無傷の撃墜王と北欧の旋風のパイロット、魔女の世界へ   作:東ドイツ空軍航空部隊

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プロローグ

 

 

 

1945年、11月21日 フィンランド ヘルシンキ飛行場

 

「もう大戦も終わってしまったな……」

 

とあるフィンランド軍パイロットがそう言った。

今日は国立航空機工場(Valtion Lentokonetehdas;VLと略す)が試作した新鋭機“ピョレミルスキ“試作1号機を飛行させる日だった

 

「テスト飛行が今日だとはな」

 

「イッルか……」

 

エイノ・イルマリ・ユーティライネン。通称“イッル“も来ていたようだった。

この“ピョレミルスキ“とBf109こと“メルス“の性能比較をする為に来たようだった

 

「アーク、もう戦争は終わったとは言え、試作機を飛ばすのだから気をつけておけ」

 

「分かってる。機関銃の弾も使う機会はなさそうだがな」

 

“ピョレミルスキ“テストパイロットの“アレクサンテリ・イヴァノヴィッチ・アークラ“は分かったように言った。

名前だけでも見るようにソビエト系フィンランド人である。

親しみやすいように“アーク“と言う愛称で呼ばれている。

 

「にしても、戦争が終わったのに試作機なんて飛ばして意味なんてあるのだろうか?」

 

「さぁ……?だが、VLが試作した最後の機体にはなりそうだがな」

 

と言ってもピョレミルスキのエンジンに関してはメルスのエンジンを流用してるにすぎんから飛べるのかも怪しくなってきた……

イッルのメルスも準備ができたようらしく、これが恐らく最後の飛行となるのか

 

アークもピョレミルスキに乗り込み、発進できるようにする。

そういえば何で弾を装填してあるのだろうか整備兵は……?

何か標的を撃つって言うのならまだ分かるのだが

 

『先に発進する。アークは後に続け』

 

「ymmärrän」(了解した)

 

イッルのメルスが発進し、アークのピョレミルスキも発進する。

この機体は、中々エンジンがメルス並みの出力のおかげか速い。

 

「中々速いな。イッルのメルスにすぐ追いつけそうだ」

 

『こちらも全速で飛んでいる。だが、速度はそちらが有利か』

 

逆に速度調整するのが難しく感じる機体だ。

操縦性も悪くは無い。ただ、ロールした際のもっさり感があるな。

 

『次は旋回性能だ。アーク、模擬空戦といこう』

 

「イッル、容赦はしないぞ」

 

左右に分かれて、正面に向き合う。

そして交差した瞬間に両機共旋回戦に入る

 

「グゥ……単純な旋回戦なら……!」

 

照準器にイッルのメルスを捉える。

こいつ、メルスの見た目して旋回性能良すぎないか?

やはりこいつは軽戦闘機の部類に入りそうだ

 

『性能は良しだな。中々爽快な機体ぽそうだな』

 

「もうちょっと生産が早かったらLa-5の対抗が更に楽になったと思うんだがな」

 

フィンランド空軍は二線級の戦闘機でも一線級の戦闘機に勝つ事が出来るほどの腕を持ったパイロットが多いから開発が遅れてもしょうがない気もするが

すると、イッルが何かを発見した

 

『アーク、何か飛んでる。高度約4000に』

 

「何……?何だあれは?」

 

下を見ると、何かエイ状の何かが飛んでいた。

しかも、ところどころに赤みがかかっている色の

 

『司令部、所属不明機を発見した。迎撃するか否かの判断を乞う』

 

《ザザザッ…………》

 

「何だ司令部の連中は?無線が繋がらない」

 

無線機が突然繋がらなくなってしまった。

こうなってしまった以上、あの所属不明機を撃墜する事は出来ない

 

『とりあえず、接近して確認しよう。ソ連機だったらすぐさま追い返せばいい』

 

イッルのメルスは急降下して所属不明機に近づく。

何だろうか……嫌な予感だけが………ッ!?

 

「イッル!今すぐ離れろ!!」

 

『なッ!?』

 

それと同時に謎の赤い光線が出現し、イッルのメルスを攻撃した。

だが、何とか回避する事に成功したらしく、そのまま上昇離脱した。

 

「大丈夫か!?」

 

『大丈夫だ……少し掠ったが問題ない』

 

片翼が少し焼けこげているような感じだったが、完全には失ってはなかった…

とは言え、だ

 

「あの火力、戦闘機一機消し去る火力はあるぞ」

 

『こんな時ガンポッドを装備するべきだったか…… Perkele!!』

 

あの感じだと装甲も硬そうだった。

MG151があるとは言え、イッルのメルスとピョレミルスキ含めても二門分の火力しかないぞ

 

『だが、やるしかない。無線機が使えない以上二機で迎撃するほかない』

 

「ハァ……無傷の撃墜王も無茶が好きなようで」

 

たった二機であのエイ状の巨大航空機(?)を相手するのは分が悪いだろうが何もしないよりかはマシだ!

急降下して爆撃機を狙うような体勢になる。

 

発砲して、装甲を削ろうとするが、中々削られない。

ってか装甲硬すぎないかと思い始めていた

 

『何だあのエイは。どうやら攻撃した後は修復されるようだぞ。瞬間火力を奴にぶつけるしかないか……!』

 

「クッ!援軍が欲しいが、無線が繋がらねぇ!」

 

再び、攻撃態勢に入ろうとしたその時

 

『イッル!アーク!助けに来た!』

 

「“ニパ“!?来てくれたのか!」

 

ニルス・エドヴァルド・カタヤイネン。愛称は“ニパ“。“ついてないカタヤイネン“、“不死身のカタヤイネン“と言う異名を持ってるパイロットだ

まぁ……なぜか運がくそ悪いが、生存力はクッソ高い。

 

その他にもメルスの増援が8機来てくれた。

どうやら、無線が繋がらなくなり心配になったらしく飛行場から発進させたのだと言う

 

『あの赤い光線に気をつけろ。戦闘機がすぐに消し飛ぶ火力があるからな』

 

『分かった!全機で一斉攻撃して落とすしかないって事か!』

 

そうしてそのまま再び急降下して襲いかかる。

赤い光線を発射してくるが、何の問題もなく突撃する。

 

『全機撃て!』

 

10機一斉攻撃により敵機の装甲が剥がれていく。

そして謎の赤い鉱石みたいなのが出現した

 

『あれが弱点か!良し、攻撃する!』

 

「ニパ!待て!」

 

ニパはそのまま突撃していくが、赤い光線が主翼にぶち当たってしまう

だが、翼端が飛んだだけであり、失っていないもう片方の翼で結晶を消し飛ばした。

そしてそのまま敵機に光が見えたと同時に消滅した。

 

「ニパが珍しく幸運を発揮した!」

 

『珍しくは余計だ!まぁ良かったよ……とりあえず帰還する』

 

我々も帰還しようとした瞬間

突然、空が雲に覆われた

 

「何……?」

 

『アーク!雲に突入してしまったようだ。高度計をよく見て墜落しないようにしろ!』

 

と雲の中を飛行し続けて数分後、雲から出てきた

 

「………何処だ?ここは」

 

『一面雪だらけだが……無線機の応答もない……そして』

 

イッルが一呼吸おいてこう言った

 

『またあの航空機がいる……しかもデカイ。それに私の間違いじゃなければ良いのだが……人が、生身で空を飛んでる』

 

と、非常識的な事をイッルは言った

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




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