本編後主人公のヒロインと始めるハイスピードメカアクション   作:文才の無い本の虫

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スネイルちゃんは・・・・・ヒロインだった・・・・・??(無計画)


第二話/得たもの

 

 

 

「反応が遅いんですよ!!」

「がっ・・・・・」

 

スネイルのIS、『オープンフェイス』に蹴飛ばされて地面を転がる。

視界の端に映るステータスウィンドウが機体の状況を羅列する。

 

「まだ試合は始まったばかりです。そんな実力でアーキバスに名を連ねられると思わない事です」

「わかって、いるッ」

「ふむ・・・・・まだ折れないとは。評価を修正する必要がありそうです」

 

己の乗機である『ナハトライアー』に神経を走らせながら無理矢理立ち上がる。

アーキバスのテストパイロットになってから、ちょうど一ヶ月。

本社地下で寝泊まりし、起きているうちはスネイルとの訓練、訓練、気絶するように休憩、蹴り起こされて訓練・・・・・。

この一ヶ月の間にあった出来事は筆舌に尽くしがたい。

まあ、最近はスネイルの罵倒も聞き慣れ、ISの操作にも慣れてきていた。

むしろ、訓練が、戦いが楽しく感じていた。

というか娯楽がそれしか無い。

 

「ふぅ・・・・・行くぞ!!スネイル!!」

「来なさい!!駄犬!!」

 

ニードルガンを両手に構え、スネイルの駆る『オープンフェイス』の側面へと回り込む様に移動しながら距離を詰める。

小刻みにステップやジャンプを使って相手のFCSを騙し、スタンニードルランチャー等の大技はブースターを瞬間的に吹かして回避する。

 

「駄犬がコレほど見違えるとは・・・・・師が良かったのでしょう!!」

「その通りだ、スネイル!!」

 

俺の『ナハトライアー』のシールドエネルギーは残り220。

対する『オープンフェイス』のシールドエネルギーは460。

元が700だったと考えると随分健闘している方だと思う。

逆転するにはスネイルがエネルギーランスで突撃してきた瞬間にそれを躱して、此方の近接武器であるレーザーブレードを当てるしか無い。

 

「どうせ隙をついてレーザーブレードを当てようなどと考えているのでしょうが・・・・・出来るものならやって見せなさい!!」

 

スネイルが『オープンフェイス』の左腕部に装備されているレーザーランスを起動する。

レーザーランスの突撃は素早く、当たればシールドエネルギーが200は飛ぶ。

そう、200は。

 

「勝ちを拾わせてもらうぞ、スネイル!!」

「何?!レーザーランスをわざと?!」

「レーザーブレード、最大出力!!」

 

レーザーブレードをチャージしながら右腕を犠牲にして、レーザーランスを止める。

シールドエネルギー、残り20。

狙うのは、背部のプラズマミサイルとスタンニードルランチャー。

タイミングをミスれば俺が負ける。

 

「まさか!!」

「コレで決める!!」

 

チャージによって通常時よりも伸びたレーザーブレードの連撃によって『オープンフェイス』とその背部にあるプラズマミサイルとスタンニードルランチャーを両断する。

 

「お返しだ、スネイル」

 

俺は『オープンフェイス』を蹴って後ろに飛ぶ(墜落する)

次の瞬間、『オープンフェイス』は誘爆したプラズマミサイルとスタンニードルランチャーの爆発に包まれた。

落下しながら、視界の端を見る。

 

【オープンフェイス、シールドエネルギーエンプティ】

【WINNER ナハトライアー】

 

「ははっ」

 

そうして俺は意識を失った。

 

 

 

〜~

 

 

 

「・・・・・――なさい」

 

声が聞こえる。

何だか寝心地が良いんだ。

もう少し寝させてくれ。

 

起きなさい、駄犬

「・・・・・殺気をぶつけるのは止めてくれ、スネイル」

「やっと起きましたか」

 

目を開けるとスネイルが紫の瞳で覗き込んでいた。

勿論間にあるもの()は意識の外に追いやる。

少し落ち着いてスネイルの表情を見ると、心做しかホッとした様に感じる。

ん?

