気がつけばモブハンターになってた。   作:ドーモ。ギルドナイト=サン。

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15話

 

 

「ふずるるっ…すぴー……」「ひゅぉぉ……ひゅぅぅ……」「ずー……ずー……ずずっ!」

「んん……っ」

 

 

 なにかきこえる……うるせぇ………。

 でも………それよりねむい…………。

 

 

「ぐがぁー…ふごごごっ!」

「んー……ぅるさぃな、…………………ぁ?」

 

 

 呆気なく我慢の限界が来た俺は、不快な音の正体を探すために目を開ける…………どこだここ。

 古くさい木造の部屋だ。

 …………なんでこんなところにいる?

 寝てる場所も部屋のベッドじゃないし。

 もしかしてまだ夢の中とか………?

 

 

「……夢の中なら、もう少しまともな物見せろよ……」

 

 

 不快な音の正体はすぐわかった。人のいびき声だ。

 何故か俺は見知らぬ部屋で、見知らぬ人と一緒に寝ていたようだ。しかも、めちゃくちゃ寝相が悪い人と。

 

 

「んぁ………?……なんか置いてある……服?」

 

 

 俺の近くには銀色の物体が丁寧に置かれている。

 よく見れば服のような布地をしている。なんというか、鎧っぽい物だ。

 いや……これは………、

 

 

「……チェーン装備?…………あぁ、そうか……思い出した」

 

 

 それはつい昨日、食い入るように見つめていた俺のチェーン装備とレザーベルトである事に気づく。

 そして同時に、寝ぼけた思考が吹き飛ばされる。

 ……ここ、モンハンの世界か、と。

 

 俺のモンハン世界2日目の朝は、こんなぐったりとした気分の目覚めだった。いや、どんよりと淀んだの方が正しい表現かも知れないが。

 ……この惨状を知れば、そうも言いたくなるだろう。

 

 

「ぐがー……ふごっ」「ひゅぉぉ!……ひゅぅぅ……」「ぐずず、ずっ!……ずー……」「ふずるるっ……すぴー……」

 

「…………」

 

 

 寝室に響き渡る地獄のハーモニー。

 寝る前に散々聞いたいびきだが、余計に悪化しているようにも聞こえるし……まったく、タチの悪い目覚まし時計だぜ。

 

 大人数で雑魚寝をするこの部屋で、よくこれだけ豊富ないびきをかく人を集めたものだ。

 おかげで朝の目覚めが混沌としたものになった。

 ……昨夜はいびき程度なら、と我慢するつもりだったが、こんなのがずっと続くとなると今から億劫な気分になる。

 

 

「……これも、良すぎた睡眠環境に慣れきった弊害だろうけど、なっ!」

 

 

 体を勢いよく起こす。

 硬い床で寝ても体に痛みは無い。

 寝起きで急に動かして違和感を感じる部位も無い。

 柔軟に体を鍛えているのか、体がこの環境に慣れているのか……前の体の持ち主は、普段からこうして寝ていたのかも知れない。

 

 

「意識もはっきりとしてる。以前から整ったを生活リズムで過ごしていたんだろうな」

 

 

 元いた世界の体と比べると、急に生活習慣が良くなった気がして、気分は悪く無い。

 この持ち主が日頃から早起きに慣れているのか、意識も覚醒していて頭も冴えている。

 まずは現状を把握しよう。……いま何時だ?

 

 日の出前の時間だろうか。辺りはまだ暗い。

 月明かりが窓から差し込んでいて、明かりが無くても何処に何かあるかは一応うっすらと見えている。

 そのためか、つい前の世界の癖で時計を探してしまうが……当然、そんな便利な物など見つからない。

 

 

「まいったな。真夜中だとできる事が無い。

 流石に、この部屋で二度寝も勘弁したいしな……」

 

 

 ……とりあえず、外に出るか。

 俺は静かに、アイテムポーチとチェーン防具を装備する。どうしてもカチャカチャと鎖がぶつかり合う音が少し響くが、熟睡しているのか誰も起きる気配は無い。

 

