Infinite Stratos ~Eyes turn from blue to red~《瞳は蒼から紅へ》 リメイク 作:ぬっく~
彼女、ラウラ=ボーデヴィッヒは普通の人間ではない。
これは少々言い過ぎではあるが、彼女の場合普通に人間として生まれたのではなく、ドイツが作り出したデザインベイビーで、こうして生み出された彼女は軍の中で優秀な成績を収めるに至ったが、ISの登場によりそれは一変した。
彼女はISとの適応能力向上のために
自分の存在意義を見失っている時に現れたのが織斑千冬であり、その出会いが彼女の運命を変えたのだ。
千冬の指導により彼女は再び軍のトップにまで上り詰め、名実ともにドイツ最強の名を手に入れることができたが、この時千冬は致命的なミスを犯していた。
それは千冬はラウラに戦い方を教えている一方で、彼女に人間関係や軍人としての心構えを一切教えていなかったのだ。
この原因はドイツ軍は千冬に、千冬はすでに教わっているものと思い込んでいたために彼女に教えることはなかったのだ。
その結果ラウラは、力=強さと思い込んでしまった。
彼女は所属するで孤立し、しまいには「ドイツの冷水」とまで呼ばれ、これでも彼女の所属する部隊が機能しているのは日本の少女マンガを好きの副官がうまくラウラへの不平不満をうまく抑えていたからだ。
もし彼女がいなければ実質部隊は内部崩壊をしていたとまで部隊内の人間からは言われていた。
ラウラがドイツの候補生になれたのは実力があったからなれたようなものである。
彼女はISの暴走により意識を失い学園の保健室で眠っていた。
目を覚ますと、そこには千冬がいた。
「教官、一体何がおこったのでしょうか?」
「ボーデヴィッヒ、VTシステムは知っているな。どういうつもりか、あれがお前の機体に搭載されていた。そしてモデルは私だった。言いたいことは分かるな?」
「VTシステム教官の姿に……ですか、つまり私が教官になることを望んだという訳ですね」
「そう言う事だ。ラウラ・ボーデヴィッヒお前は誰だ?」
「わっ、私は……」
「3年間と言う時間の中でそれを見つけろ、そして今までのお前の考えを改めるんだ、もちろん私にも責任はあるから協力はする。いいな?」
そうして千冬は保健室から出て行き、保健室にはラウラ一人だけが残された。
一夏達はセシリアたちも加えて夕食をとっていると、麻耶が一夏達のところにやって来て男子の大浴場使用の日程調整がようやく終わったことを告げたのだ。
そして一夏達が夕食をとっている中、千冬は校舎の屋上である一人の人物に連絡を取っていた。
その人物は……
『もしもし、ちーちゃん久しぶりだね!! 私が恋しくなったのかな?』
電話の相手は篠ノ之 束。ISを生み出した超本人であり、現在は指名手配されている人物だ。すると千冬は束に疑問をぶつける
「束、お前は今回の事件には関係しているのか?」
『今回? はてさて、なんの事かな?』
「VTシステムだ」
『あーあれね、あんなもの私が作ると思う? それにその研究施設を潰そうと思ったんだけどね……』
「どうした?」
『どういう訳かは知らないけれど、その施設は全部燃えてなくなっちゃたよ。もちろん私は何もしてないよ』
「そうか」
『それじゃあねちーちゃん、近いうちにあいにいくからねー』
そう言い彼女は一方的に電話を切り、千冬は彼女の言っている意味をすぐに理解し呆れながらも職員室に戻って行った。
そして箒も夜のアリーナで自らの姉に電話をする。
箒は姉を避けているため普段は自分から連絡することはないのだが、今回は事情が違っていた。
もちろん束は箒からの電話にはすぐに出る。
「姉さん……その……」
『うんうん、わかってるよ箒ちゃん。欲しいんだよね専用機が』
「はい…」
『もちろん用意してあるとも、君にしか使えない、世界最強のIS、その名も紅椿。近いうちにもっていくからねー』
「お願いします、姉さん」
『うんうん、それじゃぁまたねー』
束がそう言うと、箒は電話を切る
「(これでようやく私も力を手に入れることができる、一夏達にも後れを取らない力が…!!)」
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一夏は大浴場に行き久しぶりの入浴を満喫し、次の日、シャルロットの姿がなく、大体の理由はわかっているしそんなに気にする必要ななかった。
教室を見回すとラウラも居らず、昨日の今日では流石に無理だろうな……負傷しているし、事実聴取もあるし。
「み、皆さん、おはようございます……」
教室に入ってきた山田先生はフラフラしていた。
「今日は、ですね……皆さんに転校生を紹介します。転校生と言いますか、すでに紹介は済んでいるといいますか、ええと……」
山田先生の説明はよくわからない、正直どう説明すればいいかわからないのだろう………クラスの皆は転校生に反応したらしく一斉に騒がしくなった。
「じゃあ、入ってください」
「失礼します。―――シャルロット・デュノアです。皆さん、改めてよろしくお願いします」
ペコリと、スカート姿のシャルロットが礼をする
「ええと、デュノア君はデュノアさんでした。と言う事です。はぁぁ……」
と疲労感たっぷりのため息を吐く山田先生にちょっとだけ同情した。
男子生徒の為に頑張ってたら実は女子生徒でしたってオチだからな……
「え? デュノア君って女……?」
「って、織斑君、隣同士だから知らないって事は―――」
「ちょっと待って! 昨日って確か、男子が大浴場を使ったわよね!?」
ザワザワザワッ!
