Infinite Stratos ~Eyes turn from blue to red~《瞳は蒼から紅へ》 リメイク 作:ぬっく~
「織斑くん、おはよー。ねえ、転校生の噂聞いた?」
教室に着くなりクラスメイトに話しかけられた。
「転校生?」
確かここって転入の条件かなり厳しかったような……
そもそも試験自体、国の推薦がないとできないはず……
ということは……
「なんでも中国の代表候補生らしいですわ」
「セシリア」
「わたくしの存在を危ぶんでの転入かしら」
「このクラスに転入してくる訳でもないのだろう? 騒ぐほどのことでもあるまい」
いつの間にか俺の傍に箒がいた。箒も噂には敏感らしい。
「代表候補生か……どんなやつなんだろうな」
「気になるのか……?」
「気になるんですの……?」
「……まあ少しはな」
「そうか……」
俺の言葉に箒は悔しそうな顔をする。
「今のお前に女子を気にしている余裕はないぞ! 来月にはクラス対抗戦があるんだからな!」
「そうですわ、一夏さん! クラス対抗戦に向けて、より実戦的な訓練をしましょう。相手は専用機持ちのわたくしが、いつでも務めさせて頂きますわ!」
「そうさせてもらうよ」
俺はそれに了承する形で話をする。
「まあ、やれるだけやってみるか」
「やれるだけでは困りますわ! 一夏さんには勝っていただきませんと!」
「そうだぞ。男たるものそのような弱気でどうする」
「そうそう! 織斑くんが勝つとクラスみんなが幸せだよ!」
「あははは……」
セシリア、箒、クラスメイトが各々に好き勝手言うので一夏は乾いた笑いしかでなかった。
「織斑くんには是非。勝ってもらわないと!」
「優勝商品は学食デザートの半年フリーパス券だからね!」
「それもクラス全員分の!」
「お、おう……」
好き勝手言うなあ……
まだ、
「今のところ専用機を持ってるクラス代表って一組と四組だけだから、余裕だよ」
きゃいきゃいと楽しそうな女子の気概を崩すわけにはいかなかった。
「―――その情報……古いよ」
その声がした方向を見ると。少女が腕を組み、片膝を立ててドアにもたれていた。
「二組も専用機持ちがクラス代表になったの。そう簡単には勝てないから」
二組のクラス代表て……まさか!?
「鈴……お前……鈴か?」
「そうよ!中国代表候補生、
中2の時に中国に帰った、鳳 鈴音がそこに居た。
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「鈴、いつこっちに帰って来たんだ? いつ代表候補生になったんだ?」
「質問ばっかしないでよ。アンタこそ男なのにISとか使っちゃって。ニュース見てびっくりしたわ」
俺と鈴はとりあえずこの1年間のことについて多少話していた。
そしたら―――
「一夏さん! そろそろどういう関係か説明して頂きたいですわ!!」
「そうだぞ! まさか付き合ってるなんてことはないだろうな!?」
鈴と付き合ってるだって?
