Infinite Stratos ~Eyes turn from blue to red~《瞳は蒼から紅へ》 リメイク 作:ぬっく~
織斑一夏
この作品の主人公。
原作とは違い唐変木ではない。
一花と共に第2回モンド・グロッソの会場に向かう途中、誘拐にされ、一花を失った。
その事件以降、織斑一夏の両目は何故か黒ではなく一花と同じコバルトブルーの目になっていた。
俺が教室に戻って暫くしてから箒が戻ってきた。
そのまま授業はスタートし、山田先生は教科書を読みながら授業を進めていく。
一夏も真面目に授業に専念し、ノートに授業内容を取っていく。
「………」
「織斑君、何処か解らない所とかありますか?」
山田先生はこの中の唯一の男である一夏が授業についてこれているか少し不安になり声を掛けてきた。
このような場では授業に集中するのは確かに難しいだろう。
「いえ、特に問題はないです」
っと答えた。
山田先生もほっとして授業を再開した。
一夏は直ぐにノートに向き直った。
「ふぅ」
授業終了後、息を吐き一休みする。
ISは女性でしか動かせない、それなのに男でありながらそのISを動かした。
注目されるには十分すぎる理由、っという事から教室内に居るクラスの女子、廊下からこちらを見ている他クラスの女子達の視線が絶えなかった。
「ちょっとよろしくて?」
明らかに相手を下に見ているように上から物言いだった。
話しかけてきた相手はロールがかかった金髪をして、白人特有のブルーの瞳をした高貴なオーラを出している女子だった。
「何だ?」
「まあなんですの!? そのお返事と言葉遣いは!? これでもわたくし、セシリア・オルコットに話しかけられる、これだけでも途轍もなく光栄なのですから。それに相応しい態度で、対応するという事が必要ではないのですか?」
「疲れる……一体何の用だ」
「男でISを操縦出来ると、散々騒がれてましたから、少しくらい知的さを感じさせるかと思っていましたけど、期待外れも良い所ですわね」
「そちら側が勝手に期待しただけだ。俺には関係ない、そして……」
鋭い目つきでセシリアを睨み付けた。
ひっ! という声を漏らしながら後ろへと後退りするセシリア・オルコット。
「い、今の所は引いて差し上げますわ! 覚えてらっしゃい!!」
あまりの鋭い目つきと殺気に冷や汗を欠き自分の席に戻っていく姿を見ながら
「やっぱり、いるよな……」
と呟いた。
ISの登場により、女性はかなり優遇されている。
いや、優遇どころが、もはや女=偉いの構図にまでなっている。
キーンコーンカーンコーン。
三時間目開始のチャイムが鳴って休み時間の終わりが告げられた。
それとほぼ同時に山田先生と織斑先生の二人が入室し授業がスタートした。
「ああ、その前に、再来週のクラス対抗戦に出る代表者を決めないといけないな」
織斑先生は思い出したように言った。
なんでも他クラスとの競争感を付けて意欲を上げようと方針らしい。
一夏はそんな面倒臭そうなことに出る気など0なので無視したいが……
「はーい!! 織斑君がいいと思います!」
「私もそれがいいと思います」
「そーね、せっかくだしね」
「おい…」
気持ちを裏切るように女子達は自分を推薦してきた。
一夏は思わず声を出しながら、迷惑そうな顔をする。
「推薦者は織斑だけだな? 他にいないか?」
「納得いきませんわ!!」
バァット机を強く叩きながら立ち上がり、大きな声を張り上げる女子がいた。
イギリスの国家代表候補生、先程一夏に因縁をつけてきたセシリア・オルコットだった。
「このような選出はみとめられません! 大体、男がクラス代表なんていい恥さらしですわ! このセシリア・オルコットにそのような屈辱を一年間味わえとおっしゃるのですか!?」
声を荒げながら叫ぶセシリア、一夏は勿論無視を続ける。
「実力から行けばわたくしがクラス代表になるのは必然です!」
正直、この手合いは苦手だが、まあ、俺としてはクラス代表とやらを引き受けてくれると言うなら嬉しい限りだ。
「いいですか!? クラス代表は実力トップがなるべき。それはわたくしですわ! 何せわたくし、入試で唯一! 教官を倒したエリート中のエリートですから」
興奮冷めやらぬ―――と言うか、ますますエンジンが暖まってきたセシリア・オルコットは怒涛の剣幕で言葉を荒げる。
「聞いていますの! 織斑一夏!!」
「……言いたいことはそれだけか?」
「なぁッ!?」
予想外の応答に、セシリアは空いた口が塞がらなくなっていた。
俺はそんなセシリアの様子を気にもせずに千冬の方に顔を向ける。
「彼女はやる気があるらしい。こういう役職はやる気があるものがいいだろう。なら彼女がクラス代表でいいだろ、どのみち俺はそんなものをやる気は無い」
俺は淡々と千冬に言う。
そこには否定も肯定も感じられない。
ただ事実を淡々と述べるだけであった。
しかし、その様子はセシリアの癪に障った。
「馬鹿にしていますの!」
「……別にしていない。クラス代表になりたいのだろう、ならば丁度いいはずだ。俺としても、そのほうが有り難い」
俺は素直にそう答えた。
しかし、その様子にセシリアは自分が馬鹿にされたように感じたようだ。
「馬鹿にしていますわね!! 決闘ですわ!!」
セシリアはビシィッと音が付きそうな勢いで指を一夏へと向けた。
「いいぜ、四の五の言うよりわかりやすい」
「さて、話はまとまったな。それでは勝負は来週の月曜の放課後、第三アリーナで行う。それぞれ用意をしておくように」
