本編前に死ぬ4人家族の長男として転生した件について   作:バトクロス

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情報追加の為に挿入します。一応目標はプロローグで5万字を目指しているので。
前から思っていましたが、頭の中で考えて小説を書くと設定だけ固まって情報の取捨選択が出来ず、キャラクターが死んでいるような作風になります。
正直な話納得出来る出来ではないのでいつか纏めて書き直すかもしれませんね。


閑話休題レイン・リディスブライトの生活

レイン・リディスブライト。自分が転生した存在は死ぬこと以外はかなり恵まれた環境に生まれ、育ったらしい。

基本的にゲームて描写されたのは内層貴族の暮らしであり、簡潔に言うと良くあるナーロッパである。商工業が発展しており、貴族達は一部を除いて仲が悪く、家を継がなかった貴族が運営する学習塾を通して様々な物事を学ぶ。

もっとも終盤は主人公の活躍で仲が悪い貴族の関係も多少改善はするが。

一方外層貴族は内層貴族に比べると戦闘以外でも早い段階で様々な物事を学ぶ為の手段は限られている。早い話、軍事面以外で内層貴族とは都市の発展度合いが違う。

 

 

 

だからこそ外層貴族達は防衛以外の物事に関しても地域間の結びつきが強く、爵位が違っても公の場以外では基本的に対等である。伯爵家の次男が実家で経営の理論を学んだ後、隣の男爵家で当主の監督下の元、実践を行う事なども良く有るようだ。

 

 

ここまで調べて思ったのは際限なく塾等に投資をすることでステータスを伸ばしやすいのが内層貴族、ある程度面倒を見て貰えるため下限が高く最低保障が有るのが外層貴族と言った感じだ。

リディスブライト家はそんな外層貴族の一員であり、生え抜きの戦士である。

 

そんな自分の生活を9歳の頃のある一日を例に挙げて説明する。

 

 

朝。ベッドから起きて顔を洗い、服を着て家族と共に朝食を食べる。リディスブライト家が特殊だとは思うが、一般的にゲーム中描写された内層貴族達の生活と比べるとかなり質素に見える。使用人の数も3人だけとかなり少ないと記憶を取り戻してからは思った。

朝食は基本的には堅パンと味付けの薄いサラダ、それとスープだけだ。たまに小さく硬い肉が出る事が有るが正直な話領地の一般農民と殆ど変わらない食事だ。

貴族と言うよりも日本の武家の方が生活は似ているかもしれない。

 

 

午前中は剣の鍛錬、そして『風葬の精霊』とコミュニケーションをとりお互いの絆を深める……まぁ仲良くなるための時間だ。

『本を読んでよ』

「いや、何時も読んでいるけど。」

『勉強の本は嫌!』

自分が剣の鍛錬を終え、読書をしていると彼女が読み聞かせをしろと絡んできた。

彼女は一般的な精霊よりも知能は高いが、同時に幼く我が儘な女児のようだった。様々な物事に対して興味しんしんな彼女は現在リディスブライト家が保有する書物に強く関心を示していた。

「分かったから明日ね……とりあえずいつも通り魔物を狩ろうか。」

『はーい……疲れるんだけど。』

いや、寧ろ自分と姉が年不相応なのかもしれない。苦笑しながらごく稀に遭遇する下級の魔物を狩りに行く。

彼女とはまだ融合等は出来ないものの着実に強くはなっている。実際精霊が居ないで魔宮に行ったときより確実に魔法の出力は上がっている。

そして彼女自身も強い。中位精霊なだけあって下級の魔物程度なら小型の竜巻や風刃によって簡単に葬る事が出来る。

念のため遠くに居るらしい母の精霊によって見守られ、そうして今日も自分と精霊の強化を行った。

 

 

「今日も美味しいです。」

「ありがとうございます。」

昼、昼食は家族揃って食べることはほぼ無いためメイドが予め作り置きしてくれている軽食をつまんでいる。

今日はパスタのような何かとみずみずしい果実だった。基本的にこの家には掃除で2人、料理で1人しかメイドが居ない。昔は家庭教師が居たらしいが彼は故人だと聞いている。

残った3人は姉の事を知ってなおこの屋敷に勤めることを決めた存在だ。両親も信用しているらしい。

因みに昔解雇された使用人達は父上がキチンと再就職先を斡旋したらしい。

 