 寝ていた敷布団を畳んで元の位置に戻し、最後にハンターナイフと釣竿を装備する。

 忘れ物が無いかを確認したのち、寝ている人や物を踏まないよう注意して扉へと向かう。

 

 

「これでよし……、おぉ……廊下は灯りひとつ見えないな……」

 

 

 扉を閉めたら見事に真っ暗になってしまう。

 ……今、誰かと出くわしたら絶対に声をあげそうだ。

 俺は誰も居ないことを願いつつ、暗闇の中を壁伝いに歩いて廊下を進んだ。

 

 

 ◆

 

 

「どうにか甲板まで出てこれたな。んんぅ〜……!」

 

 

 外に出た開放感と共に、気持ちよく背伸びをする。

 船の廊下では結局誰とも遭遇はしなかったので、心臓に悪い事は起こらず済んだ。

 かわりにか、遠くから巨大な滝の音が聞こえてくる。寝起きに水の音を聞いていると、なんとなく涼しさを感じられ気分が良い。

 

 大体の時間を把握するために空を見上げてみる。

 まだ星や月がはっきりと見えるし、空の色も変わってない。

 どうやら、日の出までは少し時間がありそうだ。

 

 

「食事場は夜も営業中だろうけど、お腹も減ってないしな……どうしたもんか」

 

 

 なにかで朝まで時間を潰したい。

 z(ゼニー)の余裕もないので、何も買わないのに流通エリアへ物色しにいくつもりは無い。

 また、ゲームのように夜の探索に行くこともできない。灯りとなるランタンすら無いからな。

 それに今は、まだ行ったことのない場所に行きたい気分だ……夜の探検みたいな。

 

 

「行った事無いといえば、アステラの頂上にある〈星の船〉とか?……でも、あそこは行くなら人が多い時間が良いよな」

 

 

〈星の船〉は、なぜか岩山の上に打ち上がっている巨大な船の事であり、ここのロープリフトの行き着く先にある。

 ゲームだともっぱら、星の船は〈集会所〉と呼ばれているが……まあ、今は説明は良いだろう。

 

 他にも行ったことの無い場所を考えるが、どれも用事があって立ち寄る場所ばかりだった。

 ……どの場所も締まりがないというか、この時間ならではの特別感が無い。

 せっかくモンハン世界で朝を迎えるんだ。なにかしら記憶に残ることがしたいな……。

 

 

「このままだと日の出まで悩みそうだな……?

 ………ん、日の出か……!」

 

 

 ボロっと発した言葉によって、頭の中にある考えが浮かぶ。

 ……そうだ、あるじゃんか。この時間ならではの、とっておきの場所が!

 やはり頭が冴えている。あそこならz(ゼニー)も必要ないし、俺の期待にも応えてくれるだろう。

 

 

「……そうと決まれば、行くか!」

 

 

 俺は甲板を離れて、そのまま流通エリア地下へと足を動かす。

 ひとまずは、昨日行ったばかりの工房を目指すとしよう。

 

 

 ◆

 

 

 昨日と同じく階段を登り、工房へと辿り着く。

 道中に思っていたことだが、俺が寝る前よりもアステラにあるかがり火の灯る数が減ったように見える。

 今の時間だと、本当に必要最低限の施設しか灯していないのかも知れない。ここ、工房もそのひとつだろう。

 

 

「でも、目的地は工房じゃないんだよな」

 

 

 そう、工房はあくまで通り道だ。

 俺は工房の中へ入ると、そのまま武具屋を通り過ぎて左の階段を登る。

 絶えず燃えている炉の炎の光を尻目に、炉の左側の階段にある裏口から外へと出る。

 

 

 裏口の外には、さらに上へと登る階段が工房の外壁と崖の岩肌に挟まれるように伸びている。そのまま階段を登り、階段の先が2手に分かれる踊り場まで到着した。

 踊り場から左側の階段は岩山を伝うように上に伸びており、登っていけば星の船へと到着するだろう。

 

 

「でも今回は星の船が目的地じゃない。だから……進む方向は右だ」

 

 

