シン・南斗の拳 俺達の戦いはこれからだ!   作:マジカル☆さくやちゃんスター

22 / 56
殉星「ピカー」
シン「眩しいんだが?」
殉星「これはまた物を知らん小僧だネ。偉大な星というのは輝いて見えるものだヨ」


第二十二話 時間がありません! すぐに押し寄せてくるわ!

『そうか……海は消えたのではなく隠れただけか。ならば今、俺が見ている砂漠は言ってしまえば風呂桶の蓋のようなもの……という事だな』

「その通りだ。そして俺達は、何としてもその蓋を取り除き、この星を再び水の溢れる青い星に戻さなければならん。それこそが、この時代に王として名乗りを上げたこの俺の果たすべき仕事よ」

『クク……壮大になってきたな。だが嫌いではないぞ』

 

 俺は現在、城の一室で遠くにいるガルダと通話していた。

 電話は繋がらないので、通話手段は自衛隊の基地があった場所から発掘した軍用無線機だ。

 今の世では、伝書鳩に頼らずリアルタイムで遠方と意思疎通出来る貴重な連絡手段だ。

 俺はこれを、サザンクロスの各砦と、ガルダが治める北の大地に配備していた。

 最近では、勢力に加わったアスガルズルにも一つ配備している。

 余談だが、以前サウザーにあえて伝書鳩ならぬ伝書鷲を渡したのは、『サザンクロスにはタイムラグのある連絡手段しかない』と思わせる為でもあった。本命の連絡手段はこっちの無線機よ。

 とはいえ、数に限りがあるので緊急の連絡が必要になる要所にしか配備できていない。

 

『だがそうなると、お前の指示で確保しておいた氷山や雪解け水は無用となるな』

「いや、そのまま他に取られんように確保しておいてくれ。

蓋を取り除くとは言ったが、そう短時間で出来る事ではない……時間が必要だ。

蓋を取り除くまでの長い時間がな……。

だが人は、水がなければそう長い時間耐える事は出来ん。

しかし、確保しておいた氷山があれば、その間の時間を稼ぐ事が出来る」

『ふっ……了解した』

 

 海がなければ雨が降らない。

 雨が降らなければ、水はどうしたって不足する。僅かな地下水だけでは人類を生かす事など出来やしない。

 この世界でも時々雨や雪が降る事があったが、それは蓋のどこかに穴があったり、唯一現存している死の海が蒸発する事で局地的に齎される頼りないものだ。

 それでは駄目だ。それでは、明日を凌ぐ事は出来ても未来へ繋がらない。明日ではなく一年後を、十年後を……百年後を見据える必要がある。

 だから海を隠してしまっている蓋を取り除くのは必須。だが技術力も人も失われたこの世界で、それを成すのは至難の業だ。

 どうしても時間がかかる。どんなに急いでも数十年単位の時間が。

 ガルダが確保してくれた氷山は、その数十年から人類を守る希望となるはずだ。

 この先俺が戦うべき相手はラオウやサウザーだけではない。

 人類が乾いて滅亡するか……それより先に海を取り戻せるか。

 ここから先、俺は時間とも戦わねばならないだろう。

 

『だがそうなると、問題は……』

「ああ、サウザーだ。奴は太平洋側に陣取ってしまっている。奴等を排除しなければ、俺の目的は果たせん……かといって、説得を聞き入れる男でもない」

『ならばシンよ、俺を聖帝と戦わせてくれ。必ずや、あの平和を乱し続ける男を仕留めてみせよう』

 

 ガルダの声に熱が籠った。

 かつてサウザーは、ガルダが幼い時に彼の村に攻め込んだ過去がある。

 その時は俺と、ガルダの母のビナタさんの二人で何とかサウザーを食い止めて村の人々が逃げる時間を稼いだ……が、結局村は滅ぼされてしまったし、ビナタさんも本来の運命より少し長生きしたものの、サウザーとの戦いで受けた傷が原因で死んでしまった。

 ガルダにとってサウザーは、生まれ育った村を滅ぼした張本人であり、母の仇なのだ。

 

「侮るな。サウザーは南斗最強の男……いかにお前といえど、戦えば命はない」

『承知の上! たとえこの命尽きようと、奴を仕留められるならば本望!』

「ならん。お前は我がサザンクロスに必要な男だ。ここで失うわけにはいかん」

 

