鬼畜なエロゲ世界にモブ転生!?ヒロインは暗殺者らしいので、全員寝取って生き残ろうと思います。   作:ぽんたぬ

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第21話 乙女の過去、根掘り葉掘り。

 

 トワりんの傷付いた心を癒すべく、俺は塗る塗るオイル(チートアイテム)を使って彼女を催眠状態にした。

 

 

「ねぇ、トワりん。俺にトワりんのことを教えてくれない?」

「私のこと?」

「そう、たとえば……小さい頃のこととか聞かせてほしいな」

 

 一度トワりんには起き上ってもらい、お互いマットの上に座りながら話をすることにする。

 

 精神科のドラマか何かで、少しずつ過去を掘り下げると良いと聞いたことがある。

 素人だし完全に手探りだが、やってみるしかない。まずは手始めに、幼少期の思い出を聞くことにした。

 

 すると、トワりんは嬉しそうな声で語り始めた。

 

 

「私はね、元々は引っ込み思案な性格だったの」

「トワりんが?」

 

 こんなにも明るくて、生徒たちにも好かれているトワりんが?

 

 驚く俺の声を聞いて、彼女はクスッと笑った。少しだけ寂しげに目を細めた後、ぽつぽつと語り出す。

 

 幼い頃、トワりんは両親に甘えることができない子供だったという。自分の意見を口にするのが苦手で、いつも両親の言うことに黙って従うだけの日々。

 

 

「特にお父さんは高校の理事長をしていたから、私の教育にとても厳しくって。少しでも反抗的な態度を取ると、すぐに怒鳴られたり叩かれたりしたわ。お母さんも逆らえなくて、私を守ってもくれなかった……」

 

 父親は正論ばかり振りかざすので母親も言い返せず、むしろ父親の味方をすることもあったんだとか。

 

 それが原因で母親とケンカすることも多く、家に帰りたくないといって友達の家に入り浸る。そしてそのことでまた親と揉める、なんてこともあったそうだ。

 

 そうして家族の仲が悪化していく中、ついに母親と決別する出来事が起きる。

 

 

「中学校に上がる頃にね、母親が私を置いて男と出ていったの。当時の私は反抗期だったこともあって、母親を恨んだりもしたわ」

 

 トワりんからしたら捨てられたも同然。絶対にあんな母親みたいな大人にはならないと、子供心に誓ったそうだ。トワりんが料理上手になったのはきっと、母親の代わりに家事をやっていたからだろう。

 

 俺は何か言葉を掛けようとするが、彼女は首を横に振った。

 

 

「でも今思うとね。お母さんも私と同じ、お父さんの被害者だったんだと思うんだ。だから家の外に逃げたくなったんだよ」

 

 トワりんはどこか自嘲するかのように呟いた。あの頃の自分は子供で、ただ逃げ出す勇気も力もなかっただけなのだと。

 

 彼女の瞳の奥にある悲しみの色は消えない。きっと、今でも心の奥底では母親のことを想っているのだろう。

 

 

「だから私、家族の愛情って言うのがよく分からなかったんだ。お父さんは単純に怖い存在だったし、お母さんは裏切り者としか思えなかったから」

 

 それでトワりんは父親と違って優しい教師を目指し、一途な女性になろうとした……というわけか

 

 

「(なるほど、確かにトワりんの傷は根が深そうだな)」

 

 トワりんの話を聞いただけで、当時の彼女がどんな気持ちで毎日を過ごしてきたのか容易に想像できた。

 

 ただタカヒロの件で深く傷付いたのだと思っていたが、それよりずっと前からトワりんの心は(もろ)く壊れやすかったんだ。

 

 

「(なるほどなぁ。タカヒロの死を上書きすれば良いと思ったけど……。幼少期のトラウマが原因なら、どうやらそれだけじゃダメみたいだな)」

 

 この催眠術を使えば、彼女の心の傷を癒せるんじゃないかと考えていた。しかしそれは甘い考えだったようだ。

 

 トワりんは過去の経験のせいで家族に対して不信感を抱いており、それが今も尾を引いている。

 

 おそらく、彼女自身が心の底から愛情を感じられない限り、いくら催眠で昔の楽しい記憶を呼び起こしたところで意味がない。つまり、今のトワりんには心を開ける相手が居ないということだ。

 こればっかりは時間をかけて解決していくしかないな。

 

 ――まあ、俺がなんとかしてみせるさ。なんていったって、俺はトワりんの彼氏なんだからな。

 

 

「ごめんね、トワりん。辛い話をさせちゃって」

「ううん、いいのよ。もう過ぎた話なんだから。それに今はマコトくんが居るから平気だよ。マコトくんさえ傍にいてくれれば、私は幸せ」

 

 そう言ってトワりんは俺に手を伸ばすと、ギュッと強く抱き締めた。そしてまるで幼い子供が親に甘えるように、胸元に頬ずりをする。

 

 

「大丈夫。俺はトワりんのことを裏切らない。絶対見捨てたりしないよ」

 

 俺は安心させるように背中を撫でながら言った。するとトワりんは嬉しそうな声で「ありがとう」と囁き、ゆっくりと目を閉じていった。

 

 どうやらオイルの効果が切れて、そのまま寝てしまったようだ。

 このままでは風邪をひいてしまうので、オイルをふき取って布団に入れてあげよう。

 

 

「はぁ、トワりんのことを知れたとはいえ、これじゃ前途多難だな……ん? 莉子からメール?」

 

 トワりんをベッドに移し、リビングの片付けをしているとスマホが鳴った。通知を見れば、そこには莉子の名前が。

 

 

「返信がきたってことは、無事に終わったのかな――えっ?」

 

 さっそくメールを開くと、画面にはこう書いてあった。

 

 

『任務失敗。情報屋のスパイダーは潜入前に全員惨殺されていた』

 

 

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