修羅に生きる   作:てんぞー

18 / 24
虚ろな世界 Ⅳ

「―――Yo, pal。俺を呼び出しておいて遅れるとは中々愉快な性格をしているじゃねぇか。それともなんだ、道中で問題でもやらかしたのか?」

 

「ちょっと石ころを蹴り飛ばす事に熱中してただけだから気にするな」

 

 馬車から降りて到着する≪ミコノス遺跡≫の前には全身をローブで隠す一人の男の姿がある。フードも被っていて表情を見る事ができない男は、此方の登場に嬉しそうな色を見せており、この先に待ち受けていることに対して期待しているのはまず間違いがないという事が解る。それもそうだ、

 

 誰よりも、何よりもスリルを求めるのがPohという男なのだから。善悪等関係なく、それが面白いのであれば何でもする、というのがこの男の全てなのだ。それを嫌悪するのは他の勝手だが、Pohを良く理解した者であればこの男の価値が計り知れないものであるという事は理解できる。ともあれ、馬車から降りて到着するのは五人、

 

 ユニークスキルを保有しているヒースクリフ、シノン、ニンジャ、それにユウキと自分。ここにPohをパーティーに加え、六人のフルパーティーが完成する。Pohの頭の上のカーソルが碧色ではなく、オレンジ色になっているが、誰一人としてそれに対して興味を持つことはなく、まるでカーソルそのものが存在していないかのように振る舞っている。

 

「まさかフレンドが≪レッドギルド≫のボスとはねぇ。まぁ、使えるってなら私個人としては興味のない話なんだけど」

 

「私は前々からPohとは個人的な取引をさせてもらっている」

 

「―――何度か仕事をさせてもらっているクライアントだ」

 

 視線がニンジャへと向けられる。視線を受け止めてからニンジャは頷くと、その姿を完全に消し、気配も絶つ。まぁ、ニンジャはポジションとしては俺やシノンと同じ、”フリーランスのソロ冒険者”という立場に入っている。その中でもニンジャは仕事を選ばないタイプであり、金さえ貰えればオレンジからでも仕事を引き受けたりする筈、だ。それ以上は個人的な話になるので知りはしない。ともあれ、ヒースクリフがさっさとPohをパーティーに加えた事で≪ミコノス遺跡≫への突入準備が整った。

 

「待っている間に暇だったから部下に斥候をさせておいた―――おい」

 

「うっす」

 

 Pohの言葉に従う様に森の中からマスクを被ったオレンジプレイヤーが一人飛び出してくる。視線をPohへと向けて小さく頭を下げると、此方へと向き直る。

 

「簡単に言っちまえばガーディアンの出現前と大体のエリアに変化はねぇよ。ただガーディアンの配置されている空間から半径二キロメートル以内は完全な≪結晶無効化空間≫に変質している。ついでに言えばガーディアンの遠距離攻撃の探知範囲は半径一キロ半だ。一キロまで近づいて、射線が通ってる場合は容赦なく大砲をぶちかましてくる―――金属鎧のタンク特化が一発で逝っちまいやがった。正面からぶつかったら死ぬぜ。ひっひっひ、報告は以上だぜボス」

 

「帰って土産話でも期待してろ」

 

 うっす、と言って頭を下げてマスクのオレンジプレイヤーが森の中へと消えて行く。その気配が消えるまで下がるのを待ってから、溜息を吐いて視線を≪ミコノス遺跡≫の方へと向ける。予想通り、砲戦に特化して学習、進化しているらしい。随分面倒な感じに進化してくれたが、

 

「一キロ、ね―――うん、それぐらいだったらなんとか届くわね」

 

「反撃を考えて五秒ぐらいか」

 

「音速を突破でもしない限りは掠り傷一つつけないと確約しよう」

 

「ヒュー! 頼もしい面子だなぁ、こりゃ。きっとSAO稼働開始してから終了するまで、これ以上の狂ったパーティーが揃うかどうかは怪しいって所だな」

 

