本編後主人公のヒロインと始めるハイスピードメカアクション   作:文才の無い本の虫

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主人公「そういう動きもあったのか・・・・・面白い」
ヴェスパー部隊員「「「きゅぅ・・・・・」」」
スネイルちゃん「(・・・・・ある程度戦闘能力を引き上げる為に()()()()()()はしましたが・・・・・まさかここまでになってしまうとは・・・・・ま、まあ想定内です)」

※主人公が受けたのはハートマン式よりは多少人道的な教育だよ!!


第四話/IS学園へ

 

 

 

 

『ははは!!良いぞ、『ラマーガイアー』!!もっと、もっとだ!!』

 

異形の、ISにしては細身過ぎる四脚の機体がデブリの間を縫うように進んでいく。

ラスティの様な鋭さと、フロイトの様な血の滲む努力を感じさせる機動。

初めて見たときは思わず見惚れた。

粗削りで、私よりも()()()()()動きだけど・・・・・可能性を感じさせる動き。

 

「ビジター、またソレかい?」

「うん」

 

もし彼が経験を積んだら、私を超えるかもしれないとさえ思う。

だからこそ見惚れる。

私ももっと上を目指せる筈だと言われているようで。

戦いは嫌いだけど、競い合いは嫌いじゃない。

 

「ふふ・・・・・ちょっと、やる気出てきたんだ」

「そりゃあ良かった・・・・・だけど、今のアンタをウォルターが見ていたら思わず杖をへし折っちまうかもしれないね。いや、泣くか」

「?」

 

カーラが言っていることはよくわからなかったけど、IS学園に行くのが少し楽しみになった。

 

 

 

〜~

 

 

 

「おはようございます!!V.Ⅰ!!」

「あ、おはようございます隊長」

「V.Ⅰ、おはようございます」

「ああ、おはよう」

 

すれ違う社員達に挨拶を返しながら見慣れたアーキバス本社ビルの中を歩いて行く。

俺がもう一人のイレギュラー(セカンドマン)になってから四ヶ月が過ぎようとしている。

今日の午後にはIS学園に行って諸々の手続きを済ませてそのまま入寮する予定になっている。

当分見納めになると考えるとこの廊下も感慨深く感じる。

この呼び出しも、それに関連したものだろう。

そんな事を考えながら専用のエレベーターに乗り込み最上階へと上がる。

エレベーターから出て真っ直ぐ歩き、正面の古めかしい扉をノックする。

 

「入りなさい」

 

入室の許可を得たので扉を開き、中に入る。

外が一望できる大部屋の中心には二つのデスクがある。

この部屋の主――スネイルはそのデスクの片方に座っていた。

 

「来たぞスネイル」

「遅い。呼ばれたら2分以内に来なさい」

「申し訳無い。今朝はヴェスパーの朝練に顔を出していてな。着替えてから来たんだ。汗臭い状態でスネイルに会いに行く訳にはいかないだろう?」

「ふむ・・・・・仕方ありませんね。身嗜みに気を遣うのは良い姿勢です。次からはもっと早く着替えなさい」

「了解した。努力はしよう」

 

この部屋まで来るのに1分掛かるから・・・・・次からはシャワー、スキンケア、ネイルケアを1分で済ませれば良いのか。

・・・・・最低限数分は時間をかけて丁寧にケアしろと言ったのはお前なんだがな。

無茶振りが過ぎるぞスネイル。

 

「さて、本題に入りましょう。V.Ⅰ、貴方には予定通りIS学園に通ってもらいます。目的は貴方の箔付けとコネクション作り、そしてISの各種データ収集です。IS学園はカビの生えた前時代的な思想の元運営されていますが・・・・・データ収集をする場所としては優秀です」

「成程。俺はIS学園で『ラマーガイアー』を動かしつつ送られてくるであろう機材等のデータ収集をすれば良いわけだな?」

「ええ、その通りです。寮に関しては無理でしたが、向こうには専用のアリーナを建設させておきました。向こうに行ったら有効に活用しなさい」

「ほう・・・・・それは楽しみだな」

 

専用のアリーナか。

空き時間はひたすら訓練や戦闘に明け暮れる事が出来るということか。

心が踊るな。

 

