本編後主人公のヒロインと始めるハイスピードメカアクション 作:文才の無い本の虫
だが、私には・・・・・この世界で為すべきことがある
君はどうだ・・・・・戦友・・・・・
「・・・・・速水。アイツ・・・・・・・・・・簪は、学校で・・・・・うまくやれているか?」
面接の様に俺に問うていた眼の前の男性が唐突に言う。
今この『RaD』のビルの中にあるカフェには俺と彼の二人きり。
簪は落ち着くまでシンダー・カーラとお茶会、らしい。
女傑曰く「男どもはカフェで茶でもしばいて待ってな!!」との事だ。
そうして暫くウォルターと話して――ほぼ面接の様なものだったが――分かったのは彼は
「ああ」
「そうか」
面接の様に彼は俺に様々な事を聞いてきた。
「アイツとは・・・・・どんな関係だ」とか、「アイツはちゃんとした飯を食べているか」とか・・・・・簪に直接聞けよとは思ったが。
まあ、それと簪の話を考えるに、彼は『言葉足らずの不器用な父親』といった人物なのだろう。
・・・・・父親というのはよくわからないがな。
「・・・・・」
「・・・・・」
沈黙。
こういう時は何を話せば良いのだろうか。
スネイルから習ったトークスキルはこういう私的な場での想定は無いしなぁ。
気まずい。
「おやおや、辛気臭い面が並んでるじゃないか」
「ん、おまたせ」
そう言って簪とシンダー・カーラがやって来た。
救世主来る、という気分だ。
「V.Ⅰ・・・・・いや、此処ではアンタもビジターか。じゃあ、ビジター2号、これをやるよ」
「これは・・・・・カードキーか?」
「此処での身分証明書みたいなもんさ。ビジターに頼まれてね。失くすんじゃないよ?」
「これで何時でも一緒に来れる」
カードキーを見る。
名義は『ビジター2号』・・・・・雑だな。
「ま、
それだけ言ってシンダー・カーラは去って行った。
隣に座った簪が言う。
「じゃあ・・・・・行こう、迅」
そうして俺と簪はRaDを後にする。
見送りに来てくれたウォルターに簪は言う。
「ウォルター・・・・・またね」
「ああ・・・・・楽しんでこい」
「・・・・・行ったか」
「良かったのかい、ウォルター。ビジターに言わなくて」
「ああ。アイツはもう猟犬では無い。アイツにはアイツの人生がある・・・・・出来る限り、コーラルは俺達だけでどうにかするべきだ。アイツに頼るのは最終手段にしたい」
「ふぅ・・・・・相変わらずだね、アンタは」
〜~
「ようこそ我が家へ!!歓迎するわ!!」
「え、えっと・・・・・不束者ですが、お世話になります?」
「簪、挨拶が可笑しいぞ」
電車を乗り継いで一時間と少し。
俺と簪は町工場のある、小さな町にある俺の実家――香織さんの家に来ていた。
「私は速水香織。貴方が更識簪さんね?簪ちゃんって呼んでいいかしら?」
「あ、はい」
「じゃあよろしくね、簪ちゃん!!」
「むぐっ」
「私、息子も良いけれど娘も欲しかったのよね!!」
簪は香織さんの勢いに目を回してなすがまま状態だ。
香織さんは灰色の髪、簪は白で俺は黒だから可笑しくはない・・・・・か?