 Pohの言う通り、イカレていると評価できるほどに戦闘力を有している、おそらくアインクラッド最強のチームがここに完成されていた、もし、このパーティーで倒せない相手であるなら、まず間違いなく他の誰でも勝利する事は絶対できない。それを確信させるだけの戦闘力がここには揃っていた。ただそれを感じたのか、ユウキが苦笑する。

 

「な、何か一人だけ物凄い場違いな感じがする」

 

「何を言ってるんだ。そこの超無敵最強団長様を千日手に引きずり込める程度にはお前の事を鍛えているんだから、しっかり自信を持てよ。俺が死んだら俺の全部引き継いでもらわなきゃいけないんだしな! 我が愛だと思って全てを継承するのだ愛弟子よ!」

 

「重い! 師匠の愛が重いよ!」

 

「はっはっはっは―――」

 

 ――――――――――――――――――。

 

 ”絶対に発生するであろう未来のイメージ”を振り払って、笑い声を止める。そして体を軽く動かしながら血盟騎士団からもらった片手剣を左腰の鞘から抜いて右手で握る。≪煉獄の剣≫と銘打たれた真っ赤な準魔剣クラスの片手剣。その徹底した扱いにくさは実に自分好みの剣だ。良い物を持っているなぁ、なんてことを呟きながら刃を一回転させて鞘へしまう。それから視線を周りへと向ける。

 

 ヒースクリフは既に盾と剣を抜いており、何時でも戦闘を行える体勢に入っており、シノンも弓を左手に一つ、背中に二メートル級の超大型弓を背負っている。ニンジャに関しては確認することができないから既に準備は整っていると仮定し、Pohへ視線を向ける。Pohも愛剣の≪メイトチョッパー≫を手に、既に動く準備が完了していた。それを見終わり、そして視線をヒースクリフへと向ける。この中で一番、指揮そしてリーダーシップに優れているのはヒースクリフだ。パーティーのリーダーとしてこれ以上優秀な人材はアインクラッドには存在しない。その為、論ずる必要すらない。

 

 それを理解しているのか、全員の視線が集まるまで待ったヒースクリフはゆっくりと頷き、そして口を開く。

 

「―――では≪ホロウ・ガーディアン≫の攻略を開始する」

 

 

                           ◆

 

 

 ―――驚く事に、”ソレ”には魂が存在している。

 

 ≪ホロウ・ガーディアン≫と呼ばれるガーディアン型エネミー、ユニット、モンスター。これには魂が存在していた。故に”生きてはい無くとも成長はした”のだ。その意識と言えるものを見たいしているのは生まれた時に与えられた命令だけ―――即ち死守せよ。死守せよ、手段を選ばず死守せよ。侵入者は絶対に滅ぼし、殺し、蹂躙し、そして消し去れ。たったの一人も生かして帰すな。目についた生物は殺し、そして死守せよ。

 

 故に機能の全力を駆使した。

 

 慢心、油断、そういう感情や概念が≪ホロウ・ガーディアン≫には存在しない。故に与えたダメージ、動き、そして生んだ結果から正確に相手を評価し、そして脅威度を生み出す。そしてそれにもっとも最適な判断を演算して実行する。まだ多くの事を己は知らない、と≪ホロウ・ガーディアン≫は限られた自由な思考能力で考える。故に多くを見、そしてそれを覚えれば良い。それをもって自分はさらに役割を。命令を果たすことができる。

 

 ―――それが出来た時の思考の波をおそらく”歓喜”と呼ぶのだろう。

 

 ≪ホロウ・ガーディアン≫はそう思い、そしてそれを求めた。故に一切の妥協も油断もしない。何度か偵察にやって来た人間らしき存在は全力で殺した。そしてそのおかげで命中補正を上昇させることが出来た。逃がしてしまった三人の人間のうち、一番脅威度の高い白髪の男、あの男の動きも今なら捉えれる程に命中補正を上昇させたと認識している。思考プログラムの片隅で実行させられているシミュレーションプログラムは命中の結果を見せている。

 

 故に今度はあの怪物が来たとしても、絶対に殺せる自信がある。

 

 索敵能力は”二キロにまで伸びている”のだ。

 

 態々もっと短い距離で反応したのは明らかに偵察と思わしき人間に対するブラフだ。

 