「「はい」」
織斑先生は話をまとめ、クラス代表の話は終わりとなった。
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「(例え、世界が私の敵になったとしても一夏くんは私の味方でいてくれる?)ああ、俺はそれでも一花の味方さ……」
放課後、俺は教室に一人残り椅子に座ったまま動こうとしなかった。
時々言葉を口にするがそれを聞く者は俺以外、誰も居ない。
「一花……」
そう言う彼の手には懐中時計があった。
懐中時計の蓋の裏には一夏と一花との写真があり、それを閉じるると俺は席から立ち、荷物を持って教室から出ようとするが。
「良かった。織斑君、まだ教室にいたんですね」
山田先生が書類を片手に駆け寄ってきた。
「あ、山田先生」
「えっとですね、寮の部屋が決まりました」
そういって部屋番号の書かれた鍵を渡してきた。この学園は寮制で寮で過ごす事が義務付けられているらしい。
「解りました。それではこれで」
頭を下げてそのまま去ろうと、廊下を歩いているとするが千冬に呼び止められる。
「着替えと携帯の充電器があれば十分だろう。ありがたく思え」
「はあ……どうもありがとうございます」
荷物を引っ手繰ってそのまま教室を出た。
「織斑君、随分古い時計を使いなるのですね。今時、懐中時計を使う人なんていないのですが……」
「あれは、織斑にとって大切な物だからな」
「はあ……」
もう彼女はいない、あの事件で彼女は死に、俺だけが助かった。
あの事件には不可解な所が多数存在したが解決することはなく、そのまま進み続け自分の部屋を発見し中へと入いる。
内装を確認するとベットが二つあった、荷物を窓際のベットの近くに置き、自分のそのベットに腰掛けて窓から景色を眺めた。
「………」
島から見る景色とは全く違った。
十分綺麗と思える景色だが綺麗だとは思わなかったが、この世界は彼女がいないと灰色にしか見えないと思った。
「一花……俺はお前が恋しい……」
すると背後で扉が開く音がした。
そういえば先程からシャワーの音がしていた、同室者がいたらしい。
「い、一夏…?」
「篠ノ之か、さっさと服を着ろよ」
一夏に指摘され箒は悲鳴を漏らしながら洗面所に戻り、着替え始めた。
今日は色々とあってかなり疲れたこともあって、俺はすぐさま眠りにつく。
その時、初めて彼女にあった日のことを思い出していた。
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あれは、中学に入ってから少しのことだった。
その日、担任教師から転校生が来ることを知った。
そう、それが全ての始まりだった。
「今日は、転校生を紹介します」
いきなりの転校生紹介にクラス中がいっきにざわつく。
「さ、入ってきてー」
先生の掛け声で、ゆっくりと扉が開き、転校生が教室に入ってくる。
「さ、じゃあ自己紹介をお願いしますね」
「はい」
担任が促すと、少女は頷き、チョークを手に取った。
そして黒板に、『流星一花』の名を記す。
「初めまして、流星一花と言います」
それは突然の出来事だった。
名前的には日本人だったが、彼女の目を見て分かった。
空のように青い瞳。
今、思うとあの時から俺は彼女に一目惚れしたんだと自覚できる。
自己紹介も終わり、彼女の席は……俺の隣だった。
俺はその日からずっと一花のことしか考えられなかった。
一花も一花で凄かった、転校してから数日後、彼女に告白する人が後をたたなかったが、誰も成功しなかったのだ。
友人の弾でもさえ、だけど……一人だけ成功した人がいた。
そう、俺、織斑一夏だけだったのだ。
弾たちと悪ふざけで始まった賭けごとで、俺は一花に告白する。
確かに俺は彼女に一目惚れしていたが、何故、俺を選んだのかは知らない。
その後は弾と皆で楽しく過ごした。
デートもした、あの時はとても楽しかった……だけど、それは長く続かなかった……
第2回モンド・グロッソでドイツに行くことになったことを一花に話したら自腹してまで一緒に来てくれたのだ。
そして、会場に向かう途中……事件は起こった。
千冬姉を棄権させる為に誘拐されたのだが、結果的に棄権させるのに失敗したのだ。
犯人グループに暴行され、銃で打たれたのが最後に覚えていることだった。
その後、気づいたら病院におり、千冬姉に一花が何処にいるのかを尋ねるが、千冬姉は首を縦に振り、そして、最悪の真実を知った。
「彼女は死んだ」
信じたくなかった。
何で俺が生きて、彼女が死ななければいけなかったのか。
さらにその事件も不可解な点があったのだ。
監禁場所は火災、犯人グループは全員死亡、さらにISも複数見つかった、そして何故か俺の周りだけ燃えていなかったのだ。
結局、事件は未解決のまま幕を閉じてしまった。
その後、知ったんだが俺の目がコバルトブルーに変わっていることに、最初はビックリした。
嬉しいのか悲しいのかよく解らなかった。
だけど、一つだけ言える事があった、一花は俺の中で生きていると……
その後は、一花の遺品を整理することになり、彼女の家に訪れた。
彼女も俺と同じで両親はおらず、一人暮らしをしていた。
引き取りてのいないこともあり、俺が彼女の遺品を全て引き取った。
その中に懐中時計があり、中には写真が一枚入っていた。
最初にして最後の写真、世界でたった一つの写真が……
俺は、その懐中時計をいつも持ち歩くようにしていた。