いやいや、それはない。
そう言えばまだ箒とセシリアには一花のことを話していなかったな……
「別に付き合ってないわよ」
「こいつは凰鈴音。俺の幼馴染で、箒とは入れ違いに転校してきた謂わばセカンド幼馴染。」
「ていうか一夏。この二人は?」
鈴がそう聞いてくる。
「ああ、こっちが篠ノ乃箒。お前が来る前からの幼馴染だ。んでもってこっちはイギリスの代表候補生のセシリア・オルコットだ。」
「改めて、篠ノ乃箒だ」
そう言う箒を鈴はジロジロと見ていたが
「ま、よろしくね」
「うむ。よろしく」
お互いにそう挨拶を交わしていた。
「そして私はセシリア・オルコット、一夏さんの紹介にもあった通りイギリス代表候補生です。よろしくおねがいしますわ、中国代表候補生さん?」
「代表候補生? あっそ、よろしくね」
セシリアともそんな挨拶を交わしていた。
「ねぇ、一夏。アンタ対抗戦に出るんでしょ? だったら私がISの訓練してあげよっか?」
鈴にそう言われるが……
「悪いが、今回は遠慮させてもらう。俺はISの訓練は受けてるし、知識もそれなりにあるんだ。それに、アレも完成させたいし、お前は二組だろ? なら敵である俺に訓練なんてマズいんじゃないのか?」
俺はそう言って、鈴の誘いを断る。
「そう、じゃあ時間みたいだから私は戻るわね」
そう言って、鈴は食堂から立ち去っていく。
「んじゃ、俺達も戻るか」
そう言って、俺達は教室に戻った。
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放課後、全ての授業を終えてセシリアと訓練を行っていた。(何故か箒も一緒だった)
俺はこの訓練で、密かにある剣術を混ぜていた。結果的には使えることがわかっり、お互いに有意義な訓練となり、その日はこれで解散した。
ピットに戻ると鈴が待っていた。
「お疲れさま! 一夏」
はい、と言ってスポーツドリンクとタオルを差し出してくる鈴。
「おお、鈴! サンキュ!」
俺はそれを受け取り、スポーツドリンクに口をつける。
「にしても、何でここに? 偵察にでも来たのか?」
「何で私がそんなことしなきゃいけないのよ!? 差し入れに来ただけよ!」
俺の言葉に鈴は憤慨した様子でそう答える。
「そうか。そりゃありがとな」
「……しかし、改めてあんたのその両目を見ると、あの子のと全く同じ色ねぇ……」
鈴は一花のことは知っており、良く一花に可愛がられていたのだ。
正直、短い間の中だったが、数少ない友人でもあった。
「まあ、この両目は一花本人の物だったからな」
「はぁ? それはどういう意味よ!」
「そのままの意味だ。この両目は一花本人の両目を移植されたのだよ」
「まじ……?」
「まじだ」
この事を最近知ったことを鈴に伝えると―――
「一夏の両目が変わった理由は分かったわ……」
鈴は一応、納得してもらったが、さすがに予想の斜め上に行く出来事だったようだ。
「取り敢えず、用はそれだけよ。じゃあね」
そう言って鈴はピットから去っていった。
その後、俺はシャワーを浴びて自分の部屋に戻り直ぐに眠りにつく。
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今日はクラス代表戦の一回戦がある日だ。
俺は既にピットで準備を始めていた。
ちなみに俺の相手は二組のクラス代表である鈴だ。
そして、観覧席は既に満席状態で、人が溢れ返っている。
「すごい人数だな」
「一夏さんが出るのならば、これ位は当然でしょうね」
外の様子を見てセシリアとそんな会話をしていると。
「一夏。そろそろ時間だ」
箒にそう言われる。
「そうか、よし行くか!」
そして俺は白式を展開しアリーナまで飛び立った。
「一夏、やっと来たわね。遅いわよ」
「悪いな鈴。遅くなった」
俺がアリーナに着くと、既に鈴が上空で待機していた。
俺は鈴に見下ろされる状態で鈴と対峙している。
セシリアの時と言い、俺のこの構図はずっと変わらないのかもしれない……。
「一夏、アンタがどの位の強さか見せてもらうわよ」
「それはこっちも同じだぜ鈴」
