Infinite Stratos ~Eyes turn from blue to red~《瞳は蒼から紅へ》 リメイク 作:ぬっく~
ヒロインの名前など色々な所が変わっています。
俺は……あの日、大切な人を失った……
腰まで届いた長い黒髪、コバルトブルーの瞳、薄白い肌。
誰もが美人と言える彼女を俺は失った……そう……あの日、彼女と一緒に居なければ、彼女を失わなかったはずだった!
「一花……」
一人の少年が墓の前で、線香とお供え物の花を置いて呟く。
「俺、今度からIS学園に通うことになったんだ……」
悲しげに話す少年。
「だから、見ていてくれよな」
少年は立ち上がり、その場を後にした。
この物語は本来あるはずのなかった物語。
少年―――織斑一夏がとある女性―――一花と呼ばれ女性に恋したことにより始まった新たなる物語。
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IS学園
「げえっ、関羽!?」
そこには、職業不詳で月一、2回ほどしか家に帰ってこない実姉。
そして、好奇心ばかりの女子の目線。
女子のことは大方予想がついていたので気にすることはなかった……だが、何故か実姉の千冬姉がそこに居た。
なぜこんなことになっているかと、それは遡ること2ヶ月前のことだった―――
「うー、寒っ……」
中学三年の俺が、受験の真っ只中だった。
ちょっとした事情で両親がいない、年の離れた姉が養ってくれているが、正直なところその所に引け目を感じていた。
そう言うこともあって、俺は自宅から近い私立藍越学園の入試試験を受けに来ていたのだが―――
「……どうやって二階に行くんだ?」
いかん、迷った。
わかりずらい構造の上、案内板すら見かけないのだ。
「仕方ない、次に見つけた扉を開けて、人がいたら聞くか」
そう言って、俺は目に止まった扉を開ける。
「あー、君、受験生だよね」
部屋に入った途端、どうも相当忙しいのか、入って来た俺の顔を見ずに女教師は指示だけを出して出て行ってしまった。
「正解だったのかな……?」
出された指示もおかしく、着替えてと言ってたし―――
カーテンを開けると、そこに奇妙な物体が鎮座していた。
「IS……」
正式名称『インフィニット・ストラトス』
宇宙空間での活動を想定して作られたマルチフォーム・システム。
とある『開発者』の糸は別に宇宙進出は一向に進まず、結果このスッペクを持て余して『兵器』へと変わったが、各国の思惑で『スポーツ』にと落ち着いた。
しかし、この『IS』には致命的な欠陥があった。
「男は使えないんだよな……」
そう、女にしか使えない。
女以外には、反応しないのだ。
「IS……か、あいつも乗りたいと言っていたっけ」
子供のように目を輝かせながら話す、彼女の事を。
「そう言えば……ISを見つけたら、こんな事を言うって言ったっけ」
……我々は望む、七つの嘆きを。……我々は覚えている、ジェリコの古則を。
「!?」
キンッと金属質の音が頭に響き、意識が遠のく。
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ざぁ……。ざぁぁん……。
(ここは……?)
遠くから聞こえる波の音に誘われるまま、俺は何処ともつかぬ砂浜の上を一人歩いていた。
足を進める度、さく、さく、と足元の白砂が澄んだ音を立てる。
「ここは……何処なんだ?」
砂浜には積み立てられた学校の机と椅子の山がある。
その上で、鼻歌が聴こえる。
「~♪ ~~♪ ♪……」
とても綺麗で、俺は何だか無償に機になって、その方へと足を進める。
さくさく。
さくさくと。
足元の砂が軽快に鳴り、少女が机の山の上で足を揺らしながら、座っていた。
こちらに気づいたのか、鼻歌を辞め―――
「君には、まだ、このステージは早すぎだね」
聞き取れない。
フィルターがかかった様に少女の言葉が全く聞き取れなかった。
「またね。一夏」
「え?」
すると、強風が襲い掛かり、目の前の光景が徐々に遠くぼやけていく。
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「………………」
状況を整理しよう。
「皆さん席に着いていますか? SHRを始めますよー」
この人、教師? と思える位、成長するバランスを間違えている女性が前居た。
「始めまして、山田真耶と言います。皆さん、今日から一年間よろしくお願いしますね!」
元気な挨拶をしたけれども……
「あの……皆さん……?」
「「「…………」」」
「ええっと……そ、それでは出席番号順で自己紹介をお願いします!」
その言葉で自己紹介が始まり、そして俺の番になった。
「織斑一夏です。よろしくお願いいたします」
至って平凡な自己紹介である。
他の生徒達も聞きたい事は多々あるのだろう。
周りからの視線はその次を催促する。
他には何か無いのか?もっと詳しく教えてくれないのか?と。
だが俺は―――
「以上です」
何故かクラス中の生徒、そして山田先生までもが揃ってズッコけた。
まあ、もっと喋ってほしんだろうけど時間の関係で省略したのがよくなかったのだろうか。
「―――まともに自己紹介もできんのかお前は!」
後ろから衝撃が走った。
クラス名簿で叩いてきたのだ、しかもそこにいたのが、俺の実姉である―――織斑千冬だったのだ。
しかも、このIS学園で教師をやっていたのだ。
まあ、その後は織斑先生が現れたことによる騒ぎがあったくらいだった。
「は~」
自己紹介は終わりのんびりと休み時間を多能したかったが……
「ちょっといいか」
幼馴染みの箒が声をかけて来る。
自己紹介の時に、彼女ことを見つけた。
「箒か……」
箒はどうやらまたで会えたことが嬉しかったようだが一夏とってはどうでもいいことだった。
一夏はそのまま無理やり屋上へと連れていく。
「久しぶりだな……一夏」
「そうだな……」
6年ぶりの再会だった。
その長い時間は、彼の心を変えるには十分な時間だった。
「どうしたのだ!? 6年ぶりなんだぞ!」
“はいはいそですね”と返したくなる気分だった。
「それで何?」
その時だった。
キーンコーンカーンコーン。
二時間目の開始を告げるチャイムが鳴った。
「時間だから戻らせてもらうぞ」
「待て、一夏!」
後ろから声が聞こえるが、そのまま一夏は教室へと向かって歩いた。