 俺は右側の階段を登る。星の船は……また今度行こう。

 階段の先は、岩山の中腹にある高台へと続く。

 階段を登っていると、工房より高い位置まで上がり、工房の屋根上を見られる。屋根には馬鹿でかい煙突が伸びていて、そこからは黒い煙が空に上がっている。煙の量は煙突の大きさと比べると少ないので、何故この大きな煙突を作ったのか疑問に思うが置いておく。

 

 

「んでもって…っと、工房裏の高台に到着だ」

 

 

 階段を登り切ると足場は木板から土や砂利に変わり、工房裏の高台へと到着する。

 高台の道はある程度の整地がされていて歩きやすく、先にはなだらかな小坂が見える。

 

 高台の崖端には3本のヤシに似た立派な木が生えていて、夜風に吹かれて大きな葉が揺れて、高台に落ち着いた雰囲気を与えてくれる。

 よく見ると……ヤシの実変わりにだらんと垂れた、下側の枯れた古葉も揺れている。

 

 

「それで小坂を登れば確か……おっ、見えた!」

 

 

 小坂の上を進んだ先、高台の行き止まりとなる崖端には、小さな木造の小屋の様な展望台が建てられていた。

 作りは非常にシンプルで、正三角錐の屋根を4本の柱で支えた物を、手すりで囲っただけの作りだ。何なら土台の方が手間がかかっていそうな。

 屋根裏には点火されていないランタンが掛けられている。

 

 

「展望台には誰もいないか……まぁ、早い時間だしな。

 トウゲンチョウも居ないけどそれは良いや」

 

 

 ゲームだとこの展望台には、"大団長"という〈1期団〉の色々と凄いお方がたまにやってくる事があった。

 ゲームの主要な登場人物でもあるし、是非とも会ってみたかったが……ゲーム開始してすぐの時期であろう、このタイミングではまだ会うことは出来ないと思う。

 

 トウゲンチョウは、ゲームだと1羽だけ展望台の手摺にずっと留まっているが、この世界では違うようだ。まぁ、当たり前ではある。

 そして、ここに来た目的は大団長に会うことではない。大団長にはいつか会えたらラッキー程度に考えておくのが良いだろう。ゲームでも神出鬼没だったし。

 

 

「メインは、"大団長"も気に入ってる、この展望台から見える絶景…………なるほど確かに、見晴らしがいい」

 

 

 暗い夜の世界。

 視界を遮る物がない広漠たる空には、大きな雲が雄大に泳いでいる。その後ろからは月と星々が顔を見せて、まるで見守るかのように光で照らしている。

 眼下には海を揺らめく波と、静かに眠る古代樹の森。

 悠久の時を生きる新大陸の穏やかな眠りを、母なる海がやさしく寄り添うように波を被せている。

 朝を迎えるまでの、緩やかな時の移ろい。

 

 

「こんなに景色が良いんだ。

 ここから見る日の出は最高だろ……!」

 

 

 そう。ここに来た目的は日の出を拝む事だ。

 俺は展望台の中に入り、手すりに肘をついてリラックスできる体勢を作る。夜風が頬を撫でて心地よい。

 このまま海を見て、時間が経つのを待つ。

 

 

 ゆっくりと時間が流れ、ほんの少しだが空が明るくなって来た。

 もう少しすれば日の出の時間だろう。モンハン世界で見るのは初めてなので、ある意味で初日の出だな。

 前の世界でも、自動販売機で買ったホットドリンクを片手に初日の出を待ってたっけ。

 この世界に自販機は無いからな。こういう時は不便だ。

 

 

「………っていうか俺って、昨日の夜から水分補給してねぇな……?」

 

 

 そういえば、昨日から一度も水分を口に含んでいない。喉が乾いてないのが不思議なくらいだ。

 よくよく思い返せば、昨日の探索も行く前の食事以外で水分補給してなかったか。あんなに太陽が照っていた中で動き回っていたのに、喉の渇きは一度も感じなかったと思う。

 

 

「ハンターの体は水分を保持する能力が物凄く強いのか?

