本編後主人公のヒロインと始めるハイスピードメカアクション   作:文才の無い本の虫

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お約束だよね


第二十七話/再起動

 

 

 

「スロースロー・・・・・クイッククイック、スロー・・・・・おや、ご友人が困っている・・・・・不憫だ」

「うわぁ・・・・・きも」

「さあ、パーティー会場に向かいましょう、ご友人」

「話通じないし、束さんは毎回お前のご友人じゃねえって言ってるよね?!」

 

 

 

〜~

 

 

 

「エア・・・・・!!」

《レイヴン・・・・・!!》

 

誰かが闘っている。

紅い天使と、黒い靄がかかったナニカが。

 

「んっ!!」

《くっ・・・・・貴女は強く、そして危険です。私も、本気でお相手します!!》

 

黒いナニカが鳥のように舞い、紅い天使へと肉薄する。

あれは、パイルバンカーだろうか。

その杭が、紅い壁に逸らされた。

 

「当たらない?!コーラルシールド?!」

《私は、この世界のコーラルそのもの。盾にする同胞には申し訳ありませんが、貴女を倒せるならば無駄にはなりません!!》

 

それらのやけに遠くに聞こえる。

揺蕩う様な気分だ。

 

【▓!!目を▓▓▓て!!】

 

ああ、()()()()

 

【バイタルが下がり続けてる・・・・・ISの生▓▓持機能じゃ足りな▓っていうの?】

 

俺は・・・・・俺?

「俺」って何だったろうか?

 

【何か・・・・・外▓からの▓▓があれば】

 

ああ・・・・・頭が痛い。

 

 

 

【ハハハ!!ちょーっとお手伝いをね?】

 

 

 

〜~

 

 

 

「?!」

 

アラームが鳴る前にクイックブースト(横移動)を吹かす。

次の瞬間、眼の前を青白い光が通り過ぎて、エアに当たった。

 

《攻撃?!何処から》

【あーあーもすもすひねもす?聞こえてるかな?博士から君達に、プレゼントがあってね。これはそのオマケってやつさ】

 

何がどうなってる?

この声は前のトーナメントで襲撃して来た無人機の?

うん?

高速接近反応。

このシグナル、何処かで見た気が・・・・・。

 

 

『お久しぶりです、ご友人♡』

 

 

・・・・・・・・・・かえる。

 

 

『さあ!!踊りましょう!!』

 

『ジェネレータの甘美な調べ・・・・・新しいご友人に頂いたミルクトゥースも喜んでいる!!』

 

『スロースロー、クイッククイック、スロー・・・・・素敵なステップです、ご友人!!』

 

 

たすけて、じん。

 

 

 

〜~

 

 

《くっ・・・・・こうなっては仕方ありません。オールマインド、アレをやります。コレはもう持ちません》

「オールマインド?!一体何を?!」

『サプライズをしていただけるのですね?素敵だ・・・・・』

 

戦闘開始から十分。

()()()攻撃のターゲットが私から逸れるという事が多発して攻めやすくなったから、思ったよりも早く削ることができた。

 

そうして、紅い機体が膝を付き、そこからコーラルが抜けていく。

 

《レイヴン・・・・・文字通り、私の全てを以って貴女を殺します!!》

『美しいコーラルの本流、まるで可憐な薔薇のようだ・・・・・心が躍ります』

 

抜けたコーラルが人型を取る。

コーラルの怪獣みたい。

 

「ん・・・・・なら燃やすだけ!!」

 

オーバードブーストで距離を詰め――衝撃。

 

「がっ?!」

 

何が起きた?

視界の端に流れる情報から攻撃を受けたのだと理解る。

身体中が痛い。

一気に削られた。

 

《コーラルは情報導体特性を持つ粒子です。それを集めて身体とした私は()()()()()()()()()。神経伝達に最短でも0,1秒掛かる人間の貴女では私に追い付くことは不可能です》

「ん・・・・・やってみないとわからない」

 

無理矢理立ち上がる。

自己診断プログラムを走らせて『LOADER4』の状況を確認する。

損傷率48%・・・・・まだ行ける。

 

『傷付き、それでも尚折れない高潔さ・・・・・思わず胸が高鳴ってしまいます♡』

《ならば・・・・・レイヴン!!決着を!!》

 

勘でエアの突進を躱す。

彼女の癖は憶えてる。

それに、考えると同時に動くなら私が躱せた事に説明が付かない。

追い付いてないなら。

 

「こ、こ!!」

 

次にエアが攻撃するであろう瞬間に合わせてパイルバンカー。

 

《な?!》

 

エアが体の一部を散らしながら吹き飛ぶ。

 

「やっぱり・・・・・エア、その速度に追い付いてない、ね」

『あ、あ・・・・・また、贈り物をくれるのですね・・・・・素敵、だぁ・・・・・・・・・・』

《なら、どうしたと言うのです?貴女は瀕死ですが、私は無傷と言って良い》

「エアが、慣れる前に――殺す」

 

そこからはドッグファイトじみた闘いになった。

エアを追い掛けながら突進を躱し、合間にパイルバンカーを決める。

確実に削れてる。

だけど、意識が朦朧として来た。

多分、コーラルを浴びすぎたんだろうと思う。

本来そういったものから守ってくれるはずのモノ(機能)は最初の突進で壊れてしまっている。

 

・・・・・時間との勝負。

 

いや、もう無理かもしれない。

ISにリペアキットは無いから、仕切り直しは出来ないし、今の私は()()()()()()()

強化人間だったら、確実にとは言わないけど勝てたと思う。

だけど今の私はコーラルの中毒症状で1分・・・・・いや、30秒で動けなくなる。

そしたら、死ぬ。

死んだら次なんてない。

 

「・・・・・まだ、やりたい事・・・・・いっぱい、あったのになぁ」

 

迅とゴロゴロしたり、二人で出かけたり、些細なことで笑い合ったりして・・・・・そっか、そういうのが“普通の生活”って言うんだ。

あぁ・・・・・・・・・・死にたくないなあ。

 

《これで最後です、レイヴン!!》

 

紅い光が視界を埋め尽くす。

妙にゆっくり感じた。

これが走馬灯って言うのかな?

 

 

 

「させるか!!」

 

やけにはっきりと――声が、聞こえた。

 

《再起動?!・・・・・そんな、有り得ない!!致死量のコーラルを浴びて、心肺も停止していた筈です!!》

 

気付けば、私は白いISに抱えられていた。

隅から隅まで真っ白な、青い複眼のIS。

キラキラと舞う緑がかった粒子が相まって幻想的にすら見える。

 

だけど、そんな事どうでも良かった。

 

「――遅くなったな、簪」

「ばか、遅いよ」

「すまん。帰ったら幾らでも叱責は受けるし、埋め合わせもする。だから、少し待っててくれ。終わらせてくる」

 

迅が、帰ってきたから。

 

 

 

 

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