そうやってお互いに戦意を高め合う。
そして、それと同時に身体の奥から闘志が湧き上がってくる。
「ねぇ一夏、賭けしない? 負けた方が勝った方の言う事を一つ聞くってのは?」
「良いぜ、それ位受けて立つ」
鈴からの提案に俺は肯定の意思を見せる。
「そう来なくちゃね!!」
鈴はそう言って自分のISの武装を展開する。
俺の言葉を聞き更に士気が上がったようだった。
鈴が呼び出した武装は青龍刀に近い形をした大型のブレードだった。
俺はその武装に合わせて、雪片弐型を展開する。
「一夏、アンタに恨みは無いけど勝たせてもらうわ! 優勝するためにね!」
「生憎とこっちも優勝しなきゃならないんでな、俺も全力で行くぜ!」
そして、アリーナに試合開始のアナウンスが鳴り響く。
『それでは、両者。試合開始!』
その宣言と共に、俺と鈴は激突した。
アリーナ中央で激しい鍔迫り合いになる。
「クッ! この『甲龍』と張り合うなんて、大したパワーね」
鈴が鍔迫り合いをしながらそう言ってくる。
「そりゃどうも。お前の機体も中々のパワーだな」
俺は鈴にそう返す。
尤も俺は、機体のパワーだけでなく、生身での剣術の経験をこの場で生かしている。
つまり、接近戦での技量は俺の方が上だ。
そう容易く鍔迫り合いで遅れは取らない。
実際のところ、鈴は押されていた。
「ハァ!!」
「クッ……! やるわね!」
俺は一気に鈴を突き放し、鍔迫り合いを解く。
そして、雪片弐型を構え直し鈴に突撃しようとするが―――
「甘いっ!!」
「グッ……!!」
腹部に凄まじい衝撃が走り、シールドエネルギーが減る。
(何が起こったんだ!?)
良く見ると、鈴のISの非固定砲台の形が変わっていた。
(多分アレだな)
俺はこの試合までの日を、A.R.O.N.Aと共に鈴の情報集めと剣術の習得に費やしていた。
その結果、彼女とその専用機についてのデータはほぼ手に入れる事が出来た。
尤も、専用機『甲龍』のデータは全ては得られなかったが……。
(射撃武器か? でも弾道が見えなかった……)
俺がそんな事を考えていると……
「へぇ、この『龍砲』を耐えるなんてやるじゃない。この『龍砲』は衝撃砲って言って衝撃を弾にして飛ばす兵器なの。だから砲身も砲弾も見えないってわけ。凄いでしょ」
鈴が自慢げにそう言ってきた。
なるほど。そりゃあ見える訳が無い……。
(だとすると、かなり厄介な武装だな)
俺は攻略法を考えようと頭を回転させる。
そして、一つの策が浮かぶがそれは諸刃の剣ともいえる策だった。
下手をすれば、シールドエネルギーを全損しかねない。
だが、このままでは鈴にやられてしまう。
(止むをえないか……!)
覚悟を決めた俺は白式に搭載されているバリアーを展開する。
そして、それと同時に鈴の龍砲が襲ってくるがバリアーの壁に阻まれ、俺に衝撃は届かなかった。
しかし、傍から見ればあたかも直撃したかのように見えた筈だ。
そこを、瞬時加速で一気に突き抜け、鈴に向けて突撃する。
鈴は直撃したと思ったのか、俺が無傷で現れたのを見て驚愕の表情を浮かべこっちを見る。
しかし、それは一瞬だけですぐに身体を向けてこちらに砲門を向けてくる。
元々鈴との距離はかなり離れていた。
つまり鈴にはそれだけの事をする時間があった。
しかし俺は突撃しながらも、冷静に鈴の様子を窺っていた。
(俺の予想が正しければ、もうすぐ何かの動きが……)
そして、鈴の目線がこちらをしっかりと捉え、表情が変わる。
(今だ!!)
表情が変わった瞬間、俺は横に移動する。
すると次の瞬間、龍砲の一撃が俺の真横を通過した。
「なっ……!?」
鈴から驚愕の声が聞こえた。
その後も数発放ってくるが、俺はその全てを回避する。
そして、とうとう鈴に肉薄し、俺は雪片弐型を最大出力に移行する。
一花が残してくれた剣術―――
「神鳴流奥義! 雷鳴―――」
雷を纏ったその刃で、鈴のISに切りかかろうとした瞬間だった。
『ズドォォン』
その轟音と共に、二人の間に割って入るように光が降ってきた。
「あ、あれは何だ!?」
光りが収まると―――そこには漆黒のISが立っていた。