 ……それか、モンハン飯を食べたからって可能性もあるか」

 

 

 なんなら、その両方の可能性もありそうだ。

 自分を追い込んでまで実験はしたく無いので、両方ともだと思っておこう。

 

 これは重要な事だ。特にモンハン飯は気をつけないと。

 ゲームと同じように、食事を忘れた……なんてことがあったら死活問題になりかねない。

 ……あれだけ美味しいんだから、食べずにフィールドに出るなんて事は絶対にしないだろうけど。

 

 

「今日の朝飯が楽しみだな……何を注文しようか……………おっ、ついに来たか!」

 

 朝食のことを考えていたら、水平線から1筋の光が差し込み、空を一気に明るくする。

 待ちに待った日の出の時間だ。

 太陽の眩しさに目を細めながら、俺は日が登るのを見続ける。

 

 

「…………良いね。悪くない…………」

 

 

 海も空も大地も一気に明るみを帯び、それを合図として鳥達が飛び立つ。

 新大陸の全ての生き物へ、一日の始まりを告げる光。

 限られた時間でしか見れない、特別な絶景だな…楽しみに待っていた甲斐があった。

 明日も早起きしたら、またここで日の出を見に来ようかな。

 

 

「良いものを見れた事だし……朝メシでも食いに行くか!」

 

 

 太陽が昇りきる前に、俺も移動を開始する。

 ちょうど、お腹が空いてきたからだ。

 歩き始める俺を力強く、背中を押すように太陽が明るく照らしてくれる。

 ありがとう太陽。おかげで最高の朝を迎えられた。

 

 

「目指すは食事場だ!待ってろ、俺のモンハン飯……!」

 

 

 しかし、所詮は花より団子。

 太陽が昇りきるのを待つつもりだったが、腹が減ったらすぐに食べに行くのが何とも俺らしい。

 頭の中に朝食の事だけを浮かべて、足を早めた。

 

 

 ◆

 

 

「おー……人が多いな」

 

 

 食事場はとても混雑していた。

 日が出たことで眠りから覚めたのか、大勢のハンター達が席を埋めて食事を取っている。

 

 朝のピーク時なのか、ハンター達は早く食べることに必死で、調理するアイルー達も新しい注文を捌くのに忙しそうだ。

 当然こんな様子では、人気の高いカウンターや崖側のテーブルにはとても座れそうにない。

 

 

「しょうがない、昨日と同じテーブルに行くか」

 

 

 早く食事をしたいので、迷いはなかった。

 食事をするハンター達を通り過ぎて上のフロアへ。

 昨日とは違い、ポツポツと他のハンターも上のフロアに来て食事をしている。現在の食事場の繁盛っぷりが分かる光景だな。

 

 通り過ぎるテーブルでは、何故みんな目をカッと開いて、口の中に料理を詰めるようにして食べている。

 もしかして俺も意識が飛んでる間、あんな風に食っていたのか……?

 

「あの食事風景は……ちょっと見てて怖いな」

 

 モンハンの歴代ゲームでもあんな感じで料理にがっついていたし、早食いは調理場のテーブルマナーだったりするのだろうか。いや、でもゆっくりとくつろいでる人もゲームで大勢いたし……まぁ、今は気にしないでおこう。

 

 

「そんな事より、朝メシだ!朝メシ!」

 

 

 テーブルに着いた俺は装備を下ろして、そのままテーブルにあるベルを鳴らす。

 ここに来るまでに、料理の香りが鼻を刺激して辛抱堪らなくなってるんだ……!

 

 

 チリリリーン!

 

 軽い音が周囲に響いた。

 早速、調理場の奥から給仕アイルーがやってくる…………ん?

 

 

「…………ニャ?」

 

「…………って、おーい!」

 

「?…………」

 

 

 あぁ!?背を向けた給仕アイルーに声を上げたが、それに気付く事なく厨房の奥へと戻っていってしまった。

 

 何故か毎回、注文するのに一苦労がいるな。

 相変わらず忙しいのか、ベルを鳴らした音が周囲の雑音で分からなくなるのか……なんにしても、このベルの呼び方はもうちょっと工夫した方が良くないか……?

 でも、愚痴を吐いてもモンハン飯は食べられない……諦めて、もう一度ベルを鳴らしてみるか。

 

 

 チリリリーン!

