本編後主人公のヒロインと始めるハイスピードメカアクション   作:文才の無い本の虫

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騙して悪いが・・・・・仕事なんでな
主人公とヒロインの旅行には死んでもらおう


第二十五話/Answer

 

 

 

ドヒャア、と独特な音と共に凄まじいGに体が振り回される。

 

「――っ」

 

【EMERGENCY!!】

 

ロックオンアラート。

クイックブーストを吹かす。

数瞬前と同じ独特の音と共に、加速。

()()()()をレーザーが通り過ぎるのを感じながら反撃、反転しAllegory Manipulate Systemを介して思考入力。

――出力制限解除、出力を30%(セーフティ)から75%(コンバット)へ移行

 

【Overed Boost READY】

 

瞬間、視界の端に表示されていた速度計が振り切れる。

俺――『ネクスト』は音速の壁をぶち抜き、レーザー砲台との彼我の距離2000mを数秒で詰める。

 

あ、速すぎて照準補正が間に合わずに通り過ぎるなコレ。

 

――思考入力。

機体制御補助停止。

Allegory Manipulate Systemの深度を4へ(情報量制限を拡張)

続いてAllegory Manipulate Systemを機体制御に直結(リンク)

【迅、直接制御(サービスタイム)は5秒までよ。今の貴方なら体感で一分位になるから充分過ぎるとは思うけどね】

 

瞬間、時間が引き延ばされる様な感覚と共にAllegory Manipulate Systemを通じて感じていた世界が情報量を減らす為にモノクロになる。

 

ターゲットの右側面を抜ける様に機体を微調整し、左腕部に装備されているレーザーブレードを起動。

エネルギー供給開始。

目前に迫ってくる弾丸をクイックブーストで躱し、もう一度クイックブーストをして元のコースに復帰する。

彼我の距離が150mを切った。

レーザーブレードの間合いの中だ。

 

「これで――決める」

 

 

 

〜~

 

 

 

「スネイル」

「お疲れ様です、(V.Ⅰ)。コレを」

「ありがとう」

 

椅子で休憩していた俺はスネイルからアーキバスのマークがプリントされているボトルを受け取り、中身を口に含む。

・・・・・相変わらず不味いなコレ《経口補水液》。

 

「なぁ、スネイル。コレ、もう少し飲みやすくならないのか?正直不味くて気が滅入る」

「それには同意見ですが不要なモノを入れずに飲みやすくするのは難しいのですよ。貴方はかなり汗をかいているので四の五の言わず飲んでください」

「・・・・・次からは市販のスポーツドリンクにしてくれ」

「考えておきます」

 

少し落ち着いた頃にスネイルが切り出した。

 

「それでどうでしたか」

「アレの具合か」

「ええ。実際に動かした貴方の意見を聞きたいのです」

「そうだな・・・・・まず、FCSがダメダメだな。取り敢えずISで使ってた奴をそのまま載せたんだろうが、『ネクスト』の速度に付いてこれてない」

「速度域の違いですか」

「ああ。量産型ISの最高速度が800km/h。対してネクストは出力75%で軽く1000km/hだ。ここまで来ると『アルバ』のPICを全力稼働してもかなりのGがかかる。流石に継続でその速度が出すのは数十秒が限界だ。それ以上はPICの性能が上がらん限りは冗談抜きで死ぬだろうな」

「成程・・・・・」

 

アーマード・コア・ネクストの問題点は多い。

そもそもブラックボックスが解析できないからとISをコアユニット及びコックピットブロックがわりにするという時点で問題があるのだが。

 

「まあ、FCSは先進開発局が作っていた『VE-X00』とか云うやつを載せればどうにかなる。アレはISに載せるには重すぎる上に性能が高過ぎるが、ネクストなら丁度いいだろう?」

「その通りではありますがアレはコストが・・・・・というか何故貴方が技術実証用のアレを知っているのですか?」

「テストパイロットだからだが?」

「・・・・・そう言えばそうでしたね。取り敢えず『ネクスト』には『VE-X00』を載せてみることにしましょう。ペイロードは多めに取ってありますから問題は無いはずです」

 

それからスネイルとアーマード・コア・ネクストの問題点の洗い出しをしていく。

取り敢えずこの実験機――通称プロトネクストで問題点の洗い出しやデータ取りを終えた後にアーキバスの総力を挙げて技術実証機を作るそうだ。

 

「技術実証機の一機目は貴方の専用機になる予定です」

「良いのか?」

「ええ。元々実証機は3機建造する計画でしたので問題はありません。この私が直々に設計するのです。遠慮なく光栄に思いなさい」

「クク・・・・・そうだな。光栄に思うとしよう」

 

それはそうとして、使う機会が無い方が良いがな。

 

 

〜~

 

 

亡国機業が犯行声明を出してから数ヶ月が経った。

俺は平日はIS学園で過ごし、休みはアーキバスの実験場で『ネクスト』を動かすという日々を送っていた。

学園では(俺と簪の周りでは)大きな事件もなく、文化祭なども無事に終える事ができた。

特に簪の和服は素晴らしかった。

まあ、それはさて置き。

 

「・・・・・鈍器か?」

「仕様書です」

 

俺は眼の前に()()()()()()()辞書のようなものをパラパラと捲っている。

 

「コレは?」

「操作マニュアルの上巻です」

「下巻もこの分厚さか・・・・・」

「隊長・・・・・中巻もあります」

「・・・・・」

 

思わず天を仰ぐ。

少なくとも辞書3冊か・・・・・。

 

「スネイル、幾つ複雑な機能をつけたらこの分厚さになるんだ?」

「三十個程です。新技術等に関しては・・・・・百を下らないでしょう。この仕様書と操作マニュアル上中下巻は私と技術者総出でまとめたものです。仕様書は流しても良いですが、万全を期す為にも操作マニュアルに関しては余すことなく叩き込む様に」

「・・・・・了解した」

 

少なくとも1週間は勉強漬けだな。

 

「スネイル、聞いておきたいことがある」

「なんですか?」

「名前だ」

 

ガラスの向こう、ハンガー内に佇む()()()()()()()

アーマード・コア・ネクスト、その技術実証機であり――スネイル曰く、一つの答え(Answer)

 

「では、拝聴しなさい。V.Ⅰ。貴方の新しい翼、その名も――」

 

()()()()()()()()()()()()()スネイルがふんぞり返りながら言った。

 

「――ホワイト(White)グリント(Glint)

 

 

 

 

 







『ホワイト・グリント』

アーキバスが総力を挙げて開発、建造した3機のアーマード・コア・ネクストの1機。特徴的な青い複眼の白い巨人。スネイルちゃんが導き出した一つの答えでもある。

見た目は勿論分かる人はタイトルでコレ出るかもーと思うであろうソレ。但し、性能とか諸々は空力馬鹿やアーキバスが開発した新技術山盛りな上にデカくしたISという側面もあるため白栗と黒栗を足して割らない位の劇物。そりゃあマニュアルも上中下の辞書にもなるわな。


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