鬼畜なエロゲ世界にモブ転生!?ヒロインは暗殺者らしいので、全員寝取って生き残ろうと思います。   作:ぽんたぬ

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第24話 鞭と無恥、たまに飴。

 

「は? いきなり何を馬鹿なことを。俺がトワりんを愛していないって言いたいのか!?」

 

 突然変なことを聞いてくるもんだから、つい大きな声を出しちまった。

 だけどトワりんへの想いの強さは誰にも負けないつもりなのに、あんまりにも酷い言い草だ。

 

 しかし宇志川は冷静な態度を崩さずに言葉を続ける。

 

 

「だって、貴方が言ったんですよね? 『自分は最近この世界にやってきた転生者だ』って。ゲームで知っているとはいえ、この世界の磯崎先生とは別の存在ですわよ?」

「そ、そんなことはない! 俺は今のトワりんが好きなんだ!」

「でも磯崎先生と過ごした時間はほんの数日。貴方が好きなのは、かつて好きだったゲームの中の磯崎先生、その外側だけなのでは?」

 

 そう言って宇志川は俺の目をじっと見てくる。すぐさま否定しようにも、そのための言葉が出てこない。

 

 前世のトワりんは、俺にとって理想の女性像みたいなものだった。だから初めて会ったときは、その姿に心を奪われた。

 

 でも今は違う。トワりんは、俺の大切な女性の一人だ。それは間違いないのだが――。

 

 

「裏を返せば、磯崎先生の気持ちだって分かりませんわよ?」

「トワりんの……気持ち?」

「ショッキングな出来事でひび割れてしまった心を、貴方という存在で埋めようとしている……つまり自分にとって都合のいい存在に依存しているだけなんじゃないかしら」

 

 たしかにタカヒロの件で壊れかけたトワりんを救ったのは俺だ。彼女も本能的に、俺が離れていかないように思っているのかもしれない。

 

 

「でもそれって、本当に愛情って言えるのかしら? 今の貴方たちの関係って、なんだかパズルのピースのように、自分の足りない部分をただ補い合っているだけのように聞こえますわよ」

 

 宇志川が発したその言葉は、まるで鋭いナイフのような切れ味で俺の心に突き刺さった。

 

 トワりんの過去を思い出し、愛されているという自信がさらに揺らぐ。

 

 

「(彼女は父親から貰えなかった愛情を、俺で代用しているだけかもしれない。もしくは俺に対する好意は、すべてアイテムのおかげだったとしたら?)」

 

 そんな考えが浮かんできて、思わず自分の心臓がドクンと脈打った。

 

 もしそうだとしたら。俺よりももっといい男が現れたそのときは、俺なんてお払い箱になるんじゃないか。

 

 

「……わたくしも、磯崎先生の気持ちが分かるんです。表では反発していましたけれど、そこはやはり親なので。父親の期待にこたえたい、褒めてほしいって感情がどうしてもあるんです」

 

 宇志川は少し自嘲するように、苦笑いを浮かべながらそう語る。

 

 

「だからその代わりになってくれるような男性が現れたら、コロっといっちゃいますよ。マコトさんに惹かれたのも当然です」

 

 付け加えるように小声で「わたくしも女の子ですので……ちょっとだけ、先生が羨ましいです」と言うと、恥ずかしそうに目を伏せてしまった。

 

 

「――それを言ったら、拙も同じなのにゃ」

 

 今度は莉子がポツリとそうこぼした。

 

 

「拙が御主人様に付き従うようになったキッカケは、間違いなく調教だったのにゃ。最初は心の底でド畜生のクソ男だと思っていたのにゃ。同い年なのに、とんでもなく変態な犯罪者なのにゃ」

 

 ……まったく酷い言われようである。そこまでのことを俺がしたか?

 

 猫語しかしゃべれなくなるほど洗脳したり、体の感度が数十倍になったり、拘束プレイが大好きなドMになったり……うん、周囲にバレたら社会的に死ぬなこりゃ。

 

 

「だけど一緒にいるうちに分かったのにゃ。この人は自分を傷つけたりはしない。拙をちゃんと見てくれているって。今まで利用するかされるかの世界にいた拙にとって、初めて心から優しくしてくれる男性だったのにゃ。だから御主人様は、拙のかけがえのない御主人様なのにゃ」

 

 目をウルウルとさせながら俺を見上げる莉子。そう言ってくれるのはとても嬉しいんだが、随分と下げてから上げてきたせいで素直に喜べない。いや、良いんだけどさ。

 

 

「マコトさん、よく考えて下さい。これから先、貴方は私たちをゲームの世界の住人だと考えるのか、否か。本当に心から好きなのならば、しっかりと先生のことを見てあげてください」

 

 宇志川は俺の肩に手を置くと、諭すように語りかけてくる。ここまで言われてこたえなかったら、俺はトワりんを好きであり続ける資格はないよな。

 

 

「……あぁ、分かった。しっかり考えるよ」

「はい、是非ともお願いしますわ」

 

 宇志川は満足そうな笑みを浮かべると、改めて握手を求めてきた。

 

 俺もそれにこたえるべく、彼女の手を力強く握る。ちょっと痛いが、粉々にされなかっただけマシというところか。

 

 

「よし、それじゃあ今からトワりんのところに行ってくるわ」

 

 俺は椅子から立ち上がると、そう宣言する。

 正直、まだ不安はあるけど、それでもこのまま何もせずにいるわけにはいかない。俺はトワりんを信じるって決めたんだ。だから彼女に会いに行こう。

 

 

「もし、フラれたら……その時はわたくしがマコトさんを貰ってあげますわよ?」

「御主人様、拙もいるのにゃ!」

「……ありがとうな二人とも、色々と世話になった」

 

 二人の励ましの言葉を受けて、少しだけ勇気が出た気がする。

 

 心が軽くなった俺はトワりんの待つマンションへ帰るため、走り出した。

 

 

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