本編後主人公のヒロインと始めるハイスピードメカアクション   作:文才の無い本の虫

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この話を書くにあたり、「プロローグⅡ/燃え滓の少女」の一部を加筆修正しました
これ書くために「レイブンの火」√で一周してきたから遅くなったわけじゃないっす(言い訳)


CHAPTER-4
プロローグⅤ/ある男の使命と願い


 

 

 

破綻が訪れる前にコーラルを焼き払う。

例えそれが同時に星系を焼き払う事であっても。

 

「仕事の時間だ・・・・・お前に意味を与えてやる」

 

――どんな犠牲を払っても

 

俺は使命を、果たさなければならない。

 

 

 

〜~

 

 

 

「621」

「ぁ・・・・・うぉ、るたー・・・・・どう、した、の?」

 

第四世代強化人間手術の影響による白い髪と紅い瞳の()()

そんな年端もいかない少女を俺は戦場に向かわせている。

 

「・・・・・仕事の時間だ。準備をしろ」

「う、ん」

 

彼女――C4-621は第四世代の強化人間。

親に売られたのか、あるいは攫われたのか。

これまでに何度も強化人間を使い潰してきた俺に、彼女を憐れむ権利は無い。

余計な情を抱く事も、避けるべきだった。

 

【強化人間C4-621 戦闘モード移行】

『うぉる、たー・・・・・準備、できたよ』

「ああ」

 

621は優秀な強化人間だった。

第四世代は不安定だが、その分個()差が大きい。

古い友人に言わせればあたりを引いたと言うやつだろう。

故に、俺は621と短くない時間を共にしてしまった。

ふと気が緩んだ時、彼女を見て娘が居たらこんな感じだったのだろうかと思ってしまう程に。

 

「ブリーフィングを始める」

『ん、ん!』

「・・・・・621、返事は一度で良い」

『ん』

「よし。では改めてブリーフィングを始める」

 

準備は万全とは言い難いが、最低限の要件は満たすことが出来た。

いよいよ、ルビコンへと()()時が来た。

友人との使命を果たす、コーラルを焼き払う時が来た

・・・・・来てしまった。

 

「・・・・・コーラルが絡むと、死人が増える」

 

俺に祈る権利は無いだろうが、621がその死人に含まれない事を祈ろう。

例え、何時か彼女に死んで来いと命令する事になるとしても。

彼女が普通の人生を送る事が出来る様にと。

 

――また1匹、お前のせいで死んだぞ?ハンドラー・ウォルタァ・・・・・

 

 

 

〜〜

 

 

 

「621・・・・・仕事は終わったようだな」

 

これを彼女が聞く時、俺は死んでいるだろう。

 

「お前は自ら選び、俺たちの背負った遺産を清算した・・・・・すまない、そして感謝しよう」

 

彼女ならきっとやり遂げる。

なら、俺もそれに報いるだけだ。

 

「621、お前を縛るものはもう何もない。これからのお前の選択が・・・・・お前自身の可能性を広げることを祈る」

 

俺の総資産と、彼女がこれまで稼いで来た金。

昔の貸しを使い、この録音が再生されればわかるよう名義を変えて星系外に移しておいた。

それは人生を買い戻して余りあるだろう。

どう使うかはあいつの自由だが、倹約家だったあいつなら問題は無いだろう。

少し、無駄を省きすぎないかが心配ではあるが・・・・・。

 

「・・・・・ふ」

 

そうか、俺は・・・・・笑っているのか。

願わくば、この先の彼女の人生が幸せに満ちたものである事を。

 

 

 

「こんな所に隠れていたのですか、駄犬の飼い主」

「・・・・・来たか、V.Ⅱ」

「生意気な。まあ良いでしょう。その口も直ぐに利けなくなる。捕らえなさい」

「「「は!!」」」

 

 

 

〜~

 

 

「・・・・・夢、か」

「目が覚めたかい、ウォルター」

「カーラか・・・・・俺は、どれ程寝ていた?」

「10時間程だね」

「・・・・・疲れが溜まっていた様だな」

「アンタは月面旅行から帰ってきたばかりだ。無理も無いよ」

「ということは・・・・・明日か」

「ああ。明日がビジターが婿を引っ提げてやって来る日だ。楽しみだろう?」

「そう、だな・・・・・V.Ⅰ、か。どんな人物だろうか」

「クズよりは百倍マシだろうね」

「アイツが連れて来るならそれは当たり前だろう」

「ダメ男かも知れないが?」

「・・・・・その場合は俺がそれ相応の対処をしよう(叩き直す)

 

 

 

〜~

 

 

 

「此処が『RaD』か」

「うん」

 

眼の前には奇抜な形の()()()()()が立っている。

敷地面積はアーキバス本社の方が広いだろうが・・・・・。

 