 

 

「レイン何か気になることでも?」

午後、魔法について参考書を用いて勉強しているとき、母からそう声をかけられた。

「はい、教科書には詠唱後には()()()を唱える必要がある時書かれていました。にも関わらず自分達は詠唱後に魔法名は言いません。」

原作でもムービー中は魔法を放つとき基本的には魔法名を言っていることを思いだした。

「成る程、じゃあ何でそんな風に教えているか考えてみて?自分なりの答を出してから正答を教える事にするから。」

明らかに教科書と矛盾した教育を受けていると話すと母は笑みを浮かべてそう問い返してきた。

「……分かりません。何故普通は態々魔法名を詠唱するのか、そして私達は普通ではないのか。その両方が。」

暫く頭を回転させてもなお思い浮かばなかった。

「では説明しましょう。」

母は笑顔のまま話し始めた。

 

 

「そもそも魔法名を言う短縮詠唱と言わない短縮詠唱は魔力の練り方が違います。通常の魔法名を詠唱する方法は詠唱時点では多少無駄が有るように構築し、魔法名を言うことでその無駄を削り取って発動する。」

そう言って、空き地に手を向け「炎風擊『炎雷砲』!」魔法を発動した。

見慣れた炎雷が視界を横切る中、母は説明を再開した。

「反対に詠唱時点で完璧に魔力を練り上げる場合は、無駄をそぎ落とす行程が無いため魔法名を言う必要が有りません。」

そう言うと再び手を向けて「炎風擊」と言い魔法を発動した。

 

 

………()()()

「そう、魔法の発動は実は魔法名を言う構築の方が速いの。クッキーで形を作るとき、生地を自分の手で調整して作るよりも型抜きを使った方が楽で速いわよね。一応ロスリック学園でもこの魔法の発動を習うはずよ。」

自分の反応に満足したのか分かりやすい例えと共に母は説明してくれた。

(原作ではクーデターの際にレベルが大きく離れていなければ必ず先制出来たのはこれが原因だったのか……)

原作ではステータスの速度によって基本的に攻撃順が変化する。にもかかわらず先手をとれていた事に納得しつつ新たな疑問が湧いた。

「では何故私達は魔法名を言わない詠唱を習っているのですか?明確に魔法名を言う構成に比べ劣っているように感じます。」

「なら使ってみたら?出来る限り魔力消費が多い魔法で。勿論短縮詠唱で。」

 

 

そう言われ中級魔法で魔力消費が多い『塵結流星』を使う事にした。

「魔縫降弾!」虚空から黒き流星が目標地点に降り注いだ。

「魔法名を言う場合は、構成に使用する魔力消費の最大値を基準として大雑把に型を作るのよ。」

そう言われ再び『塵結流星』を発動しようとした。

「魔縫降弾『塵結流星』!」

 

 

その瞬間体から魔力が()()()()()()()()感覚を味わった。目標地点に流星が降り注ぐのを見ながら自分は答を得た。

「魔力消費が()()()()()()。」

「ええ、初めてだから無駄も多いけど……極まった使い手でも大体1().()5()()()2()()()魔力を消費する。」

結界崩壊時に大量の魔物や魔人が侵略してきた場合、()()()()()()。その事を想定して私達は魔法名を言わないで魔法を使っている。

そう母は締めくくった。

 

 

夜、夕食後家族それぞれ順番に風呂に入る。

内層貴族と外層貴族には都市の発展具合に差が有るとされているが、生活水準に関しては差は無いためこうして清潔な生活を過ごすことが出来ている。

そうして体を洗い、歯を磨いた後最後に姉とボードゲームをして寝る。

 

 

この様にして自分は必死に力をつけた。

 

 

 

だが全く足りなかった。




魔法名を言う詠唱は速度に優れ、瞬発的、突発的な戦闘に有効。早い話市街戦やタイマンに向く。
魔法名を言わない詠唱は魔力消費に優れ、持久力に優れる。早い話対軍団、対魔物に向く。
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