うむ。
「香織さん、玄関だぞ此処」
「あ、そうね!!おしゃべりの続きは荷解きとごはんの後にしましょう!!」
相変わらずな香織さんに苦笑する。
「迅、何時もこんな感じなの?」
「香織さんは何時もこんな感じだ」
「えっと・・・・・・・・・・退屈はしなさそう、だね?」
「だろう?」
〜~
「はは!!いい加速だ・・・・・!!」
俺は速水鉄工の空力バカ共が創り上げた追加パッケージ『アルラ』を導入した『アルバ 空力カスタム~殺人的な加速を添えて~』を駆り、あの時の様にデブリの間を駆け抜ける。
だが、あの時と違う事がもう一つ。
「ん・・・・・わかる。この加速、ちょっと癖になるかも。名前はダメダメだけど」
並走する機体――簪が駆る『LOADER4』がいることだ。
正確には俺と同じ様に追加パッケージ『アルラ』を導入した、『LOADER4 空力カスタム~殺人的な加速を添えて~』だが。
簪は何故かその名前を聞いた時に青次を見た時の様な表情をしていた。
まあ、青次が嫌・・・・・距離を置かれるのは何時ものことだが。
・・・・・いい名前だと思うんだがなぁ。
「簪、宇宙はどうだ?」
「最高」
「それは良かった」
少し
「ん・・・・・地球って青いんだね」
「ああ。綺麗なものだろう?コレを簪にも見せたくてな」
ダメ元でも言ってみるものだな。
「その程度なら許可しましょう。勿論データ取り等はしてもらいますが、公になっている人工衛星の周回軌道の更に外側なら文句は言われないでしょうし。序にゴミ掃除もして来てください」との事だ。
ゴミ掃除は――公になっていない人工衛星の破壊及び回収の事だが――スネイルの事だから交渉にでも使うのだろう。
まあ、その後に「・・・・・偶には貴方にも休息は必要でしょう。更識簪と楽しんで来るなり好きにしなさい」と言われたのはお約束というものだ。
「迅」
「ん?」
「ゆっくりしよ」
「そうだな」
それから俺達は他愛も無い話をしたり、見つけた衛星を破壊したりしながら宇宙旅行を満喫した。
主人公
宇宙旅行※を存分に楽しんだ。ネーミングセンスは香織の遺伝(?)である。
かんちゃん
宇宙デートを楽しんだ。でも名前は断固拒否した。
スネイルちゃん
休憩時間に宇宙を見上げていた。主人公が「かんちゃんと宇宙旅行したい(意訳)」と言った為、わざわざ各国や速水鉄工に根回しまでしていたりする。安定のギャップ萌え。
ごす&姉御
月を燃やす為に『火種』を準備中。
※ISは元々宇宙用ですし、『LOADER』に至っては探査用なので生命維持機能は生理現象を抑えられるもの(小説でそんな記述あったような・・・・・あったかな?)みたいな感じで書いてます。
日常パートとかの細かいとこは気にせんといてな!!作者がズボラなだけやから!!
『アルラ』
速水鉄工とアーキバスが共同開発した空戦用パッケージ。このパッケージを導入した機体はラマーガイアーのカスタムウイングを基にした追加のカスタムウイング2基とデチューンしたVOBを装着する事で大気圏突破及び音速での航行を可能とする。
売り文句は『貴方にも殺人的な加速を!!』。
売り文句の通り、デチューンしようとVOBの殺人的な加速力は健在であり、勿論小回りは劣悪である。
この様に使い手を選びすぎるため、極少数の生産に留まっている。『RaD』の頭目とテストパイロットには絶賛されていたらしいが。
ボツ案という名のおまけ
「意訳:娘さんをください」
「・・・・・俺より弱い男に娘はやれん」
ウォルターはおもむろに取り出したトップハットを目深に被る。
その姿は古い紳士の様で。
同時に、鋭く研がれた刃の様でもあった。
「我が友、古狩人ゲールマンに習い・・・・・こう言おう」
そして彼は持っていた杖を剣の様に構えた。
ふとした疑問が浮かぶ。
何故、杖?
なんの変哲もない金属製であろう杖。
彼はその杖を横薙ぎに振るう。
するとガチリ、と何かの仕掛けが噛み合う音がして――――次の瞬間、杖が蛇腹剣の様に伸縮した。
「成程。面白い」
仕掛け武器。
からくり。
アニメや映画に出てくる様な、そう呼ばれる類の物だろう。
「来い・・・・・ウォルターの狩りを知るがいい」