教室が一斉に喧噪に包まれた、それはあっという間に溢れかえる。
そう言えば、シャルロットが女とわかれば当然何かしらの間違いないがあると勘違いする事をすっかり忘れていた!
なんだろう……嫌な予感がする。
その瞬間、教室のドアが蹴破られたかの様な勢いで破壊された。
「一夏ぁっ!!!」
そこに現れたの鈴だった。
その顔には烈火の如く怒り一色に染まっていた。
って、何でお前が怒るんだよ!?
「死ね!!!」
ISアーマー展開、それと同時に両肩の衝撃砲がフルパワーで開放される。
おい、待て!何やってんだよ!アイツ!?ここは教室で俺の他にクラスメイトがいるんだぞ!!
ズドドドドドオンッ!
「ふーっ、ふーっ、ふーっ!」
怒りのあまり肩で息をしている鈴がいる。
その姿は毛を逆立てて怒る猫の様に見えた。
あれ?衝撃が来ないぞ?
「…………」
間一髪、だったのかどうかはわからないが、俺と鈴の間に割って入ったのは――なんとあのラウラだった。
その体には黒いIS『シュヴァルツェア・レーゲン』を纏っている。
おそらく、衝撃砲をAICで相殺したのだろう。
とりあえずはクラスの皆に被害がなかった事にほっとした。
「助かったぜ、ありがとう。………そういえばお前のISはもう直ったのか?」
「コアはかろうじて無事だった。予備パーツで組み直した」
「へ~。そうなの――なっ!?」
いきなり、俺はグイッと胸ぐらを掴まれ、ラウラに引き寄せられる。
すぐさま、手で自分の口をガードした。
「お、お前は私の嫁にする! 決定事項だ! 異論は認めん! いい…なあっ!嫁よ! 何故かわす!」
「俺はあいつ以外とはキスはしない」
ラウラはキッと俺を睨み付けてくるがそんな事は関係無い。
「まだ話は終わってないわよ!」
「……一夏、貴様どういうつもりか説明して貰おうか」
そうは問屋が卸すまいと鈴と箒の幼なじみコンビが俺に迫ってきた。
鈴は双天牙月を手に、箒は日本刀を手に―――
「何で日本刀なんて持ってるんだよ!?箒!!」
「これは実家から送ってきて貰った物だ。特に問題ない!」
「そ、そうか問題ない……んな訳あるか―――!!」
箒の言い訳に思わずノリツッコミを入れる。
「いいから説明しなさいよ」
「そうだな、納得する理由を聞かせ貰おうか」
と物凄くいい笑みで問い詰め様と幼なじみコンビは迫ってくるが―――正直怖い…………
「ほう……それは面白そうだな、私も混ぜて貰おうか?」
ギギギギ……と軋むブリキの音で首を動かす箒と鈴。
そこには出席簿を片手にポンポンと肩を叩いている織斑先生がいた。
「「ち、千冬さん!!」」
二人の頭上に拳骨が振り下ろされた。
「「〜っ」」
「織斑先生だ。貴様ら一体何をしている? 特に鳳、ISを無断展開たそうだな?」
「そ、それは……その……」
「放課後、反省文をくれてやる。覚悟しておくんだな」
「は、はい……」
返事をしてガックリと肩を下ろす鈴。
「それから篠ノ之。これは没収だ!」
箒の持っていた日本刀を没収する織斑先生。
「ま、待ってください!」
「いい訳は聞かん! 貴様の事だ、どうせ暴力にしか使わないだろう。だからお前には宝の持ち腐れだ、私が預かる」
「わ、わかりました……」
渋々と言った感じで引き下がる箒。
「それからボーデヴィッヒ。そいつは諦めろ」
ラウラには物凄い、いい笑顔を向けていた。
「な、何故ですか」
「ん? あぁ、そう言えば話していなかったな。織斑にはもう彼女がいたし、あいつ以外誰も愛さないだろう。だから織斑には手を出しても無駄だぞ」
「はい?」
ラウラは千冬姉に言われて、思考が停止する。
さらに周囲からは一夏が彼女持ちだった事実に女子達が悲鳴を上げる。
「そ、そんなぁ〜〜」
「織斑君が彼女持ち!?」
箒はと言うと……
「(一夏に恋人だと?!)」
箒は信じられない真実を知ってしまった。
「一夏!」
「ん? なんだ?」
「お、お前に……恋人がいるて―――」
箒は千冬姉が言ったことが、信じられなかった。
6年間思い続けて来た一夏に、恋人が出来たことが―――だが、その想いは打ち砕かれる。
「本当だが?」
その一言が、一夏に恋していたセシリア、シャルロット、ラウラをも止めを刺す。
「一夏さん!? その思い人は何処の誰で―――」
セシリアやその他のクラスメイトから質問の集中砲火があったが―――
「席に着け、馬鹿ども!」
千冬姉の出席簿が火を噴く。
誰もそれには逆らわず、全員席着き、鈴は自分の教室に戻っていた。