 ガルダがサウザーに突撃して死んでしまうのは、俺としては何としても避けたい事態である。

 今、ガルダには北の大地を任せているのだ。なのにそのガルダが死んでしまっては、折角手に入れた北の領土が混乱してしまうし、実力的にガルダの代わりを務められるのは……今のサザンクロスでは、精々俺か、ジュガイか、レイくらいしかいないだろう。

 しかし俺がKINGシティを空けるのは論外だし、ジュガイも外したくない。レイは実力は十分でも人を率いるのに向いていない。

 つまり、ガルダの代わりがいない。なので死なれるのはとても困る。

 

『では、奴を放置するというのか?』

「いや……いずれは排除せねばならん相手だ。避けて通る事は出来んだろう」

 

 正直サウザーもラオウも、避けて通りたい。

 だがサウザーは位置が悪過ぎる。俺が太平洋側に進出して、海を塞いでしまっている大地()を取り除こうにも、その真上に陣取った上にでかい墓まで建てているのがサウザーなのだ。

 かといって、その位置は邪魔だから退いて下さいと言って、素直に退いてくれる男ではない。

 つまり排除以外の選択肢がないのだ。

 とはいえ……避けて通れないのは事実だが、別に排除するのが我がサザンクロスである必要はない。

 掃除は掃除人に任せればいいのだ。そう……北斗神拳伝承者という名の掃除のエキスパートにな。

 

「ひとまずは、オホーツク海方面から取り掛かってくれ。人手が必要ならば寄越そう」

『人手より重機が欲しいな。トウダが持ってきた分だけではとても足りん。デビルリバースはこちらに派遣出来ないのか?』

「すまんが、開拓の主力であるデビルリバースは動かせん。重機も、何とかそっちで発掘してくれ。トウダに持たせた重機も、今では貴重品なんだ」

『分かっている。何とかやってみよう……ところで、何か悩みでもあるのか?』

「何故そう思った」

『何となくだ』

「……悩みなどいくらでもある。何せ課題が山盛りだ」

『それもそうか。何かあれば言ってくれ。助力は惜しまん」

 

 ガルダとの通話を終え、俺は溜息を呑み込んだ。

 悩みか……そうだな。悩みはいくらでもある。

 その中でも最近考えているのは、サクヤの予言だ。

 ……執念と欲望に拘り続ける限り俺は運命に勝てない。

 これがどうでもいいインチキ占い師の言葉ならば笑い飛ばすだろう。

 だがサクヤは未来を見通す女だ。

 そして俺に、この予言をしたのは実はサクヤ一人ではない。

 アスガルズルの先代女王エバ。彼女もまた未来を見通す力を持つが、そんなエバからも同様の忠告を受けている。

 そして余計なお世話にも、ユリアにも以前欲望と執念を捨てろと言われた事があった。

 未来を見通す三人の女が、悉く同じ忠告を俺にしている。ここまで来れば、流石に俺も気にしないというのは難しい。

 

 ……だが今は、目の前の問題の事を考えよう。海を蘇らせる事こそ、今考えるべき最重要課題だ。

 蓋を取り外すのに、やる事はシンプルだ。

 とにかく掘って掘って掘りまくる。そんで、穴をひたすら広げる。それだけだ。

 ただ、何せ海をすっぽり覆ってしまうほどだ。並大抵の量ではない。

 戦前の世界……いや、俺が転生する前の令和の世界の重機と人手があったとしても、それでも地球を元に戻すのは難しいだろう。

 それを僅かな重機と人手でやれというのは、ハッキリ言って無理難題だ。無茶を押し付けている事など俺だって分かっている。

 だがやらなければならないのだ。そうしなければ、この星はいつか死に絶える。

 いっそ、ここが北斗の拳ではなくドラゴンボールとかだったら、かめはめ波! とかで大地を一気に消し飛ばして海を塞いでいる蓋をどける事も出来たんだろうがな。

 いや、俺の声的に魔空包囲弾とか魔貫光殺砲か? 俺は今究極のパワーを手に入れたい。

 しかし残念ながら、俺が百人いてもそんな芸当は出来ないだろう。

 俺ではなくデビルリバースが百人いてくれれば、希望も見えるんだが。

 とにかく、どうにか海を覆っている蓋を上手い具合に取り除く術はないものか。

 海の上に大地が形成されて蓋になってしまっている……が、それはあくまで本当の大地ではない。

 核戦争で巻き上げられた土砂や建物の残骸、砂塵などが海の上に降り積もり、大地のようになっただけ……ガルダが言った『風呂桶の蓋』はまさに言い得て妙で、海の上にプカプカ浮いているだけの平べったい仮初の大地に過ぎないのだ。

 ならばいっそ、ミサイルを大量にブチ込んでやれば、あるいは砕く事も可能か?

