迅を・・・・・頼みます」

 

その言葉を聞いた時、私は即答していた。

 

「頼まれるまでも無い・・・・・あ、です」

 

ちょっと格好つかなかったけど。

スネイル先生を安心させてあげようと思って、私はカーラから貰った紙を取り出す。

 

「ご両親への挨拶はまだだけど・・・・・婚姻届の準備まで終わってるから、安心して・・・・・下さい」

「・・・・・そ、そうですか」

 

 

 

 







主人公
極めて平均的(スネイルの基準で)だった少年。知らないうちに外堀内堀が埋まっている。半分は自業自得というか満更でもないだろうが・・・・・。

かんちゃん
主人公の事なら大体知ってる。勿論印鑑の場所からスマホの暗証番号まで。要するにいい(感じにぶっ飛んでる)女。草むらの陰でラスティが「戦友・・・・・それは流石に・・・・・」と言っている気すらする。勿論強化人間ジョークとかでは無い。

せいじょさま
V.Ⅳになった。スネイルも主人公の件で反省していたため、彼女への教育はスパルタコーチレベルのものだったらしい。作者の描写力が無いせいでメーテルリンク共々後半は空気だった。

スネイルちゃん
最後の最後でかんちゃんに頼んでいいか心配になった。香織に電話したとか。

カーラ
ジョークグッズのつもりで面白半分で(もう半分は何時か使うだろうと思って)渡した。

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