「賑やかな場所だな」

「今日はパーティーだから、何時もより2割増で賑やか」

「これで2割増?大丈夫かそれ」

「ん、『RaD』は変人奇人が多いから通常運転」

「・・・・・そうか」

 

そこら彼処で社員と思わしき人達がコップや食べ物を片手に騒いでいる。

ビルの中から無数のスポットライトの光が差し、ジャンルがバラバラの音楽が爆音で流されている。

 

「うるさいでしょ」

「まぁ、正直に言えばうるさいな」

 

少し速水鉄工の皆を思い浮かべる。

 

「だが、こういうのは嫌いじゃない」

「ふふ、だと思った・・・・・じゃあ、行こ」

「ああ」

 

簪に手を引かれて歩き出す。

 

「おい!!姫が男連れてるぜ!!」

「お?おお!!ついに姫にも春が来たってか!!」

「イケメンじゃねえか!!姫って面喰いだったのかあ」

「あらやだお祝儀用意しなきゃいけないわ!!」

「姉御に知らせろ!!」

「もう知らせたわ!!」

「結婚式だ!!」

「式場作ろうぜ!!」

「もうやってるよ!!」

「ぎゃははははは!!」

「パチパチ弾けて幸せだぜ」

「おい誰だコイツに炭酸渡したやつ」

「お似合いよー姫ー!!」

「ヒューヒュー!!」

「カメラ目線くれー!!」

 

・・・・・。

 

「成程、変人奇人の巣窟か」

「照れる」

「照れる所かそれ?」

 

まあ、俺達も変人奇人の類ではあるが・・・・・。

これをまとめているというシンダー・カーラが度の外れた奇人ではないか心配になってきた。

そうして暫く簪に手を引かれて歩いた。

バーベキュー会場の様な場所や廃材?でキャンプファイヤーをしていると思われる広場――周りで多数が奇行(精一杯のマイルドな表現)を取っていて何か変な儀式的なものかと思ったが、簪ばキャンプファイヤーと言っていたのでキャンプファイヤーで合っている筈だ――を通り抜け、ビル群の一つに入る。

そこでは着崩した作業服姿の女性がスパナを片手に待ち構えていた。

 

「あ、カーラ」

「数日ぶりだね、ビジター。そしてアンタが噂のV.Ⅰか」

 

その女性――いや、女傑は簪を優しげな眼差しで見たあと、見定めるように俺を見た。

変人奇人かは置いておいて、油断ならない相手だと直感する。

俺は即座に緩んだ気持ちを引き締め、V.Ⅰとしての振る舞い方に切り替える。

 

「ああ。V.Ⅰ、速水迅だ」

「ほう。年の割によくやるもんだ。私はシンダー・カーラ。歓迎するよ、V.Ⅰ」

 

ピリピリとひりつく感覚。

威嚇・・・・・とは少し違う。

ふむ、どう対応するか見ているのか。

俺から何かを引き出そうとしている?

 

「ん・・・・・カーラ、サプライズって?」

 

考えていると、簪がそう言った。

・・・・・この雰囲気で?

いやまあ、簪からしたら勝手知ったる我が家のようなものなのだろうが。

 

「はぁ・・・・・全く。風情ってもんが無いね、ビジター」

 

その様子に毒気を抜かれたかのようにシンダー・カーラはため息をつく。

ピリピリとした感覚は無くなっていた。

 

「V.Ⅰ、取り敢えずアンタは仮で合格って事にしておくよ。まぁ、アンタを見定めるのはアイツに譲ろうかね」

 

アイツ?

誰か来るのだろうか。

 

「じゃあ、感動の再会と行こうか」

「再会?誰と?」

「来な、()()()()()

 

少し向こうから、スーツ姿の杖を持った男性が歩いて来た。

その雰囲気や目を見て、俺が先程まで『RaD』に抱いていた変人奇人の巣窟という印象が180°変わる。

鋭さを持った眼光に、老練な兵士を前にした時の感覚。

・・・・・何だろうか、温度差で風邪を引きそうなレベルだ。

 

「・・・・・う、ウォルター?」

 

その名前には聞き覚えがあった。

ソラ・ルビコーネが口にした名前であり、簪が「お父さんみたいな人」と言っていた人物。

・・・・・簪の表情からもう既に亡くなった方なのかと思っていたが、この男性がそうなのか。

 

「・・・・・久しいな、6・・・・・いや、簪か」

「う、うそ・・・・・」

 

どうやら簪も知らなかった様だ。

というかこの状況、色んな意味で俺邪魔じゃないか?

 

 

 







ボツ案

「此処が・・・・・『RaD』?」
「そう」
「結婚式場という垂れ幕が掛かってるが?」
「うん、結婚しよ?」


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