 上手くすれば、そこから連鎖崩壊もありえない話ではない。

 

「……火薬と、兵器が必要だな。それも、自衛隊基地から発掘した兵器だけでは火力不足だ……もっと強力な、軍事大国の……」

 

 思案を巡らせる中で一人呟き、そして自分の口から出た言葉に笑いたくなった。

 皮肉な話だ。世界をこんなにしてしまった人の業そのものである軍事兵器を、また使おうとしている愚者がここにいる。しかもそいつは、他ならぬ俺自身なのだ。

 重ねて、更に愚かな事にそいつの脳裏には最悪の兵器が現存している事への期待と、それさえあれば……という浅ましい考えまで浮かんでいる。

 俺は、今度こそ飲み込まずに溜息を深く吐き出した。

 

 どうにか他の手段を考えよう。

 俺だって、出来れば人の愚かさの象徴になぞ頼りたくない。

 

 

 サザンクロス、拳王領、聖帝領の三大勢力に挟まれる形で細々と残り続けている、どこの勢力にも取られていない緩衝地帯。

 最近になって緩衝地帯の最大勢力であったアスガルズルがサザンクロスに吸収され、UD城が壊滅した事で急速に狭まっているその地で、細々と生きている小さな村があった。

 その村の入口付近でポツンと立っている一人の男――ご存知、世紀末救世主ケンシロウである。

 何故彼がこんな所でぼけっと突っ立っているのか。それを語るには、サザンクロスを旅立った日まで話を遡る必要がある。

 

 リュウロウを仲間に加えてサザンクロスを出発したケンシロウ一行は、シンの言葉通りに緩衝地帯へ赴いた。

 ゴッドランドを壊滅させて以降、ケンシロウは少しずつ救世主として人々に認知されてきた。

 しかしケンシロウ自身は、自分に出来る事などそう多くないと考えている。

 シンのように領土を広げて、人々が豊かに暮らせる国を作る事など出来ない。

 出来るのは、この拳が届く範囲にいる悪党を抹殺する事くらい。

 ケンシロウは自分の事を、敵を殺すしか能のない男であると考えている。

 誰かを泣かせている悪党を殺す事は出来ても、お腹を空かせて泣いている子供を腹一杯にして笑顔にしてやる事は出来ない。

 それでも、この拳を必要とする人々がいるならば、せめて自分に出来る事をしようと思った。

 この荒れ果ててしまった世界を再び、人々の笑顔で溢れる世界に戻すのはきっと……いや、必ずあの戦友(とも)が果たしてくれる。

 ならば自分は、この拳で敵を打ち砕くのみ。

 南斗と北斗は表裏一体。シンは南斗六聖の使命に目覚め、人々を導き光を与える指導者となった。

 ならば北斗神拳伝承者であるケンシロウがするべき事は、闇の中で蠢く外道共を始末する死神となる事。

 表と裏、光と闇。北斗と南斗は互いの手が届かぬ場所をカバーし合う事で世の秩序を守る。それこそが最大の使命。

 世界が滅びてしまった今こそ、戦友(とも)の影となりて使命を果たすべき時!

 ……尚、全てケンシロウの勘違いと過大評価である。

 シンは別に南斗の使命になど目覚めていない。

 

 話を戻そう。

 緩衝地帯へ入ったケンシロウ一行は、とある村に辿り着いた。

 そこは、『ボス』と呼ばれる男とその妹が統治する小さな村であった。

 核戦争で行き場をなくした難民を保護し、村を作った……まではよかったのだが、気付けば三大勢力に挟まれた激戦区。

 サザンクロスに避難しようにも、こんな大勢で移動しては野盗のいい的で、村人の中には長距離移動が出来ない老人や子供もいる。

 結局、村人を見捨てる事の出来ないボスとその妹はここで日々、野盗の襲撃を警戒しながら必死に生きていた。

 特に最近は牙一族という輩に目を付けられてしまい、村ごと潰されるのも時間の問題であった。

 そしてある日遂に、牙一族の大攻勢を受けて絶体絶命となったのだが……そこにケンシロウが訪れ、襲撃者を皆殺しにした。

 その実力を見込んだボスは、食料や水を代金としてケンシロウに村の用心棒を依頼したのだ。

 