 戦術として誤った情報を与え、それを元に作戦を作成したあの人間を殺す。

 

 完璧なプランだ、と判断した。

 

 その時、

 

 違和感を感じる。

 

 センサーが敵の接近を告げている。それは良い。それは役割を果たす為の機能が十全に働いているという自身の証明にすぎないからだ。しかし、問題なのは違う所にある、と≪ホロウ・ガーディアン≫は思う。相手が踏み込んでいるのだ、かなり奥深く。

 

 否、自分の真横に。

 

「―――アンブッシュ―――コッポ・ドー」

 

 気づいた瞬間には流体ミスリルによるオートガード機構が反応していた。しかしそれを貫通する様な衝撃が鉄の体を貫通する。三百六十度全方位を知覚する感覚が自分の体に触れている存在を認識する。珍妙な事に、それは真っ黒な忍者の姿だった。しかし姿は関係ない。センサーで拾ったその新しい脅威の存在を即座に演算し、記録しつつも、動揺等は一切ない。それは搭載されていないシステムだ。故に最も最適な反撃方法、そして対処法を取る。相手がなんであれ、自分が最強である事に変わりはない。

 

 だが結果として相手に先手を譲った事実、そして防御不能の謎の衝撃によって体が落ちている、という事実に変わりはなかった。

 

 故に対処としてオービットと流体ミスリルを接続し、カノン砲を作成する。雷炎の砲弾を迷う事無く自分へと向けて放ち、自分の体に触れる新たな脅威を吹き飛ばそうとする。

 

「む―――」

 

 しかし忍者の男はそれだけ言葉を残し、姿を完全に消失させる―――それもまったくセンサーに引っかからずにだ。なんと恐ろしい存在だろう、と思う。自分の機能でさえ追いきれないとは一体どういうことなのだろうか、と。しかしそれが出来る人間がいるという事は、また学ぶ事もできるという事だ。この忍者を殺し、動きを解析する。そうすればこの動きを取り入れることができるかもしれない。

 

 そうすれば自分は更に最強になれる。

 

 そう思い、流体ミスリルで鳥籠の体を満たし始める。流し込み、コアを覆い、そして本体を完全な金属の球体へと変化させる。この忍者が一人である事はまずありえないだろう、と可能性を計算しながら結論付ける。あの動きは襲撃する為の動きである、とデータベースが答える。故にアレは陽動の一撃であり、本命は陽動を更に重ね、そこに隠れる様にやって来るはずである。

 

 ―――センサーが飛来するものを感知する。矢だ。

 

 ほら来た、と思考が生まれる。演算通りの結果であると。そして二キロ範囲内を索敵すれば、矢が飛んでくる反対側から接近して来る動体反応がある。この反応が本命であろう。体を傷つけることができない矢よりは、重要なのは相手の本命にある。これがもしあの白髪の男だったとすれば、それは自分を万が一にでも倒す可能性が出現して来る。

 

 硬度を無視して自分の体を切り裂く様なありえない現象を引き起こした怪物、アレは野放しにすれば絶対に致命傷になる。故に大砲を更に細く、長く、凶悪に―――大砲サイズのライフルへと変形させ、それを本命と思わしき動体反応へと向けて連射する。すべての一撃がレベル50のプレイヤーを一撃で殺害できる程の威力を持った連射、それを耐えるのは難しい。故に絶対避ける。

 

 あの不可解な速度の動きで避けてくる。

 

 それを捉え、撃ち殺せばよい。

 

 完璧な流れだ、

 

 そう思ったところで、声がコアにまで響いて来た。

 

「はははは! やるじゃねぇか血盟騎士団の団長さんよぉ! 予想以上に狂ってるじゃねぇか!」

 

「これぐらいならできるって信頼なんだろ、ヒスクリなりの」

 

 ―――男が二人、自分の体の上に乗っていた。片方は自分の知っている白髪の怪物だ。自分を斬る事の出来る不可解な生き物。そしてもう一人は良く鍛えられた、とセンサーが検出するローブの男だ。それが何時の間にか自分の体の上に乗っている。何時、何故、と思考が乱れ―――そして”採用しないであろうと切り捨てたプラン”から回答はやってきた。

