本編後主人公のヒロインと始めるハイスピードメカアクション   作:文才の無い本の虫

9 / 33
スネイルちゃんが大暴れするだけのお話


第七話/入学

 

 

 

朝。

俺は簪と一緒にクラス分けを確認して教室に向かう。

俺と簪のクラスは4組。

同じクラスだ。

 

「良かった・・・・・一緒のクラスだね、迅」

「ああ。学校でもよろしく頼む」

「・・・・・・・・・・お願いするのは私かも」

「うん?どうしたんだ?」

 

気不味そうな簪に首を傾げる。

 

「私・・・・・勉強、苦手」

「ふむ・・・・・成程」

「迅は・・・・・勉強、できる・・・・・?」

「俺はスネイルにあらかた叩き込まれたから少なくとも1年の範囲は完璧だな」

 

少し遠い目になる。

アレは正しくデスマーチだった。

空き時間は全て詰め込み作業。

復習で完璧にし、完璧でないなら1からやり直し。

あの時のスネイルは正しく鬼教官だった。

 

「迅・・・・・料理とか、色々頼んでるけど・・・・・勉強、教えて下さい・・・・・」

「良いぞ。俺の復習にもなるからな」

「ありがとう・・・・・っ」

「・・・・・そんなにか?」

うん

 

何と言うか・・・・・簪は戦うこと以外を何処かに置いてきてしまったかの様だ。

一体彼女はどんな人生を歩んできたのだろうか?

そうして居ると始業のチャイムが鳴った。

廊下から規則正しい足音が聞こえる。

・・・・・ん?聞き覚えがあるな?

ガラガラと音を立てて扉が開かれた。

 

「わぁ・・・・・綺麗な人」

「あれ?あんな人パンフレットに載ってたかな?」

「新任なのかもよ」

 

見慣れた腰まである銀のストレートヘアーの美女。

その紫の瞳が威圧する様に教室を見回した。

 

「静粛に。SHRを始めます」

 

今まで騒がしかった教室が静まる。

 

「まずは入学おめでとうございます、と言っておきましょう。私が1年4組を担当するスネイル・アーキバスです」

 

何をやってるんだスネイル????

 

「そして此方が副担任のメーテルリンク・フラジール」

「ヴェs・・・・・こほん。副担任のメーテルリンクです。皆さん、よろしくお願いします」

 

スネイルに続いてやって来たのはこれまた見覚えのある女性。

V.Ⅲメーテルリンク。

簡単に言うと真面目で気配りの出来る女性。

ヴェスパー部隊では随一の人格者と言って良い。

ただ、。

多分今回もスネイルに引っ張られて来たのだろう。

 

「(アーキバスって・・・・・迅の知り合い?)」

「(・・・・・俺の上司と部下だ)」

「(へ?)」

 

 

 

〜~

 

 

 

「静粛に。先ずはクラス委員を決めます。自薦他薦構いません。出来れば専用機持ちか気概がある者が良いですが・・・・・少なくとも二名決めなさい」

 

スネイルがそう言うとクラスは直ぐに騒がしくなった。

 

「はい!!速水君が良いと思いまーす!!」

「私もそう思う!!」

「更識さんでも良いと思います!!」

「速水君って彼女居るのかな?」

「スイーツパスの為に頑張ってもらいたいものだねー」

 

等々。

関係の無い雑談も混ざり始める。

流石にスネイルが止めようと「静粛に」と言うが、女史特有の姦しさによって掻き消さ入れる。

俺は、スネイルの額に青筋が立つのを幻視した。

 

「・・・・・はぁ。この私が静粛にしろと言っているんだ。指示が聞こえなかったのか寄せ集めの愚図共が

 

静かな怒声か響き、教室の空気が凍った様に静かになった。

 

「スネイル閣下?!流石に」

「黙りなさい、V.Ⅲ」

「はっ!!」

 

スネイルは教卓にドンッとペンを突き刺し(ブッ刺し)、乱雑に髪をかき上げて言う。

その教卓、鉄製なんだが??