 その後ケンシロウとリュウロウは用心棒として見事に役目を果たし、牙一族を殲滅してみせた。

 すると、野盗達も恐れてこの村に近付かなくなり、ケンシロウは……暇になった。

 リュウロウは村の人々に風力発電施設の作り方を教えたりしているが、ケンシロウは平時では基本的に役に立たない。

 なのでこうして、村の入口で置物のように棒立ちする日々を過ごしているのだ。

 

「ケン、またそこにいるの? 今は敵も来てないんだから、休んでなさいよ」

 

 きつめの口調ながら、ケンシロウを気遣ってくれるのは、この村のボスの妹だ。

 金髪の整った顔立ちの女性で、頭には緑色のバンダナを巻いている。

 強気な性格の持ち主で、こんな時代であっても前に進もうとするエネルギーに溢れていた。

 

「いや……ここでいい。いつ野盗が来るか分からん」

「だからこそでしょ。アンタに倒れられちゃいざって時に困るのよ。四六時中気を張ってても身体が持たないわ。それより、万全の状態を保っておいていざって時に出て欲しいの」

「心配無用だ。この程度で疲れるほどヤワではない」

「全く頭の固い……こんなクソ真面目な奴が、あいつの弟ねえ」

 

 ボスの妹は腕を組み、呆れたようにケンシロウを見る。

 そんな彼女に、ケンシロウは優しい視線を向けた。

 

「それに、貴方には恩がある……」

「恩?」

「貴方はもう覚えていないかもしれないが……あの時、貴方が俺の甘さを叱ってくれたからこそ、俺は戦う事への決意と覚悟を持てた。ずっと礼を言いたいと思っていた」

「やめてよ。私は別にそんなんじゃ……ただ、アイツを舐めてるアンタの事が気に入らなかっただけで……」

「それでもだ」

 

 ボスの妹は付き合いきれないと言いたげに溜息を吐いた。

 それから、地平線を見る。

 まるで誰かを探しているかのような……いや、事実探している、その憂鬱気な眼にケンシロウは哀しみを感じた。

 彼女には恩がある。だが彼女の探している人は、ケンシロウにとって、いつか決着を付けなければならない敵である。

 出来れば穏便に済ませたいが……シンから聞いた話によると、彼は相当こちらを恨んでいるらしい。

 シンは言った。全てはお前の甘さが招いたことだと。

 反論は出来なかった。

 かつて『奴』がケンシロウに、伝承者の座を降りろと迫って暴力を振るったあの日。

 ケンシロウは逃げるという選択があった。殺すという選択があった。

 しかし逃げる事は伝承者の誇りが許さず、殺す事はケンシロウの甘さが許さなかった。

 逃げたくない。殺したくもない。その中途半端さが選んだのは、殺さない程度に痛めつける事……『奴』に消えない傷と痛みを与える事であった。

 どれだけ歪み、腐っていようと、それでも確かに兄として共に修行をした男……どうしてもケンシロウは止めの一撃を振り下ろせなかったのだ。

 過去の過ち……それを悔いるようにケンシロウが強く拳を握った時、向こう側に何かが見えた。

 

「あれは……!?」

「お婆さん……? けど、足に何か……あれは、重り!?」

 

 ケンシロウとボスの妹が見たのは、隣の村からこちらにやってくる婦人であった。

 しかし様子がおかしい。足には鎖を付けられ、巨大な石と繋がれている。

 相当無理をして歩いてきたのだろう。足首は血だらけで、今にも倒れそうだ。

 何と残酷な事をするのだろう。

 あんな年老いた婦人に重りをつけ……しかも、こんな炎天下の下に放り出すとは。

 それだけではない。ケンシロウには、あの婦人に見覚えがあった。

 

「あの人はまさか……あの時、シェルターにいた……!」

 

 ケンシロウは思わず駆け出し、遂に力尽きた婦人を抱き止めた。

 そして顔を見て確信する。

 やはりあの人だ。あの核戦争の日、子供達と一緒に核シェルターにいたご婦人!

 シェルターを出た後は子供達と一緒にどこかへ去って行ったあの婦人が何故、こんな事に……?