 

「矢の上を走って進むか、まさか曲芸にチャレンジさせられるとはな」

 

「目がない分センサーで相手を追うから解りはしない、か。全く流石”神様”だな」

 

 驚愕の感情はインストールされていない。

 

 動揺の感情はインストールされていない。

 

 しかしどんなに演算しようとも先を予測することができない、否、先が生まれない。それは、

 

「―――斬る、斬る斬る斬る斬る斬る! 斬るってのはなぁ! こうやるんだよ良く見とけよおらぁ―――!」

 

「≪暗黒剣:絶望の病≫」

 

 ローブの男が≪バトルスキル≫を発動させる。データベースへと照会し、それがユニークスキル、≪暗黒剣≫のものであり、”発生させた傷を塞げない”というい極々シンプルであまり使い道のないスキルである事が発覚する。しかしその効果は今、この状況では残酷すぎるほどに効果的過ぎた。

 

 体が両断される。

 

 コンマ一秒間に斬撃が複数飛び交う。圧倒的に硬い筈の体を強度を無視する様に切り刻み、どんどん細かく両断して行く。オートガードが発動しようともそれ語と本体を真っ二つに切り裂き、叩き潰す。反撃にライフルを向けるが、盾を持った男が切り払いとシールドバッシュとガードの三種類の動きを全て同時に行い、砲撃を全て完全に殺して受け流す。なら自爆特攻をする為にライフルその物を鉄球として叩きつけようとする。しかし飛び出してくるのは小柄な少女の姿であり、落ちてくるライフルを白髪の怪物の様に真っ二つの切り裂き、それを斬り飛ばす。

 

 そのまま抵抗を全て無効化され、

 

「斬る」

 

 跡形も残らず粉々に解体された。

 

 その動き、その一閃一閃はどれも荒々しく苛烈であっても、

 

 データベースから引っ張り出す言葉として表現できるのは―――”美しい”の一言だった。

 

 

                           ◆

 

 

 

「ふぃー、解体作業完了。やっぱ剣ってのは硬いかどうかが一番重要だな。使用して壊れない事が一番重要だもん」

 

 そう言った直後に≪煉獄の剣≫が手の中で砕け散る。流石に三百回も強度を無視して斬鉄を繰り返せば壊れるよな、と納得する。が、しかし、ヒースクリフは欠片も納得するような表情は浮かべず、金を請求しそうな悪鬼の表情を浮かべていた。なので視線を即座にヒースクリフの方から外し、そして視線をユウキの方へと向ける。ユウキの視線は彼女の剣へと向けられている。

 

 ユウキも見事綺麗な斬鉄を放つことが出来たが、それでもまだまだ未熟だ―――武器へと与える反動はすさまじい。俺ほど技量の持ち主であればどんななまくらであれ何発か打ち込んでも持たせることができるが、ユウキはそれだけの技量はない。たった二回の斬鉄を交えた切り払いで完全に剣が折れてしまっている。それにショックを受けているのか、折れてしまった剣を前に、両手と膝を大地につけて落ち込んでいる。

 

 迷う事無くその背中に座る。

 

「ぐえー―――ってそうじゃない! 師匠! 重い! 重いよ!」

 

「これが師が弟子へと捧げる愛だ」

 

「だから愛が重いよ! 今度は物理的に!!」

 

「楽しそうだなお前ら」

 

 Pohの冷静なツッコミが入るが、ユウキとの関係は何時もこんなものだ。俺が弄って、そしてユウキが涙目になる。そういう感じの関係。このぐらいふざけている関係が丁度良いのだ。ハニートラップのやり方や閨での作法とか必要な技術で教え込んでいるが、そういう事で本気になられても困る。

 

 どうせ俺やPoh、ヒースクリフの様な人でなしの一生は長くない。おそらくいいところ、アインクラッド攻略の中盤辺りで死ぬだろうし。

 

 その時はその時でその程度の自分だったと満足するしかないのだが。

 