「はぁ。私にも非はありますが・・・・・V.Ⅰ、戦闘狂も程々にしなさい」

「む、済まない」

「ですが、機体の稼働時間が増えるのは私達としても喜ばしい事。体調に気を付けるならば好きにすると良いでしょう」

「本当か?!」

「ええ。二言はありません。但し、日に一回は定期報告として私に電話をする事。良いですね?」

「ああ。了解した」

 

「それと、心配は無いと思いますがハニートラップに引っかかるような無様を晒すことは許されません」

「ふむ・・・・・スネイル」

「なんですか」

「心配してくれてありがとう」

 

そう言うとスネイルは数回瞬きをして、黙った。

当たっていたようだ。

相変わらず素直じゃないな。

香織さんの言っていた「悪い奴じゃない」と言うのがよく分かる。

 

「じゃあ、行ってくる」

 

ひらひらと手を振って部屋を出る。

すると背中に言葉が投げ掛けられた。

 

「全く・・・・・行って来なさい。迅」

 

やっぱり、素直じゃないな。

まあ、そういう所が良いんだが。

 

それから荷物を持ってビルを下りると、ロビーに見慣れた顔ぶれが揃っていた。

 

「隊長、向こうでも健康にお気を付けて」

「V.Ⅰ・・・・・若い女にうつつを抜かし過ぎないように」

「V.Ⅰ、頑張ってくださいね!!あと私達の事は忘れないでくださいね?!」

「いや仲間の事は忘れないが。というか今生の別れでも何でも無いぞ??」

 

個性的なヴェスパーの部下達。

 

「データ収集の件、宜しく頼みました」

「V.Ⅰ、面白い武装を送りますから期待していて下さい」

「ああ。期待しておく」

 

アーキバスを支えている研究員達。

 

「若、達者で!!」

「儂らは心配いらんからのー」

「ご友人・・・・・将来設計が崩れるとは。不憫だ・・・・・」

「何でいるんだお前??」

 

賑やかな速水鉄工の皆。

 

「空力の申し子よ。もっと高く飛べるようになって戻って来る事を願っているよ」

「なあ、やっぱり腕部を主翼にしないか?」

「・・・・・迅くん、この変態共は私が抑えておく。今の内に行きなさい。応援しているよ」

「ありがとう、ジョシュアさん。今度何処かに食事に行きましょう」

 

それと空力バカ達と苦労人(ジョシュアさん)

そして、俺の育ての親である香織さんが居た。

 

「久し振りね、迅。見ない内に随分と男前になったわ・・・・・スネイルの奴、上手くやったわね」

 

香織さんは真剣な表情で言う。

 

「迅、気を付けるのよ。IS学園は女権(アホ共)もわんさか居るから、確実に変な言い掛かりをつけられることがあると思うけど相手にしちゃ駄目よ。その為にスネイルが用意した身分なんだから存分に使いなさい」

「ああ、わかってる」

「あと言わなくても大丈夫だと思うけど『ラマーガイアー』と仲良くするのよ?」

「はは。当たり前だ」

「それと!!何時でも帰ってきていいんだからね?」

 

何時もの様に背伸びして香織さんは俺の頭を撫ぜる。

少し、涙が出そうだ。

 

「じゃ、行って来なさい!!」

「ああ。行ってきます、香織さん(母さん)

 

・・・・・素直じゃないな、俺も。

 

「あ、あと恋人が出来たら連れて来なさい。スネイルと私で圧迫面接するから」

「台無しだよ香織さん」

 

 

 







主人公
スネイルに好意的なバトルジャンキー。元々娯楽をあまり嗜まなかった反動で一気にのめり込んだ模様。アーキバス本社ビルで生活していた為、知り合いが多い。疲れているのかスネイルにギャップ萌えを感じることがある。

スネイルちゃん
素直じゃない(素直になれない)社長。素直になった時の破壊力は推して知るべし。社内では密かに「社長ってあのギャップが良いよね・・・・・」言われていたりする。嫌われてそうで嫌われていない人。

かんちゃん
どんな表情かは想像にお任せします。

アーキバス
本社ビルはIS用のアリーナ、トレーニングルート、社員寮、社員食堂完備。でも残業代は出ない。

ヴェスパー部隊
アーキバス専属IS部隊。V.Ⅱのスネイルは副隊長だが同時に隊長と同等の命令権を持つ変則的な司令系統を持つ。今のところ主人公とスネイルを含めて5名しか居ない(ISの総数を考えると「5名も」一企業が専属にしていると捉えることも出来る)。


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