 

 ベルを鳴らすと、先程とは違う給仕アイルーが厨房の奥から現れた。……しかも、その特徴的な外見のアイルーは"黒毛の給仕ネコ"だった。

 一瞬だけ体が緊張したが、すぐに落ち着いて平然と装う。格好もおかしい訳じゃない。これからは堂々と話せるんだ。

 こっちのテーブルに向かってきているみたいだし、どっしりと構えておくとしよう。

 

 

「…………って、またか。おーい!ここでーす!」

 

「?……なのニャ、…………!」

 

 

 こっちに向かって来ていたが、途中で止まって周囲を見渡し始めたのですかさず声をかける。

 幸いな事に、先ほどの給仕アイルーと違い"黒毛の給仕ネコ"はこちらに気付いたようで、すぐに俺のいるテーブルへと向かって来た。

 

 

「……ニャニャ。お待たせしましたなのニャ!」

 ご注文をお伺いしますなのニャ」

 

「あっ、はい!えぇと……おすすめ定食をお願いします!」

 

「全部で100zになりますなのニャ」

 

 スムーズに注文を終え、ポーチからzを取り出して渡す。忙しい時間帯だからか、すぐに注文を取って厨房へ向かう"黒毛の給仕ネコ"を見ながら、料理の到着を待つ。

 "黒毛の給仕ネコ"にチップを渡すのは控えておいた。忙しそうだし、渡すなら夜のほうがいいだろう。……金欠なのもあるが。

 

 ……しかし、他の給仕アイルーと違って"黒毛の給仕ネコ"の方がテーブルを見つけるのが早い気がするな。

 いや、それでも声掛けないと気付かれないんだけどさ。

 

 

 ◆

 

 

「……ふぅ〜!美味かったぁ!」

 

 

 相変わらず、モンハン飯は最高に美味かった。

 腹が満杯になるどころか、内側から力がみなぎる感覚も感じ取れる。

 今ならどんな過酷な運動でもこなせそうだ。素晴らしいぞモンハン飯……!

 

 だがやはり、食べている時の記憶の大部分が抜けているので、俺はまだモンハン飯の衝撃に耐えきれなかったようだ。まだまだ修行不足ということだろう……もっとモンハン飯を食べて身体に慣れさせていかないとな!

 

 

「すごい食べっぷりなのニャ。見てるこっちが気持ちいいくらいなのニャ〜」

 

 

 記憶にない俺のメシの食いっぷりを褒めながら、テーブルの皿を次々と片していく"黒毛の給仕ネコ"。

 なんか、毎回褒められてる気がするな……俺は他のハンターの食事風景は見てて怖いと思うんだけど。

 モンハン世界の食事場では、良くあるお客さんとのコミュニケーションの一つだったりするのだろうか……?

それか、この"黒毛の給仕ネコ'が変なだけだろうか。

 

 

「……ごちそうさまでした!また来ます」

 

「お粗末さまなのニャ。片付けるから、もう行ってもいいなのニャ」

 

「…………」

 

 

 食事のお礼を良うと、遠回しに片づけの邪魔だと言われる始末……"黒毛の給仕ネコ"は変というより、いい性格をしているようだ。

 外見だけでなく、中身まで特徴的とは恐れ入ったぜ。

 

 俺は促されるまま、荷物と武器を装備して席を立ち、テーブルを後にする。

 今回の探索でマタタビでも見つけたら、拾って"黒毛の給仕ネコ"に渡しても良いな。いや、たしかモンハンワールドってマタタビがアイテムに無かったか。

 まぁ、良さげなものが見つかればそれにしよう。

 

 

「それじゃあ早速、行くとしますか!」

 

 

 食事場から離れ、流通エリアへ降りる階段に向かい歩き出す。

 昨日と違い今日は朝からフィールドに入れる……つまりは目一杯、素材集めが出来るということだ。

 

 ククク……モンスターの狩りでなくとも、効率の良い金策手段を既に計画してある……!

 今度こそいっぱい稼いで、金欠とはおさらばしてやるぜ……!

 

 

恋愛要素は要りますか?(物語の結末が変化します)

  • いらない
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