「空の色が元に戻って≪結晶無効化空間≫の解除を確認したわ」

 

「通常モンスターのリスポーンを確認……場の正常化が始まってきているようだ」

 

 シノンとニンジャが付近の偵察を完了させながら近づいてくる。ついでに、とニンジャが刀を一本取り出し、それを此方へと投げてくる。それを受け取りながら感謝に片手を上げる。ニンジャは特に気にした様子もなしにそのまま≪亀裂≫と明証された裂け目へと向かう。自分もユウキの背中から下り、左腰に刀を差して≪亀裂≫へと向かう。

 

 後ろでシノンに慰められるユウキを放置したまま、≪亀裂≫の前で片膝をついて調査しているヒースクリフとPohに視線を向ける。その前にはホロウィンドウが出現している。

 

「何やってんだ?」

 

「データを洗っている。この先にあるデータがどういうものかを調べている」

 

「簡単に言うとハッキングだ。元々SAOにログインする前にナーヴギアの中に仕込んでおいたプログラムの一つだ。SAOの防壁プラグラムが高度すぎてハッキングもクラッキングも全くできなかったけど、こうやってあからさまな破損がありゃあ話は別だ。これだけガバガバの隙間がありゃあ問題なく差し込めるぜ」

 

「ほうー……ここら辺は苦手だからようわかんねぇや」

 

「寧ろ電子関係の技術まで身につけられたら万能超人の完成で恐ろしいものがあるよ……っと、解析完了だ。軽く探査した結果、我々が動ける空間がこの向こう側に存在するみたいだね。まずはこの入口を固定化させよう」

 

 ホロウィンドウに素早くヒースクリフが情報やコードを入力していく。それをサポートする辺り、Pohもちゃんとヒースクリフが出来ていることを理解しているのだろう、意外とこいつもインテリ系の男なのかもしれない。そう思ってニンジャへと視線を向けると、ニンジャが頭を横へ降る。何か仲間を見つけた気分になって握手を交わす。

 

「ユウジョウ」

 

「ユウジョウ」

 

 と、そんな事をやっているうちにヒースクリフ達がさっさと仕事を終わらせてしまったらしい。≪血盟騎士団≫のトップと≪ラフィンコフィン≫のトップが手を組んでいるのだからそれは早いに決まっているよな、と今更な豪華なメンバーの揃いっぷりに感心し、≪亀裂≫が人が通れそうな≪穴≫へと変化していた。そこからヒースクリフとPohが一歩下がる。

 

「この先には空間があるが―――その先は”私にとっても完全な未知”になる。それを留意したまえ」

 

「”人生とは未知を既知に変えるもの”とは言ったものさ」

 

 ちょいちょい、とユウキを片手で呼ぶ。勿論疑う事を知らない少女―――俺限定ではあるが―――が近づいてくる。どうしたんですか、と言って首を傾げてくるユウキの服の襟を掴み、体をぶら下げる様に持ち上げる。

 

「俺が死ぬときは一緒だよ」

 

 笑顔でユウキへとそう言うと、ユウキが笑みを浮かべる。

 

「待って」

 

 ハートマークが付きそうなほどに愛らしい言い方をユウキがする。普通の男なら間違いなく躊躇する様な可愛さなんだろうが、俺が教育して身に着けさせた技術である為、勿論通じることはない。笑顔で言い返す。

 

「待たなぁい!」

 

「そんなぁ―――!」

 

 そのまま迷う事無く≪穴≫の中へと飛び込む。

 

 この先に存在する新たな冒険と死を求めて。




 解り難かった人の為のわかりやすい解説

1.相手は金属である、目視以外の方法で探知している。時間をかければ学習する。キチガイは金属を斬る。相手は賢いので逆に利用できる
2.使い捨て偵察とニンジャを囮にさせて作戦を勘違いさせる
3.シノンの矢の上に馬鹿と馬鹿が乗ってやって来る
4.ペットとラスボス出勤

 あとは流れで何とかなる。連携必要なら勝手にその場で出来上がる。それにしても息抜きに書いてるからネタまみれにできて楽しいな。心が休まる。手抜きはしないけど。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。