ゴールドラッシュ 作:switch2外れた
襲撃者が女ばっかになってるので後々変えるかもしれません。
あとポケモン詳しくない方も意外と読んでるっぽいので注釈増やした方がいいとかあればお気軽にどうぞ。
※ご指摘により同一人物の発言を複数の「」で区切っていた点を修正(05/28)
ほとんどのポケモンに、天候を変えるほどの力はない。
天候操作と称される特性や技は、しかしその実、バトルフィールドにその影響を留める。ゲームでもそれは同じだ。ゆえにフィールドマップの天気を、技や特性で書き換えることはできない。
吹雪の中に雨は降らないし、砂嵐の中に日は差さない。ポケモンも所詮生物だ。周辺一帯の環境を変えるような力はない。普通ならば。
だからこそ、地方一帯の天気を変えた、ルネシティの怪物は
だからこそ、周辺一帯に雨を降らせる、尋常ならざるニョロトノを連れた傭兵は、それだけで通り名を得た。
▽▽▽
有力な傭兵──特に通り名を持つような連中──は、その知名度ゆえに手口も知れている。
例えば
ゆえにその対策も単純だ。
「シロデスナ」
呟けば、地面を伝って移動した砂の波が目前に立ち塞がった。易々と壊れない遮蔽物を立てる。単純な対策。
砕け散ったガラスを大きな破砕音ごと押しとどめたその陰で、余裕ぶって頬杖を突いた。
「任せてくれてもよかったのに」
「自衛はするからささっと潰して欲しくて。待ち人が弾け飛んだら困るからさ」
狙撃、と言っても銃器によるそれほどの射程はないだろうが、どうあれ遠距離攻撃。
倒そうと思えばどうしても移動が必要になるが、なにせ外はこの大雨である。できれば出歩きたくない。
そのための自衛アピール。この程度の威力なら十分凌ぎきれるので、俺を置いて凸って来い、の意だ。
「……ホントにいいの?」
しかしトウコが珍しく食い下がった。恐らく分断を懸念してのものだろうが、どんな相手であれトウコがそう手間取るとは思えない。
そしてトウコほどではなくとも俺には頼れる
味方に自爆特攻を強いて一帯を汚染の上爆破した
だからまあ──
「──大丈夫じゃない?」
言ってからこれフラグだなと気づいたが、トウコは「おっけー」と言い残して既に飛び立った。
トウコを背に載せたウォーグルが遠ざかるのを見送って、組んだ足を崩す。
「……まあ大丈夫でしょ……」
頭を振って不安を拭う。こういう時は甘味が一番だ。ちょうどトウコが手付かずで残していることだし、優雅なコーヒータイムと行こう。
マカロンを一つ口に放り込む。この癖のない甘みはモモンの実かな。
「うん。中々──」
「──中々悪くない、ねぇ」
「……ッ!」
しゃがれた声に慌てて飛びのいた。しかし闖入者はその隙を突く訳でもなく、「ぎひひ」と不気味な笑みを漏らした。
「マカロンとか言うたか。色は悪いが、味は悪くねぇなぁ。えぇ?坊よ」
奇抜な装いの老婆だ。曲がった腰により、頭はかなりの低身長である俺と同じ位置。
目元を蛍光色の防塵ゴーグルで覆い、ネックレスにイヤリングに指輪にと、色とりどりの鉱石がぶら下がったアクセサリーで全身を着飾っている。それでいて、下はスエットに上は売れないバンドのTシャツ。地域の名物老人と言った風貌である。
変わらぬ姿に俺は呻いた。
「
「みょうちきりんな名前で呼ぶんじゃねぇって言ったろ。オラのことはババアと呼びな」
妙につるりとした質感の杖で、ババアは座ったまま床を突いた。
首飾りに括られたうち一つ、青色の鉱石が、バキリと砕ける。
「ッ、サーフゴー!」
「ほうらよぉ!」
瞬間、微かな光を纏って振り抜かれた杖が──いや剣が、金属の肉体と接触してギャリギャリギャリィッと不快な音を奏でる。
仰け反るサーフゴーに合わせて身を捻りながら、俺はババアを指さした。
「”ドレインキッス”!」
髪飾りの擬態を解き、
生まれた一瞬の隙を縫って距離を詰めたババアが、
「──う、おおっと!」
