本編後主人公のヒロインと始めるハイスピードメカアクション   作:文才の無い本の虫

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皆さんは最後のORCAと人類種の天敵、どっちが好きですか?
私はセレンさんの台詞が好きなので最後のORCAですかね



第二十三話/濁水

 

 

 

「スネイル・・・・・もう一度言ってくれ」

『今日未明に速水鉄工本社ビルが爆破されました。救助活動は速やかに行われましたが死傷者多数、香織は意識不明です』

 

夏休みの終盤、朝にスネイルから電話が掛かってきた。

 

「病院は何処だ?!」

『今から住所を送ります』

 

最悪の目覚めだった。

 

「ん、迅。乗って。制限速度ギリギリでかっ飛ばす」

 

いつの間にかバイクに乗って家の前で待機していた簪がイケメンだったので少しだけ落ち着けたが。

 

 

 

〜~

 

 

 

そうして簪のバイクで数十分。

受付で名前を書き殴り、エレベーターではなく階段を駆け上って病室に辿り着いた。

 

「香織さんは?!」

「あら迅、早かったわね」

 

扉を開けた先では頭や腕に包帯を巻いた香織さんがけろりとした様子で林檎を食べていた。

・・・・・安堵で涙が出てきた。

 

「香織さん・・・・・無事で良かった」

「もう、泣かないの。私が孫を見る前に死ぬわけないでしょ?」

「うん・・・・・」

 

少し香織さんに頭を撫でられて落ち着いた。

それから暫くして簪とスネイルが入って来た。

 

「香織、無事ですね?」

「スネイル、アンタがヴェスパーを派遣してくれたお陰で助かったわ」

「当然の事をしたまでです」

「そ、アンタらしいわね・・・・・で、状況は?」

「死者5名、重傷12に軽傷が28です」

「・・・・・死んだのは?」

 

スネイルが名前を挙げていく。

知っている人も居れば、知らない人も居た。

・・・・・キツいものがあるな。

 

「・・・・・そう。じゃあ、仇は討たないとね」

「仇?犯人が分かっているのですか?」

「ええ・・・・・迅、心して聞きなさい。身から出た錆なのかはわからないけれど、奴は私達の関係者よ」

 

そうして、香織さんは言った。

 

「犯人は――尾根青次、ウチの警備主任よ」

「は?」

「成程・・・・・警備主任が裏切り者だったと」

「・・・・・」

 

尾根青次。

知り合いを『ご友人』と呼ぶ変人。

 

「青次が、やったのか?」

「ええ。あのクズはご丁寧に私の前で曰ったわ。「ご友人達、私からの贈り物はどうでしたか?!」ってね。それからISに連れられて離脱したわ。確か亡国機業とか言ってたわね」

「・・・・・」

 

成程。

成程。

一体何時から?

最初からか?

なんの理由があって?

 

「迅?」

 

いや、案外奇人――言動を聞くに狂人の奴からすれば全て筋が通った事なのかもしれない。

一周回って冷静になれた。

ビルの爆破が贈り物だというのなら、何か次がある筈だ。

 

「スネイル。何か情報は?」

「・・・・・貴方宛に招待状が来ています。オネスト・ブルートゥなる人物から」

()()()スト・ブルートゥ(青二)・・・・・ははは、しょうもない偽名だ」

 

まあ、どちらでも構わない。

招待状とやらを読む。

 

――ご友人へ

お元気でしょうか?

私は新しく出来た亡国機業というご友人とダンスパーティーを開くのですがご友人も来て頂けませんか?

 

以下意味の分からない(理解したくない)文章が続く。

 

「奴を豚箱に叩き込みたい。力を貸してくれ、スネイル」

「・・・・・・・・・・はぁ。仕方ありません。国際的テログループの亡国機業が絡んでいるならISの使用許可は降りるでしょう」

『ちょいと待ちな』

 

天井のスピーカーから聞き覚えのある声が聞こえた。

病室のモニターに声の主――シンダー・カーラの顔が映し出された。

 

『済まないが話は聞かせてもらったよ』

「え?!カーラ?!」

「シンダー・カーラ?!」

「えっと、誰?」

「シンダー・カーラ・・・・・『RaD』の頭目が何の用ですか?」

『そうカッカしないで欲しいね、スネイル・アーキバス。アンタに頼みがあってね』

「頼みだと?」

 

苛ついたスネイルが問い返す。

すると少し申し訳無さそうに見える表情でシンダー・カーラは言った。

 

『ああ。そのクズを豚箱に叩き込むっていう話、一枚噛ませて欲しくてね・・・・・ブルートゥが生きてるとは思いもしなかったのさ』

「・・・・・追求は止めておきましょう。因縁の相手、と言うことですね?」

『ああ。確実に殺した筈なんだがね・・・・・まあ良い。頼みっていうのはクズを確実に豚箱に叩き込んで欲しいって事だ。戦力としてビジター・・・・・簪を出そう。ブルートゥは根っからのクズだ。呼び出した場所に罠と伏兵は当たり前、ひょっとしたらISが10機居ても可笑しくない』

「ふむ・・・・・戦力は多ければ多い程安心ではあります。良いでしょう。迅、更識簪。ついて来なさい。テロリストの鎮圧に向かいます」

「了解」

「ん」

 

 

 

〜~

 

 

 

「ブリーフィングを始めます。更識簪、貴方にはV.Ⅸのコールサイン及び識別タグを貸与します。光栄に思いなさい」

「えっと・・・・・はい」

「よろしい」

 

戸惑いながらも返事をした簪にスネイルは満足げに頷く。

一時的にとか言っていないのは簪を引き抜けるようにするためだろう。

さすがスネイル。

 

「本作戦はV.Ⅰを囮とした包囲拿捕作戦です。V.Ⅰに意識が集中している間に包囲網を完成させ、一斉に拿捕します。今回は万全を期す為、私も出ます」

 

スネイルは周囲を見回して言う。

 

「ではV.Ⅰ、点呼を」

「了解した、スネイル・・・・・では、V.Ⅱスネイル」

「V.Ⅱ『オープンフェイス』、不備は皆無です」

「V.Ⅲメーテルリンク」

「V.Ⅲ『インフェクション』、問題ありません」

「V.Ⅳメノ・ルー」

「V.Ⅳ『プリミティブライト』、大丈夫です」

「V.Ⅸ更識簪」

「えっと、V.Ⅸ『LOADER4』、行けます」

「よし」

 

息を吸う。

待っていろ、ブルートゥ。

 

「作戦開始だ」

 

 

 







V.Ⅰ
主人公。キレ気味だが一周回って冷静にキレてる。そろそろ第二の分岐点。そこでマシな終わりかORCAかケモノに分岐する。

かんちゃん
ちょっと主人公と連番のコールサインを貰えて嬉しかったりする。クズは殺す。様子のおかしい人も殺す。おっと殺しちゃいけないから豚箱にぶち込むのに協力するの3段活用(誤用)。

尾根青次
オーネスト・ブルートゥ。クズ。クズが自己紹介になるクズ。一周回ってもクズ。それがクズ。

香織
ただの被害者。涙はクズを豚箱にぶち込んだ後に取っておくタイプの女傑。


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