 

「貴女方が自らの価値を下げるのは良いでしょう。苦心して入学し、浮かれているという点も情状酌量に値しなくも無い。周囲に同調し、騒ぎ立てたのも・・・・・まあいいでしょう

 

――だが、貴様らは少数の浮かれていない人間達の価値を貶めた」

 

スネイルは髪をかき上げた際にズレた眼鏡を押し上げる。

あ、少し冷静になったなと俺はガタガタ震えている簪を落ち着かせながら思った。

 

「私はこのクラスの担任として、貴方方を教導する義務がある。カビの生えた前時代的な運営をされていようと、教育機関として名高いIS学園。生徒の質も高く、アーキバスである私の仕事は最低限で済むだろうと高を括っていました・・・・・ですが、私が間違っていた。少数はまともなのが居ますが、他は論外です」

 

ギロリと教室を見回す。

うん、視線だけで人が殺せそうだ。

証拠に簪が幼児退行してるしな。

 

「(じ、じん・・・・・こ、こわい・・・・・たすけて、うぉるたぁ・・・・・)」

「(安心しろ、簪。スネイルは俺達に対して怒っているわけじゃ無い)」

「(隊長、トラブルですか?)」

「(メーテルリンク。彼女がスネイルの気迫にやられてしまってな)」

「(成程・・・・・私も初めて叱責された時は死を覚悟しました)」

「(ああ・・・・・)」

「(うぉるたあぁー・・・・・うぅ)」

 

取り敢えずプライベートチャンネル経由でスネイルから連絡は来ているので静観させてもらおう。

あ、簪がぐずり出した。

 

「よって、この私が直々に貴女達を教育して差し上げましょう。この私の教育を受けられる事を光栄に思いなさい」

「(ああ、何時ものだな)」

「(そうですね・・・・・)」

 

俺とメーテルリンクは簪を介抱しながら、何時ものスネイル節に遠い目をした。

大丈夫だろうか、これ。

 

 

 

〜~

 

 

 

あの後、すんなりとクラス委員も決定し、初日という事で流れ解散となった。

が、一つ問題が残っていた。

それは・・・・・

 

「簪、飯だぞ?そろそら出て来たらどうだ?」

「・・・・・まだ、恥ずかしいから・・・・・無理」

 

この布団に包まって出て来ない簪だ。

スネイルに怯えて行く所まで言ったのだが・・・・・先程正気に戻り、この有り様と言うわけだ。

 

「そんなにか?」

「うん・・・・・恥ずかしくて死ぬ」

「そんなにか・・・・・」

「・・・・・もうお嫁に行けない

 

・・・・・そんなにか。

結局、抹茶のカップケーキを作ったら出てきてくれたのだった。

 

 

 

 







主人公
香織仕込のスーパー主夫。大体なんでもできる(様に教育された)。追加でスネイルに教養等も叩き込まれたので尖ってはいないがこれと言った欠点が無いタイプ。唯一の弱点はバトルジャンキーな事か。

かんちゃん
数年間昏睡していた為、勉強はからっきしである。ごすやエア、カーラに習ったことは一発で覚えているので地頭と戦闘IQは高いのだが・・・・・小中学校の抜けは痛い。あと生活能力も死んでいる。そんな所まで第四世代強化人間(戦闘に必要な機能以外死んでいる)しなくて良いのに・・・・・。

スネイルちゃん
ちょっと前からIS学園の教師になる為に交渉していた。扱いとしては出張。後で教卓はポケットマネーで弁償した。

メーテルリンク先生
シュナイダー腕の印象から苗字はフラジールに。当分ヴェスパー部隊は主人公とスネイル以外にこの子しか出てこないと思われる。因みに第四話/IS学園へで「隊長、向こうでも健康にお気を付けて」と一番まともな事を言っていたのがメーテルリンクである。



『ラマーガイアー』
イメージ:
【挿絵表示】

速水鉄工(シュナイダー+エルカノ)がアーキバスグループの技術提供を受けて開発した第三世代IS。『ナハトライアー』よりは小回りが効きづらくなったが、直線での速度は他の追随を許さない。全体的には第三世代ではなく第二世代IS。実は四脚の後ろ二つはカスタムウィングであり、空力の為に計算され尽くした装甲形状(そういう事になっている)や頭部の隻眼に見えるセンサー類の配置など、かなり変た・・・・・奇抜な構造をしている。でも主人公(と作者)はこの奇抜さが気に入っている。










カーラ
ったく・・・・・行ってやったらどうだい?

ごす
・・・・・。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。