本編前に死ぬ4人家族の長男として転生した件について   作:バトクロス

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まずこれまでこの作品に対してお気に入り、評価をしていただいた方、誠にありがとうございます。
次に自分はこの作品を良くしていきたいと考えているので、低評価をつけられた方は是非とも改善点を感想で指摘していただけると幸いです。
最後に、更新遅れて申し訳ありませんでした。


嵐の前

「一応聞くが、何故あの魔法を使った?」

「いや、ドラゴン系統はぶっちゃけ足切り性能が高いだけで攻撃さえ通れば基本的に楽勝だし……その、なんだ、まともに闘うのが面倒くさくなった。道中の方がよっぽど訓練になったし。」

「わからんではないが、最低限戦ってからにしろ。」

緊張感の無いやりとりをしながら浮かび上がった転移門に入り、魔宮から出た二人は急いで本邸に帰った。

 

 

 

起きて朝食をご馳走になった後、自分達が帰宅する時間が訪れた。

自分達が雑談を終えると

「次はもう少し考えておけ。」

「ああ、そうするよ。運次第だが次もこうなってはたまらないからな。」

父はテレシス閣下とそう言葉を交わし、自分達を伴って本邸を出て行った。

 

 

 

走りながら昨日の事を回想してみると一つ気が付いた事が有った。

(この世界経験値システムなんて無いから、想像よりも強くなれていない。)ゲーム内では敵を倒すと経験値が入りLVが上がる都合上、ただの訓練よりも圧倒的に効率が良いが、現実では単純にハードな訓練を行ったようにしか思えなかった。

「……強くなれている自覚は無いか?」

「……はい。」

そんな悩みを見透かしたように父が尋ねてくる。

「自惚れるな。」

次に来たのは静かだが鋭い叱責だった。

「精霊は魔物の死体から()()()()()()微々たるものであるものの、自らを強くする。人類は魔法を使い続けることで魔動脈を強化する。そして精霊と契約すると精霊は一人よりも効率よく魔物を殺戮する事で、人は精霊の成長のフィードバックを受ける事で互いに成長速度が早まる。お前はまだ一人だ。」

だかその後の言葉は優しかった。

「お前は契約精霊がいない状態でよく頑張っている。もう少ししたらシルフィードの分体が育ちきる。そうしたら彼女と契約すると良い。」

その言葉に喜ぶと同時に気になることが有った。

「ケイセレンお姉様は精霊と契約していると聞いていますが……シルフィードの分体ではないのですよね?」

するとなぜが父は口を閉じ

「伝えてなかったが、そうか……言うべきだな。家に帰ったら教えよう。」

それだけ言うとそれから父は無言で先を急いだ。

 

 

 

 

 

 

家族4人で家に帰り着くと全員でリビングに集まった。

「先に言っておくとケイセレンの精霊は特殊だ。その特殊性から幼少期から契約していたにも関わらず今まで秘匿していた程だ。」

父が話し始めたが、その言葉だけで幾つもの疑問点が湧き出てきた。

「質問は後にしろ。簡潔に言うと彼女が契約してしまったのは()()()()()()()()()()と交戦中だった()()()()だ。それも中位のな。」

魔人?汚染精霊?

「父上、それは極めて危険なのでは……」うっかり口から言葉が零れ落ちるも父はそれを咎めず「そうだ」と言った。

汚染精霊は基本的に見つけ次第監視、並びに排除命令が出される存在だ。基本的に契約などあり得ない。

「お前は今まで何か疑問に思わなかったか?」

続く父の質問に首を傾げるも直後に一つの違和感が脳裏をよぎった。

「……この家には人が少なすぎます。それによく考えたら戦いを習うにしても普通は講師をつけるはずです。」

ヴァルクロス公爵家に行って分かったこと。それはリディスブライト家は()()()()()()()()事だ。転生後は忘れがちだが()()()としてはこの家はおかしすぎる。そこまで考えて、直後に分かった。

「気が付いたか……そうだ、汚染精霊と契約するのは許されていないが、契約精霊が汚染された場合は契約を続ける事が出来る。ケイセレンが10歳の日に国には中位精霊と契約したと連絡を行った。その後暫くしてから汚染されたと連絡をするつもりだった。」

だったと言うことは。

「そうだ、お前の予知夢を考慮して動き始めるのと同時にケイセレンの精霊が汚染されたと国に伝えた。」

父の説明を母が継いだ。

「お父様は今回の遠征のついでにお兄様とメーテリス様に予め後ろ盾として動いて欲しいと話をつけていたのよ。私達が魔宮に言っている間にね。」

「今までは彼にも詳しい説明はしてこなかった。だがまぁ方針転換するならば一番の味方だからな。」

父がそう締めるとリビングが静寂に包まれた。

 

 

 

「……ケイセレンお姉様が契約したのはどうしてですか?」質問を許可され聞きたかった事の中でひとまず一番気になることを訪ねると姉が口を開いた。

「裏山で稽古をしていたら突如として近くで爆発が起きて、先生と逃げようとしたら直ぐに魔人と精霊の争いに巻き込まれて先生が死亡。その後に相性が良かったらしく生き残るために行った一か八かの契約が成功。何とか魔人を倒したけど、契約解除なんて出来ないからそのままって事。」

感情を排した声でそういうと再び口を噤んだ。

「まぁ余り聞かないで。ケイセレンも思い出したくない事はあるのよ。」

母からそう言われこれ以上その事については質問しなくなった。

 

 

それから暫くは訓練と勉強に時間を費やした。ヴァルクロス家にも何度もお邪魔したし、自分もある程度強くなった。暫くすると魔宮は自分とラスティとシディアス、そして監督として母の4人で行くことが多くなった。

最近の姉は父とテレシス閣下の二人と共に魔宮に潜っている。彼女の汚染精霊も公爵家の後ろ盾もあり、父の監督の下ならば三ヶ月に一度報告書を送るだけですむようになった。

 

 

 

そして自分が9歳になったとき自分は精霊と契約した。父と共に精霊が比較的多くすむ霊深緑と呼ばれる森に行き、一際相性が良かった『風葬の精霊』と契約した。

それから精霊との関係も良好なまま互いに成長していった。

 

 

 

 

 

そして10歳の誕生日、運命の日が来た。




霊深緑……精霊達が多く住まう森。代々受け継いでいる精霊以外の精霊と契約する場合基本的にここに向かう。しかし相性が良い精霊がいない場合は精霊と契約出来ないことも有る。
風葬の精霊……風を纏う少女のような中位精霊。高い知能を持ち、言葉を話せる。
戦闘能力の変動
レイン 約LV15→LV25(精霊を召喚すると約40)
ケイセレン 約LV40→LV65(精霊を召喚すると約100)
ウォルター 約LV75→LV80(精霊を召喚すると約110)
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