 

「婆さん! しっかりしろ!」

「こんなひどい……一体何が!」

 

 ケンシロウとボスの妹が声をかけるが、婦人はもう誰が見ても分かるほどに衰弱し切っていた。

 それでもケンシロウの声を聞き、目をうっすらと開ける。

 

「ケ……ケンシロウさん……」

「婆さん! 俺だ、分かるか!」

「む……村に……ケンシロウさんを名乗る……悪漢が……胸に、七つの傷……」

「何……?」

「彼は……ケンシロウさんを騙り……悪事を……私は…………彼はケンシロウさんではないと皆に教え……そしたら、怒りを買って……」

 

 途切れ途切れに語られたが、要するに彼女の暮らしていた村に、ケンシロウの偽物が現れたのだろう。

 そして本物のケンシロウを知る婦人は、無謀にもその偽物に『貴方はケンシロウさんではない』と言ってしまったのだろう。

 その結果、偽物の怒りを買ってこんな仕打ちを受けてしまったのだ。

 

「ど、どうか……村を……子供達を…………時間がありません……すぐに、あの男の呼び寄せた野盗達が……村に押し寄せて……うっ、うぐっ…………」

「ば、婆さん!」

 

 ケンシロウに救いを求める最中、突然婦人の顔が風船のように膨れ上がった。

 この現象をケンシロウは知っている。

 いや、知らないはずがあるまい。何故ならこれは、ケンシロウ自身が悪党共に散々やってきた事……秘孔を突かれた人間が、爆発する時の前兆だからだ。

 

「押し寄せ……よせ……せ……しぇ……しぇるたッ!!」

 

 婦人が断末魔を上げて爆発し、血と臓物が飛び散った。

 またも見知った人間が一人、旅立ってしまった。

 その事に哀しみ、同時にケンシロウは激しい怒りの炎を燃やす。

 偽者の心当たりは……ある。

 シンから聞かされていた。『あの男』……ジャギと、遂に再会する時が来たのだ。

 

「すまない、村に戻っていてくれ……俺は、奴と決着を付けに行く」

「待って! 奴って……心当たりがあるのね?」

「……それは……」

「今の、北斗神拳よね?」

「…………」

「……ジャギなのね?」

 

 ボスの妹の鋭い視線に耐えられず、ケンシロウは顔を背けた。

 彼女はジャギと会う資格がある。いや、彼女ほどジャギと会うべき人物はいない。

 しかし、この先にあるのは兄弟の殺し合いだ。来れば必ず、辛い思いをさせてしまう。

 それでも彼女は、ジャギに……愛した男に会うべく、同行を申し出た。

 

「私も行くわ」

「しかし……」

「止めても無駄よ。私一人でもジャギに会いに行くから」

「……分かった。だが、俺から絶対に離れるな……」

 

 

 ――ボスの妹。彼女の名は、アンナといった。

 

────────────────────────────────────────────

 

ケンシロウ「シンは南斗六聖の使命に目覚めた!」

シン「!?」

 

Q、何故わざわざシェルターおばさん爆散させたん?

A、ジャギ「ほう、ケンシロウの知り合いか。ならば奴へのメッセンジャーになってもらおう」

 

Q、本来ここで犠牲になる兄弟どうなった?

A、無事。ケンシロウの知り合いというもっと優先度の高い人が出てきたのでそっちにヘイトが移動した。

 

【画面外でどんどん需要の高まるデビルリバース】

風殺金剛拳の広範囲攻撃は蓋の破壊にも効果的。

重要度が上がりすぎて、この図体と強さなのに戦場に出せない。

 

【アンナ】

外伝「極悪ノ華」のヒロイン。

多分北斗の全外伝のヒロインの中で一番悲惨な末路を辿った子。

死に際にジャギに会う事すらできないというなかなか救いのない最期を迎える。

このSSではシンの乱入により無事。

 

【シェルターの婦人】

ご存じシェルターの人。

どう見てもスペースの空いているシェルターで二人しか入れないなどと言ってトキの入室を拒んだ。

作品によって微妙に主張が違い、エレベーターだったり外から閉める仕組みだったり、トキの主張をガン無視して同じ事ばかり言い続けたり、強引に入ろうとするトキを返り討ちにしたりとあらゆる方法でトキを殺しにかかる。

多分エレベーター説が一番説得力がある。

イチゴ味ではシェルターの中なら無双の力を誇るが、このSSでは不運にもシェルターの外でジャギと遭遇してしまった。

シェルターの中だったならジャギを返り討ちにできた可能性も……?

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。