背中に感じるのは硬いアリーナの地面だが、後頭部は柔らかい・・・・・この姿勢はまさか。

 

「スネイル・・・・・この姿勢は」

「ようやく気が付きましたか。この私の膝枕を堪能できる事を光栄に思いなさい」

「・・・・・ああ」

 

スネイルの表情を見て、気が抜けた返事をしてしまう。

彼女の表情は、思わず見惚れてしまう様な微笑だったのだから。

コレがギャップ萌え、と言うやつか・・・・・疲れてるのかな、俺。

うん、疲れてたな。

 

「この私から紛れとは言え、勝ちをもぎ取ったのです。もう駄犬とは呼べませんね。取り敢えず訓練中に私の名前を呼び捨てにしたのは不問にしましょう」

 

それから、と上機嫌そうにスネイルは続けた。

 

「貴方に私の名前を呼び捨てる事を許しましょう」

「・・・・・妙に寛大だな、スネイル」

「ええ。貴方はそれだけの価値を私に示したのですよ」

「それは・・・・・光栄だな」

 

感動でそれしか言葉が出てこない。

思い出せばスネイルが組んだ訓練には俺を折ろうとするメニューが多かった。

反骨心でどうにか食らいついていたわけだが・・・・・。

そうか、俺は価値を示す事が出来たのか。

 

誇りなさい、ジン。貴方はたったの一月で私がアーキバスに名を連ねるに相応しいと認める男に成長したのです

 

彼女はそう言い切った。

きっと俺は、生涯この言葉を忘れないだろうと、そう思った。

 

「・・・・・師が、優秀だったんだ」

「ええ、その通りです。私を崇め奉りなさい。それと、IS学園の入学まではあと一ヶ月はあります。貴方の実績作りに専用機の用意・・・・・仕事は山積みです」

 

 

 

〜~

 

 

 

は?

 

私の専用機の開発が無期限凍結になった。

理由は男性操縦者が現れたから。

分かったことは専用機の開発元であった倉持技研は契約を反故にする企業だったと言うこと。

 

「・・・・・どうしよう」

 

私は戦うことやエアから習ったハッキングはできてもウォルターみたいに交渉する事や、カーラみたいに機体を作ることなんて出来ない。

ん?

気晴らしにネットサーフィンをしていると見覚えのあるロゴが画面を過った。

 

「これ・・・・・Rad?」

 

ホームページにアクセスする。

代表は・・・・・シンダー・カーラ。

その文字を見た時、私は携帯電話にホームページに記載されていた電話番号を打ち込んでいた。

 

「・・・・・もしもし」

 

他人の空似かもしれない。

だけど・・・・・。

 

『やあ、ビジター。久し振りだね』

「あ・・・・・カーラ」

『どうやら困っているようじゃないか。助けが必要かい?』

「う・・・・・うん!!」

『じゃあ本社に来な!!あんたを歓迎するよ!!』

 

私は、心強い協力者を得た。

 

「こうして顔を合わせるのは久し振りだね、ビジター」

「カーラ、カーラぁー!!うわああん!!」

「おやおや、見ない内に随分と涙もろくなったみたいだね・・・・・」

「・・・・・ぐすっ」

「笑いな、ビジター。アンタには笑顔が一番だ。ウォルターもきっとそう思っている筈さ」

 

私の事を撫でてくれたカーラの手は、温かかった。

 

 

 







『オープンフェイス』
アーキバスグループの開発した第二世代技術検証用IS。スネイル・アーキバスの乗機。耐久性と安定性に優れており、どの様な状況でも安定した運用を可能とすることを目的として開発された。技術検証用の為、耐久性と安定性以外は度外視しており、特に機動性は劣悪である。
スネイルは近~中距離戦を得意としており、近接武器はエネルギーランスとスタンガン、中距離はプラズマミサイルと速水鉄工から技術提供を受けて開発したスタンニードルランチャーを主兵装とする。

『ナハトライアー』
速水鉄工がアーキバスグループの技術提供を受けて開発した第二世代IS。和名は夜烏。速水鉄工の製鉄技術により軽さと剛性を両立しており、第二世代ISではトップクラスの機動性を誇る。反面、燃費の悪さと技術的問題から十数機ほどの少数生産に留まっており、ユーザーは少ない。


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