再び奔る刃をなんとか躱した。なんの仕掛けもない全力の跳躍。後ほんの数フレーム、ボールの送還機能が
ババアはそこで攻撃の手を止めた。仕切り直し。逸らしたポケモンの復帰タイミングを計ってのことだろう。
しゅるりと髪に絡みついたキュワワーが、詫びるように頻りに頭を撫でる。
だがあれはそういう道具だ。”このゆびとまれ”と同じように、理性あれば抵抗できるというものではない。むしろ復帰と同時に突撃しなかったことを褒めてやりたいぐらいだ。
ヒーリングシフト*3を持つキュワワーは俺の切り札の一つ。トウコ並みの異常な先読みによっていなされたところで、その脅威は変わらない。手札にあるだけで意味がある。
「悪くねぇなぁ」
俺が体勢を整えるのを待って、ババアは言った。
余裕ぶった振る舞いに腹が立つ。しかし時間は俺の味方だ。
「……なにが?」
「おめぇよ。坊。最近の殺し屋はポケモン頼りでなっちゃいねぇ。昔はオラみたいに、自力で剣だの銃だの持ち出す気概があった。だが、おめぇは悪くねぇ。
言いながら、ババアは目線でシロデスナをも示す。逃げるでも加勢するでもなく、ただ壁として立ち続ける、その巨体を。
「悪くねぇ……悪くねぇ
「時代遅れの野蛮人にそう言われてもな。俺って現代通り越して未来っ子だから。共感されても困るって言うか……」
相変わらず気色の悪いババアだ。正直コイツは
自慢の得物であるアシガタナ*4が、相棒から譲り受けたとかではなく、
加えて本来ポケモンに持たせる道具を自ら使うそのスタイル。そりゃ人間に使えないこともない。きのみなんかは普通に人間も食べるし、”ものしりメガネ”で力を増幅する
だがそれを攻撃に転用するのは話が別だ。現代に残る戦う人間と言えば超能力者か素手の武闘家。
武器を使う人間、というのは密猟者ぐらい。それだってモンスターボールは使うというのに──このババアは、一人だけモンハンをしている。
「ぎひひ。歳上を立てらんねぇガキには、仕置きが必要だな……」
曲がった腰ゆえの、異様な前傾の構え。
じゃら、とネックレスが揺れた。括られた鉱石は、全て”ジュエル”*5だ。〇〇タイプの
それが
「辻斬りぃ!」
大股の踏み込みにパキンと音が伴う──ババアが
砕けたのは
「ぎっひひ──ぎひひひひひ。悪くねぇ!悪くねぇよ!おめぇなんてもんまで飼ってやがる!」
子供のようにババアは喚いた。昂った闘志のままに、ガスガスと床を突く。反対に俺の気は重い。
「いや、悪い。悪いよ。最悪だ。はしゃいじゃってさぁ……」
そのボヤきはババアに向けたものではない。なんの命令もなく飛び出した、出来すぎた道具に向けた言葉。
俺のポケモンは一流で、トレーナーたる俺は三流だった。彼らは俺に忠実だ。だがしかし、言外の俺の意思まで汲み取る彼らを、三流たる俺は御しきれない。
だからこその命令遵守。声に出すまで技を放つなという厳命を課したが──言葉が追い付かないと考えたのを悟られたか。
ましてこの程度技でもない。ただ床を撫でただけだ。そこが
「命の危機なんて無かった。無かったんだよ。俺がちょっとビビっただけなのに……でもまあ、いいか」
「その通りだ!いいじゃねぇか!」
冥土の土産にも見せたくない手札だったが、ババアには世話になった。少しぐらい弾んでやろう。
「殺せ。
レッドカードで交代先に選ばれるも頑張って耐えてたパオジアンを突然の勘違いが襲う!
※ババアはちゃんと後続を警戒してた(だから仕切り直した)ので失念してたのはAくんだけ。
ハバアに(結果が反映されるとは限りません)
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生き延びて欲しい(再登場希望)
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死んで欲しい(退場希望)